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ICT施工とは?施工内容や建設業へ導入のステップとメリットを解説

2023/07/10

土木

ICT施工とは、情報通信技術(ICT)を活用して、建物やインフラなどの施設に関する設備やシステムを構築・設置する技術です。
レーザースキャナやドローンなどを利用して計測したり、ICT建設機械を用いて建設作業をしたりします。
施工内容や施工手順などを理解しておくことで、施工精度の向上が期待できるでしょう。
本記事では、 ICT施工の流れや導入するメリットなどを詳しく解説します。
ICT施工の導入を検討している方は、ぜひ最後までご一読ください。

ICT施工とは?

ICT施工とは、「Information and Communication Technology」の略称であり、日本語に直訳すると「情報通信技術」という意味を持ちます。
ICT(情報通信技術)を活用し、各工程から得られる電子情報を活用して高い精度の施工を効率よく行います。
ICT施工では、自動制御化ができるようになるため、未経験の方と経験豊富な方が同じように作業ができるといった点が大きな特徴です。

ICT施工とドローンの関係性

ICT施工とドローンは、建設現場で大きく関わりがあります。
ドローンは施工現場における情報収集や監視などを行い、施工作業の効率化に大きな貢献をしています。
空中から高精度な映像やデータを収集し、建物や施設の点検や監視、測量調査などを行うことが可能です。

ICT施工の流れ|施工内容をわかりやすく解説

ICT施工の流れは、以下の通りです。

  • 測量
  • 設計
  • 施工
  • 施工管理
  • 納品

あらかじめ施工の流れを把握しておけば、施工内容も知ることができ、よりICT施工の魅力が理解できるでしょう。
それでは、順番に解説します。

測量

ICT施工における測量は、施工前の土地や建物の状況を正確に把握し、設備やシステムの配置を計画する重要な工程です。
UAVやレーザースキャナなどの3次元計測システムを活用して、土地の形状や地形などを計測します。
従来のやり方だと、TS(トータルステーション)という距離と角度を測る測定機器を使っていて、計測したデータを積み重ねるといった作業に多くの時間を要しました。
しかし、ICT技術を搭載している測定機器を使えば、「面」で測量できることから、大幅な作業時間の削減ができます。

設計

測量が完了したら、各設備やシステムの選定や配置、配線経路の計画などが行われます。
具体的には、UAVやレーザースキャナを用いて集めたデータをもとに、3次元設計データを作成します。
3次元設計データとは、建物や施設を立体的に表現したデジタルデータのことです。
この3次元設計データと3次元測量データを使えば、 施工幅に合わせて横断を補完し、施工量を自動で算出します。

施工

3次元設計データを作成し、施工量を明確にしたら、いよいよ施工です。
具体的には、3次元設計データを搭載しているICT建設機械を用いて、作業を行います。
ICT建設機械は、以下2つの種類があります。

  • MC(マシンコントロール)
  • MG(マシンガイダンス)

MCは、3次元設計データを活用し、半自動的に施工を行う機能のことです。
MGは、建設機械や車両にセンサーやGPSなどの装置を搭載し、現場の状況をリアルタイムで計測・解析した情報をもとに人が操作する施工方式です。
これらを利用し、施工作業を進めることで、施工用丁張りが減少し、効率よく作業を遂行できるでしょう。

施工管理

施工完了後、しっかりと施工ができているかどうかをレーザースキャナーやドローンなどのICT機器を活用して検査を行います。
ICT機器を活用すれば、検査にかかる日数が 約1/5に短縮でき、検査作業の負担を削減することが可能です。

納品

施工管理までできれば、3次元データの納品です。
検査日数と検査書類が削減できるほか、関係者とデータを共有も問題なくできます。

ICT施工を導入するメリット4つ

ICT施工を導入するメリットは、主に以下4つです。

  • 建設作業に伴う施工効率の向上
  • 作業員の安全確保
  • 高品質の担保
  • 環境負荷の低減を実現

作業の効率化や安全確保などのメリットが期待できるため、これからICT施工の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

建設作業に伴う施工効率の向上

ICT施工の導入には、建設作業における施工効率の向上というメリットが期待されます。
ICT施工では、デジタル技術や情報通信技術を活用し、作業プロセスを効率化・最適化することが可能です。
例えば、3次元設計データを作成する際に、ドローンを使い空中から映像データを集めて測量調査を行います。
これまで現場で行っていた目視や作業中の検測などが不要となるため、作業の効率化が図れるようになるでしょう。

作業員の安全確保

作業員の安全確保ができるのも、ICT施工を導入するメリットです。
ICT施工を導入することで、建設機械周辺での丁張り設置作業を大幅に削減でき、建設機械と作業員が錯綜する作業時間も減らせます。
建設機械と作業員が錯綜する機会を減らせれば、建設機器との接触事故を防ぐことができるため、結果的に作業員の安全確保ができるでしょう。

高品質の担保

ICT施工を導入すると、ICT技術を用いた機器を使って正確な測位データを送信し、建機を自動制御してくれます。
これにより、設備や配線の正確な配置、寸法の精度などが向上し、高品質な施工が可能です。
ICTで自動化すれば、未経験者でも経験豊富な方でも関係なく一定の品質が保てるため、施工しやすいでしょう。

環境負荷の低減を実現

ICT施工は、環境にも優しい点が魅力です。
ICT施工では、以下2種類の建機の操縦があります。

  • 自動制御型
  • 支援型

自動制御型では、事前にプログラムされた指示に基づいて建機が自律的に作業を行い、支援型は建機の操縦は人間が行いますが、ICT技術による支援機能が提供されます。
自動制御型は効率的な作業や人手不足の解消に貢献し、支援型は人の判断や技術を活かしながら安全性と作業品質を高められます。
材料の無駄や廃棄物の発生を減らすことに繋がるため、結果環境負荷の低減を実現させるでしょう。

施工管理にICTを導入するステップ

最後に、施工管理にICTを導入する方法をご紹介します。
導入する流れは、主に以下の通りです。

  • ICT導入計画の立案
  • 業務フローの振り返り
  • 導入後の状況について検証

それでは、順番に解説します。

ICT導入計画の立案

まずは、ICT導入計画を考えることが必要です。
導入計画では、現状の課題やニーズを把握し、ICTツールやシステムの選定を行います。
自社にあったツールを選ぶことで、機能性や操作性に満足でき、施工管理の業務を効率化し、情報共有やコミュニケーションの改善などを期待できます。
導入する目的を考慮した上で、しっかりとした計画を立てましょう。

業務フローの振り返り

ICT導入計画を立てて課題や改善策が明確になれば、その業務が現在どんな感じで行われているのかを振り返る必要があります。
業務フローを振り返れば、ICT導入後に、施工作業にどんな影響があるのか、これまでの業務内容がどう変更されるのかなどが事前にわかるようになります。
また、実際にICTを活用する現場スタッフにも、現状の業務に対する意見をヒアリングしておくことで、より現状に適したサービスを選ぶことができるでしょう。

導入後の状況について検証

ICTを導入したら、必ず検証を行いましょう。
そもそもICTを導入する背景として、自社の課題を改善するといった目的があります。
導入後、自社が抱えている課題の改善が達成できているかどうかを検証し、仮に達成できていない場合は、再度改善策を立てなければなりません。
実際に導入してから、現場スタッフの声を聞いたり、業務の効率化に関するデータを確認したりして、導入後の状況をしっかりと把握できるようにしましょう。

ICT施工のまとめ

本記事では、ICT施工の流れや導入するメリットなどを解説しました。
ICTを活用することで、施工効率の向上や従業員の安全確保などといったメリットが期待できます。
導入する前に、自社の課題や改善策を明確にしてから自分に最適なICTツールを選択しましょう。
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