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【担当者必見】企業の帰宅困難者対策ガイド|必要な備えと運用のコツ

2026/04/16

防災

大規模地震や台風などの災害が発生すると、公共交通機関が停止し、多くの人が帰宅困難な状態に陥ります。
企業には従業員だけでなく来客者の安全確保も求められており、帰宅困難者対策は組織運営における重要な課題です。

本記事では、企業の総務・防災担当者や経営者の方に向けて、帰宅困難者対策の基礎知識から具体的な実務まで解説します。
備蓄品の整備やオフィスの安全対策、BCP策定、安否確認システムの導入など、即効性の高い対策をまとめました。

この記事を参考に、自社の帰宅困難者対策を見直し、災害時に従業員と事業を守れる体制を構築していきましょう。

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帰宅困難者について企業が
知っておくべき定義

帰宅困難者対策を適切に行うためには、まず帰宅困難者の定義と、企業が保護すべき対象者の範囲を正確に理解することが重要です。
ここでは、内閣府の定義や統計上の判断基準、そして企業視点での対象者について解説します。

帰宅困難者の定義と判断基準

帰宅困難者とは、大規模災害により公共交通機関が広範囲で停止し、徒歩での帰宅が困難な状態になった人を指します。
主な原因としては、大規模地震、台風や豪雨による交通機関の停止、広域的な交通麻痺などが挙げられます。

内閣府の定義によれば、帰宅困難者とは「公共交通機関が広範囲に運行を停止し復旧の見込みがない状況において、徒歩による帰宅が困難な者」とされています。

出典: 内閣府「災害発生時における 大規模な帰宅困難者等の発生への 対策に関するガイドライン」

統計上の判断基準には、帰宅距離による分類が用いられます。
一般的に10km以内は全員が徒歩帰宅可能、10〜20kmでは距離1km増加ごとに帰宅可能率が10%ずつ低下し、20km以上では全員が帰宅困難になるとされています。

企業が保護すべき帰宅困難者の範囲

企業視点で帰宅困難者対策を考える場合、保護すべき対象者は従業員だけではありません。
オフィスに滞在している来客者、外出中の従業員、通勤・帰宅途中の従業員も対象に含まれます。

特に都市部のオフィスビルでは、取引先の担当者や配送業者など、多くの来訪者が日常的に出入りしています。
災害発生時には、これらの人々の安全確保も企業の責任として求められる場合があります。

災害時要援護者への配慮

帰宅困難者の中でも、特に配慮が必要な「災害時要援護者」の存在を忘れてはなりません。
具体的には、高齢者、病人、乳幼児、妊婦、そして避難や情報取得が困難な障がいのある方などが該当します。

これらの方々は、長時間の待機や徒歩移動が身体的に困難な場合があります。
企業は自助・共助・公助の連携を意識しながら、要援護者への特別な配慮を含めた対策を講じる必要があります。

企業における帰宅困難者対策が
必要な理由

帰宅困難者対策は単なる福利厚生ではなく、企業の社会的責任とリスクマネジメントの観点から不可欠な取り組みです。
ここでは、企業が帰宅困難者対策に取り組むべき重要な理由を解説します。

二次災害と群衆事故の防止

大規模災害後に多くの人が一斉に帰宅を始めると、群衆雪崩(将棋倒し)などの深刻な二次災害が発生するリスクがあります。
余震による落下物、停電による視界不良、パニック状態での押し合いなど、帰宅途中での事故は命に関わる問題です。

2011年の東日本大震災では、首都圏で約515万人の帰宅困難者が発生しました。

出典: 内閣府「平成27年版 防災白書|第1部 第1章 第2節 2-4 帰宅困難者等対策」

駅周辺や主要道路は人で溢れ、混乱状態が長時間続きました。
企業が従業員を安全に待機させることで、こうした二次災害を防ぐことができます。

緊急車両の通行確保と救助活動への協力

大量の徒歩帰宅者が道路に溢れると、緊急車両の通行が妨げられ、救助活動に支障をきたす恐れがあります。
救急車や消防車が渋滞に巻き込まれれば、迅速な救命活動が困難になるため、企業による一斉帰宅の抑制が重要です。

企業が従業員の一斉帰宅を抑制することは、社会全体の救助活動を支援することにもつながります。

行政方針に基づく一斉帰宅の抑制

行政の防災方針として、大規模災害時には「むやみに移動しない」ことが基本原則とされています。
発災から約3日間は救命・消火活動が優先され、4日目以降に帰宅支援が本格化するのが一般的な流れです。

内閣府が示すガイドラインでは、大規模地震発生時には企業が従業員を施設内に待機させ、一斉帰宅の抑制をすることが求めています。
約3日間は社内待機を原則とし、安全確認後に段階的な帰宅支援を行うことが推奨されています。

出典: 内閣府「災害発生時における 大規模な帰宅困難者等の発生への 対策に関するガイドライン」

企業には法的な安全配慮義務もあり、災害時の適切な対応を怠ると損害賠償責任を問われる可能性があります。
帰宅時には本人の意思確認を行い、帰宅者の把握・管理を徹底することが求められます。

帰宅困難者対策の実務①
防災グッズ・食料備蓄の整備

従業員を安全に社内待機させるためには、十分な防災グッズと食料の備蓄が不可欠です。
ここでは、具体的な備蓄量の目安と必要物資、そして効率的な管理方法について解説します。

備蓄量の目安と必要物資リスト

備蓄量の目安は最低3日分、できれば1週間分の確保が推奨されています。
災害の規模によっては、物流の復旧や行政支援の到着に時間がかかることを想定しておく必要があります。

以下は、1人あたりに必要な主な備蓄物資のリストです。
これらを従業員数に加え、来客分も含めた数量で準備しておくことが重要です。

カテゴリ 必要物資
飲料水 1日3L×3日分=9L
食料 1日3食×3日分=9食(アルファ米、乾パン、缶詰など)
防寒具 毛布または保温シート
トイレ 非常用トイレ(1日5回×3日分=15回分)
衛生用品 ウェットティッシュ、マスク、消毒液
救急用品 救急セット、常備薬
安全装備 ヘルメット、軍手、ポリ袋

備蓄品の管理と補助金制度の活用

備蓄品は購入して終わりではなく、継続的な品質管理が必要です。
食料や水には消費期限・賞味期限があるため、定期的なチェックと入れ替えを行う仕組みを構築しましょう。

ローリングストック法を活用すれば、日常的に消費しながら備蓄を維持できます。
賞味期限が近い備蓄食を社内イベントで消費し、新しいものを補充するサイクルを作ることで、無駄なく備蓄を管理できます。

また、自治体によっては企業の防災備蓄に対する補助金制度を設けている場合があります。
東京都の「帰宅困難者対策条例」に基づく補助金など、活用できる制度がないか確認しておくことをおすすめします。

なお、労働契約法に基づく安全配慮義務の観点から、備蓄不足によって従業員に健康被害が生じた場合、企業が責任を問われる可能性があります。
リスクマネジメントの観点からも、適切な備蓄体制の構築が推奨されます。

帰宅困難者対策の実務②
オフィスの耐震・安全対策

従業員を社内に待機させる以上、オフィス自体の安全性を確保することが大前提となります。
地震発生時に什器が転倒したり、ガラスが飛散したりすれば、待機中に負傷者が出てしまいます。

什器固定と転倒防止対策

オフィス内の什器固定は、帰宅困難者対策の基本中の基本です。
書棚やロッカー、キャビネットなどの大型什器は、L字金具や突っ張り棒で壁や天井に固定しましょう。

パソコンやプリンター、コピー機などのOA機器も転倒・落下防止対策が必要です。
耐震マットや固定ベルトを活用し、機器が飛び出したり落下したりしないよう対策を講じてください。

窓ガラスや間仕切りガラスには、飛散防止フィルムを貼ることで、破損時のケガを防げます。
特に高層階のオフィスでは、揺れが大きくなるため、より入念な対策が求められます。

避難動線の確保とレイアウト見直し

災害発生時に安全に避難できるよう、日頃から避難動線を確保しておくことが重要です。
出入口付近や通路に物を置かない、避難経路を明示するなど、基本的な整理整頓を徹底しましょう。

オフィスレイアウトそのものを見直し、避難のしやすさを考慮した配置にすることも効果的です。
デスクの向きや通路幅の確保、非常口への動線を意識したレイアウト変更を検討してみてください。

また、定期的な避難訓練を実施し、従業員全員が避難経路を把握している状態を維持することが大切です。
訓練を通じて課題を発見し、継続的に改善していくことで、実効性のある対策が実現します。

災害時の安全確保と迅速な情報共有を実現するためには、日頃からの備えとシステムの活用が欠かせません。
総合防災アプリ「クロスゼロ」は、安否確認機能や緊急連絡機能を備え、企業の帰宅困難者対策をサポートします。

帰宅困難者対策の実務③
BCP・防災マニュアル策定と
安否確認

備蓄や設備面の対策に加えて、災害時の行動指針となるBCP(事業継続計画)と防災マニュアルの策定が重要な取り組みとなります。
また、従業員の安否を迅速に確認できる安否確認システムの導入も、帰宅困難者対策の重要な柱となります。

BCPと防災マニュアルの役割

BCP(事業継続計画)とは、災害などの緊急事態において被害を最小限に抑え、事業の早期復旧を目指すための計画です。
帰宅困難者対策は、BCPにおける「人的資源の保護」として重要な役割を担います。

BCPを策定することで、災害時に冷静な判断ができる体制が整います。
サプライチェーンの保護、事業継続上の課題の可視化など、企業全体のリスクマネジメントにもつながります。

一方、防災マニュアルは従業員一人ひとりの「命を守る行動基準」として機能します。
役割分担の明確化、情報収集・伝達ルートの確立など、具体的な行動指針をまとめておくことが重要です。

防災対策本部の設置場所や担当者の決定、指揮命令系統の明確化など、必須事項を漏れなく記載しましょう。
マニュアルは作成して終わりではなく、定期的な見直しと更新が必要です。

安否確認システムの導入と運用ルール

災害発生時、従業員全員がオフィスにいるとは限りません。
外出先や通勤途中で被災した従業員の安否を迅速に確認するためには、安否確認システムの導入が有効です。

安否確認システムを導入することで、電話やメールでは難しい一斉連絡と自動集計が可能になります。
通信が混雑する災害時でも、効率的に安否情報を収集できる仕組みを構築できます。

安否確認システムの主な機能としては、自動集計機能、家族の安否確認機能、一斉通知機能、掲示板機能などがあります。
これらの機能を活用することで、救助の優先順位付けや業務再開計画の策定にも役立ちます。

システム導入後は、運用ルールの明確化が重要です。
管理者の明確化、登録データの定期更新、定期的なテスト配信の実施など、運用面の体制を整えましょう。

日常業務での連絡ツールとしても活用することで、従業員への浸透を図れます。
緊急時だけでなく普段から使い慣れておくことで、いざという時にスムーズに対応できます。

定期訓練による実効性の確保

BCP・防災マニュアル・安否確認システムは、作成・導入しただけでは十分な効果を発揮しません。
定期的な訓練を通じて、従業員全員が内容を理解し、実際に行動できる状態にしておく必要があります。

机上訓練や実地訓練を定期的に実施し、計画と実態のギャップを把握することが重要です。
訓練で発見された課題は、マニュアルの改訂やシステムの運用改善に反映させましょう。

特に安否確認システムについては、年に数回のテスト配信を行い、従業員の回答率や回答までの時間を確認しておくことをおすすめします。
実際の災害時に確実に機能するよう、日頃からの準備が欠かせません。

まとめ

本記事では、企業に求められる帰宅困難者対策について、定義から具体的な実務まで解説しました。
帰宅困難者対策の基本は「一斉帰宅させない」「社内待機を前提に備える」という考え方に集約されます。

具体的な対策としては、防災グッズ・食料の備蓄、オフィスの耐震・安全対策、BCP・防災マニュアルの策定、安否確認システムの導入という4つの柱が、特に重要な対策として挙げられます。
これらを組み合わせることで、災害時に従業員と事業を守る体制を構築できます。

日本は地震や台風など、交通麻痺リスクが高い国です。
「災害は突然発生する」という前提に立ち、平時からの備えを着実に進めていきましょう。

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