完了検査が通らない原因は?|指摘される事項から対処法まで徹底解説
2026/02/20
建築工事が完了し、完了検査を迎える段階で「検査が通らない」という事態は、建築主や施工業者にとって大きなリスクとなります。
完了検査に合格しなければ建物を使用することができず、再申請や是正工事が必要となり、工期の遅延やコストの増加を招くためです。
本記事では、完了検査が通らない主な原因と指摘されやすい事項、不合格を防ぐための対処法を解説します。
検査をスムーズに通過し、建物の引き渡しを円滑に進めるための実務知識をぜひご活用ください。
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完了検査が通らない主な原因とは
完了検査が通らない背景には、建築基準法への不適合や申請内容と実際の施工との相違など、複数の要因が絡み合っています。
検査機関は図面通りの施工がなされているか、また法令に適合しているかを厳密にチェックするため、わずかな不備でも指摘の対象となります。
ここでは、完了検査が通らない主な原因を4つの観点から整理し、それぞれの注意点を詳しく解説します。
建築基準法への不適合
完了検査が通らない代表的な原因は、建築基準法や関連法令に適合していない点が発見されることです。
建築基準法では、建物の用途や規模、地域ごとに基準が定められています。
例えば防火地域における外壁の仕様や、採光・換気の基準、高さ制限や斜線制限などが該当します。
これらの基準を満たしていない場合、検査機関は不適合と判断し是正を求めます。
また、自治体独自の条例が設けられている場合もあり、法令の確認不足は工期遅延のリスクにつながります。
設計段階で建築確認を取得していても、施工中に仕様を変更したり、現場の判断で部材を差し替えたりした結果、法令不適合に陥るケースも少なくありません。
完了検査では、実際の建物が法令に適合しているかを最終的に確認するため、設計時の適合性だけでなく、施工後の状態が重要です。
申請図面と実際の施工内容の相違
完了検査では、建築確認申請時に提出した図面と実際の施工内容が一致しているかが確認されます。
工事の進行中に、現場の都合や施主の要望により、間取りや開口部の位置、設備配置などが変更されることがあります。
こうした変更が図面に反映されないまま完了検査を迎えると、検査員は図面との相違を指摘し、検査を通さない判断を下します。
特に、構造に関わる変更や、防火区画に影響を与える変更は重大な不適合とみなされます。
また、施工業者が図面の読み間違いや理解不足により、意図しない形で施工を進めてしまうケースもあります。
完了検査を円滑に通過するためには、施工前・施工中・施工後の各段階で図面との整合性を確認し、変更が生じた場合は速やかに設計者や工事監理者に報告し、必要に応じて軽微変更説明書を準備することが不可欠です。
軽微変更の説明不足
建築工事中に生じた軽微な変更に対し、適切な説明や書類が不足している場合も不合格の原因となります。
建築基準法では、計画変更に該当しない「軽微な変更」であれば、完了検査申請時に軽微変更説明書を添付することで対応できます。
しかし、変更内容が軽微であるかどうかの判断が曖昧であったり、説明書の記載が不十分であったりすると、検査機関は受理せず、再提出や追加資料の提出を求めます。
例えば、仕上げ材の変更や設備機器の型番変更など、性能や安全性に影響しない範囲であれば軽微変更として扱われますが、構造耐力や防火性能に関わる変更は計画変更申請が必要です。
軽微変更と計画変更の境界を正確に理解し、変更の都度、工事監理者や設計者と協議し、適切な手続きを踏むことが重要です。
必要書類の不備や提出漏れ
完了検査申請には複数の書類が必要であり、書類の不備や提出漏れがあると、申請が受理されず検査が実施されません。
完了検査申請書や委任状(代理申請の場合)、軽微変更説明書、工事監理報告書など、自治体や検査機関によって求められる書類は異なります。
また、省エネ適合性判定が必要な建築物では、関連書類の提出も義務付けられており、これらを漏れなく準備しなければなりません。
さらに、書類の記載内容に誤りがあったり、押印が不足していたりする場合も、再提出を求められます。
申請前に、必要書類のチェックリストを作成し、工事監理者や建築主と共有しながら確認作業を進めることで、書類不備による遅延を防ぐことができます。
完了検査の準備では、図面や書類の管理が煩雑になりがちです。
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完了検査で指摘されやすい事項
完了検査では、建築物が建築基準法や関連法令に適合しているかを多角的に確認します。
検査員は敷地の状況から建物の構造、設備に至るまで、幅広い項目をチェックし、不適合が発見されれば即座に指摘を受けます。
ここでは、完了検査で特に指摘されやすい事項を4つのカテゴリーに分けて解説し、どのような点に注意すべきかを明確にします。
敷地・配置に関する指摘
敷地や建物の配置に関する不適合は、完了検査で指摘される傾向がある項目です。
検査員は、境界杭の位置や建物の配置が申請図面通りであるか、また敷地境界線からの離れ距離が法令や条例で定められた基準を満たしているかを確認します。
特に、隣地境界線や道路境界線からの距離が不足している場合、建築基準法違反として指摘を受けます。
また、敷地の高低差やがけ地に面している場合は、安全性の観点から追加の確認が行われることもあります。
さらに、接道義務を満たしているかも重要なチェックポイントです。
建築基準法では、建築物の敷地は原則として幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないと定められています。
接道条件を満たしていない場合、完了検査は通りません。
敷地測量や配置図の作成時に、これらの条件を正確に確認し、施工中も変更がないかを随時チェックすることが必要です。
防火・構造に関する指摘
防火地域や準防火地域に建つ建物では、外壁や屋根の防火性能が法令に適合しているかが厳しくチェックされます。
例えば、防火地域では延焼のおそれのある部分の外壁を準耐火構造以上にする必要があり、使用する材料や施工方法が基準を満たしているかを検査員が確認します。
また、隣地境界線に接する外壁についても、防火上の基準が定められており、不適合があれば指摘を受けます。
構造に関しては、中間検査で確認済みの部分も含めて、最終的な仕上がり状態が図面通りであるかが再確認されます。
特に、柱や梁、筋交いなどの構造部材の配置や寸法、接合部の施工状況が重要視されます。
構造計算書に基づいた施工が行われているか、また耐震性能が確保されているかを検査員は厳密に確認するため、施工中の記録や写真が求められることもあります。
採光・換気に関する指摘
居室の採光や換気の基準を満たしていない場合、完了検査で不適合として指摘されます。
建築基準法では、居室には一定の採光面積と換気面積を確保することが義務付けられています。
窓の大きさや配置、開口部の有効面積が基準を満たしているかを検査員が確認し、不足している場合は是正を求めます。
特に、住宅のリビングや寝室などの居室では、床面積に対する採光面積の割合が重要です。
また、換気設備についても、機械換気システムが正常に動作するか、給気口と排気口の配置が適切かなどが確認されます。
換気不足は結露やカビの原因となり、居住環境に悪影響を及ぼすため、完了検査においても重要な確認項目の一つとされています。
設計段階で採光・換気の計算を正確に行い、施工時に開口部の変更が生じた場合は、再計算と図面の修正を速やかに行うことが重要です。
用途地域・建ぺい率・容積率の不適合
建物の規模や用途が、敷地の用途地域や建ぺい率・容積率の制限に適合しているかも、完了検査で必ず確認される項目です。
用途地域ごとに建築可能な建物の用途が制限されており、例えば第一種低層住居専用地域では、住宅や一部の小規模店舗のみが認められます。
また、建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合、容積率は敷地面積に対する延床面積の割合を示し、これらが法定の上限を超えていれば違反となります。
施工中に建物の規模が変更された場合や、増築によって建ぺい率・容積率が基準を超える場合、完了検査は通りません。
また、高さ制限や斜線制限、日影規制などの形態規制も同時に確認されるため、設計段階での法令チェックと、施工後の実測確認が欠かせません。
特に都市部では、複数の規制が重複して適用されることが多く、専門知識を持つ設計者や建築士の助言を得ながら進めることが重要です。
完了検査が通らない場合の対処法
完了検査で不適合と判定された場合、建物の使用は認められず、是正工事や再申請が必要となります。
この段階で迅速かつ適切な対応を取らなければ、工期の大幅な遅延や追加コストの発生を招きます。
ここでは、完了検査が通らない場合の具体的な対処法と、注意すべきポイントを詳しく解説します。
不合格通知後の基本対応フロー
完了検査で不合格となった場合、まず検査員から指摘事項を詳細に聞き取り、書面で記録します。
検査機関は、不適合箇所とその理由を具体的に説明しますので、その内容を正確に把握し、工事監理者や設計者と共有します。
指摘事項には、法令違反の具体的な条文や、図面との相違点、是正に必要な工事内容などが含まれます。
これらの情報をもとに、是正計画を速やかに立案し、関係者間で対応方針を協議します。
また、指摘事項によっては、追加の説明資料や施工時の写真、構造計算書などの提出を求められることがあります。
これらの資料を迅速に準備し、検査機関とのコミュニケーションを密に保つことで、再検査への道筋を明確にすることができます。
是正工事と再申請の進め方
指摘事項に基づいて是正工事を実施し、再度完了検査を申請する流れが基本です。
是正工事の内容は、指摘箇所によって大きく異なります。
軽微な仕上げの修正であれば短期間で対応できますが、構造や防火に関わる是正の場合、大規模な工事が必要となることもあります。
是正工事の実施にあたっては、工事監理者の立会いのもとで進め、完了後に工事写真や報告書を作成し、再申請時に提出します。
再申請では、是正工事の内容を明確に示した説明書や、変更後の図面、工事監理報告書などを添付し、検査機関に提出します。
再検査では、是正箇所が適切に修正されているかを重点的に確認されますので、不備のないように準備を整えることが不可欠です。
計画変更申請が必要なケース
指摘事項が軽微変更の範囲を超える場合、計画変更申請が必要となります。
例えば、構造耐力に関わる部材の変更や、防火区画の変更、建ぺい率・容積率に影響を与える増築などは、軽微変更では対応できません。
こうしたケースでは、建築確認申請のやり直しに相当する計画変更申請を行い、再度審査を受ける必要があります。
計画変更申請には時間と費用がかかるため、設計段階や施工中の変更管理を徹底し、計画変更が必要な事態を未然に防ぐことが重要です。
万が一、計画変更が避けられない場合は、早期に設計者や建築士と協議し、迅速に手続きを進めることで、工期への影響を最小限に抑えることができます。
完了検査未実施のリスクと罰則
完了検査を受けずに建物を使用することは、建築基準法違反となり、建築主や関係業者に罰則が科される可能性があります。
建築基準法では、工事完了後4日以内に完了検査を申請し、検査済証の交付を受けることが義務付けられています。
これを怠った場合、建築主には100万円以下の罰金が科されるほか、建築士や施工業者にも罰則が及ぶことがあります。
また、検査済証がない建物は、将来の増築や改修時に支障をきたすだけでなく、融資や売買の際にも不利となります。
出典:国土交通省「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を 活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」
完了検査が通らない場合でも、決して無視せず、是正工事と再申請を確実に行い、検査済証の取得を目指すことが重要です。
完了検査を通すための事前対策
完了検査が通らない事態を未然に防ぐためには、施工前・施工中・施工後の各段階で適切な対策を講じることが不可欠です。
法令遵守はもちろん、図面と施工内容の整合性を常に確認し、関係者間の連携を強化することで、スムーズな検査通過を実現できます。
ここでは、完了検査を通すための具体的な事前対策を4つの観点から解説します。
工事監理者との連携強化
工事監理者は、設計図書通りに施工が行われているかを監理する立場であり、完了検査の成否を左右する重要な役割を担います。
施工業者は、工事監理者と密にコミュニケーションを取り、施工内容や変更事項を逐一報告し、図面との整合性を確認しながら進めることが重要です。
特に、構造や防火に関わる工程では、工事監理者の立会いのもとで施工を行い、写真や記録を残すことで、完了検査時の説明資料として活用できます。
また、工事監理者が作成する工事監理報告書は、完了検査申請時の必須書類となるため、定期的に報告内容を確認し、不備がないように準備を進めることが必要です。
工事監理者との信頼関係を築き、適切な助言を得ながら施工を進めることで、完了検査をスムーズに通過する確率が高まります。
中間検査での指摘事項の徹底改善
中間検査で指摘された事項を確実に改善しておくことで、完了検査での不適合リスクを大幅に減らすことができます。
中間検査は、完成後に見えなくなる構造部分や配筋などを確認する重要な検査であり、ここで指摘を受けた場合は、速やかに是正工事を実施し、再検査を受けることが必要です。
中間検査の段階で指摘事項を放置すると、完了検査でも同様の不適合が発覚し、大規模な是正工事が必要となる可能性があります。
中間検査の結果を工事監理者や施工チーム全体で共有し、指摘事項の原因を分析し、再発防止策を講じることで、施工品質の向上と完了検査の円滑な通過につながります。
変更内容の正確な記録と報告
施工中に生じた変更内容を正確に記録し、設計者や工事監理者に速やかに報告することが、完了検査をスムーズに通過するための基本です。
変更が軽微なものであっても、記録を怠ると、完了検査時に図面との相違として指摘を受けるリスクがあります。
変更内容を写真や図面に記録し、軽微変更説明書や変更箇所を明示した図面を準備しておくことで、検査機関への説明がスムーズになります。
また、変更が計画変更申請に該当するかどうかの判断は、専門知識を持つ設計者や建築士に相談し、適切な手続きを踏むことが重要です。
変更管理を徹底することで、完了検査での不適合を未然に防ぐことができます。
施工管理アプリによる検査準備の効率化
施工管理アプリを活用することで、図面や書類の管理、変更履歴の記録、関係者間の情報共有を効率化し、完了検査の準備を万全にすることができます。
現場では、図面の管理や写真の整理、報告書の作成など、多岐にわたる業務が発生します。
これらを紙ベースで管理すると、情報の散逸や更新漏れが生じやすく、完了検査時に必要な資料が揃わないリスクがあります。
施工管理アプリを導入することで、クラウド上での一元管理が可能となり、最新の図面や変更履歴をリアルタイムで共有できます。
PRODOUGUは、図面・現場写真の管理や、検査オプション機能を備えた施工管理アプリです。
図面への通り芯設定、距離・面積の計測、配筋検査や仕上検査の結果を帳票化する機能により、完了検査の準備を効率化します。
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まとめ
完了検査が通らない主な原因は、建築基準法への不適合や申請図面と実際の施工内容の相違、書類不備などです。
特に敷地配置、防火構造、採光・換気などは指摘されやすい傾向にあります。
万が一不合格となった場合は、指摘事項を速やかに把握し、是正工事と再申請を進める必要があります。
完了検査をスムーズに通過するためには、工事監理者との連携強化、中間検査での指摘事項の徹底改善、変更内容の正確な記録と報告、そして施工管理アプリの活用が有効です。
これらの対策を講じることで、完了検査の不適合リスクを減らし、建物の引き渡しを円滑に進めることができます。
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建設現場では、写真整理や図面確認などの"ちょっとした作業"の積み重ねが、業務の大きな負担や残業につながります。こうした課題を解決し、現場の作業効率を高めるのが施工管理アプリ「PRODOUGU」です。
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