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経審(経営事項審査)の工事経歴書はどう書く?書き方と注意点を解説

2026/09/30

公共工事の元請として入札に参加するには、経営事項審査(経審)の受審が必要です。
経審の申請書類のなかでも、工事経歴書は自社の施工実績を証明する中核的な書類であり、記載のしかたが評価に影響します。
記載する項目や順序、省略できる範囲には細かな決まりがあり、作り方を誤ると申請が受理されない場合もあります。
本記事では、経審の工事経歴書の書き方を、記載する項目、記載の順序、作成時の注意点に分けてわかりやすく解説します。

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経審の工事経歴書とは

工事経歴書は、経審の申請書類のうち、自社が請け負った工事の実績を一覧で示す書類です。
経審の結果は公共工事の入札参加資格の審査に用いられるため、記載の正確さが求められます。
まずは、経審における工事経歴書の役割と、使用する様式、提出が必要になる場面を整理します。

工事経歴書が経審で果たす役割

経審は、建設業者の経営規模や技術力、社会性などを数値化して評価する制度です。
評価は複数の項目に分かれており、経営規模や技術力は工事の実績をもとに算出されます。
こうした実績を審査機関に示すために提出するのが工事経歴書です。工事の実績は経営規模と技術力の評価に影響するため、記載内容の正確さが求められます。
工事経歴書は、自社がどのような工事を、どのくらいの金額で、誰から請け負ったのかを示す証明書類です。
単に実績を並べるだけでなく、審査で適切に評価されるよう記載の順序まで定められています。

工事経歴書に使う様式

工事経歴書を作成する際は、定められた様式を使用する必要があります。様式は国土交通省の各地方整備局が公開しており、申請先が指定する最新のものを使用します。
申請書類の作成を支援するソフトが用意されている場合もあり、様式の入手方法は申請先の案内で確認できます。
欄の順序を入れ替えたり、独自の書式に置き換えたりすることはできません。

経営事項審査の工事経歴書は、建設業法施行規則の別記様式第2号により、建設工事の種類ごとに作成します。

出典: 国土交通省 関東地方整備局「6.様式集」

工事経歴書の提出が必要になる場面

工事経歴書は、経審を受審するときに提出します。
経審は公共工事の入札参加資格審査で利用されるため、工事実績を確認できる資料として工事経歴書の提出が求められます。
公共工事の入札参加資格を取得・更新するために、経審を受審する事業者は少なくありません。
また、経営規模等評価の結果には有効期間があるため、満了前に再受審が必要になります。
再受審のたびに工事経歴書を作成し直すことになるため、日ごろから工事の実績を整理しておくと作業を進めやすくなります。
経審の申請は決算変更届の提出とあわせて行うことが多いため、年間のスケジュールのなかで位置づけておくとよいでしょう。
下請中心の事業者や公共工事に直接関わらない事業者にとっては、同じ意味を持つ書類とは限りません。

経審の工事経歴書に記載する項目

工事経歴書には、工事ごとに決められた項目を順番どおりに記載します。
適切に評価を受けるためには、各項目の記載ルールを理解しておくことが大切です。
ここでは、作成の単位と、各欄に何を書くのかを具体的に確認していきます。

建設工事の種類ごとに作成する

工事経歴書は、許可を受けた建設工事の種類ごとに分けて作成します。
建設工事の種類は、建設業許可の業種区分と対応しています。
例えば、土木一式工事、建築一式工事、管工事、電気工事など、業種ごとに別の書類になる点に注意してください。
複数の業種で実績がある場合は、それぞれの業種について工事経歴書を用意することになります。
業種をまたいで実績をまとめて記載すると、審査の対象にならないため注意が必要です。
日ごろから工事ごとにどの業種に該当するかを整理しておくと、作成の作業を進めやすくなります。

注文者・元請下請の別・JVの記載

注文者の欄には、請負契約の相手方の商号または名称を記載します。
注文者が個人の場合は、個人名をそのまま書かず、記号に置き換えて記載します。
工事名も、個人が特定できる表記を避けて記載します。
元請と下請の別、共同企業体(JV)による工事かどうかも、それぞれの欄に記載します。
元請は発注者から直接受注した工事、下請は他の建設業者が請け負った工事の一部を受注した工事を指します。

工事名・工事現場・配置技術者の記載

工事名は、請負契約書を確認し、施工箇所と工事内容がわかるように具体的に記載します。
工事現場の欄には、工事を行った都道府県名と市区町村名を記載します。
配置技術者の欄には、その工事に配置した主任技術者または監理技術者の氏名を記載します。
施工中に配置技術者が変わった場合は、変更後の技術者名もあわせて記載します。
実際の配置と異なる技術者名を記載すると、実態と合わない書類と見なされるため注意が必要です。

請負代金は千円単位で記載する

請負代金の額は、原則として千円単位で記載します。
税込と税抜のどちらで表示するかは様式の区分に従い、書類のなかで統一します。
着工年月と完成年月もあわせて記載し、未成工事については完成予定年月を記載します。
記載した工事の件数と請負代金額は、小計・合計の欄で合算します。
金額の桁が多い事業者ほど転記の際の入力ミスが起きやすくなるため、突き合わせの確認が欠かせません。

また、経審の申請準備では、工事実績の整理に加えて、CCUSの登録情報を確認する場面もあります。 工事情報や就業履歴から適切に管理しておくことで、申請時の確認作業を進めやすくなります。

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経審の工事経歴書の記載ルール

工事経歴書は、実績を思いつく順に並べればよいわけではありません。
経審では記載の順序が定められており、すべての工事を書く必要もありません。
ここでは、記載の流れと省略できる範囲を確認します。

元請工事の記載順と7割ルール

経審用の工事経歴書は、金額の大きい工事から順に並べるのが原則です。
なお、元請工事がない事業者は、下請工事のみを金額の大きい順に記載します。
すべての工事を書き切る必要はなく、審査に必要な範囲を押さえるという考え方が基本です。
記載の順序を誤ると実績が正しく評価されないおそれがあるため、様式に示された記載フローに沿って並べ替えましょう。
請負代金が同額の工事が複数ある場合は、契約日の古い順など一貫した基準で並べると迷いません。

経審の工事経歴書では、まず元請工事を請負代金の大きい順に並べ、元請工事の完成工事高合計の7割を超えるところまで記載します。
続いて、残りの元請工事と下請工事を同じく金額の大きい順に記載し、全体の完成工事高合計の7割を超えるところまで記載します。

出典: 国土交通省 関東地方整備局「建設業許可申請・変更の手引き」

未成工事は別紙で記載する

完成工事を記載したあとに、主な未成工事を別紙で記載します。
未成工事は完成していない工事であるため、完成工事と同じ用紙に混ぜず、別の用紙にまとめるのが原則です。
また、未成工事の請負代金は、完成工事の合計には含めません。
完成予定年月を確認し、契約内容と一致するように記載します。

記載を省略できる軽微な工事

すべての工事を記載しなくてよい範囲は、金額と件数の両面から定められています。
軽微な工事が多い事業者では、省略の基準に達するまでに多くの工事を書き出すことになります。
そのため、どこまで書けばよいかの基準を把握しておくと、実績の多い事業者でも作業量を抑えられます。

完成工事の記載は、完成工事高が1,000億円に達した部分、または軽微な工事が10件(元請工事の残りおよび下請工事からさらに1件加えた計11件)に達した部分を超えて記載する必要はありません。
軽微な工事は、原則として税込500万円未満、建築一式工事については税込1,500万円未満とされています(※工事経歴書への記載額自体は税抜額となります)。
元請工事の部分に記載した軽微な工事も、件数の判定に含めます。

出典: 国土交通省 近畿地方整備局 建設部 建設産業第一課「経営規模等評価申請・総合評定値請求(経営事項審査)の手引き【本編】(令和8年7月改訂版)」

経審の工事経歴書を
作成するときの注意点

工事経歴書は、単体で正しく作るだけでは十分ではありません。
他の書類との整合性や、制度改正への対応も求められます。
ここでは、作成時に見落としやすいポイントを整理します。

他の申請書類との整合性を確認する

工事経歴書の合計金額は、施工金額や決算変更届の内容と一致している必要があります。
また、決算変更届には提出期限があるため、工事経歴書の作成はその期限から逆算して進めるとよいでしょう。
金額がずれていると、審査の途中で確認を求められ、申請が長引く原因になります。
提出前に、工事経歴書、決算変更届、財務諸表の数字を突き合わせて確認してください。
税込と税抜の扱いが書類ごとにばらついていないかも、あわせて確認します。

制度改正と申請方法の最新情報を確認する

経審は制度改正が行われており、古い様式で作成した書類は受理されないおそれがあります。
そのため、最新の制度や様式を事前に確認することが大切です。
改正の内容は地方整備局ごとに案内が異なる場合があるため、申請先のページで確認するのが確実です。
さらに、申請方法も見直されているため、入札の予定がある場合は早めに情報を確認しておきましょう。

経営事項審査については令和8年7月1日施行の改正が行われ、改正に対応した申請の手引き(令和8年7月改訂版)が公開されています。
電子申請に移行すると結果通知書の発行が早まり、令和8年3月以降はおおむね2週間、書面申請ではおおむね40日と案内されています。

出典: 国土交通省 近畿地方整備局「経営事項審査」

CCUSの運用状況はW点の評価対象になる

工事経歴書を適切に作成することに加え、経審では各種評価項目への対応も重要です。 そのひとつに、社会性等を評価するW点があります。
W点は複数の項目で構成されており、そのうちの一つが建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用状況です。
W点の評価では、就業履歴の蓄積状況や登録事業者・技能者率が加点の対象になります。
技能者の就業履歴を適切に蓄積し、登録状況を整えていくことが、評価につながります。
工事経歴書の作成とあわせて、CCUSの運用体制も点検しておくとよいでしょう。
このように、経審の準備では工事実績だけではなく、CCUSの登録状況や就業履歴の管理も重要になります。

こうした管理業務を日頃から行うためには、工事情報やCCUS関連情報を整理しやすい環境を整えることが重要です。
W点の評価を安定させるには、就業履歴の蓄積状況を把握し、協力会社との登録作業を効率化できる仕組みが役立ちます。
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まとめ

経審の工事経歴書は、自社の施工実績を証明する書類であり、建設業法施行規則の別記様式第2号を使って建設工事の種類ごとに作成します。
元請工事を請負代金の大きい順に並べ、完成工事高の7割を超えるところまで記載するという順序の決まりがあります。
さらに、令和8年7月の改正に対応した様式と手引きを確認し、他の申請書類との整合性を保つことが大切です。
このように、記載の範囲と順序を正しく理解しておけば、実績の多い事業者でも作業量を抑えながら準備を進められます。

加えて、経審の評価では、CCUSの運用状況もW点として加点の対象になります。
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経審のW点対策やCCUS運用の効率化を検討している方は、まず「KENTEM-CareerLog」の資料で具体的な機能をご確認ください。
導入時の活用イメージや運用方法も確認できるため、情報収集の第一歩としてお役立てください。

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