【担当者必見】IT-BCPとは?必要性や策定手順、ポイントを紹介
2026/05/11
ITシステムが企業活動に不可欠となった現代、システムの停止は事業停止に直結する大きなリスクです。
自然災害やサイバー攻撃の脅威が増大するなか、ITに特化した事業継続計画「IT-BCP」の策定が急務となっています。
本記事では、IT-BCPの定義やBCPとの違い、具体的な策定手順、実効性を高めるポイントを体系的に解説します。
新規で計画を策定する担当者はもちろん、既存の計画を見直したい方にも役立つ内容です。
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IT-BCPの定義をわかりやすく解説
IT-BCPを正しく理解するには、まずその定義と目的を明確にすることが重要です。
ここでは、IT-BCPの基本概念を整理したうえで、通常のBCPとの違いについても解説します。
IT-BCPの定義
IT-BCPとは、企業の情報システムやITインフラに焦点を当てた事業継続計画のことです。
災害やサイバー攻撃、システム障害などの緊急事態が発生した際に、ITシステムの稼働を維持し、迅速な復旧を実現するための計画を指します。
一言でいえば、IT-BCPは「緊急時でもITを止めない、止まっても早く戻すための計画」です。
現代の企業では業務の大半がITシステム上で行われており、システム停止は事業停止に直結しかねません。
そのため、IT-BCPの重要性は年々高まっています。
IT-BCPの目的
IT-BCPの主な目的は、システム停止による業務中断を防ぎ、事業の継続性を確保することです。
あらかじめ対応手順を明確にすることで、有事の際の混乱を最小限に抑えられます。
具体的には、被害の最小化や復旧優先順位の策定が重要です。
これにより、不測の事態でも重要業務を継続し、企業の社会的信用や収益の維持につなげることができます。
BCPとIT-BCPの違い
BCPは災害や感染症などの緊急事態において、事業全体を早期復旧させるための包括的な計画です。
対してIT-BCPは、BCPのなかでもITシステムやサービスの継続に特化した計画として位置づけられます。
BCPが人、モノ、金を含む企業活動全般を対象とするのに対し、IT-BCPはデータバックアップやネットワーク冗長化などIT資源を中心に扱います。
両者の違いは以下の通りです。
| BCP | 企業全体の事業継続を対象とした包括的な計画。 人的資源・設備・物流・通信など企業活動全般をカバーする。 |
|---|---|
| IT-BCP | BCPのなかでITシステムの継続性確保に特化した計画。 データバックアップ・システム復旧・ネットワーク冗長化などが中心。 |
ただし、両者は別々のものではなく、補完関係にあります。
IT基盤だけが復旧しても事業は回りませんが、IT-BCPが不十分であれば業務は停滞します。
現代のビジネス環境では、IT-BCPはBCPのなかでも特に独立して設計すべき重要領域の一つといえるでしょう。
IT-BCPが企業に必要とされる
3つの理由
IT-BCPの策定が求められる背景には、企業環境の大きな変化があります。
ここでは、IT-BCPが必要とされる主な理由を3つに整理して解説します。
IT利用率の増加による業務依存
現代の企業活動において、ITシステムは単なるツールではなく、業務基盤そのものです。
IT活用が進むほど、ITシステムが停止した場合の影響は大きくなります。
メールの不通や受注処理の停止、データへのアクセス不可といった事態は、企業活動の停滞に直結します。
IT依存度の高まりに比例して、停止リスクに備えるIT-BCPの重要性が増しています。
サイバー攻撃の増加と高度化
サイバー攻撃の手口は年々巧妙化しています。
ランサムウェア被害などによるシステム障害や情報漏洩は、金銭的損失だけでなく信用失墜を招く深刻なリスクです。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の発表によると、組織向け脅威としてランサムウェア被害が上位にランクインし続けています。
このような状況から、「防ぐ」対策だけでなく、攻撃を受けた後にいかに迅速に復旧させるかという観点が欠かせません。
有事の対応を体系的にまとめたIT-BCPは、事後対策の柱となります。
自然災害リスクへの備え
日本は自然災害のリスクが高い国です。
拠点やデータセンターの被災、回線の断絶はIT環境にダメージを与え、業務継続を脅かします。
IT-BCPを通じて、バックアップ拠点の活用や復旧フローを事前に整備しておくことが大切です。
予測困難な災害だからこそ、平時の備えが事業継続に大きな影響を与えます。
IT-BCPの策定手順を解説
IT-BCPを実効性のある計画にするためには、正しい手順での策定が不可欠です。
ここでは、策定の流れをそれぞれのポイントを踏まえて解説します。
基本方針の決定と推進体制の構築
まずは基本方針を決定し、推進体制を構築します。
対象範囲や復旧の優先順位、推進メンバーを明確に定めることで、計画の方向性と責任の所在を明確にします。
情報システム部門だけでなく、経営層の承認を得て全社的な取り組みとして位置づけることが、策定をスムーズに進めるコツです。
脅威の特定と被害想定
次に、自社が直面しうる脅威を洗い出し、それぞれの被害を想定します。
自然災害、システム障害、サイバー攻撃など、ITに影響を及ぼすリスクを網羅的にリストアップしましょう。
各脅威の発生確率と影響度を評価し、優先的に対処すべきリスクを見極めます。
サービス停止による直接被害だけでなく、信用低下や売上損失などの二次被害まで考慮することが、実効性のある計画につながります。
復旧優先度と構成要素の決定
すべてのシステムを同時に復旧するのは困難です。
業務への影響度が大きいシステムを特定し、復旧の優先順位を決定しましょう。
決定した優先順位は全従業員に周知し、有事の判断基準を共有します。
あわせて、サーバーやネットワーク、バックアップ環境など、事業継続に必要なIT資源(構成要素)とその依存関係も整理します。
事前対策・役割分担・訓練の実施
復旧優先度が決まったら、現状の対策と目標レベルのギャップを埋めるための、具体的な施策を設計します。
あわせて「誰が判断し、誰が作業するか」といった緊急時の役割分担も詳細に定めましょう。
IT-BCPは策定後の運用が重要です。
定期的に復旧訓練を実施し、課題を抽出して計画を更新する「継続的な改善」に取り組みましょう。
IT-BCPの策定や運用では、緊急時の連絡手段を確保しておくことも重要です。
電話やメールが使えなくなる状況に備え、複数の連絡手段を整備しておく必要があります。
総合防災アプリ「クロスゼロ」は、安否確認や緊急連絡機能を備えており、IT-BCPにおける連絡体制の整備に活用できます。
IT-BCPに組み込むべき3つの具体策
IT-BCPの実効性を高めるには、具体的な対策を計画に組み込む必要があります。
ここでは、実効性の高いIT-BCPを構築するために盛り込むべき、代表的な対策を解説します。
データバックアップとシステム冗長化
データバックアップは、消失時の復旧を可能にするための基本対策です。
ランサムウェアや自然災害への備えとして、重要な役割を果たします。
バックアップは「3-2-1ルール(3つのコピー、2種類の媒体、1つの遠隔地保管)」や、より強固な「3-2-1-1-0ルール」に基づいた運用が推奨されます。
データだけでなくOSや設定ファイルも対象に含めましょう。
一方、システムの冗長化は、予備のシステムを用意することでシステム停止を防ぐ構成を目指す対策です。
サーバーダウン時に自動で切り替えることで、停止時間を最小限に抑え、顧客への影響を回避できます。
CSIRTの設置とインシデント対応体制
CSIRT(Computer Security Incident Response Team)とは、セキュリティインシデントに迅速に対処する専門チームです。
サイバー攻撃発生時の実務的な対応力を担保する仕組みとして、導入が推奨されます。
CSIRTの主な役割は、インシデントの検知、分析、初動対応、被害拡大の防止、そして復旧支援です。
自社での人員確保が難しい場合は外部委託も検討し、IT-BCP内に運用方針を明記しておきましょう。
IT-BCPの計画にCSIRTの設置と運用方針を明記しておくことで、有事の際の対応品質を高められます。
緊急連絡体制とリモート環境の整備
有事の際は、迅速かつ正確な情報共有が事業継続の成否を分けます。
そのため、複数の通信手段や連絡経路、優先順位を事前に整備することが不可欠です。
電話やメールの不通を想定し、安否確認システムやチャットツールなど、代替手段を複数確保しておきましょう。
どの手段が使えなくなっても対応できるよう、多層的な連絡体制を構築することが重要です。
また、オフィス被災に備えたリモート環境の整備も重要です。
VPNや仮想デスクトップ、端末管理体制を整え、自宅や代替拠点からでも安全に業務を継続できる体制を構築します。
IT-BCP策定時に押さえるべき
ポイント
IT-BCPを形骸化させないために、策定時に意識すべき重要ポイントを解説します。
ガイドラインの活用と経営層の関与
IT-BCPをゼロから自社独自で策定するよりも、既存のガイドラインを土台に策定を進めることで、効率的かつ漏れのない計画になります。
経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」や、NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)の基準などが参考になります。
また、優先事業の選定や予算配分には経営層の意思決定が不可欠です。
経営層が積極的に関与することで、策定のスピードが高まり、全社的な協力も得やすくなります。
BCP全体との整合と予算計画
IT-BCPは全社的なBCPと一貫性を持たせて設計することが重要です。
システムだけが復旧しても他の業務が停滞していては、十分な対応とは言えません。
各部門と連携し、実際の業務フローに即した計画を立てましょう。
予算については、費用対効果を考慮した優先順位付けが求められます。
限られたリソースで最大限の効果を発揮できるよう、現実的な設計を心がけることが重要です。
訓練の実施とセキュリティ対策の強化
IT-BCPは定期的な訓練を通じて、はじめて実効性を持ちます。
計画の不備を洗い出す「検証型」と、手順に慣れる「習熟型」の両面から訓練を実施し、継続的な改善につなげましょう。
また、EDRやDLPなどのセキュリティ基盤を強化することも、IT-BCPの有効性を高める重要な要素です。
「防ぐ・続ける・戻す」の3層で対策を構築することで、より実践的なIT-BCPが実現します。
まとめ
IT-BCPは、ITシステムやインフラに特化した事業継続計画です。
ITへの業務依存や巧妙化するサイバー攻撃を背景に、IT-BCPは現代企業にとって重要性を増しています。
脅威の特定から復旧優先順位の決定、具体的な対策までを段階的に進めることが策定のポイントです。
バックアップやCSIRT、冗長化などの施策を組み込み、定期的な訓練を通じて計画を継続的に見直していきましょう。
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