南海トラフ地震で東京はどうなる?被害想定と今すべき備えを徹底解説
2026/06/19
南海トラフ地震は、静岡県から宮崎県にかけての太平洋沿岸で発生が想定される巨大地震です。
震源域から離れた東京でも、震度5弱以上の揺れや長周期地震動による被害、さらには物流停滞・帰宅困難・物資不足といった間接的な影響が懸念されています。
今後30年以内の発生確率が約80%とされるなか、「東京は大丈夫」と楽観視するのは危険です。
本記事では、南海トラフ地震が東京に与える具体的な影響を被害想定データとともに解説し、首都直下地震との違いや、企業・家庭で今すぐ取り組むべき備えについてお伝えします。
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南海トラフ地震の基本メカニズム
南海トラフ地震とは、静岡県の駿河湾から宮崎県の日向灘にかけて延びる「南海トラフ」と呼ばれるプレート境界で発生する大規模地震のことです。
フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む際に蓄積されたひずみが限界に達し、一気に解放されることで巨大地震が発生します。
過去の記録をさかのぼると、南海トラフ沿いでは概ね100〜150年の間隔で大地震が繰り返されてきました。
直近では1944年の昭和東南海地震(M7.9)と1946年の昭和南海地震(M8.0)が発生しており、そこからすでに約80年が経過しています。
政府の地震調査委員会は、南海トラフ沿いで今後30年以内にM8〜9クラスの巨大地震が発生する確率を約80%と評価しています。
南海トラフ地震の特徴は、被害が広域にわたる点です。
津波・停電・断水・物流停止といった影響が太平洋沿岸を中心に広がり、震源から離れた東京にも直接的・間接的な被害をもたらす可能性があります。
東京在住の方も「自分には関係ない」と考えず、被害想定を正しく理解しておくことが大切です。
次のセクションでは、南海トラフ地震が実際に東京にどのような影響を与えるのか、揺れ・津波・ライフラインの観点から具体的に解説します。
南海トラフ地震で
東京が受ける被害想定
南海トラフ地震が発生した場合、東京は震源域から数百km離れているため壊滅的な直接被害は受けにくいとされています。
しかし、震度5弱以上の揺れや長周期地震動、さらには広域災害に起因する物流停滞・通信障害といった二次的影響は避けられません。
ここでは、東京23区の揺れ、島しょ地域の津波リスク、そしてライフラインへの影響という3つの視点から被害想定を整理します。
東京23区で想定される震度と揺れの影響
南海トラフ巨大地震が発生した場合、東京23区の多くの地域で震度5弱程度の揺れが想定されています。
地盤が軟弱な地域では震度5強から震度6弱に達する可能性も指摘されています。
震度5弱でも、固定されていない家具や家電の転倒、ガラスの飛散、建物の一部破損などが発生します。
さらに、高層ビルでは長周期地震動による大きな横揺れが数分間続くことがあり、エレベーター停止や室内の物品落下といった被害が想定されます。
加えて、鉄道やバスなどの交通機関が一斉に運転を見合わせるため、大量の帰宅困難者が発生する恐れがあります。
東日本大震災の際にも東京では多くの帰宅困難者が発生しており、南海トラフ地震でも同様の混乱が起こる可能性があります。
東京湾・島しょ地域の津波リスク
南海トラフ地震で特に津波リスクが高いのは、伊豆諸島や小笠原諸島などの島しょ地域です。
これらの島々では数メートル規模の津波が到達する可能性があり、港湾施設の損壊や浸水被害が懸念されています。
一方、東京湾は入口が狭く奥に向かって浅くなる地形のため、外洋からの津波が直接流入しにくい構造になっています。
ただし、湾内でも水位上昇が予測されており、海抜の低い臨海部では浸水のリスクに注意が必要です。
海に近い地域にお住まいの方や勤務先が臨海部にある方は、揺れが小さくても津波情報を速やかに確認し、必要に応じて高台や津波避難ビルへ早めに移動することが重要です。
ライフライン途絶と帰宅困難者の発生
東京の直接的なインフラ被害は比較的限定的とされていますが、広域災害の影響で物流や通信に大きな支障が生じる可能性があります。
被災地域の道路や港湾が損壊すると、東京への食料品や日用品の供給が滞り、スーパーやコンビニの棚から商品がなくなる事態も想定されます。
また、通信回線の混線によって電話やインターネットがつながりにくくなり、家族や職場との安否確認が困難になります。
企業においては、取引先が被災地域にある場合、サプライチェーンの寸断が事業継続に深刻な打撃を与えます。
南海トラフ地震のような広域災害では、被災していない東京でも避難者の受け入れや物資支援の拠点としての役割が求められます。
そのため、個人だけでなく企業や自治体も、広域連携を見据えた備えを進めておくことが不可欠です。
企業の防災担当者にとって、災害発生直後の安否確認や情報共有の仕組みを事前に整えておくことは、BCP(事業継続計画)の要です。
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南海トラフ地震と首都直下地震の
違いを比較
東京に住む方にとって備えるべき大地震は、南海トラフ地震だけではありません。
首都直下地震も今後30年以内に約70%の確率で発生するとされており、どちらも切迫性の高い地震です。
両者の違いを正しく理解し、それぞれに適した対策を講じることが重要です。
震源域・規模・発生確率の違い
南海トラフ地震はM8〜9クラス、首都直下地震はM7クラスと、想定される規模に大きな差があります。
ただし、首都直下地震は震源が東京の直下にあるため、規模が小さくても東京での被害はより深刻になります。
項目 南海トラフ地震 首都直下地震 主な震源域 静岡県〜宮崎県の太平洋沿岸 東京湾北部・都心南部・多摩地域など 想定規模 M8〜9程度 M7程度 今後30年以内の発生確率 約80% 約70%
発生確率だけを見れば南海トラフ地震のほうが高いですが、どちらも「いつ起きてもおかしくない」レベルの切迫性を持っています。
両方のリスクを前提に、複合的な防災計画を立てることが求められます。
東京における揺れ・津波・主なリスクの違い
東京で揺れの被害がより大きくなると想定されるのは首都直下地震であり、都心部で震度6強〜7の激しい揺れが予測されています。
一方、南海トラフ地震では東京の揺れは震度5弱程度の揺れとなる可能性がありますが、広域の物流停止や物資不足という別の深刻なリスクがあります。
| 項目 | 南海トラフ地震 | 首都直下地震 |
|---|---|---|
| 東京の揺れ | 多くは震度5弱、一部で震度5強〜6弱 | 最大震度7、広範囲で震度6強以上 |
| 津波影響 | 島しょ地域で大きい | 区部では比較的限定的 |
| 主なリスク | 広域物流停止・津波・物資不足 | 建物倒壊・火災・都市機能停止 |
津波リスクに関しては、南海トラフ地震のほうが東京の島しょ地域や湾岸部で影響が大きくなります。
首都直下地震では直下型の激しい揺れによる建物倒壊や火災延焼が主なリスクとなるため、対策の重点が異なります。
企業のBCP対策としては、「揺れへの備え」と「物流停滞への備え」の双方を計画に盛り込むことが不可欠です。
どちらの地震が先に発生しても対応できるよう、複数のシナリオを想定した訓練を実施しましょう。
南海トラフ地震に備えて
東京で今すべき対策
南海トラフ地震の東京への影響を理解したところで、具体的にどのような備えを進めるべきかを解説します。
家庭でも企業でも実践できる対策を取り上げますので、優先度の高いものから順に着手してください。
南海トラフ地震臨時情報を正しく理解する
南海トラフ地震の発生可能性が高まった場合、「南海トラフ地震臨時情報」が発表されます。
この臨時情報には「調査中」「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」の4つの区分があり、それぞれの段階に応じた行動が求められます。
気象庁は、南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合に臨時情報を発表し、住民や自治体に警戒を促す運用を行っています。
「巨大地震警戒」が発表された場合、地震発生後の避難では間に合わない可能性がある住民は、事前に避難を行う必要があります。
臨時情報は気象庁の公式サイトやニュース速報、自治体の防災メール、防災アプリなどで確認できます。
臨時情報が発表された場合は、備蓄品の確認・避難経路の再確認・家族との連絡手段の確認を速やかに行いましょう。
室内の転倒防止・飛散防止対策を行う
地震による負傷の原因として最も多いのが、家具や家電の転倒・落下によるものです。
南海トラフ地震で東京で想定される震度5弱〜5強の揺れでも、固定されていない本棚や食器棚は倒れる可能性があります。
具体的な対策として、以下の取り組みを進めましょう。
- 家具をL字金具やつっぱり棒で壁・天井に固定する
- テレビやパソコンを粘着マットや固定ベルトで固定する
- 吊り下げ照明にチェーンなどの落下防止策を施す
- 窓ガラスや食器棚のガラスに飛散防止フィルムを貼る
- 寝室に倒れやすい大型家具を置かない
- 避難経路となる廊下や玄関に障害物を置かない
企業のオフィスでも同様の対策が必要です。
キャビネットや複合機の固定、書類棚の転倒防止措置を定期的に点検しておきましょう。
食料・生活必需品を最低3日分備蓄する
南海トラフ地震では広域で物流が停止するため、東京でも食料品や日用品の入手が困難になる恐れがあります。
最低3日分、できれば1週間分の備蓄を確保しておくことが推奨されています。
備蓄の基本的な目安は以下のとおりです。
- 飲料水:1人1日3リットル
- 食料:レトルト食品・缶詰・アルファ米・パックごはんなど
- 簡易トイレ:1人1日5〜7回分を目安に
- 懐中電灯・乾電池・モバイルバッテリー
- 常備薬・衛生用品(マスク、ウェットティッシュなど)
- 防寒具または暑さ対策用品(季節に応じて)
備蓄品は消費期限・賞味期限を定期的にチェックし、古いものから使って新しいものを補充する「ローリングストック」方式が効果的です。
企業の場合は従業員分の備蓄も考慮し、備蓄品管理の担当者を決めておくとスムーズに運用できます。
ハザードマップで避難経路と避難場所を確認する
自分が住む地域や勤務先のリスクを事前に把握するには、ハザードマップの確認が欠かせません。
津波リスク・洪水リスク・土砂災害リスク・液状化リスクなど、複数の観点から地域の危険度を確認しておきましょう。
確認すべき内容は次のとおりです。
- 最寄りの避難所・避難場所の所在地
- 徒歩で移動できる避難経路(複数ルート)
- 津波浸水想定区域に該当するかどうか
- 液状化の可能性がある地域かどうか
家族全員で避難場所と避難経路を共有し、実際に歩いて確認しておくことが大切です。
安否確認の方法や、災害用伝言ダイヤル(171)・災害用伝言板の使い方も事前に話し合っておきましょう。
連絡が取れない場合にどこで落ち合うか、子ども・高齢者・ペットの避難をどうするかも決めておくと安心です。
また、停電・断水・ガス停止に備えたライフライン対策も忘れてはなりません。
ポータブル電源の準備や車のガソリンをこまめに満タンにしておくこと、夏季は経口補水液や冷感グッズ、冬季は毛布やカイロなど季節に応じた備蓄も重要です。
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南海トラフ地震に関する
よくある質問
南海トラフ地震について調べていると、「どの地域が危ないのか」「いつ発生するのか」「東京での死者数はどれくらいか」といった疑問を持つ方が多くいます。
ここでは、よくある3つの質問にまとめて回答します。
南海トラフ地震で特に危ない県はどこか
特に注意が必要なのは、太平洋沿岸に面した県です。
静岡県・高知県・宮崎県・和歌山県・徳島県・三重県・愛知県・大分県などでは、強い揺れとともに大きな津波が想定されています。
一部地域では大規模な津波が到達する可能性も指摘されています。
国は、著しい地震・津波被害が想定される地域として、1都2府26県707市町村を「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定しています。
東京も推進地域に含まれる自治体があり、島しょ地域を中心に警戒が必要です。
南海トラフ地震はいつ起きるのか
現在の科学技術では、地震の正確な発生時期を予測することはできません。
ただし、前述のとおり今後30年以内にM8〜9クラスの巨大地震が発生する確率は約80%とされており、極めて切迫性が高い状況です。
直近の南海トラフ関連地震である昭和東南海地震(1944年)と昭和南海地震(1946年)から約80年が経過している点も、専門家が警鐘を鳴らす根拠となっています。
「明日起きるかもしれない」という意識で備えることが最善の防災対策です。
南海トラフ地震で東京の死者数はどのくらいか
内閣府の南海トラフ巨大地震の被害想定では、大規模な人的被害が発生する可能性が示されています。
特に東海・近畿・四国・九州地方の各地域で被害が大きくなるとされており、東京はこれらの地域に比べると直接的な人的被害は比較的少ないと考えられています。
ただし、東京でも交通網やサプライチェーンの寸断によって全国的な食料品・生活必需品の品不足や物流の停滞などが想定されているため、備えは不可欠です。
東京では直接的な死者数こそ限定的でも、帰宅困難による二次被害や物資不足による健康被害など、間接的なリスクが存在します。
死者数の想定だけで安心せず、生活への影響を総合的に考えて備えを進めましょう。
まとめ
南海トラフ地震は東京に震度5弱以上の揺れをもたらし、広域の物流停滞や通信障害、帰宅困難者の発生といった深刻な影響を引き起こす可能性があります。
首都直下地震とはリスクの性質が異なるため、双方を見据えた備えが求められます。
臨時情報の理解・室内の安全対策・備蓄の確保・ハザードマップの確認・家族との話し合い・ライフライン対策の6つを着実に実行し、「いつ来てもおかしくない」巨大地震に備えましょう。
企業においてはBCP策定と定期的な訓練の実施が、従業員の安全と事業の継続を支える鍵となります。
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災害発生時は“最初の1分”で差がつきます。
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