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台風とハリケーンの違いは?|発生場所と強さ、共通する備えを解説

2026/07/06

防災

海外のニュースで「ハリケーン」という言葉を耳にしたとき、日本でおなじみの「台風」と何が違うのか疑問に感じたことはありませんか。
実はどちらも同じ熱帯低気圧であり、現象としての本質は変わりません。
しかし、発生する海域や最大風速の基準、回転方向などにはいくつかの違いがあります。
本記事では、台風とハリケーンの違いをわかりやすく解説するとともに、サイクロンや竜巻、タイフーンといった関連用語との違い、そして企業や家庭で備えるべき台風対策まで、防災の観点から幅広く紹介します。

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台風とハリケーンの3つの違い

台風とハリケーンは、どちらも暖かい海上で発生する熱帯低気圧という同じ気象現象です。
しかし、世界的な気象用語の整理上、いくつかの明確な違いが設けられています。

ここでは、台風とハリケーンの違いを「発生場所」「最大風速の基準」「回転方向」の3つの観点から整理し、最後にどちらが強いのかについても解説します。
違いを理解することで、海外で発生した熱帯低気圧のニュースも正確に読み解けるようになります。

違い①発生場所

台風とハリケーンの最大の違いは、発生する海域です。
同じ熱帯低気圧でも、発生海域によって呼び名が変わるのが国際的なルールです。

台風は、東経180度より西の北西太平洋および南シナ海で発生したものを指し、日本や東アジア周辺で使われる名称です。
一方、ハリケーンは北大西洋、カリブ海、メキシコ湾、西経180度より東の北東太平洋で発生した熱帯低気圧の名称となります。

違い②最大風速の基準

2つ目の違いは、台風やハリケーンと呼ばれる際の最大風速の基準です。熱帯低気圧として認定される最大風速の基準です。
台風は最大風速が約17m/s以上のものを指すのに対し、ハリケーンは約33m/s以上の風速を持つものを指します。 さらに注意したいのは、計測方法の違いです。
台風は10分間平均風速、ハリケーンは1分間平均風速で測定されており、単純に数値を比較することはできません。
そのため「台風17m/s=ハリケーン17m/s」とは言えず、勢力比較の際は基準の違いを踏まえる必要があります。

出典:気象庁「台風とは」
出典:米国国立ハリケーンセンター「Glossary of NHC Terms」

違い③回転方向

3つ目の違いは回転方向です。
台風は北半球で発生するため、コリオリの力の影響で常に反時計回りに回転します。

一方ハリケーンは、北半球で発生したものは台風と同じく反時計回りに回転します。
なお、南半球で発生する熱帯低気圧は時計回りに回転しますが、南太平洋やインド洋で発生するものは一般に「サイクロン」と呼ばれるため、ハリケーンは基本的に北半球の現象と理解しておくと整理しやすくなります。

台風とハリケーンはどちらが強いのか

平均風速の測定基準が異なるため、台風とハリケーンを厳密に比較することは難しいですが、それぞれの階級を見比べると勢力の対応関係をイメージできます。

台風には「強い(64~85ノット)」「非常に強い(85~105ノット)」「猛烈な(105ノット以上)」という階級があり、ハリケーンにはカテゴリー1(64~82ノット)からカテゴリー5(135ノット以上)までの5段階があります。
日本で「猛烈な台風」と呼ばれる勢力は、ハリケーンのカテゴリー5にほぼ相当する規模です。

過去に発生した
台風・ハリケーンの被害事例

台風とハリケーンの違いを理解したうえで、過去にどのような被害が発生したのかを確認することは、防災対策の必要性を考えるうえで重要です。
実際の事例を見ることで、停電や断水といったライフライン停止のリスクを具体的にイメージできます。

ここでは、日本国内で大きな被害を出した2つの台風の事例を紹介します。
いずれも企業や家庭の備えを見直すきっかけとなる重要な事例です。

令和元年房総半島台風(2019年台風15号)

2019年9月に千葉県を中心に上陸した台風15号は、最大瞬間風速57.5m/sを観測した非常に強い台風でした。
暴風によって電柱や送電設備が大きな被害を受け、千葉県を中心に大規模停電が発生しています。
最大で約934,900戸が停電し、一部復旧困難箇所等を除いて9月27日に復旧しましたが、インフラ被害全体の復旧までには長期間を要しました。
長期間にわたる停電は通信障害や断水等を引き起こしたほか、病院や官公庁舎など継続的な電力供給が必要な重要施設において非常用電源の導入や燃料確保が不十分であったことが浮き彫りとなり、非常用電源の重要性を改めて示した事例といえます。

出典:内閣府「2019年(令和元年)令和元年度台風第15号」

平成30年台風21号

2018年9月の台風21号は、最大瞬間風速58.1m/sを観測し、西日本から北日本にかけて広範囲に被害をもたらしました。
関西国際空港の浸水被害でも知られています。この台風による停電被害は約168万軒に達し、全復旧までに約17日間を要しました。
停電の長期化に加え、復旧見通しの情報提供の遅れやコールセンターがつながりにくい状況も発生し、ライフライン停止による影響の大きさを浮き彫りにした事例です。

出典:関西電力株式会社「台風21号対応検証委員会報告」

こうした大規模災害では、停電下でも安否確認や情報共有を継続できる仕組みが事業継続のカギを握ります。
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台風・ハリケーンと
サイクロン・竜巻・タイフーンの違い

台風やハリケーン以外にも、サイクロンや竜巻、タイフーンといった似た用語があります。
これらは混同されやすいですが、それぞれ意味や対象とする気象現象が異なります。

ここでは、台風やハリケーンとの違いを意識しながら、3つの関連用語を整理します。
用語を正しく理解しておくことで、国際的なニュースや海外拠点の災害情報を正確に把握する力が身につきます。

サイクロンとの違い

サイクロンは、主にインド洋や南太平洋で発生する熱帯低気圧を指す用語です。
最大風速が約17m/s以上のものをサイクロンと呼ぶ場合が一般的とされています。

ただし、気象学上は「低気圧そのもの」を意味する一般用語としても使われることがあり、文脈によって意味が変わる点に注意が必要です。
台風やハリケーンと同じ熱帯低気圧でありながら、発生海域が違うため別名で呼ばれていると理解しておきましょう。

竜巻との違い

竜巻は、発達した積乱雲から地表に向かって伸びる激しい渦巻き状の上昇気流のことを指します。
台風やハリケーンとは規模も発生の仕組みも大きく異なります。

台風が直径数百キロにおよぶ大規模な熱帯低気圧であるのに対し、竜巻は局地的かつ短時間で発生する突風現象です。
移動速度が速く、進路予測も難しいため、短時間で局地的に甚大な被害をもたらす点が特徴です。
台風通過時に竜巻が発生することもあるため、両者は無関係ではありません。

タイフーンとの違い

タイフーン(Typhoon)は、東経180度より西の北太平洋および南シナ海で発生する熱帯低気圧のうち、最大風速約33m/s以上のものを指す国際的な呼称です。

日本語の「台風」と発生海域は重なりますが、最大風速の基準が異なります。
日本の気象庁では最大風速約17m/s以上を台風と定義しているのに対し、国際的なタイフーンの基準はより強い風速が条件です。
同じ場所で発生していても、定義によって呼び方が変わる点を理解しておきましょう。

そもそも台風とは

台風とハリケーンの違いを理解したところで、改めて台風そのものについての基礎知識を整理しておきましょう。
台風の発生時期や発達の仕組み、特徴的な構造を知ることは、適切な防災対策を立てるうえで欠かせません。

ここでは「発生しやすい時期」「発生の仕組み」「台風の目」の3つの観点から、台風の基本を解説します。
基礎を押さえることで、気象情報の理解度が高まり、より早い段階で備えに動けるようになります。

台風が発生しやすい時期

台風は1年を通じて発生していますが、特に発生数が多いのは8月、日本への上陸数が多いのは9月とされています。
気象庁の統計でも、8〜9月は台風対策の重要なシーズンとされています。

8月の台風は太平洋高気圧の影響で進路が複雑になりやすく、9月の台風は偏西風の影響で日本に接近・上陸しやすい傾向があります。
夏から秋にかけては台風の発生・接近が増えるため、企業も家庭も8月までに備えを整えておくことが大切です。

台風ができる仕組み

台風は、暖かい海上で発生する一連の現象によって発生します。

まず海水が太陽光で温められ、大量の水蒸気が発生します。
その水蒸気が上昇気流となって空高く運ばれ、冷やされて雲をつくります。 こうしてできた積乱雲が発達し、熱帯低気圧へと成長し、さらに最大風速が約17m/s以上になると台風と呼ばれるようになります。

水蒸気が雲に変わる際に放出される「凝結熱」が台風を発達させるエネルギー源となっており、暖かい海ほど台風が強く発達する理由はここにあります。

台風の目とは何か

台風の目とは、台風の中心付近にある雲が少なく風が弱い領域のことです。
衛星画像でも丸く穴があいたように見えるため、ニュースなどでもよく取り上げられます。

台風の目に入ると一時的に風雨が弱まりますが、これは台風が去ったわけではありません。
目が通過した後は再び猛烈な暴風雨に見舞われるため、外出や復旧作業を再開するのは非常に危険です。
また、目が小さくはっきりしている台風ほど勢力が強い傾向があるとされています。

台風・ハリケーンに備えて
準備しておくこと

台風やハリケーンの違いを知ることと同じくらい重要なのが、実際の備えです。
強力な熱帯低気圧は、停電・断水・交通機関の停止など、生活や事業活動に大きな影響を及ぼします。

ここでは、家庭でも企業でも実践すべき4つの基本的な台風対策を紹介します。
いずれも平時から整えておくべき内容であり、台風シーズン前の点検項目としても活用できます。

水や食料の備蓄

台風による断水や物流停止に備え、最低3日分、できれば1週間分の水と食料を備蓄しておくことが推奨されます。
水は1人1日3リットルが目安で、家族や従業員の人数に応じて確保しましょう。

食料は、加熱不要で常温保存できるレトルト食品や缶詰、栄養補助食品が便利です。
停電によって冷蔵庫や調理器具が使えなくなる可能性も踏まえ、調理不要の食品を中心に揃えておくと安心です。
消費期限・賞味期限の定期的な確認も忘れずに行いましょう。

避難用持ち出しバッグの準備

避難所への移動が必要になったときに備え、すぐ持ち出せる避難用バッグを用意しておきましょう。
中身は水・食料・ヘルメットまたは防災ずきん・衣類・下着・懐中電灯・携帯ラジオ・予備電池・携帯充電器などが基本となります。

保管場所は玄関やリビングなど、非常時にすぐ手の届く場所が望ましいです。
企業の場合は、従業員の人数や事業所の立地に応じて、共用の備蓄品とは別に個人で持ち出せるバッグの準備を促すと、より実効性の高い備えとなります。

避難ルート・避難場所の確認

台風や大雨の際には、洪水や土砂災害のリスクが高まります。
自治体が公開している洪水ハザードマップを確認し、自宅や事業所周辺の浸水想定区域や避難場所を把握しておきましょう。

あわせて、安全な避難経路と家族や従業員との連絡方法を平時のうちに決めておくことが重要です。
台風接近後に確認するのではなく、平時の落ち着いた状況で計画を立てておくことが、いざというときの判断スピードを左右します。

非常用電源の確保

台風による停電は長期化する可能性があるため、ポータブル電源などの非常用電源の確保は欠かせません。
スマートフォンの充電や小型家電の使用ができるだけでなく、室内で安全に使えるため家庭・事業所どちらでも活用できます。

持ち運びができるため避難先でも使え、ソーラーパネルと併用すれば長期停電にも対応できます。
アウトドアや日常の節電にも使えるため、防災用途以外でも導入メリットがあります。
停電下でも従業員の安否確認や情報共有を継続できる仕組みづくりとあわせて検討するとよいでしょう。

停電や通信の混乱が予想される台風時こそ、安否確認や緊急連絡を一元化できる仕組みが事業継続を支えます。
総合防災アプリ「クロスゼロ」のデモを通じて、実際の操作画面や運用イメージを確認してみてください。

まとめ

台風とハリケーンは、どちらも熱帯低気圧という同じ気象現象ですが、発生場所・最大風速の基準・回転方向に違いがあります。
名称の違いを理解するだけでなく、いずれも停電や断水など生活インフラに甚大な影響を及ぼすリスクがある点を押さえておくことが重要です。

水・食料・避難経路・非常用電源といった備えを、平時から計画的に整えておきましょう。
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