工事写真はどうしたらいい?|必要な項目と撮影のテクニック
2025/12/25
工事写真は、施工の進捗状況や品質を記録し、完成後には検査や保証の根拠となる重要な資料です。
建築・土木・電気設備などあらゆる現場で必須とされており、国土交通省が定めるガイドラインに沿った撮影と管理が求められます。
しかし、実際の現場では「どのタイミングで何を撮ればいいのか」「写真台帳はどう作るのか」と悩む担当者も少なくありません。
本記事では、工事写真に必要な項目から撮影のテクニック、台帳作成のステップまでを体系的に解説します。
現場での写真撮影・整理・共有がスムーズにできれば、報告作業や確認の手間が減り、全体の進行がスピードアップします。「PRODOUGU」で“写真管理のムダ”を減らす方法を、無料資料で解説しています。
作業時間50%削減!
工事写真とは
工事写真は、建設現場における施工の進捗や品質を可視化・記録するための写真であり、計画通りの施工が行われたかを証明する資料です。
建築・土木・電気設備などあらゆる工種で活用され、クレームや事故発生時の証拠資料としても機能します。
国土交通省が定める撮影基準に沿った適切な管理が求められるため、工事写真の定義と目的を理解することが大切です。
工事写真の定義と適用範囲
工事写真とは、工事の進捗状況・品質・安全管理を記録し、完成後の検査や保証の根拠となる写真です。
建築工事では基礎や鉄筋、土木工事では路盤や埋設配管、電気設備工事では配線経路や接続部など、目視できなくなる施工過程を記録する役割を担います。
公共工事では国土交通省の基準に準拠し、民間工事でも受注契約書や特記仕様書で撮影項目が定められるケースが多くみられます。
工事写真が果たす3つの重要な役割
工事写真は、計画通りの施工確認・クレーム対応・品質保証の3つの役割を果たします。
第一に、設計図書や施工計画書に基づいた施工が実施されたことを証明し、発注者や監理者への報告資料となります。
第二に、施工後のクレームや事故が発生した際、施工状況や使用材料を遡って確認できる証拠資料として機能します。
第三に、完成検査や保証期間中の品質保証において、施工の適切性を裏付ける客観的なデータとなります。
国土交通省が定める撮影基準の概要
国土交通省は、工種別の撮影要領や管理基準を定め、デジタル写真情報管理基準で画像編集規定も示しています。
代表的なものに「営繕工事写真撮影要領(令和5年版)」があり、撮影手順や必要項目、データ管理方法まで網羅されています。
電気設備工事や土木工事など工種ごとに詳細な要領が公開されており、撮影時の解像度や縦横比、黒板への記入事項、画像加工の禁止事項などが明確に規定されています。
これらの基準を遵守することで、検査時の不備や後日のトラブルを未然に防ぐことができます。
工事写真に必要な7つの項目
工事写真は、撮影目的や記録対象によって7つの項目に分類され、それぞれに適した撮影内容と頻度が定められています。
着手前・完成写真から安全管理、使用材料、施工状況、出来形管理、災害・事故、品質管理、その他(公害・環境・補償)まで、各項目の役割を理解し、漏れなく記録することが求められます。
ここでは、各項目の定義と具体的な撮影内容を詳しく解説します。
着手前及び完成写真
着手前及び完成写真は、工事開始前と完成後の全景を記録し、施工範囲と変化を明確に示す写真です。
着手前写真では、既存の状態や周辺環境、既施工部分の有無を撮影し、完成写真では同じアングルから仕上がり状態を記録します。
見開きで並べることで工事の成果が一目で確認でき、発注者への報告や保証資料として重要な役割を果たします。
撮影時は、敷地境界や主要構造物が画角に収まるよう広角レンズの使用も検討します。
安全管理写真
安全管理写真は、保安施設の設置状況や安全訓練の実施状況を記録し、労働災害防止の取り組みを証明します。
具体的には、仮囲いや標識、監視員による交通整理、安全朝礼や危険予知活動の様子を撮影します。
公共工事では安全管理体制の確認が検査項目に含まれるため、定期的な記録が求められます。
撮影時は、保安施設の設置位置や人員配置が判別できるよう、全景と詳細を組み合わせて記録することがポイントです。
使用材料写真
使用材料写真は、材料の寸法・形状・保管状況・使用数量・検査状況を記録し、品質証明の根拠となります。
鉄筋やコンクリート、配管材料など、施工前に搬入された材料の検査状況や保管状態を撮影します。
材料の銘板やロット番号、数量が判別できるよう黒板に記載し、材料が仕様書通りであることを証明します。
後日の品質トラブルや数量精算の際にも重要な資料となるため、搬入時と使用時の両方で記録することが推奨されます。
施工状況写真
施工状況写真は、埋設や被覆により見えなくなる施工過程を記録し、手順や工法の適切性を証明します。
基礎の配筋、埋設配管の接続部、防水層の施工状況など、完成後には確認できない部分を撮影します。
撮影時は、施工手順や使用工具、養生状況が判別できるよう、複数のアングルから記録します。
特に、設計図書と実際の施工状況を照合できるよう、黒板に測点や設計寸法を記入し、略図を添えることが重要です。
出来形管理写真
出来形管理写真は、仕上がり寸法や形状が計画通りであることを確認し、設計図書との整合性を証明します。
コンクリート打設後の寸法、仕上げ材の割付、設備機器の設置位置など、完成後の形状や寸法を記録します。
黒板には設計寸法と実測寸法を併記し、許容誤差内であることを明示します。
出来形管理は検査の重要項目であり、撮影漏れがあると検査不合格や手戻りの原因となるため、施工計画書で定めた測定箇所を確実に記録します。
災害・事故写真
災害・事故写真は、被災前後の状況や被害範囲を記録し、原因究明や保険請求の根拠となります。
自然災害や施工中の事故が発生した場合、被害箇所の全景と詳細を複数のアングルから撮影します。
被災前の状況と比較できるよう、着手前写真や施工状況写真との整合性を保つことが重要です。
撮影時は、被害の規模や発生原因が推測できるよう、周辺状況や関連設備も含めて記録し、黒板に発生日時や被害内容を明記します。
品質管理写真とその他の記録
品質管理写真は、撮影箇所一覧表に基づき、仕上げ状態や品質検査状況を記録します。
コンクリートの打設養生、塗装の仕上げ状態、設備機器の試運転状況など、品質管理項目ごとに撮影します。
その他の写真として、公害・環境対策施設の設置状況、補償関係の被害・損害写真なども記録します。
これらの写真は、発注者や第三者への説明資料として活用されるため、客観的かつ判読しやすい撮影を心がけます。
工事写真の撮影や管理を効率化するには、クラウドベースの施工管理アプリの活用が有効です。
「PRODOUGU」は、現場写真管理や図面管理、クラウドによるリアルタイムな情報共有機能を備えており、撮影後の整理や台帳作成の手間を大幅に削減できます。
工事写真を正しく撮るための
4つのポイント
工事写真を正しく撮るには、撮影頻度や黒板の記入内容、撮影仕様、5W1Hの徹底、計画的な進行といった4つのポイントを押さえることが重要です。
これらを遵守することで、撮影漏れや後日の手戻りを防ぎ、検査や保証時にも信頼性の高い資料を提供できます。
ここでは、各ポイントの具体的な実践方法と注意点を解説します。
撮影頻度と計画的な進行
撮影頻度は、各工種や施工段階ごとに進捗が把握できる頻度で実施し、設計図書や施工計画書に沿ったタイミングを守ります。
資材搬入時、施工開始時、中間検査時、完成時など、事前に「何を・いつ撮るか」を計画し、撮り逃しを防ぎます。
特に、埋設や被覆により見えなくなる部分は、施工直後に記録することが大切です。
計画的に進行することで、撮影漏れによる手戻りや追加調査のコストを削減できます。
黒板撮影の必須記入項目と判読性
黒板撮影では、工事名・工種・測点・設計寸法・実測寸法・略図を記入し、文字の判読性を重視します。
黒板は、撮影内容を特定し、設計図書との整合性を証明するための情報源です。
記入時は、文字が小さすぎず、写真で判読できるサイズと濃さで記載します。
また、略図を添えることで、撮影箇所の位置関係や構造が一目で理解できるようにします。
黒板が不鮮明だと検査で不備と指摘される可能性があるため、撮影後は画像を確認することが大切です。
撮影仕様と解像度および縦横比の規定
工事写真はカラー撮影が基本で、縦横比3:4、解像度100万~300万画素(1,200×900px~2,000×1,500px)が推奨されます。
国土交通省の「デジタル写真情報管理基準」では、画像サイズや解像度が規定されており、これを下回る写真は検査で不合格となる場合があります。
撮影時は、カメラやスマートフォンの設定を事前に確認し、規定に沿った仕様で記録します。
また、暗所や逆光では露出調整を行い、後から補正せずに済むよう撮影時に対応します。
5W1Hで撮り逃しを防ぐ
5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識することで、撮影内容の抜け漏れを防ぎます。
「いつ」は撮影日時、「どこで」は測点や施工箇所、「誰が」は施工業者名、「何を」は撮影対象、「なぜ」は撮影目的、「どのように」は施工方法や使用工具を記録します。
これらの情報を黒板や撮影計画書に明記することで、後日の確認や検査時に必要な情報を迅速に引き出せます。
5W1Hを徹底することで、撮影の目的と内容が明確になり、記録の信頼性が向上します。
工事写真台帳の作成手順
工事写真台帳は、撮影した写真をファイリングし、一冊にまとめた資料であり、検査やクレーム対応時の証拠資料として不可欠です。
目視できなくなる基礎や鉄筋などの施工過程を保存し、完成後も品質保証の根拠として活用されます。
ここでは、工事写真台帳の定義と重要性、作成の4つのステップ、写真の並べ方と順序の規則を詳しく解説します。
工事写真台帳とは
工事写真台帳とは、工事写真を撮影目的や工種ごとに分類し、表紙・目次・写真・詳細情報を含めて一冊にまとめたものです。
台帳は、発注者や監理者への提出資料として必須であり、検査時には施工の適切性を証明する重要な書類となります。
また、完成後のクレームや保証期間中のトラブル発生時にも、施工状況を遡って確認できる証拠資料として機能します。
台帳の作成は、工事の透明性を高め、信頼性を向上させるための基本的な管理業務です。
台帳作成の4つのステップ
台帳作成は、管理計画の確認・表紙の作成・写真の貼り付け・工事詳細の追記の4ステップで進めます。
まず、特記仕様書や受注契約書で撮影項目を確認し、国土交通省の「工事写真管理基準」を参照します。
次に、表紙に工事名・施工者名・工期を記載し、目次を作成します。
その後、ExcelやWordなどで写真を貼り付け、見開きで着手前・完成写真を並べるなど視認性を高めます。
最後に、工種・測点・設計寸法・実測寸法・略図などの工事詳細を余白に追記し、台帳を完成させます。
写真の並べ方と順序の規則
工事写真台帳では、見開きで着手前・完成写真を並べ、以降は施工状況・安全管理・使用材料・品質管理・出来形管理・災害・事故・その他の順に配置します。
見開きでの配置により、工事前後の変化が一目で確認でき、検査時の説明が容易になります。
以降の写真は、施工の時系列や工種ごとに分類し、黒板の記載内容が判読できるよう配置します。
写真の順序を統一することで、台帳の可読性が向上し、必要な情報を迅速に引き出せるようになります。
| 順序 | 写真の種類 |
|---|---|
| 1 | 見開き:着手前⇔完成写真 |
| 2 | 施工状況・手順写真 |
| 3 | 安全管理写真 |
| 4 | 使用材料写真 |
| 5 | 品質管理写真 |
| 6 | 出来形管理写真 |
| 7 | 災害写真 |
| 8 | 事故写真 |
| 9 | その他(公害・環境・補償など) |
工事写真撮影の注意点
工事写真の撮影では、画像のトリミング・補正・加工が厳格に禁止されており、違反すると改ざんとみなされ検査不合格や契約違反となる可能性があります。
国土交通省の「デジタル写真情報管理基準」では、撮影後の編集行為が明確に規定されており、これを遵守することが必須です。
ここでは、禁止事項の詳細と、撮影を効率化するアイテムやアプリの活用方法を解説します。
画像のトリミング・補正・加工は厳禁
撮影後の画像トリミング・明るさ補正・コントラスト調整・不都合箇所の消去や書き換えは、改ざんとみなされ禁止されています。
トリミングは撮影範囲の切り抜きに該当し、補正は元データの改変となるため、いずれも禁止されています。
撮影時に露出調整や構図を確定し、後から編集せずに済むよう対応します。
誤記訂正が必要な場合は、訂正前後の写真を両方記録し、訂正理由を明記します。
これらのルールを守ることで、写真の信頼性を担保し、検査や保証時のトラブルを防ぎます。
撮影に役立つアイテムとアプリ活用
広角レンズや写真管理アプリを活用することで、狭小空間の撮影や写真整理の効率化が可能です。
トイレや浴室などの狭い空間では、広角レンズを使用することで全景を一枚に収められます。
また、写真管理アプリを導入することで、クラウド保存や現場からPCへの自動転送、黒板機能や写真台帳作成機能が利用でき、撮影後の整理や台帳作成の手間を大幅に削減できます。
代表的なアプリには「PRODOUGU」などがあり、施工管理業務全体の効率化に貢献します。
まとめ
工事写真は、施工管理や品質保証の基礎データとして重要であり、国土交通省が定める撮影基準に沿った適切な記録と管理が大切です。
着手前・完成写真から安全管理、使用材料、施工状況、出来形管理、災害・事故、品質管理、その他まで7つの項目を漏れなく記録し、黒板撮影や撮影仕様を遵守することで、検査や保証時にも信頼性の高い資料を提供できます。
台帳作成では、管理計画の確認から表紙作成、写真の貼り付け、工事詳細の追記まで4つのステップを踏み、写真の並べ方と順序を統一することで可読性を向上させます。
また、画像のトリミング・補正・加工は厳禁であり、撮影時に露出調整や構図を確定する必要があります。
広角レンズや写真管理アプリを活用することで、撮影と整理の効率化が可能です。
このように、工事写真業務は多岐にわたる項目の網羅や、編集禁止という制約下での台帳作成など、正確性と効率性の両立が不可欠です。
そこで活用したいのが、KENTEM(株式会社建設システム)が提供する「PRODOUGU」です。
「PRODOUGU」は、 現場写真管理や図面管理に加え、クラウドによるリアルタイムな情報共有機能を搭載。本記事で解説した撮影から台帳作成までのフローをトータルにサポートし、確実な記録管理とともに作業ロスの解消と建設DXの推進を実現します。建設DXの推進の実現と、作業の効率化を目指したい方は、ぜひ「PRODOUGU」の導入をご検討ください。
現場での写真撮影・整理・共有がスムーズにできれば、報告作業や確認の手間が減り、全体の進行がスピードアップします。「PRODOUGU」で“写真管理のムダ”を減らす方法を、無料資料で解説しています。
作業時間50%削減!
おすすめ記事
PRODOUGUに関する
無料相談(最大90分)
建築業向け施工管理アプリ「PRODOUGU」にご興味をお持ちいただいた方は、お気軽にお申し込みください。
業務効率化に関するご相談はもちろん、ご希望がございましたら「PRODOUGU」の機能をご覧いただくこともできます。








