【命を守る】マイ・タイムラインとは?|作成方法と防災に役立てるコツ
2026/07/03
近年、台風や線状降水帯による大雨など、激甚化する気象災害から命を守るためには、災害が起こる前の「備え」が決定的に重要です。
そのための具体的な手段として注目されているのが「マイ・タイムライン」です。
マイ・タイムラインとは、一人ひとりが自然災害に備えて、避難に向けた行動を時系列で整理する防災行動計画のこと。
本記事では、マイ・タイムラインの基本的な意味から、ハザードマップを活用した作成手順、家族構成に合わせた工夫、警戒レベルごとの行動例まで、防災担当者やご家庭で実践できる形で詳しく解説します。
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マイ・タイムラインとは
マイ・タイムラインとは、自然災害から命を守るために、避難に備えた行動を一人ひとりがあらかじめ時系列で整理しておく「防災行動計画」を指します。
災害が迫ったときや実際に発生したときに、慌てず適切な避難行動を取ることが目的です。
家庭でも企業のBCP対策でも、行動の遅れが被害を拡大させる要因となるため、事前準備としてのマイ・タイムラインの重要性が高まっています。
マイ・タイムラインが有効な災害の種類
マイ・タイムラインは、気象情報からある程度予測できる災害に対して特に高い効果を発揮します。
大雨・台風・河川氾濫・高潮・土砂災害・内水氾濫など、進行に時間的猶予がある災害が主な対象です。
地震のような突発的な災害とは異なり、これらは数時間から数日先までの気象予測が可能なため、「いつ」「何をするか」を段階的に決めておくことで、混乱なく避難行動に移ることができます。
マイ・タイムラインで決めておくべき要素
マイ・タイムラインで重要なのは、「いつ」「誰が」「何をするか」を具体化することです。
特に避難開始のタイミングは、自宅の立地や家族構成によって異なります。
台風接近の72時間前から始まり、警報発表時、警戒レベル3・4の発令時など、節目ごとの行動を明確にしておくと、判断に迷いません。
また、平時の備蓄品準備や情報収集の手段も、マイ・タイムラインの一部として組み込んでおくことが大切です。
企業のBCP対策としてのマイ・タイムライン
個人だけでなく、企業のBCP対策においてもマイ・タイムラインの考え方は欠かせません。
従業員一人ひとりが自宅周辺と勤務先双方のリスクを把握し、出社判断や帰宅困難時の行動をあらかじめ決めておくことで、組織としての災害対応力が向上します。
台風接近時の早期退勤判断や在宅勤務切り替えのルールも、企業版マイ・タイムラインとして整備しておくと安全です。
マイ・タイムラインを
役立てるための前提知識
マイ・タイムラインを実効性のある計画にするためには、いくつかの前提知識が必要です。
地域の災害リスク、ハザードマップ、気象情報、避難情報の意味を理解することで、初めて適切なタイミングで行動できるようになります。
ここでは、マイ・タイムライン作成の土台となる知識を整理して解説します。
地域の災害リスクを知っておく
地域によって起こりやすい災害や、避難までに残された時間は大きく異なります。
自分の生活圏で想定されるリスクを把握することが、マイ・タイムライン作成の出発点です。
大雨・台風時に想定される主なリスクには、河川の堤防が決壊する「外水氾濫」、山間部での「土砂災害」、海岸付近での「高潮」、都市部で排水能力を超えて発生する「内水氾濫」があります。
自宅だけでなく、通勤・通学先やよく行く場所のリスクも併せて確認しておくと、より実用的な計画になります。
ハザードマップで地域の災害リスクを調べる
ハザードマップは、地域の災害リスクを地図上に可視化したもので、洪水・内水・高潮・津波・土砂災害・火山・地震など災害種別ごとに作成されています。
浸水想定区域や浸水深、土砂災害警戒区域、避難場所・避難所、避難経路などを確認でき、自治体窓口やホームページ、国土交通省「ハザードマップポータルサイト」から入手可能です。
近くの避難所が必ずしも安全とは限らないため、災害の種類によって避難先を変える視点が欠かせません。
気象情報と警戒レベルを正確にキャッチする
気象庁が発表する注意報・警報・特別警報は、それぞれ災害発生の切迫度を示しています。
注意報は「災害が起こるおそれ」、警報は「重大な災害が起こるおそれ」、特別警報は「数十年に一度の重大な災害が起こるおそれが著しく高い場合」に発表されます。
さらに、避難情報は5段階の警戒レベルで整理されており、氾濫、大雨、土砂災害、高潮においては、レベル2が注意報、レベル3が警報、レベル4が危険警報、レベル5が特別警報として発表されます。
警戒レベル5を待たず、レベル4までに避難を完了させることが鉄則です。
地域のリスクや気象情報を正確に把握したうえで、組織や家族に確実に情報を届ける仕組みも重要です。
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マイ・タイムラインの作り方
ここからは、実際にマイ・タイムラインを作成するための具体的な手順を解説します。
準備するものを揃え、ハザードマップで自宅周辺のリスクを確認し、家族構成に応じた避難行動を時系列で書き出すという3ステップで進めます。
一度作成すれば、家族や職場のメンバーと共有することで、災害時の判断スピードが格段に向上します。
準備するものとフォーマット
マイ・タイムラインの作成に必要なのは、ハザードマップ、白紙または専用フォーマット、筆記具、カラーペンの4点です。
自治体や国土交通省、防災士会などが提供する無料テンプレートを活用すると、初めての方でも作成しやすくなります。
家族で共有しやすいA4サイズに印刷し、警戒レベルごとに色分けしておくと、視認性が高まり、いざというときに素早く確認できます。
手順1|ハザードマップで避難先と経路を確認
最初のステップは、ハザードマップで自宅周辺の災害リスクを把握することです。
自宅の浸水深や土砂災害警戒区域への該当有無、最寄りの避難所、避難経路を必ず確認しましょう。
避難所自体が浸水想定区域内にある場合や、避難経路が冠水しやすい道路、橋、地下道を含む場合は、別ルートや代替の避難先を検討する必要があります。
夜間や豪雨時でも安全に通れるかをイメージしながら経路を選ぶことがポイントです。
手順2|家族構成・ライフスタイルを整理
次に、家族構成や生活スタイルを確認します。
一人暮らしか同居家族がいるか、高齢者・乳幼児・障がいのある方・妊産婦などの要配慮者がいるか、ペットの有無、日中の家族の所在地などを書き出しましょう。
同じ地域に住んでいても、家族構成によって避難開始のタイミングや必要な持ち物は大きく異なります。
要配慮者がいる家庭は、警戒レベル3(高齢者等避難)の発令時点で避難を始める前提で計画を立てます。 要配慮者がいる場合は、自治体の避難行動要支援者名簿への登録や、民生委員・地域支援者との連携も検討してください。
また、離れて暮らす家族がいる場合は、互いのマイ・タイムラインを共有し、電話がつながらないときの連絡方法(災害用伝言ダイヤル、メッセージアプリなど)を事前に決めておくことが重要です。
手順3|警戒レベル別の避難行動を決める
最後に、警戒レベルごとに「いつ」「誰が」「何をするか」を具体的に書き込みます。
平時には避難場所・経路・連絡手段を決め、備蓄品と非常持ち出し袋を準備します。
警戒レベル1では気象情報を確認し、レベル2でハザードマップを再確認、レベル3で要配慮者の避難開始、レベル4で全員避難、レベル5では命を守る最善の行動を取ります。
各段階での行動を一覧化することで、判断に迷う時間を最小化できます。
以下は、警戒レベル別の行動例をまとめた表です。
家族や職場の状況に合わせてカスタマイズしてご活用ください。
| 段階 | 主な行動例 |
|---|---|
| 平時 |
避難場所・経路・連絡手段を決定。 備蓄品と非常持ち出し袋を準備 |
| 警戒レベル1 |
気象情報を確認。 非常持ち出し袋・備蓄品を再確認。 家の周りを点検 |
| 警戒レベル2 |
ハザードマップを再確認。 スマホ・モバイルバッテリーを充電。 必要品を持ち歩く |
| 警戒レベル3 |
家族へ情報共有。 避難所開設状況を確認。 要配慮者は避難開始 |
| 警戒レベル4 |
全員避難開始。 すでに浸水している場合は在宅避難・垂直避難も検討 |
| 警戒レベル5 |
命を守る最善の行動を取る。 屋外避難が危険なら建物の高い場所へ移動 |
こうしたマイ・タイムラインを企業全体で運用するには、従業員一人ひとりの状況を把握し、状況に応じた一斉通知や安否確認を効率化する仕組みが不可欠です。
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マイ・タイムラインの
定期的な見直しのコツ
マイ・タイムラインは、作って終わりではありません。
家族や職場のメンバーと共有し、生活環境や組織の変化に合わせて定期的に更新していくことで、初めて実効性のある防災行動計画になります。
ここでは、共有方法と見直しタイミング、企業での運用のポイントを解説します。
家族・職場での共有方法
マイ・タイムラインは、家族全員で内容を確認し、冷蔵庫や玄関など見える場所に掲示することが基本です。
スマホで写真を撮って保存しておけば、外出先でも内容を確認できます。
離れて暮らす家族にも共有し、子どもにもわかる言葉で説明しておきましょう。
職場では、各従業員のマイ・タイムラインを総務や防災担当者が把握し、台風接近時の出社可否判断や帰宅困難時の対応に活用できる体制を整えておくと安心です。
見直すべきタイミング
マイ・タイムラインは、年1回、台風シーズン前に見直すのが基本です。
加えて、引っ越し後、家族構成が変わったとき、進学・就職・転勤があったとき、避難所やハザードマップが更新されたときには、その都度内容を更新する必要があります。
要配慮者の体調や介助状況が変わった場合も、避難開始タイミングや支援者の見直しが欠かせません。
生活の変化に合わせて柔軟にアップデートしていきましょう。
企業の防災対策で実効性を高める運用
企業でマイ・タイムラインを運用する際は、机上訓練やシミュレーション訓練を組み合わせて、計画と現実のズレを定期的に検証することが重要です。
また、緊急連絡先や安否確認の連絡網は、電話混線時にも機能する仕組みを準備しておく必要があります。
保存水や備蓄品の消費期限・賞味期限を管理し、定期的に入れ替える運用ルールも整備しておくと、いざというときに慌てません。
企業のBCP対策として、マイ・タイムラインの共有・運用・更新を効率化するなら、総合防災アプリ「クロスゼロ」の活用が有効です。
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まとめ
マイ・タイムラインは、台風や大雨など予測できる災害から命を守るために、避難に向けた行動を時系列で整理する防災行動計画です。
ハザードマップで地域のリスクを把握し、家族構成やライフスタイルに合わせて警戒レベルごとの行動を決め、共有と定期的な見直しを行うことで、実効性のある計画になります。
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