【これで解決】水害に備えるBCP|作成手順と企業が押さえるべきポイント
2026/05/15
近年、国内では大雨や台風による水害が頻発しています。
河川の氾濫や浸水、土砂災害など、企業活動に深刻な影響を及ぼす事例が増えており、水害を想定した事業継続計画(BCP)の重要性が高まっています。
特に河川周辺や低地に拠点がある企業にとって、水害対策は経営上の重要課題です。
水害は地震と異なり予測が可能なため、事前準備の有無が被害の程度を左右する傾向にあります。
本記事では、水害BCPの策定手順や企業の重要ポイントを解説します。
浸水想定区域図やハザードマップの活用、タイムラインに基づく行動計画の立て方など、実践的な内容をまとめました。
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水害BCPが必要な理由
水害に対応したBCPが求められる背景には、日本における大雨の増加傾向があります。
企業が水害リスクを正しく認識し、適切な備えを行うためには、まず現状を把握することが重要です。
大雨の発生回数が増加している現状
国内では、1時間の降水量が50mm以上の非常に激しい雨の発生回数が増加しています。
気象庁の観測データによると、この傾向は過去数十年にわたり継続しており、今後も続く可能性が高いとされます。
実際に各地で、河川氾濫による工場の浸水や長期間の操業停止など、企業活動に直結する被害が多発しています。
これらは一時的な例外ではなく、継続的な経営リスクとして認識すべき事象です。
「発生してから考える」のではなく、平時からの備えが不可欠です。
地球温暖化がもたらす水害リスクの拡大
大雨増加の背景には、地球温暖化による気温上昇があります。
気温が上がると、海や地表から蒸発する水分量が増加し、大気中の水蒸気量も増えます。
その結果、短時間で記録的な豪雨が発生しやすくなっています。
各地で従来想定を超える降水量が観測されており、既存のインフラでは対応しきれない事例も見受けられます。
温暖化の傾向は今後も続くと予測されているため、水害リスクは長期的な経営課題として捉える必要があります。
特に、河川近くや低地に拠点を持つ企業は、より高い警戒が求められます。
水害が企業活動に与える影響
水害が発生すると、企業はさまざまな形で影響を受けます。
直接的な被害としては、設備や在庫の損壊、データの消失、建物の損傷などが挙げられます。
間接的な影響も深刻です。
操業停止による売上減少、取引先への納品遅延、従業員の出勤困難、復旧コストの発生など、多方面に影響が及びます。
さらに、サプライチェーンへの影響も懸念されます。
自社が直接被災しなくとも、仕入先や物流拠点の被災によって、事業継続に支障をきたす恐れがあります。
水害BCPと一般的なBCPの違い
水害に対応したBCPは、地震などを想定した一般的なBCPとは異なる特徴を持っています。
水害特有の性質を理解し、それに応じた対策を盛り込むことが重要です。
水害は予測可能性が高い災害
水害の大きな特徴は、地震と異なり発災までに時間的猶予がある点です。
気象情報や河川の水位情報により、事前に危険を察知できる可能性が高いといえます。
この特徴を活かせば、浸水防止措置、重要機材の退避、従業員の避難といった初動対応を事前に取ることが可能です。
つまり、早期対応できるかどうかが被害軽減の鍵を握っています。
しかし、準備不足のまま水害に見舞われると、予測可能であったにもかかわらず大きな損失を被ることになります。
水害BCPでは、この「予測可能性」を最大限に活かした計画が求められます。
水害BCPで把握すべき事業面の情報
水害BCPを作成するにあたり、まず自社の事業に関する情報を整理する必要があります。
以下の項目を明確にしておくことで、優先的に保護すべき対象が見えてきます。
- 継続が必要な中核業務は何か
- どの業務を優先的に復旧すべきか
- 仕入先・納品先・物流ルートの状況
- 代替手段の有無
これらの情報を整理することで、水害発生時に何を守り、何を優先すべきかの判断基準が明確になります。
特に中核業務の特定は、限られた資源を効果的に配分するために不可欠です。
水害BCPで把握すべき立地面の情報
事業面の情報に加えて、拠点の立地に関する情報も重要です。
水害リスクは立地条件によって大きく異なるため、個別の把握が欠かせません。
具体的には、以下の点を確認します。
- オフィスや工場の周辺に、どのような水害リスクが考えられるか
- 拠点が河川の近くに位置していないか
- 拠点が低地や海抜の低い場所にないか
- 拠点が浸水想定区域に含まれていないか
一般的なBCPの項目に加え、立地条件に応じたリスクの個別把握が重要です。
次章では、具体的なリスクの確認方法を解説します。
水害リスクの確認方法
水害BCPを策定するためには、自社拠点の水害リスクを正確に把握する必要があります。
そのために活用すべきツールが、浸水想定区域図とハザードマップです。
浸水想定区域図で確認すべき3つの項目
浸水想定区域図は、河川氾濫時にどの程度の被害が想定されるかを示す地図です。
水害BCPを作成する際には、以下の3項目を必ず確認してください。
1つ目は「浸水深」です。
これは、どの高さまで水が来るかを示す指標です。
例えば浸水深1mの想定なら、電子機器をそれ以上の高さへ移動させるなどの対策が必要になります。
2つ目は「浸水継続時間」です。
どれくらいの時間浸水が続くかを示しており、1〜3日であれば、その期間は業務停止を前提に代替策を考える必要があります。
3つ目は「家屋倒壊等氾濫想定区域」です。
水の勢いや河岸浸食によって建物倒壊のおそれがある区域を示しています。
この区域に入っている場合は、設備保全よりも避難を優先すべきです。
家屋倒壊等氾濫想定区域の意味と対応
家屋倒壊等氾濫想定区域には、2種類の危険が含まれています。
1つは「氾濫流」で、堤防決壊などにより大量の水が流れ出し、家屋倒壊の危険がある状態です。
もう1つは「河岸浸食」です。
洪水によって河岸が削られ、建物が崩壊する危険がある状態を指します。
この区域に拠点がある場合、単なる浸水対策では不十分です。
人命確保を最優先にした避難判断が必要であり、「守る」より「逃げる」を選ぶべき区域があることを理解してください。
重ねるハザードマップの活用方法
国土交通省が提供する「重ねるハザードマップ」は、水害BCPの策定に非常に役立つツールです。
浸水深、浸水継続時間、家屋倒壊等氾濫想定区域、避難所などを一画面で重ねて確認できます。
拠点ごとのリスクを視覚的に把握できるため、設備退避の判断基準や避難経路、代替拠点の検討など、具体的な対策を立てる際の基礎資料として活用しましょう。
クロスゼロで手軽にハザードマップを確認
日々の運用や発災時の迅速な確認には、総合防災アプリ「クロスゼロ」のハザードマップ機能が役立ちます。
クロスゼロでは、各自治体が配信するハザードマップをアプリ内の地図上で手軽に確認することが可能です。
確認可能な情報の種類は多岐にわたり、洪水、津波、高潮、内水氾濫に加え、土砂災害(土石流・急傾斜地の崩壊・地すべり)の各マップに対応しています。
また、最新の避難所情報も常に配信されているため、発災時に「今、どこに避難すべきか」を即座に判断できる点も、防災DXを推進する上での大きなメリットとなります。
いざという時に迷わないために、クロスゼロの活用ポイントを資料でご確認ください。
水害BCPのレベル別
行動計画の立て方
水害対応では、タイムラインに基づく行動計画が極めて重要です。
気象情報や河川情報に応じて段階的な対応が可能であるため、「いつ、誰が、何をするか」を事前に決めておくことで初動の遅れを防げます。
タイムラインとは何か
タイムラインとは、水害発生前から発生後までの行動を段階別・時系列で整理したものです。
防災行動計画とも呼ばれ、事前対応と発災後対応を一連の流れとして計画します。
水害は突発的に起こる面もありますが、気象情報や河川情報を活用することで段階的な対応が可能です。
そのため、タイムラインを作成し、各段階での行動を明確にしておくことが重要です。
タイムラインがあれば、現場での判断の迷いを減らし、行動の抜け漏れを防ぐことができます。
特に、複数の担当者が関わる場合は、役割分担の明確化にも役立ちます。
警戒レベル1〜3の行動計画
警戒レベルに応じた行動計画を整理します。
レベル1〜3は、情報収集から人的対応の開始までの段階です。
レベル1は「情報収集の開始」段階です。
早期注意情報や台風情報を収集し、リスクの兆候を早くつかむことが目的です。
社内警戒態勢の準備を始めます。
レベル2は「注意報レベルの監視強化」段階です。
大雨注意報、洪水注意報、河川氾濫注意情報などを確認し、状況悪化を見据えて初動準備を始めます。
レベル3は「人的対応の開始」段階です。
従業員の早期帰宅や避難準備を進め、人命リスクを下げることが目的です。
交通機関の停止や孤立を防ぐため、早めの判断が求められます。
警戒レベル4〜5の行動計画
レベル4以降は、非常体制の確立と発災後対応の段階です。
より緊急度が高く、迅速な行動が求められます。
レベル4は「非常体制の確立」段階です。
パソコン、サーバー、重要書類、電子機器などを2階以上に移動させます。
必要に応じて現場閉鎖や避難を実施し、事業資産の保全と浸水被害の最小化を図ります。
レベル5は「発災後対応」段階です。
被害状況の確認、従業員の安否確認、復旧見通しの把握、被害情報や復旧見込みの発信を行います。
事業再開判断と、社内外への説明責任を果たすことが目的です。
各レベルでの行動をまとめると以下のようになります。
| 警戒レベル | 段階 | 主な行動 | 目的 |
|---|---|---|---|
| レベル1 | 情報収集開始 | 早期注意情報・台風情報の収集 | リスク兆候の把握 |
| レベル2 | 監視強化 | 注意報確認・初動準備 | 状況悪化への備え |
| レベル3 | 人的対応開始 | 早期帰宅・避難準備 | 人命リスク軽減 |
| レベル4 | 非常体制確立 | 設備退避・現場閉鎖・避難 | 資産保全・被害最小化 |
| レベル5 | 発災後対応 | 安否確認・被害把握・情報発信 | 事業再開・信頼維持 |
タイムライン作成時の重要な視点
タイムラインを作成する際には、以下の視点を盛り込むことが重要です。
具体的な担当者と判断基準を明確にしておくことで、実効性のある計画になります。
- 誰が判断するか(責任者の明確化)
- どの情報を見て判断するか(判断基準の設定)
- どの段階で帰宅・避難・設備退避を行うか
- 情報発信は誰が担当するか
これらの項目を事前に設定することで、緊急時の混乱を防ぎ、迅速な対応を可能にします。
また、定期的な訓練を通じてタイムラインの実効性を検証することも重要です。
水害BCPの具体的な対策
水害BCPを実効性のあるものにするためには、想定される被害ごとに具体的な対策を準備しておく必要があります。
浸水、電源喪失、人的安全確保など、各場面での対策を解説します。
浸水被害への対策
浸水被害を最小限に抑えるためには、事前の準備が欠かせません。
以下の対策を検討してください。
- 土のうの準備と設置場所・積み方の事前計画
- 出入口・搬入口の止水対策(止水板の設置など)
- 排水ポンプの準備
- 浸水しやすい箇所の特定と対策
土のうは、設置場所や積み方を事前に計画しておくことが重要です。
緊急時に迅速に対応できるよう、担当者への教育や訓練も実施しましょう。
また、止水板は出入口のサイズに合ったものを準備し、定期的に動作確認を行うことをおすすめします。
浸水深の想定に基づいて、必要な対策のレベルを決定してください。
電源喪失と機器・データ保全への対策
水害時には停電が発生する可能性が高く、電源喪失への備えが必要です。
以下の対策を検討してください。
- 非常電源装置(UPS)の設置
- 自家発電機の準備
- モバイルバッテリーの確保
機器やデータの保全も重要な課題です。
パソコンや電子機器は浸水リスクのない高所へ移動させ、サーバーの保護対策を講じておきましょう。
データのバックアップとクラウド活用は、水害対策において有効な手段です。
物理的な被害が生じても復旧できるよう、定期的なバックアップと遠隔地での保管を推奨します。
人的安全確保と事業継続への対策
従業員の安全確保は、水害BCPにおいて最も重要な要素です。
以下の対策を準備しておきましょう。
- 帰宅判断基準の明確化
- 避難ルートの確認と周知
- 安否確認手段の整備
- 緊急連絡網の整備
事業継続のためには、代替手段の確保も必要です。
以下の項目について事前に検討しておいてください。
- 代替拠点の確保
- 物流停止時の対応策
- 取引先への連絡体制
- 復旧優先業務の整理
特に安否確認は、発災直後における最優先事項の一つです。
電話網の混雑が予想される状況でも、確実な連絡手段を確保しておく必要があります。
まとめ
水害は予測可能な側面が強く、事前準備の有無が被害の大きさを左右する傾向にあります。
気候変動による豪雨リスクが高まるなか、水害に特化したBCP策定は企業の重要なリスクマネジメントです。
水害BCPを作成する際には、浸水想定区域図やハザードマップを活用して自社拠点のリスクを把握し、タイムラインに基づく行動計画を立てることが重要です。
浸水対策、電源喪失対策、人的安全確保、事業継続対策を具体的に準備しておくことで、いざという時に迅速な対応が可能になります。
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