【災害時に役立つ!】水の作り方ガイド|飲料水の確保方法と注意点
2026/04/16
災害発生時は電気やガス以上に「水」が不足するケースが多く、命に直結するライフラインとして最優先の確保が求められます。
特に断水が長期化すると飲料水・生活用水ともに不足し、衛生環境の悪化による感染症リスクも高まります。
本記事では、災害時に水が必要となる理由から、平常時の備蓄方法、緊急時に水を確保・浄化する技術まで、企業の防災担当者や総務担当者が知っておくべき知識を網羅的に解説します。
いざというときに従業員の安全を守るため、今日から実践できる対策を確認していきましょう。
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災害時に水が最優先になる理由
災害発生時、多くの人は食料の確保を優先しがちですが、実際には水の方が先に不足し、生命維持に深刻な影響を及ぼします。
人間の身体は食料がなくても数週間は生存できますが、水がなければ数日で脱水症状に陥り、最悪の場合は命を落とす危険性があります。
企業においても、従業員の健康と安全を守るためには水の確保を最優先事項として位置づける必要があります。
ここでは、水が最重要のライフラインである理由と、実際の被災事例から学ぶべき教訓を解説します。
人間にとって水が最重要のライフラインである根拠
人間の身体は約60%が水分で構成されており、わずかな脱水でも身体機能に影響が出ます。
さらに10%以上の水分が失われると、筋肉のけいれんや循環器系の異常が発生し、20%を超えると生命の危機に直面します。
災害時は精神的なストレスや避難生活による体力の消耗が重なり、通常よりも水分を多く必要とします。
また、水分不足が続くと血液の粘度が高まり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まるため、特に持病のある方は注意が必要です。
さらに、避難所など狭い空間で長時間同じ姿勢を取り続けることで発症するエコノミークラス症候群も、水分不足によって発症リスクが高まる可能性があります。
このように、水は単なる飲み物ではなく、生命維持に不可欠な要素として認識する必要があります。
災害時に水不足が起こる主な原因
災害時に水不足が発生する原因は複数あり、それぞれが複合的に作用して深刻な事態を引き起こします。
地震や洪水による水道管の破損、浄水場の被災に伴う断水が直接的な原因となります。
断水が発生した場合、自治体や自衛隊による給水活動が行われますが、被災地域が広範囲に及ぶと給水が追いつかないケースが多発します。
また、道路の寸断や交通渋滞により、給水車が被災地に到達できないこともあります。
避難所においても、想定を超える避難者が集中した場合、備蓄していた水が数日で底をつくことがあります。
加えて、衛生環境の悪化により、飲料水としては使用できない汚染水が発生するリスクも高まります。
熊本地震に見る断水被害の実態
2016年4月に発生した熊本地震では、水道インフラへの被害が甚大であり、多くの住民が長期間にわたり水不足に苦しみました。
この事例は、企業のBCP対策において水の備蓄がいかに重要であるかを示す貴重な教訓となっています。
熊本地震では最大約44万5,000戸が断水し、完全復旧までに1か月以上を要した地域もあります。
避難所で不足した物資の上位には、生活用水と飲料水が挙げられており、水の確保が最も困難な課題であったことがわかります。
この事例からわかるように、大規模災害では水道の復旧に相当な時間がかかるため、最低でも3日分、できれば1週間分の水を備蓄しておくことが推奨されます。
災害時に必要な飲料水と
生活用水の目安
災害に備えて水を備蓄する際、具体的にどれだけの量が必要なのかを把握しておくことが重要です。
水の必要量は飲料水と生活用水で異なり、それぞれの用途に応じた準備が求められます。
ここでは、推奨する備蓄量の目安と、その根拠について詳しく解説します。
飲料水は1人1日3リットルが基準
飲料水の備蓄量として、1人1日あたり約3リットルが推奨されています。
この量は、直接飲用する水に加え、調理に使用する水も含んだ数値です。
内訳としては、純粋な飲用水が約1リットル、調理やその他の用途で約2リットルが目安となります。
災害後すぐにライフラインが復旧するとは限らないため、最低でも3日分の備蓄が必要とされています。そのため、1人あたり9リットル以上の飲料水を確保しておく必要があります。
ただし、夏場や高温環境下では発汗量が増えるため、さらに多くの水分が必要になります。
また、乳幼児や高齢者、持病のある方は通常よりも多めに備蓄しておくと安心です。
生活用水は1人1日10〜20リットルが必要
飲料水だけでなく、生活用水の確保も災害時には重要な課題となります。
生活用水は1人1日あたり10〜20リットルが目安とされており、最低3日分で30〜60リットルが必要です。
生活用水の主な用途は、手洗い、トイレの洗浄、食器や調理器具の洗浄、傷口の洗浄などの衛生管理です。
特にトイレの使用には多くの水を消費するため、簡易トイレの併用も検討すべきでしょう。
なお、生活用水は飲料水と比べて復旧までに時間がかかる傾向があります。
水道管の修復後も、飲料水としての安全基準を満たすまでに追加の検査が必要となるためです。
ペットがいる場合の追加備蓄
ペットを飼育している場合は、人間用とは別にペット専用の水を備蓄しておく必要があります。
ペットの飲み水は1日あたり体重1kgにつき約50〜100mlが目安です。
例えば、体重5kgの犬であれば1日あたり250〜500ml程度の水が必要となります。
3日分を備蓄する場合、750ml〜1.5リットル程度を確保しておきましょう。
また、水と合わせてペット用の餌やトイレ用品も備蓄しておくことが重要です。
災害時はペット用品の入手が困難になることが多いため、普段から多めにストックしておくと安心です。
平常時にできる水の備蓄方法
災害時の水不足に備えるためには、平常時から計画的に備蓄を行うことが重要です。
ただし、水は保管方法を誤ると品質が劣化し、使用目的によっては適さなくなる可能性があります。
ここでは、効率的かつ衛生的に水を備蓄するための具体的な方法と、それぞれのメリット・注意点について解説します。
ローリングストック法で常に新鮮な水を保持
ローリングストック法とは、日常的に使用する備蓄品を多めに備え、消費した分を順次補充することで備蓄を維持する方法です。
この方法を採用することで、常に新しい状態の水を保持でき、消費期限切れによる廃棄を防ぐことができます。
具体的には、普段から1.5〜2週間分を目安に水を余分に購入しておき、日常生活で古いものから使用します。
使用したら同量を補充することで、備蓄量を一定に保ちながら鮮度を維持できます。
この方法は水だけでなく、食料品や日用品にも応用可能です。
企業においても、オフィスや倉庫にローリングストック用のスペースを設けることで、無理なく備蓄を継続できます。
飲料水の備蓄手段(ウォータータンク・ペットボトル・ウォーターサーバー)
飲料水の備蓄手段は複数あり、それぞれに特徴があります。
自社の環境や従業員数に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
ウォータータンクは大容量の水を保管できるため、多人数が勤務するオフィスや工場での活用に適しています。
10〜20リットル程度のポリタンクを複数用意しておくと、災害時に効率的に水を運搬・配布できます。
ただし、保管スペースの確保と定期的な水の入れ替えが必要です。
ペットボトルは最も一般的な備蓄手段であり、保存しやすく量の把握も容易です。
2リットルボトルを複数ケース備蓄しておくと、必要量を簡単に計算できます。
開封後は早めに使い切り、直接口をつけないようにすることで衛生状態を保てます。
ウォーターサーバーは日常的に使用しながら備蓄も兼ねられる点がメリットです。
ボトル交換式のサーバーであれば、予備のボトルを複数ストックしておくことで災害時にも活用できます。
ただし、電気が使えない場合はサーバー機能が停止するため、手動で注水できるタイプを選ぶか、別途の備蓄と併用する必要があります。
生活用水の備蓄手段(浴槽貯水・エコキュート)
生活用水は飲料水ほど品質管理が厳しくないため、より大容量の備蓄が可能です。
日常的に使用する設備を活用することで、効率的に大量の水を確保できます。
浴槽に水を貯めておく方法は、約150〜200リットルの生活用水を確保できる簡便な手段です。
災害の発生が予測される場合は、入浴後に浴槽の水を抜かずに溜めておくことで、トイレの洗浄水や手洗い用の水として活用できます。
ただし、浴槽貯水には注意点もあります。
蓋をしっかり閉めておかないと、地震の揺れで水がこぼれたり、ホコリや雑菌が混入したりする可能性があります。
また、小さな子どもやペットがいる家庭では、溺水事故を防ぐための安全対策も必要です。
エコキュートを導入している場合は、貯湯タンク内の水を生活用水として活用できます。
一般的なエコキュートは約370リットルの貯湯容量があり、数日分の生活用水を賄うことが可能です。
ただし、多くのメーカーでは飲料水としての使用を推奨していないため、原則として生活用水としての利用に留めてください。
企業のBCP対策においては、備蓄水の管理を効率化するシステムの導入も検討に値します。
総合防災アプリ「クロスゼロ」では、保存水や備蓄品の消費期限管理機能を搭載しており、期限切れを防ぎながら計画的な備蓄ローテーションを実現できます。
災害時に水を確保する方法
十分な備蓄がない状態で災害に遭遇した場合や、備蓄が底をついた場合には、外部から水を確保する方法を知っておく必要があります。
ただし、災害時に確保できる水は必ずしも安全とは限らないため、適切な処理を行ってから使用することが重要です。
ここでは、給水拠点の利用方法から、自作のろ過装置、自然環境での水の確保方法まで、実践的な知識を解説します。
給水拠点での受給と事前確認
災害発生後、自治体や自衛隊による給水活動が行われるため、最寄りの給水拠点を事前に確認しておくことが重要です。
給水拠点は学校、公民館、公園など公共施設に設置されることが多く、自治体のホームページやハザードマップで確認できます。
給水を受ける際は、水を持ち帰るための容器が必要です。
ペットボトルやポリタンクを普段から用意しておくか、防災リュックに折りたたみ式の給水袋を入れておくと便利です。
企業においては、オフィスや事業所周辺の給水拠点を事前にリストアップし、従業員に周知しておくことが推奨されます。
また、給水活動が開始されるまでの間を乗り切るための備蓄と、給水拠点までの移動手段も合わせて計画しておきましょう。
ペットボトルろ過装置の作り方
給水を受けられない状況や、川や池などから水を確保せざるを得ない場合には、自作のろ過装置が役立ちます。
ペットボトルを使った簡易ろ過装置は、身近な材料で作成でき、濁りや不純物を取り除くのに効果的です。
必要な材料は、ペットボトル(2リットル)、小石、砂、活性炭、綿またはガーゼです。
ペットボトルの底を切り取り、逆さまにして下から順に綿、活性炭、砂、小石を層状に詰めていきます。
上から汚れた水を注ぐと、各層で不純物がろ過され、比較的きれいな水が下から出てきます。
ただし、このろ過装置は物理的な汚れを除去するのみで、細菌やウイルスは除去できません。
ろ過後の水は必ず煮沸してから使用してください。
また、この方法で得られる水は主に生活用水として使用し、飲料水としては煮沸後でも緊急時のみの使用にとどめることが推奨されます。
自然環境から水を確保するサバイバル技術
孤立状態や極限環境においては、自然環境から水を確保するサバイバル技術が生死を分けることがあります。
以下に、緊急時に活用できる水の確保方法を紹介します。
比較的容易な方法として雨水の採取が挙げられます。
清潔な容器やビニールシートを使って雨水を集めれば、比較的安全な水を確保できます。
ただし、地面に接触した雨水は汚染されている可能性があるため、煮沸してから使用してください。
川や湧水、湿地などの水源を探すことも有効です。
植物が多く生えている場所には水源がある可能性が高く、地形を観察することで水脈を見つけられることがあります。
朝露を集める方法もあります。
早朝に草木に付いた露をタオルやガーゼで拭き取り、絞ることで少量の水を得られます。
ビニールシートを地面近くに広げておくと、露が凝結して水滴が集まります。
より高度な方法として、ソーラースチル(太陽熱蒸留装置)があります。
地面に穴を掘り、中央に容器を置いてビニールシートで覆い、中央に小石を置いて低くします。
太陽熱で地面の水分が蒸発し、シートの裏面で凝結して容器に溜まります。
この方法で得られる水は蒸留水に近いため、飲用可能です。ただし、採取量はごく少量であり、飲用できるかどうかは状況によります。他の水が確保できない場合の、あくまで最終的な手段と考えてください。
なお、尿を飲むという最終手段が紹介されることがありますが、これは非推奨です。
尿には塩分や老廃物が含まれており、繰り返し摂取すると脱水症状を悪化させる可能性があります。
極限状況以外では絶対に避けてください。
水を安全に飲める状態にする
浄化・煮沸の手順
災害時に確保した水は、そのままでは飲料水として安全に使用できない場合がほとんどです。
細菌やウイルス、寄生虫などの病原体が含まれている可能性があり、適切な処理を行わなければ感染症のリスクがあります。
ここでは、確保した水を安全に飲める状態にするための浄化・煮沸の具体的な手順を解説します。
ろ過による不純物の除去方法
ろ過は、水に含まれる泥、砂、ゴミなどの物理的な不純物を取り除くための最初のステップです。
前述のペットボトルろ過装置を使用するか、清潔な布やコーヒーフィルターで水を濾すことで、目に見える汚れを除去できます。
ろ過の際は、複数回繰り返すことでより透明度の高い水を得られます。
ただし、ろ過だけでは細菌やウイルスは除去できないため、必ず次のステップである煮沸消毒を行ってください。
活性炭を使用したろ過は、塩素やカルキ臭、一部の化学物質を吸着する効果があります。
市販の活性炭(バーベキュー用の炭ではなく、浄水用の活性炭)を使用すると、より効果的に不純物を除去できます。
煮沸消毒の正しいやり方と時間
煮沸消毒は、水を安全に飲める状態にするための有効な手段の一つです。
水を沸騰させることで、ほとんどの細菌、ウイルス、寄生虫を死滅させることができます。
正しい煮沸消毒の手順は以下の通りです。
1. 水を加熱する
まず、ろ過した水を鍋ややかんに入れ、強火で加熱します。
2. 沸騰させる
水が沸騰し始めたら、そのまま最低10分間、沸騰状態を維持してください。
※沸騰時間が短いと、熱に強い一部の病原体が生き残る可能性があります。
※標高が高い場所では気圧の影響で沸点が下がるため、15分以上の煮沸が推奨される傾向にあります。
3. 保管する
煮沸後の水は清潔な容器に移し、蓋をして保管します。
冷ましてからペットボトルなどに移し替えると、持ち運びや配布がしやすくなります。
市販の携帯浄水器を活用した浄化
防災グッズとして、市販の携帯浄水器を備えておくことも有効な対策です。
携帯浄水器は、フィルターを通すだけで細菌や一部のウイルスを除去でき、煮沸の手間を省くことができます。
携帯浄水器には、ストロータイプ、ボトルタイプ、ポンプタイプなどさまざまな種類があります。
ストロータイプは直接水源から吸い上げて飲むことができ、コンパクトで携帯性に優れています。
ボトルタイプは水を入れて絞り出すだけで浄水でき、複数人で共有しやすいのが特徴です。
ポンプタイプは大量の水を処理する際に効率的で、グループでの使用に適しています。
携帯浄水器を選ぶ際は、除去できる物質の種類と処理能力を確認してください。
細菌に加えてウイルスも除去できるタイプや、重金属や農薬を吸着するタイプなど、製品によって性能が異なります。
企業の防災備蓄品として携帯浄水器を導入する場合は、従業員数に応じた数量を確保し、定期的にフィルターの交換時期を確認することが重要です。
防災訓練の際に実際に使用してみることで、いざというときにスムーズに活用できます。
また、災害時の水確保に役立つグッズとして、以下の物品も備蓄しておくことをおすすめします。
- 給水袋(折りたたみ式で持ち運びやすいもの)
- ポリタンク(10〜20リットル容量)
- 携帯浄水フィルター
- 浄水タブレット(塩素系消毒剤)
- 煮沸用の鍋・やかん(カセットコンロとセットで)
これらのグッズを防災備蓄品としてまとめておくことで、断水時にも迅速に対応できます。
まとめ
災害時において水は最優先で確保すべきライフラインであり、飲料水は1人1日3リットル、最低3日分で9リットル以上の備蓄が必要です。
生活用水も1人1日10〜20リットルを目安に、30〜60リットル程度を確保しておくことで、衛生環境を維持できます。
平常時からローリングストック法を活用し、ウォータータンクやペットボトルで計画的に備蓄を行うことが重要です。
また、給水拠点の事前確認やろ過・煮沸の知識を身につけておくことで、備蓄が底をついた場合にも対応できます。
企業のBCP対策においては、従業員の安全を守るために水の備蓄計画を策定し、定期的な点検と訓練を実施することが求められます。
水の確保は防災対策の基本です。万一の事態に備え、早期の対策検討をおすすめします。
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