災害時のトイレの作り方とは?あるもので作る簡易トイレと正しい使い方
2026/04/16
災害時には、断水や停電、排水管の損傷によってトイレが使えなくなることがあります。
食事は数日我慢できても、排泄は待ったなしで対処が必要な生理現象です。
被災地では仮設トイレの設置まで3〜4日以上かかるケースもあり、その間の対応を事前に準備しておかないと、衛生環境の悪化や感染症リスクにつながります。
企業においては、従業員の健康管理と事業継続の両面からトイレ対策をBCPに組み込むことが不可欠です。
本記事では、災害時のトイレの作り方を「便器が使える場合」「便器が使えない場合」「屋外に設置する場合」の3パターンに分けて具体的に解説します。
あわせて、断水時や排水管損傷時の注意点、企業が備蓄すべきアイテムについても詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
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災害時のトイレの作り方①:
便器が使える場合の簡易トイレ
災害発生時、最も高い確率で対応が必要になるのが「便器は無事だが水が流せない」というケースです。
断水や停電、排水管の部分的な損傷が原因で、通常のように水洗トイレを使用できなくなります。
しかし、便器と便座が無事であれば、身近なものを使って簡易トイレを作ることができます。
この方法を覚えておくだけで、災害直後のトイレ問題を大幅に軽減できるでしょう。
断水・停電でも便器が無事なら即席対応できる
便器が使える状態であれば、ビニール袋と吸水材を組み合わせることで、すぐに簡易トイレとして機能させることができます。
この方法は、既存の便座をそのまま活用できるため、使い勝手が良く、心理的な抵抗も少ないのが特徴です。
災害時に備えるべき簡易トイレの作り方として、まずこの「便器活用型」を優先して覚えておきましょう。
大規模災害では仮設トイレの設置まで時間がかかることも多く、その間は各自で対応する必要があります。
必要な材料は袋と吸水材の2つ
便器を活用した簡易トイレに必要な材料は、最低限でビニール袋2枚と吸水材だけです。
吸水材は大小便の水分を吸収して処分しやすくする役割を果たします。
必要な材料を以下にまとめました。
- ビニール袋:2枚(45リットル以上推奨)
- 吸水材:ちぎった新聞紙、トイレットペーパー
- あると便利なもの:紙おむつ、吸水パッド、凝固剤
- 代替品:保冷剤の中身(吸水性ポリマー)、ペットシート、猫砂
新聞紙が手元にない場合は、保冷剤の中身やペットシートでも代用できます。
猫砂はにおい成分の吸収にも効果があるため、長時間の使用には特に適しています。
ビニール袋を二重にセットする手順
災害時のトイレの作り方で最も重要なポイントは、ビニール袋を二重にセットすることです。
この工夫により、交換時に便器内の水で袋が濡れることを防ぎ、衛生的に使い続けることができます。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 便座を上げて、1枚目のビニール袋を便器にセットする(便器の開口部全体を覆う)
- 便座を下げて、2枚目のビニール袋をセットする(1枚目の内側に入れ、便座全体を覆う)
- 2枚目の袋の中に、ちぎった新聞紙などの吸水材を敷き詰める
- 使用後は2枚目の袋だけを取り外して口を縛る
2枚目は使用ごとに交換するため、外しやすい位置にセットしておくことが大切です。
また、便器内にもともと溜まっている水は封水といって下水のにおいを防ぐ役割があるため、掻き出さずにそのまま残しておきましょう。
使用後のゴミ処理と衛生管理のポイント
災害時のトイレの作り方を実践する際、使用後のゴミ処理も重要な要素となります。
適切に処理しないと、においや衛生面での問題が発生し、感染症リスクが高まります。
使用後の処理手順と注意点を以下にまとめました。
- 排泄後は2枚目の袋を外して口をしっかり縛る
- 破れた際のリスクを減らすため、さらにゴミ袋に入れて二重にする
- 中身が見えないよう、黒や不透明の袋を使用する
- 自治体の分別ルールや指定袋の規定に従って処分する
- ゴミ収集が停止している間は、フタ付きのゴミ箱などに一時保管する
ビニール袋は長期保管すると内容物が染み出す可能性があります。
二重袋での保管と定期的な点検を心がけ、清潔な環境を維持しましょう。
災害時のトイレの作り方②:
便器が使えない場合の代替手段
地震などの災害で便器自体が損傷してしまった場合は、代替容器を使って簡易トイレを作る必要があります。
家庭にある段ボール箱やバケツでも、工夫次第で簡易トイレとして十分に機能させることが可能です。
便器が使えない状況は、自宅だけでなく会社の被災時にも想定されます。
複数の対処法を知っておくことで、どのような状況でも対応できるようになります。
段ボールやバケツで代用する方法
便器が損傷した場合は、段ボール箱やバケツを便器の代わりとして活用できます。
段ボール箱は加工しやすく、座りやすい高さに調整できる点がメリットです。
代替容器の選び方のポイントは以下のとおりです。
- 段ボール箱:座っても崩れない強度のものを選ぶ
- バケツ:安定感があり、座りやすい形状のものが適している
- 便座がない場合は、和式トイレのような姿勢で使用する
段ボールは濡れると柔らかくなりやすいため、必ず袋で覆って水分が直接触れないようにしましょう。
可能であれば便座相当の部品を作ると、より快適に使用できます。
袋の二重セットで清潔を保つ工夫
段ボールやバケツを使った災害時のトイレの作り方でも、袋の二重セットは基本となります。
この方法により、容器本体を比較的きれいに保ちながら繰り返し使用することができます。
段ボール箱を使う場合の手順は以下のとおりです。
- 1枚目のビニール袋で段ボール箱全体を覆い、テープで固定する
- 2枚目のビニール袋を上から被せ、開口部を覆う
- 2枚目の袋の中に新聞紙などの吸水材をセットする
- 使用ごとに2枚目の袋だけを交換する
袋が薄い場合や浸透しやすいタイプの場合は、さらに袋を重ねると安心です。
余裕があれば3重にすることで、より長く清潔な状態を維持できます。
企業では市販の簡易トイレ備蓄が現実的
会社など大人数が利用する環境では、段ボールで手作りするよりも市販の簡易トイレを備蓄しておく方が現実的です。
市販品は組み立てが簡単で、強度や衛生面でも信頼性が高いというメリットがあります。
企業が市販の簡易トイレを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
- 組み立てやすさ:災害時でも短時間で設置できるもの
- 耐荷重:従業員が安全に使用できる強度があるもの
- 収納性:保管スペースを圧迫しないコンパクトなもの
- 付属品:凝固剤や袋がセットになっているもの
従業員数と想定使用日数をもとに、必要な数量を計算して備蓄しておきましょう。
備蓄場所は複数に分散させておくと、一部が被災しても対応できます。
災害時のトイレの作り方③:
屋外設置のプライバシー対策
建物内でトイレが使えない場合や、屋外での避難生活を余儀なくされた場合は、屋外に簡易トイレを設置する必要が出てきます。
屋外設置では、風雨対策とプライバシーの確保が最も重要な課題となります。
特に女性や高齢者にとって、プライバシーが確保されないトイレは大きなストレスとなり、排泄を我慢することで健康被害につながるケースもあります。
事前に対策を準備しておくことで、災害時のトイレ問題を軽減できます。
テントや目隠しでプライバシーを確保する
屋外での災害時のトイレの作り方では、プライバシー確保が最優先事項となります。
アウトドア用の着替えテントやシャワー用テントを活用すると、手軽に個室空間を作ることができます。
テントを使用する際のポイントは以下のとおりです。
- 占有面積が約1平方メートルのものはベランダにも設置可能
- 風対策としてペグで地面に固定するか、ブロックやレンガにロープで固定する
- 入口の向きを人通りの少ない方向に設置する
- 夜間使用を想定してライトを準備しておく
着替え用テントは災害時以外にも、キャンプや海水浴で活用できます。
普段から使い慣れておくと、緊急時にもスムーズに設置できるでしょう。
マンホール活用は最終手段として検討
過去の大地震では、マンホールを簡易トイレとして活用した事例もあります。
ただし、落下の危険があるため、マンホールの活用は最終手段として位置づけるべきです。
マンホールを利用する場合の注意点は以下のとおりです。
- 蓋を開けて排泄物の中身のみを捨て、下水へ流す方法
- 日常で触らない設備のため、安全への最大限の配慮が必要
- 使用後は必ず蓋を閉めて、落下事故を防止する
- 子どもや高齢者には絶対に使用させない
マンホールへの直接排泄は落下リスクが高く、推奨できません。
あくまでも簡易トイレで溜まった排泄物の処分方法として検討する程度にとどめましょう。
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災害時のトイレ使用における
状況別の判断基準
災害時には「水洗トイレを使ってよいのか」という判断が必要になります。
状況を正しく見極めずに水洗を使うと、汚水の逆流や設備の損傷を招く可能性があるため注意が必要です。
ここでは、断水時、排水管損傷時、そして簡易トイレに切り替えるべきケースについて、具体的な判断基準を解説します。
災害時のトイレの作り方を知っていても、切り替えのタイミングを誤ると意味がありません。
断水時でも排水可能かの確認方法
断水のみで排水系統が無事な場合は、バケツで水を流すことで排水が可能です。
日頃から浴槽に水を溜めておくと、断水時の排水や洗濯に活用できます。
断水時の排水方法のポイントは以下のとおりです。
- バケツに水を溜め、便器に勢いよく流して排水する
- 2〜3回の使用につき1回、バケツ2杯程度の水を流すと通りが良い
- 和式トイレの場合は、排水レバーを押しながら流す
- 水量が少ないと詰まりやすいため、十分な量を確保する
トイレットペーパーは水で流さず、ゴミとして別に処分する方が安全です。
少ない水量で流そうとすると、配管内で詰まりを起こすリスクがあります。
排水管損傷時は水洗を使わない判断が必要
地震で排水管が損傷している場合、無理に水洗を使うと汚水が逆流して溢れる危険があります。
排水管の状態が不明な場合は、水洗を使わずに簡易トイレへ切り替える判断が重要です。
排水管損傷時の注意点は以下のとおりです。
- 水を流しても排水されない、または流れが極端に遅い場合は使用を中止
- 異臭や異音がする場合は配管損傷の可能性が高い
- マンションの場合は、上階の使用で下階に汚水が漏れるリスクがある
- 復旧後は給水管内の空気抜きを行ってから使用する
給水管にエアー抜きバルブがある場合は、復帰時に空気を抜いてから使用しましょう。
事前に自宅や会社の給水管構造を確認しておくことが大切です。
簡易トイレへ切り替えるべき3つのケース
災害時に水洗トイレを諦め、簡易トイレへ切り替えるべき状況は明確です。
以下の3つのケースに該当する場合は、速やかに簡易トイレでの対応に移行しましょう。
- 下水が使えない(排水管の損傷、下水処理場の被災など)
- 断水で流す水が確保できない
- 停電で設備が動かない(タンクレストイレ、電動ポンプ式など)
これらの状況では、水洗を使い続けることで問題が悪化する可能性があります。
便器が無事であれば「便器+二重袋+吸水材」の災害時のトイレの作り方で即席対応できます。
大規模災害では仮設トイレの設置まで時間がかかることが多く、それまでの間は各自で対応が必要です。
平時から材料や簡易トイレセットを準備しておくことの重要性が高いといえます。
災害時のトイレ対策を
企業BCPに組み込む方法
企業にとって、災害時のトイレ対策は従業員の健康管理と事業継続の両面で欠かせない要素です。
食事は数日我慢できても、排泄は我慢できない生理現象であり、対策の優先度は高いといえます。
ここでは、なぜ企業BCPにトイレ対策が必要なのか、備蓄量の決め方、簡易トイレと携帯トイレの違いについて解説します。
これらを理解することで、実効性のあるBCP策定が可能になります。
トイレ対策がBCPに必要な理由
企業BCPにトイレ対策が必要な最大の理由は、衛生面・感染症予防と従業員の生活維持が事業継続に直結するためです。
トイレ環境が悪化すると、感染症の蔓延や従業員の健康悪化を招き、業務継続が困難になります。
過去の災害では、トイレが溢れて衛生問題が発生したケースも報告されています。
インフラ被害が長期化すると、トイレ問題は深刻な衛生問題に発展する可能性があります。
災害発生から3〜4日程度は仮設トイレの設置が間に合わないことが想定されるため、企業は自社でトイレ対策を講じる必要があります。
消耗品(袋・凝固剤・トイレットペーパー)は使用頻度が高いため、十分な量を確保しておくことが推奨されます。
BCP観点では、多めの備蓄が事業継続のカギとなります。
備蓄量と運用ルールの決め方
企業がトイレ対策をBCPに組み込む際には、事前に決めておくべき項目があります。
トイレ設備が利用不可になった場合の代替手段、用品の種類と数量、運用ルールを明確にしておくことが重要です。
企業が事前に決めるべき項目は以下のとおりです。
- トイレ設備が利用不可になった場合の代替手段
- 備蓄する用品の種類と数量
- 想定日数を踏まえた備蓄量設定(仮設トイレ設置まで3〜4日以上を想定)
- 使用場所と設置手順のマニュアル化
- 使用済み袋の保管場所と処分方法
家庭では新聞紙などでも代替可能ですが、企業では衛生・管理の観点から凝固剤が中心になりやすいです。
市販の簡易トイレをまとめて購入すると、配布・管理がしやすくなります。
簡易トイレと携帯トイレの違いを理解する
備蓄用トイレを選ぶ際、「簡易トイレ」と「携帯トイレ」の違いを理解しておくことが大切です。
混同しやすい両者ですが、便器・便座の有無という明確な違いがあります。
| 種類 | 便器・便座 | 特徴 |
|---|---|---|
| 簡易トイレ | あり(枠/便座付き) | 設置型で繰り返し使用可能 |
| 携帯トイレ | なし(袋+凝固剤中心) | 使い切りタイプ、持ち運びやすい |
商品によっては「便座がないのに簡易トイレ表記」のものもあるため、購入時は内容物を確認しましょう。
凝固剤は最初から袋にセットされているタイプ、別添タイプ、段ボール枠付きタイプなど、商品差が大きいです。
被災状況に合わせて選べるよう、簡易トイレと携帯トイレの両方を備蓄しておくことも有効な選択肢です。
従業員への配布のしやすさも考慮して選定しましょう。
まとめ
災害時のトイレの作り方は、「便器が使える場合」「便器が使えない場合」「屋外に設置する場合」の3パターンを押さえておくことが大切です。
いずれの場合も、ビニール袋を二重にセットし、吸水材で水分を吸収させるという基本は共通しています。
断水や排水管損傷が発生した場合は、無理に水洗を使わずに簡易トイレへ切り替える判断が重要です。
企業はBCPにトイレ対策を組み込み、備蓄量と運用ルールを事前に決めておきましょう。
排泄は我慢できない生理現象であり、事前準備が衛生環境と健康を守るカギとなります。
平時から材料や簡易トイレセットを準備し、いざというときに備えてください。
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