BCP対策で蓄電池はなぜ重要?|事業継続に必要な理由と導入術を紹介
2026/04/16
災害発生時、企業活動を停止させる主な要因の一つは「停電」です。
電力が途絶えると、パソコンや通信機器の利用が制限され、従業員への指示や取引先との連絡に支障をきたす恐れがあります。
BCP(事業継続計画)を策定する企業が増える中、計画を実行するには電力の確保が欠かせません。
蓄電池は、停電時にも業務を継続するための非常用電源として、BCPにおいて重要な役割を果たす設備です。
本記事では、BCP対策における蓄電池の重要性や種類、選定ポイント、活用できる補助金制度を詳しく解説します。
自社のBCP強化を検討している防災担当者や経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
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BCP対策における
電力確保の位置づけ
BCP対策を効果的に機能させるためには、計画の基本的な考え方を理解することが重要です。
ここでは、BCPの定義と目的、そして電力確保がBCPにおいてどのような位置づけにあるのかを解説します。
BCPとは何か
BCPとは「Business Continuity Plan」の略称で、日本語では「事業継続計画」と呼ばれます。
地震や台風などの自然災害、感染症の流行、システム障害といった緊急事態が発生した際に、企業が事業を中断させない、あるいは中断しても速やかに復旧させるための計画です。
BCPの主な目的は、事業停止期間の最小化、早期復旧の実現、顧客や取引先からの信頼維持、そして社会的責任の履行です。
これらを達成するために、企業は平時から具体的な対策を講じておく必要があります。
BCPにおける電力確保の重要性
BCPを実行するうえで、電力の確保は不可欠な要素の一つです。
現代の企業活動において、パソコン、サーバー、通信機器、空調設備など、多くの業務は電力に依存しています。
電力が途絶えると、情報システムが停止し、社内外との連絡が取れなくなります。
製造業であれば生産ラインが止まり、小売業ではPOSレジが使用できなくなるなど、業種を問わず深刻な影響を受けます。
BCPにおいて電力確保を優先すべき理由は、他の対策を実行するための前提条件となるためです。
安否確認や情報収集、取引先への連絡など、すべての緊急対応に電力が必要となります。
BCP対策で蓄電池が必要な
4つの理由
BCP対策において蓄電池が重要視される理由は、単に電力を供給するだけではありません。
ここでは、蓄電池がBCPに不可欠とされる具体的な理由を4つの観点から解説します。
災害時は高確率で停電が発生する
災害発生時、企業の業務が停止する主な原因の一つに停電が挙げられます。
地震による電柱の倒壊、台風による送電線の断線、浸水による変電設備の故障など、停電の要因は多岐にわたります。
内閣府が実施した調査によると、企業の事業中断原因として「停電・電力不足」が上位に挙げられています。
特に大規模災害では、復旧までに数日から数週間を要するケースも報告されています。
停電が発生すると、パソコンやサーバーが停止し、業務データへのアクセスが不可能になります。
蓄電池を導入しておくことで、停電発生直後から電力を供給し、業務継続の基盤を確保できます。
連絡手段の維持に電力が不可欠である
災害発生時に最も重要な業務の一つが、従業員の安否確認と情報の収集・発信です。
携帯電話、メール、社内チャットなど、すべての通信手段は電力がなければ機能しません。
災害時に必要となる主な通信として、従業員の安否確認、被害状況の共有、業務指示の伝達、取引先への対応連絡が挙げられます。
これらの通信を確保するためには、通信機器への電力供給が必須条件となります。
企業によっては、携帯電話に加えて衛星電話を導入したり、複数の通信会社と契約したりして、通信手段の多重化を図っています。
しかし、どの通信手段を選択しても、機器を稼働させるための電力が前提となることに変わりはありません。
蓄電池を導入することで、停電時でも通信インフラを維持し、迅速な情報伝達と意思決定が可能になります。
企業活動停止による損失を回避できる
停電による企業活動の停止は、直接的な経済損失だけでなく、取引先や顧客との信頼関係にも影響を及ぼします。
事業継続ができない状態が長引くほど、企業の競争力低下や取引機会の喪失につながります。
実際に、過去の大規模災害では、停電により工場の操業が停止し、サプライチェーン全体に影響が波及した事例が報告されています。
取引先への納品遅延や顧客対応の停止は、長期的な信用低下を招く恐れがあります。
蓄電池を導入することで、停電時でも最低限の業務を継続できます。
完全な通常運営は難しくても、重要な業務や顧客対応に必要な電力を確保することで、影響範囲を最小限に抑えられます。
長期停電への備えが可能になる
大規模な地震や台風の場合、停電が数日から数週間に及ぶことがあります。
復旧までの期間を自社で乗り越えるためには、非常用電源の自立化が重要です。
発電機も非常用電源として有効ですが、燃料の確保や騒音、排気ガスの問題があります。
蓄電池は燃料が不要で静音性に優れており、屋内での使用も可能なため、長期停電時の電源として適しています。
さらに、太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせることで、晴天時に発電した電力を蓄えながら使用できます。
これにより、外部からの電力供給に依存しない、自立した電源システムを構築できます。
災害時の通信手段確保は蓄電池による電力供給が前提となりますが、安否確認システムを導入することで、より確実な連絡体制を構築できます。
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BCP対策で活用できる
蓄電池の特徴
蓄電池にはさまざまな種類があり、それぞれ特性が異なります。
BCP対策として導入する際は、自社の規模や用途に合った蓄電池を選択することが重要です。
リチウムイオン電池の特徴とメリット
リチウムイオン電池は広く普及している蓄電池の一つで、中小企業やオフィスでの導入に適した傾向があります。
エネルギー密度が高く、小型・軽量ながら効率的に電力を蓄えられる点が特徴です。
リチウムイオン電池の主なメリットは以下のとおりです。
- 省スペースで設置可能
- 充電速度が速い
- 長寿命で繰り返し使用できる
- エネルギー効率が高い
- 汎用性が高く多様な用途に対応
一方で、導入コストが比較的高い点、高温環境に弱い点、発火リスクへの対策が必要な点がデメリットとして挙げられます。
また、廃棄時にはリサイクルや適切な処理が求められます。
これらの特性から、リチウムイオン電池はオフィスビル、中小規模の事業所、店舗などでのBCP用電源として広く採用されています。
NAS電池の特徴とメリット
NAS電池(ナトリウム硫黄電池)は、大容量の電力を蓄えられる産業用蓄電池です。
工場や大規模施設など、大量の電力を必要とする事業所でのBCP対策に適しています。
NAS電池の主なメリットは以下のとおりです。
- 大容量電力の蓄電が可能
- 長時間の停電に対応できる
- 高いエネルギー効率
- 長寿命で耐久性に優れる
- エネルギー管理との連携が容易
ただし、NAS電池は約300℃の高温で運転する必要があり、大型の設備が必要となります。
導入コストも高額であり、設置には十分なスペースと専門的な管理体制が求められます。
これらの特性から、NAS電池は製造工場、データセンター、大規模商業施設など、停電時にも大量の電力が必要な施設向けのBCP用電源として選択されています。
※NAS電池は、NGK株式会社(旧:日本ガイシ株式会社)により2025年10月をもって製造・販売終了が発表されています(最終出荷は2027年1月予定)。
導入検討の際は最新の供給状況をご確認ください。
蓄電池の種類別比較表
リチウムイオン電池とNAS電池の特徴を比較すると、以下の表のようになります。
自社の事業規模や必要電力量に応じて、最適な蓄電池を選択することが重要です。
| 比較項目 | リチウムイオン電池 | NAS電池 |
|---|---|---|
| 容量 | 中小規模向け | 大規模向け |
| 設置スペース | 省スペース | 広いスペースが必要 |
| 導入コスト | 中程度 | 高額 |
| 運用温度 | 常温 | 約300℃ |
| 充電速度 | 速い | 普通 |
| 適した施設 | オフィス・店舗・中小企業 | 工場・データセンター・大規模施設 |
どちらの蓄電池も、定期的なメンテナンスと適切な管理が必要です。
導入前には、専門業者による現地調査と詳細な見積もりを依頼することをお勧めします。
BCP用蓄電池を
選定する際のポイント
蓄電池を導入する際には、自社の状況を正確に把握し、最適な製品を選定することが重要です。
ここでは、BCP用蓄電池を選ぶ際に確認すべきポイントを解説します。
必要電力量と停電想定時間を算出する
蓄電池選定の第一歩は、停電時に必要な電力量を正確に算出することです。
どの機器を稼働させるか、何時間の停電に備えるかによって、必要な蓄電池の容量が大きく変わります。
必要電力量を算出する際は、以下の手順で進めます。
- 停電時に稼働させる機器をリストアップする
- 各機器の消費電力(ワット数)を確認する
- 想定する停電時間を決定する
- 消費電力×稼働時間で必要電力量を計算する
たとえば、パソコン5台(各100W)、サーバー1台(500W)、照明(200W)を8時間稼働させる場合、必要電力量は(500W+500W+200W)×8時間=9,600Whとなります。
実際の選定では、余裕を持った容量を確保することが推奨されます。
設置スペースと安全性を確認する
蓄電池の設置には、適切なスペースと安全対策が必要です。
導入前に、設置場所の環境条件を確認しておくことが重要です。
設置場所を選定する際のチェックポイントは以下のとおりです。
- 蓄電池本体が収まる十分なスペースがあるか
- 換気が確保できる環境か
- 直射日光や高温を避けられるか
- 浸水リスクのない場所か
- メンテナンス作業が可能なアクセス性があるか
特にリチウムイオン電池は高温環境に弱いため、空調が効いた室内や、温度管理が可能な場所への設置が推奨されます。
また、発火リスクに備えて、消火設備の設置や定期点検体制の整備も検討してください。
初期費用とランニングコストを比較する
蓄電池の導入時には、初期費用に加えて運用開始後の維持費(ランニングコスト)の検討も欠かせません。
長期的な視点で総費用を比較し、自社のニーズに合った製品を選択しましょう。
コスト比較の際に確認すべき項目は以下のとおりです。
- 蓄電池本体の購入費用
- 設置工事費用
- 定期メンテナンス費用
- バッテリー交換費用(寿命到達時)
- 保険料(火災保険の追加など)
初期費用が安くても、メンテナンス費用やバッテリー交換費用が高額な場合、トータルコストでは割高になることがあります。
複数のメーカーや販売業者から見積もりを取得し、総合的に比較検討することをお勧めします。
BCP対策の蓄電池導入で
活用できる補助金制度
蓄電池の導入には相応のコストがかかりますが、国や自治体の補助金制度を活用することで、負担を軽減できます。
ここでは、BCP対策の一環として蓄電池を導入する際に活用できる主な補助金制度を紹介します。
BCP実践促進助成金の概要
BCP実践促進助成金は、中小企業がBCPを実行するための設備投資を支援する制度です。
非常用電源としての蓄電池も対象設備に含まれています。
この助成金は、東京都中小企業振興公社などが実施しており、非常用電源、災害対策設備、防災用品などの導入費用の一部が補助されます。
対象となる設備や補助率は年度によって異なるため、申請前に最新の募集要項を確認することが重要です。
助成金を活用することで、蓄電池の導入コストを抑えながら、BCPの実効性を高めることができます。
申請には事前のBCP策定が条件となる場合もあるため、計画的な準備が必要です。
経済安全保障推進法による蓄電池供給支援
経済安全保障推進法に基づき、蓄電池の国内供給体制強化のための支援が実施されています。
この支援は、蓄電池の安定供給を目的としており、導入環境の整備に寄与しています。
経済産業省は、蓄電池を「特定重要物資」に指定し、国内での生産設備投資や供給確保計画の認定を通じて、安定供給の強化を図っています。
これにより、蓄電池の市場価格の安定化や供給体制の強化が期待されています。
企業が直接受けられる補助金ではありませんが、国内の蓄電池供給が安定することで、導入しやすい環境が整備されつつあります。
今後、企業向けの新たな支援制度が創設される可能性もあるため、最新情報を注視しておくことをお勧めします。
補助金申請時の注意点
補助金を活用して蓄電池を導入する際には、いくつかの注意点があります。
申請手続きや条件を事前に確認し、計画的に準備を進めることが重要です。
補助金申請時の主な注意点は以下のとおりです。
- 申請期間が限られているため、早めに情報収集を行う
- 交付決定前に設備を購入すると対象外となる場合がある
- 申請書類の不備があると審査に時間がかかる
- 補助金の対象となる設備や費用に制限がある
- 導入後の報告義務や使用状況の確認がある場合がある
補助金の申請手続きは煩雑な場合もあるため、専門家や販売業者のサポートを受けることも有効です。
また、国の補助金と自治体の補助金を併用できる場合もあるため、複数の制度を確認してください。
蓄電池の導入と合わせて、災害発生時の対応体制を整備することで、BCPの実効性がさらに高まります。
総合防災アプリ「クロスゼロ」では、安否確認機能に加え、保存水や備蓄品の管理機能も搭載しており、BCP対策を総合的にサポートします。
まとめ
BCP対策において、蓄電池は事業継続を支える重要な設備の一つです。
災害発生時の大きなリスクとなる停電に備え、非常用電源を確保することで、業務の継続や早期復旧を目指せます。
蓄電池には、中小企業向けのリチウムイオン電池や、大規模施設向けのNAS電池など、さまざまな種類があります。
自社の事業規模や必要電力量を正確に把握し、設置スペースやコストも考慮したうえで、最適な蓄電池を選定してください。
また、BCP実践促進助成金などの補助金制度を活用することで、導入コストを抑えることができます。
補助金の申請には期限や条件があるため、早めの情報収集と計画的な準備が重要です。
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