【2023年最新版】BCP対策とは?目的や策定方法を徹底解説
2023/07/25
2023/12/06
「BCP対策ってどんなことするの?」
「BCP対策の目的は?」
上記のような疑問を抱えている経営者の方もいるのではないでしょうか?
近年、地震や台風などの自然災害が多く、企業ではBCP対策が求められています。
自然災害が起きても、被害を最小限に抑えて事業を継続させるためには、BCP対策を行わなければなりません。
そこで本記事では、BCP対策の特徴を踏まえた上で目的や策定方法などを解説します。
災害時に備えた行動を撮りたいと思っている経営者の方は、ぜひ最後までご一読ください。
BCP対策とは?
BCP対策とは、組織が災害や緊急事態に備えて事業継続を確保するための計画です。
BCPでは、組織が災害や事故、テロなどの影響を受けた場合でも、迅速かつ効果的な対応を行い、業務の中断を最小限に抑えます。
具体的には、リスク評価や事業継続計画の策定、バックアップと復旧の手順の確立、緊急連絡体制の整備などが含まれます。
事業継続ができなければ、取引先や顧客からの信頼性を失い、最悪の場合、倒産する可能性が高いです。
そのような状況に陥らないためにも、BCP対策は必要といえるでしょう。
BCPとBCMの違い
似たような言葉で「BCM」がありますが、組織全体における継続的な事業継続能力の確保と管理を目指す活動のことを指します。
つまり、事業継続を目的に計画するBCPに対して、その体制を「マネジメントする」役割を担うのがBCMです。
BCPをしっかりと活かすために必要なのがBCMであり、BCMはBCP対策と切ってもきれない関係性を持つということを覚えておきましょう。
BCPと防災の違い
よくBCP対策と防災を同じだと捉える方もいますが、どちらも目的が異なります。
防災は、台風や地震、火災などの自然災害に備えてあらかじめ対策し、人々の生命と財産を守るための活動です。
避難計画の策定、危険な地域の避難誘導、防災訓練の実施などが含まれます。
一方、BCP対策は企業が災害に見舞われた際の事業継続や復旧が目的です。
どちらも相補的な関係にあり、組織がBCPを実施することで防災対策も一部カバーされる場合もあります。
しかし、それぞれが独自の目的と手法を持ち、異なる側面から災害に対処するという点で異なっています。
BCP対策を行う目的とは
BCP対策を行う目的として挙げられるのは、主に以下3つの理由です。
BCP対策は、事業継続をするために重要なことであるため、目的をしっかりと理解しておくことが重要です。
それでは、順番に解説します。
従業員を守る
BCP対策を行う目的には、従業員を守ることが挙げられます。
自然災害が起こると、最優先しなければいけないことは人命を守ることです。
BCP対策は、災害や緊急事態による業務中断や労働災害のリスクを最小限に抑え、従業員の命を守るための対策を策定します。
例えば、災害時の避難経路の確保や安全訓練の実施、危険物の適切な取り扱いなどが重要な要素です。
従業員が安全な環境で働けることは、彼らの健康と生命を守ることにも繋がり、結果的に事業継続を導くことができるでしょう。
さらに、組織が従業員の安全と健康を守ることができれば、労働環境の向上と従業員のモチベーション向上にもつなげることができるのも魅力です。
企業価値を高める
BCP対策は、企業価値を高めるために必要です。
あらかじめ対策しておくことで、緊急事態でも安定して経営できたり臨機応変に対応できたりなど、ビジネスパートナーとしての信頼度を担保できます。
BCP対策によって業務の継続性が確保されることで、納期の遅延や予算の超過を最小限に抑えることも可能です。
また、組織が迅速かつ効果的に対応できる体制を整えることで、事業中断や損失を最小限に抑えられます。
これにより、企業の安定性と持続性が高まり、投資家や株主からの評価を向上させることができます。
企業価値を高める目的でBCP対策を行うことも重要だということを、頭に入れておきましょう。
経営戦略の参考にする
BCP対策を行う目的は、経営戦略に役立てることも含まれます。
BCP対策によって、組織は事前にリスクを評価し、事業継続に必要な手順や対策を策定します。
経営層は将来のリスクを予測し、適切な戦略を立案することが可能です。
また、どの事業を優先して継続させるかを考えるため、重要業務の可視化ができます。
経営戦略を再度見つめ直す機会ができることで、BCPの策定は経営を持続させるために役立たせることができるでしょう。
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BCP対策の法的要件と規制について
BCP策定の義務化について
現在の日本の法律では、一般の企業に対してBCP(事業継続計画)の策定を直接義務づける法律は存在しません。
しかし、防災対策がおろそかな企業は安全配慮義務違反などに問われる可能性があるため注意が必要です。
ただ今のところは、東京都帰宅困難者対策条例のような、BCP策定や防災備蓄を推奨する条例を定める都道府県もありますが、これらは罰則規程がなく、努力義務となっているのが現状です。
中小企業強靭化法について
2019年に施行された「中小企業強靭化法」では、BCPに関する国からのさまざまな支援を打ち出しています。
この法律は、自然災害や高齢化などにより事業の経営環境が厳しい状況に置かれても、中小企業が事業を継続して行えるよう支援を行うための法律です。
BCP策定は義務化されておらず、努力義務にとどまっていますが、BCP認定制度や支援措置が設けられています。
BCP認定制度と支援措置
BCP認定制度とは、中小企業のBCPの内容が適切であることを国(経済産業大臣)が認定する制度です。
この認定を受けることで、税制上の優遇措置、金融支援、補助金の優先採択などの財政的措置や、BCP策定に向けたワークショップの開催、専門家によるハンズオン支援などの非財政的措置を受けることができます。
これらの法的要件や規制は、企業がBCPを策定し、事業継続力を高めるためのガイドラインとなるでしょう。
また、国や地方自治体、商工会議所や各業界団体は、BCPの普及を積極的に掲げ、ガイドラインや各種の支援策を用意するなどして企業のBCP策定を後押ししています。
そこで企業においては、これらの情報を参考にしながら、自社のリスクマネジメントを適切に行うことが求められます。
BCPを策定するコツ
BCPを策定するコツは、主に以下の4つです。
事前にBCP策定のコツを把握すれば、万が一の災害に備えることができるようになるでしょう。
それでは、順番に解説します。
社内体制を構築する
BCPを策定するコツは、社内体制を構築することです。
BCP対策は単なる計画書ではなく、組織全体の取り組みとして浸透させる必要があります。
BCP対策の内容は、現場や経理、営業など複数の部門に関わるため、策定にはプロジェクトチームを編成して進行するケースが多いです。
また、各部門にBCP担当者を任命し、チームを編成することも重要です。
このチームはBCPの策定や実施、評価などを担当し、情報共有を通じて社内の意識向上を図ります。
社内の関係者がBCPに積極的に参画することで、組織全体での危機管理能力が向上し、BCPの効果が最大限に発揮されるでしょう。
まずは、社内体制の構築から始めてみてください。
自社に合っているかどうか方針を確定させる
自社に合っているかどうか方針を確定させることも、BCPを策定するためには必要です。
BCP対策を行う上で、どこを目指していて何をすべきかなどを共有することで、万が一災害に見舞われた際に社員一人ひとりが冷静に行動できるようになります。
BCPの優先順位や対策の方向性を確定させて、従業員の役割や能力も考慮した上でBCPの策定を行う必要があるでしょう。
従業員はもちろん、顧客や取引先からの信用を守るため、自社の経営理念や基本方針と照らし合わせて、自社に最適な方針を考えることが重要なポイントです。
重要な事業を明確にする
BCPを策定する際、自社の重要な事業を明確にすることが重要です。
もちろん、BCPを策定する上ですべての事業に向けて対策できれば良いのですが、災害などの緊急事態が発生した際はそこまで余裕がありません。
緊急事態に見舞われた際は、企業の存続に大きく影響するような事業を最優先にBCPを作成する必要があります。
このように、BCPを作成する際に企業の経営陣と入念な話し合いを行い、どの事業を重要とするのか検討しましょう。
外部委託する
自社にBCP策定のリソースがなければ、外部委託するのも検討しておくべきです。
外部の専門家やコンサルタントを活用することで、客観的な視点や専門知識を得ることができます。
外部の専門家は、リスク評価や事業継続計画の策定、緊急対応の手順などにおいて高い専門性を持っています。
社員がBCP策定の業務にリソースを使わず、他業務に集中できるため、業務の効率化を図ることも可能です。
さらに、外部委託することで法的要件や業界の規制に適合するためのアドバイスも受けられます。
外部委託は組織内のリソースを効果的に活用し、BCPの品質と実施効果を向上させるために重要な手段です。
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BCP対策の具体事例
BCP対策の具体例として、以下の2社のBCP対策事例を紹介します。
BCP対策事例①保険業「東京海上日動火災保険株式会社」
東京海上日動火災保険株式会社では、首都直下地震を想定し、本店ビルが使用不能やメインシステムセンターが使用不能になった場合でも、保険事故受付業務や保険金の支払い業務などの重要な役割を継続するためのBCP対策を策定しています。
災害時には地域社会の安全確保に協力し、組織・体制を整え、緊急時の代替拠点を定め、緊急時用の機器や物資を整えるなどの対策を講じているのが特徴です。
BCP対策事例②製造業「大草薬品株式会社」
大草薬品株式会社では、大規模地震や津波を想定し、本社工場の一部損壊や施設設備の損傷、ライフラインの一時的停止に対応するBCP対策を策定しています。
また、胃腸薬や便秘薬の製造・販売を優先事業としおり、事業継続検討委員会の設置や備品薬品等の保管方法の改善、従業員の初動訓練などを定期的に行うなど、具体的な施策を実施している点が特徴的です。
BCP対策を行うならクロスゼロがおすすめ!
本記事では、BCP対策の特徴を踏まえた上で目的や策定方法などを解説しました。
災害や緊急事態に備えて事業継続を確保するためには、しっかりと社内でBCP対策を行うことが大切です。
BCP対策を行うことで、従業員を守れたり企業価値を高められたりと、企業のブランドイメージ向上にも繋がります。
事業継続のために、社内体制を構築させたり自社に合っているかどうかを照らし合わせたりするなど、BCP策定を行うようにしましょう。
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