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ローリングストックの始め方を解説するブログのアイキャッチ画像。食品が並んだイラストが描かれている。

【事前に備える】ローリングストックとは?始め方と食品備蓄のポイント

2026/05/12

防災

日本は自然災害が発生しやすい国であり、地震や台風、豪雨などへの備えが常に求められます。
企業においても、従業員の安全確保や事業継続(BCP)の観点から、食料備蓄は重要な対策の一つです。

しかし、従来の備蓄方法では「いつの間にか期限が切れていた」「管理が煩雑で後回しにしている」といった課題を抱えるケースも少なくありません。
こうした課題の解決策として注目されているのが「ローリングストック」です。

ローリングストックとは、日常的に消費する食品を多めに備え、古いものから消費して減った分を補充する仕組みです。
この手法を取り入れることで、期限切れによる廃棄を抑制し、常に鮮度の高い備蓄を維持しやすくなります。

本記事では、ローリングストックの基本から企業での活用メリット、継続運用のコツまで詳しく解説します。
防災担当者や総務担当者の方は、ぜひ自社の備蓄管理を最適化する参考にしてください。

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ローリングストックの
基本の仕組み

ローリングストックとは、日常的に消費する食品を多めに備蓄し、消費と補充を繰り返して一定量を維持する方法です。
この章では、ローリングストックの基本的な定義と従来の備蓄方法との違いについて解説します。

ローリングストックの定義と提唱元

ローリングストックとは、普段の食品を少し多めにストックし、古いものから順に使いながら補充する備蓄手法です。
特別な非常食を揃えなくても、日常生活の延長で災害への備えができる点が特徴です。

農林水産省は2019年に「災害時に備えた食品ストックガイド」を公表し、家庭や企業における食品備蓄の重要性とローリングストックの有効性を示しました。

ローリングストックの「ローリング」は「回転」を意味し、備蓄品を循環させて鮮度を保つ仕組みを指します。
単に保管するだけの従来型とは異なり、生活と防災を一体化させた合理的な考え方といえます。

従来の非常食備蓄との比較

従来の備蓄は、長期保存が可能な専用品を別途管理する方法が一般的でした。
しかし、この方法では期限切れの見落としや、管理コストの増大といった課題が生じやすくなります。

以下の表で、従来の備蓄方法とローリングストックの違いを比較します。

項目 従来の備蓄 ローリングストック
管理方法 非常用として別管理 日常と兼用
保存期間 長期保存中心(3〜5年) 日常消費ベース(数か月〜1年)
期限切れリスク 高い 低い(常に更新される)
食べ慣れた味 非常食特有の味 普段食べている味

このように、ローリングストックは管理の負担を抑えつつ常に新鮮な状態を維持できるのがメリットです。
企業においても、備蓄管理の負担軽減と廃棄コストの抑制に寄与します。

食品以外への応用範囲

ローリングストックの考え方は食品だけでなく、日用品や衛生用品にも応用できます。
普段使うものを少し多めにストックしておくことで、緊急時の物資不足を防げます。

具体的には、以下のような品目がローリングストックに適しています。

  • ウェットシート・ウェットティッシュ
  • 乾電池・モバイルバッテリー
  • トイレットペーパー・ティッシュペーパー
  • カセットボンベ
  • 常備薬・救急用品

これらは食品に比べて使用期限が長く、管理も比較的容易です。
企業でも、オフィスや拠点で日用品のストックを習慣化することで、災害対応力が向上します。

ローリングストックの
3つのメリット

ローリングストックは家庭だけでなく、企業においても多くの利点があります。
ここでは、企業がローリングストックを導入することで得られる主なメリットを3つ紹介します。

食品ロス削減と期限管理の効率化

ローリングストックの導入は、備蓄食品の期限切れに伴う廃棄の削減に有効です。

消費者庁の発表によると、令和4年度の推計値では日本の食品ロスは年間約472万トンに上り、そのうち事業系食品ロスは約236万トンを占めています。

出典: 消費者庁「令和4(2022)年度食品ロス量推計値の公表について」

企業が期限が近づいた備蓄品を従業員に配布し、新たに補充するサイクルを作ることで、廃棄コストを抑えられます。
また、実際に試食する機会を設けることは、社内の防災意識を高めるきっかけにもなります。

非常時における従業員のストレス軽減

災害時に食べ慣れた食品を口にできることは、従業員の心理的な安心感につながります。
特に、不自由な避難生活や帰宅困難時において、日常と同じ味の食事はストレス緩和に寄与します。

従来の非常食は保存性を優先するため、日常の食事とは風味や食感が異なる場合があります。
一方、ローリングストックで備える食品は普段使いの品であるため、災害時でも抵抗なく受け入れやすいのが利点です。

また、食物アレルギーへの対応が必要な従業員に対しても、普段から安全性が確認されている食品を備えておくことで、迅速かつ適切な提供が可能になります。

栄養バランスの確保と体調管理

従来の備蓄は炭水化物に偏りやすく、ビタミンや食物繊維が不足する傾向があります。

ローリングストックでは多様な食品を循環させるため、栄養面でのバランスを考慮した備蓄がしやすくなります。
レトルト食品や缶詰、野菜ジュースなどを組み合わせ、必要な栄養素を確保しましょう。

特に、災害後の業務継続(BCP)において、従業員の健康維持は重要な要素です。
企業の防災計画には、栄養管理まで見据えた備蓄の検討が求められます。

こうした備蓄管理を効率的に進めるためには、備蓄品の内容や数量を適切に把握・管理できる仕組みが必要です。
総合防災アプリ「クロスゼロ」は、安否確認に加え、備蓄品管理まで一元的にサポートする機能を備えています。

ローリングストックの始め方

ローリングストックを成功させるためには、正しい運用方法を理解し、日常業務の中に組み込むことが重要です。
この章では、企業でローリングストックを実践する際の具体的なポイントを解説します。

FIFO管理で期限の近い順に消費

ローリングストックの運用の基本は、古いものから順に消費する「FIFO(先入れ先出し)」の徹底です。
この原則を守ることで、期限切れによる廃棄リスクを最小限に抑えられます。

具体的な管理方法として、以下のポイントを押さえましょう。

  • 保管場所の手前に消費期限・賞味期限が近いものを配置する
  • 奥に新しく購入したものを入れる
  • 期限表示が見えるように配置する
  • 定期的に在庫確認を行う

企業の備蓄倉庫や防災用品保管庫でも、この原則を適用することで管理の負担を軽減できます。
担当者が交代しても支障がないよう、配置ルールをマニュアル化しておくとスムーズです。

消費後の補充ルールを決める

ローリングストックを継続するためには、消費した分を確実に補充するルールを設けることが、備蓄量を維持する鍵となります。
補充を怠ると、いざという時に備蓄量が不足してしまいます。

補充のルールを決める際のポイントは以下のとおりです。

  • 補充の担当者と責任者を明確にする
  • 補充のタイミングを決める(例:毎月1日、在庫が半分になったら等)
  • 発注先と発注方法を統一する
  • 補充記録を残す仕組みを作る

企業規模に応じ、定期配送サービスの利用を検討するのも有効です。
また、備蓄品管理表を作成し、消費と補充の履歴を記録しておくと、過不足なく在庫を維持できます。

熱源(カセットコンロ)の確保

食料備蓄だけでなく、調理手段として熱源を確保しておくこともローリングストックを実践するうえで重要です。
停電時でも温かい食事が摂れる環境は、従業員の健康と精神面の維持に役立ちます。

熱源の確保に関する目安は以下のとおりです。

  • カセットコンロ:拠点ごとに最低1台
  • カセットボンベ:4人家族で1週間使用する場合、約5本が目安

カセットボンベにも使用期限(製造から約7年とされる)があるため、食品同様にローリングストックの対象として管理してください。
定期的に使用し、使った分を補充することで、いざという時に使えない事態を防げます。

また、電気やガスが使えない状況を想定し、加熱不要で食べられる食品も一定数組み合わせておくと、より確実な備えとなります。
「食料+調理手段」のセットで備えることで、はじめてローリングストックが機能します。

ローリングストックにおける
おすすめの食品

ローリングストックの運用を円滑にするには、自社に適した食品選びが大切です。
この章では、備蓄に適した食品の条件と具体的なおすすめ食品を紹介します。

備蓄に適した食品の4つの条件

ローリングストックに適した食品は、常温保存ができ、非加熱でも食べられるものが基本です。
すべての条件を満たす必要はありませんが、以下の4つの条件を参考に食品を選びましょう。

条件 理由
常温保存可能 停電時でも保管できる
非加熱でも食べられる 熱源がなくても食事できる
容器不要(そのまま食べられる) 洗い物や廃棄物を減らせる
省スペース 保管場所を効率的に使える

これらの条件を意識しながら、日常的に消費できる食品を選ぶことがポイントです。
従業員の好みやアレルギーにも配慮し、多様な種類を揃えておくとよいでしょう。

主食・おかず・補助食品の具体例

ローリングストックでは、主食・おかず・補助食品をバランスよく備蓄することで、災害時の栄養バランスを維持できます。

主食系の備蓄食品として適しているものは以下のとおりです。

  • パックご飯(電子レンジがなくても湯煎で食べられるものが便利)
  • 乾麺(うどん、そば、パスタなど)
  • シリアル・グラノーラ
  • クラッカー・乾パン

おかず・タンパク質源として備蓄したい食品は以下のとおりです。

  • レトルト食品(カレー、牛丼の具、ハンバーグなど)
  • 缶詰(ツナ、サバ、焼き鳥、コンビーフなど)
  • 魚肉ソーセージ
  • レトルトスープ

栄養補助・嗜好品として備えておきたいものは以下のとおりです。

  • ゼリー飲料(手軽にエネルギー補給できる)
  • 野菜ジュース(ビタミン補給に有効)
  • ドライフルーツ・ナッツ類
  • チョコレート・飴(ストレス軽減に効果的)

嗜好品は災害時の心理的なケアにも役立ちます。
非常時のストレスを和らげるため、適度に備蓄しておくことをおすすめします。

保存水の重要性とローリングストックとの相性

水は命に関わる最優先の備蓄品であり、ローリングストックとも好相性です。
水は消費量が一定で容積も変わらないため、管理がしやすいという特徴があります。

水の備蓄量の目安は、1人あたり1日3リットルとされます。
企業では「従業員数×3リットル×日数分」を基準に必要量を算出してください。

内閣府は、最低3日分、できれば1週間分の水と食料を備蓄することを推奨しています。

出典: 首相官邸「災害が起きる前にできること」

保存水は長期保存タイプ(5〜10年保存可能)もありますが、通常のミネラルウォーター(2年程度)でもローリングストックで運用すれば問題ありません。
オフィスの来客用や会議用として日常的に使用しながら、使った分を補充する運用が効果的です。

ローリングストックの課題

ローリングストックは有効な手段ですが、運用が続かないという課題も散見されます。
この章では、よくある課題とその解決策を具体的に紹介します。

期限管理が面倒な場合の対処法

ローリングストックが続かない最大の理由の一つが、期限チェックの煩雑さです。
多忙な通常業務の中で、備蓄品を個別に確認するのは負担が大きく、放置される原因となります。

この課題を解決するための方法として、以下のような工夫があります。

  • 週1回「備蓄消費デー」を設定し、期限が近いものを消費する機会を作る
  • 期限が近い食品を社員食堂や休憩室で提供する
  • 備蓄品管理表を作成し、期限順にリスト化しておく
  • スマートフォンのリマインダー機能で期限を通知させる

企業規模が大きい場合は、備蓄品管理システムやアプリを活用することで、管理の手間を大幅に削減できます。
定期的な棚卸しのタイミングを決めておくことも、継続のコツです。

保管場所が不足する場合の工夫

オフィススペースが限られている企業では、備蓄品の保管場所の確保が課題となることがあります。
この場合は、分散備蓄という考え方が有効です。

分散備蓄の具体的な方法は以下のとおりです。

  • キッチン・給湯室に食品を分散配置する
  • 各フロアの収納スペースに少量ずつ保管する
  • デスク周りに個人用の備蓄を推奨する
  • 倉庫だけでなく会議室の棚も活用する

分散配置は、一部の保管場所が被災・損壊した際の「リスク分散」にも繋がります。
ただし、全体の在庫状況をリスト等で可視化しておくことが重要です。

補充を忘れないための仕組みづくり

消費後の補充忘れは、備蓄不足に直結する深刻な課題です。
補充が自動的、あるいはルーティンとして行われる仕組みを構築しましょう。

補充を忘れないための仕組みとして、以下の方法が効果的です。

  • 定期購入サービスを利用し、自動的に補充される仕組みを作る
  • 月次の防災点検と連動させ、補充確認をルーティン化する
  • 消費したら即座に発注する担当者を決める
  • 在庫が一定量を下回ったら通知が来るシステムを導入する

自社の環境においてローリングストックの運用が難しい場合は、長期保存品を併用するなど柔軟な選択も検討してください。
重要なのは、形にこだわらず備えを途切れさせないことです。

企業の備蓄品管理を効率化するには、専用のシステムやアプリの活用が効果的です。
総合防災アプリ「クロスゼロ」では、備蓄品の消費期限管理や必要な備蓄量の目安確認など、備蓄管理に特化した機能を備えています。
実際にどのような管理が行えるかを具体的に知りたい方は、ぜひ資料をダウンロードしてご確認ください。

まとめ

ローリングストックは、日常の食品を多めに備え、消費と補充を繰り返して常に一定量を保つ合理的な備蓄方法です。
従来型の備蓄と比較して、期限切れのリスクを最小限に抑えつつ、食品ロスの削減に貢献できる点が大きな魅力です。

企業で導入すれば、従業員の心身のケアや栄養管理に寄与するだけでなく、管理コストの最適化も期待できます。
FIFO管理の徹底や補充ルールの策定、熱源の確保といった基本を押さえ、着実に運用を進めましょう。

もし運用の継続に不安がある場合は、管理アプリの活用や分散備蓄の導入など、自社の組織規模や環境に合わせた工夫を検討してください。
災害への備えを平時から習慣化することは、現代の企業におけるBCP(事業継続計画)の根幹を成す取り組みです。

KENTEM(株式会社建設システム)が提供する総合防災アプリ「クロスゼロ」には、備蓄品管理に特化した機能が備わっています。

拠点ごとの備蓄状況を一覧で確認できるほか、数量や賞味期限を一元管理できるため、確認漏れや更新忘れを防げます。
ローリングストックの運用とも相性が良く、無理なく継続できる備蓄管理を支援します。

日常の管理から災害時の備えまで、備蓄体制を確実なものにしたい方は、ぜひ「クロスゼロ」の導入をご検討ください。

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