【知っておきたい】土砂災害が起こりやすい場所は?特徴と命を守る行動
2026/07/03
日本は急峻な山地が多く、台風や集中豪雨、地震が頻発するため、土砂災害が起こりやすい国土環境にあります。
近年の発生件数は10年前と比べて増加しており、企業や住民の身近なリスクとなっています。
土砂災害は一瞬で命や財産を奪うため、自社や自宅の周辺が土砂災害警戒区域かどうかを事前に把握し、警戒レベルや前兆現象に応じて早めに避難することが何より重要です。
本記事では、土砂災害が起こりやすい場所の特徴、危険区域の確認方法、避難判断のポイント、前兆現象、そして6月の土砂災害防止月間について、企業の防災担当者にもわかりやすく解説します。
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全国各地で発生している
土砂災害の現状
土砂災害は、がけ崩れ、土石流、地すべりなどによって大量の土砂が一瞬で人命や財産を奪う災害です。
日本は国土の約7割が山地・丘陵地であり、土砂災害が起こりやすい場所が全国に点在しています。
ここでは、土砂災害の発生状況と日本で多発する理由を確認しましょう。
土砂災害とは何か
土砂災害とは、大雨や地震などをきっかけに、斜面や谷から大量の土砂が移動して人命や建物を脅かす災害の総称です。
主にがけ崩れ、土石流、地すべりの3種類に分類されます。
いずれも発生までの時間が短く、いったん発生すると逃げる時間がほとんどないという特徴があります。
日本で土砂災害が発生しやすい理由
日本は急峻な山地が多く、梅雨や台風による集中豪雨、地震の多発という条件が重なるため、世界的にも土砂災害が発生しやすい国です。
火山噴火や林野火災後の荒廃流域でも、土砂流出のリスクが高まります。
このため、企業の事業所や工場、社員の自宅周辺など、思いがけない場所が「土砂災害が起こりやすい場所」になっている可能性があります。
直近10年で増加する発生件数
国土交通省によれば、土砂災害の発生件数は近年大きく増加しています。
平成28年〜令和7年の直近10年平均は約1,503件/年で、平成18年〜平成27年の約1,046件/年と比べて約1.5倍となっています。
また、全国には多数の土砂災害警戒区域等が指定されており、BCP(事業継続計画)上も無視できないリスクとなっています。
行政による砂防えん堤や警戒避難体制の整備は進んでいますが、それだけでは被害をゼロにすることはできません。
企業も住民一人ひとりも、日頃から「自分の周辺が土砂災害の起こりやすい場所か」を意識し、備えを進める必要があります。
土砂災害から身を守る
3つのポイント
土砂災害が起こりやすい場所を知り、適切なタイミングで避難することは、命を守るうえで不可欠です。
ここでは、企業の防災担当者や住民が押さえておくべき3つのポイントを順に解説します。
日々の備えと、いざというときの判断軸として活用してください。
ポイント1|土砂災害警戒区域と起こりやすい場所を確認する
最初のポイントは、自社や自宅、社員の通勤エリアが土砂災害警戒区域に該当するかを必ず確認することです。
市区町村のホームページや国土交通省のハザードマップポータルサイトで、土砂災害ハザードマップ、避難場所、避難経路を確認しましょう。
実際に避難経路を歩いて、夜間や雨天時の通行リスクも把握しておくと安心です。
土砂災害警戒区域は、市町村が警戒避難体制を整備し、住民へ危険を周知するために指定する区域です。
過去の土砂災害の9割以上をカバーするよう地形条件から決められていますが、現在人家等がなく将来も見込みがない場所は、地形的に危険でも区域指定されないことがあります。
そのため、警戒区域外でも以下のような土砂災害が起こりやすい場所には注意が必要です。
- がけ地の近く
- 小さな沢の近く
- 山あいの道路
- 渓流沿い、谷川や沢
- 普段水が流れていない浅い谷
- ハザードマップ上の警戒区域と区域に挟まれた場所
ポイント2|レベル4土砂災害危険警報に注意する
雨が降り出したら、レベル4土砂災害危険警報をはじめとした防災気象情報を必ずチェックしましょう。
これは、大雨により土砂災害発生の危険度が高まったときに、都道府県と気象庁が共同で発表する警戒レベル4相当情報です。
市町村長が避難指示を発令する判断材料となるほか、住民の自主避難の参考にもなります。
情報は、気象庁ウェブサイトや都道府県の砂防課サイト、テレビ・ラジオに加え、防災アプリ、緊急速報メール、防災行政無線、広報車などで確認できます。
停電に備え、携帯ラジオ、スマートフォン、モバイルバッテリー、防災アプリを準備しておきましょう。
ポイント3|警戒レベル4までに全員避難する
避難行動の鉄則は、警戒レベル5を待たず、警戒レベル4までに避難を完了させることです。
レベル5は「すでに災害が発生または切迫している段階」であり、安全な避難ができない可能性が高くなります。
警戒レベルごとに取るべき行動を整理しておきましょう。
| 警戒レベル | 取るべき行動 |
|---|---|
| レベル3 | 高齢者・障がい者など避難に時間がかかる人は避難開始 |
| レベル4 | 対象地域の全員が避難 |
| レベル5 |
すでに災害が発生・切迫。 命を守る最善の行動を取る |
家族や近隣住民、社員同士で声をかけ合い、夜間に大雨が予想される場合は暗くなる前に避難を完了させましょう。
土砂災害の多くは木造家屋や建物の1階で被災しています。
避難場所に行けない場合の次善策として、土石流が想定される区域では中心からできるだけ離れた高い場所へ、がけ崩れが想定される区域では斜面と反対側のできるだけ上層階へ移動してください。
複数拠点を持つ企業では、社員の安否や避難状況をリアルタイムに把握することが事業継続のカギになります。
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土砂災害が発生する場所で
起こりやすい前兆現象
土砂災害が起こりやすい場所では、発生直前にいくつかの前兆現象が現れることがあります。
前兆を知っておけば、警報が出る前でも自主避難につなげられます。
ここでは、がけ崩れ・地すべり・土石流それぞれの特徴と前兆現象を確認しましょう。
がけ崩れの特徴と前兆
がけ崩れは、急な斜面が雨水・雪解け水・地震などで緩み、突然崩れ落ちる現象です。
発生までの時間が極めて短く、逃げ遅れによる人的被害が多いのが特徴です。
住宅地に隣接するがけや、切り土・盛り土を行った造成地周辺は特に注意が必要です。
主な前兆現象は以下のとおりです。
- がけにひび割れができる
- 小石がパラパラ落ちてくる
- がけから水が湧き出る、または湧き水が止まる・濁る
- 地鳴りがする
地すべりの特徴と前兆
地すべりは、斜面の一部または全部が、地下水と重力の影響でゆっくり斜面下方へ移動する現象です。
土塊の移動量が大きいため、住宅地全体や道路、農地など広範囲に甚大な被害を及ぼします。
雨が止んだ後しばらく経ってから発生することもあるため、長期的な警戒が必要です。
主な前兆現象は次のとおりです。
- 地面がひび割れる、陥没する
- がけや斜面から水が噴き出す
- 井戸や沢の水が濁る
- 地鳴り・山鳴りがする
- 樹木が傾く、亀裂や段差が発生する
土石流の特徴と前兆
土石流は、大雨で山の斜面が崩れ、土砂が谷の土砂や水と混ざって時速20〜40kmの速度で麓へ流される現象です。
一気に流れ下るため、人家や畑、道路を壊滅させる威力があります。
渓流沿いや、過去に土石流が発生した扇状地などは特に警戒すべき場所です。
主な前兆現象は以下のとおりです。
- 山鳴りがする
- 急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
- 腐った土のにおいがする
- 雨が続いているのに川の水位が下がる
- 立木が裂ける音、石がぶつかり合う音が聞こえる
これらの前兆を一人で察知し、社員や家族へ瞬時に共有するのは容易ではありません。
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6月は土砂災害防止月間
毎年6月1日から30日は「土砂災害防止月間」です。
梅雨入りを迎えるこの時期は、土砂災害が起こりやすい場所を点検し、企業の防災体制を見直す絶好のタイミングといえます。
ここでは、土砂災害防止月間の概要と、企業・家庭でやるべきアクションを整理します。
土砂災害防止月間とは
土砂災害防止月間は、「みんなで防ごう土砂災害」をテーマに、毎年6月に全国で実施される啓発期間です。
国・都道府県・市町村が連携し、土砂災害警戒区域の点検や住民への啓発活動を一斉に行います。
梅雨や台風シーズン前に、行政・企業・住民が一体となって備える機会と位置づけられています。
期間中の主な取り組み
期間中には、国や自治体、防災関係機関により次のような取り組みが行われます。
- 土砂災害警戒区域等の点検
- 砂防設備の点検
- 情報伝達訓練
- 防災意識を高める啓発活動
- 住民・企業向けの避難訓練
企業の防災担当者は、この機会に自治体の訓練や説明会に参加し、最新の警戒区域情報や避難ルールを把握しておきましょう。
企業・家庭でやるべき備え
土砂災害防止月間は、企業のBCPや家族の防災計画を点検する好機です。
次の項目を確認・実行しましょう。
- 自社拠点・自宅周辺の土砂災害が起こりやすい場所を再確認する
- 避難場所までの経路を実際に歩いてみる
- 家族・社員で避難方法と連絡手段を話し合う
- 防災グッズや保存水、備蓄品の消費期限・賞味期限を見直す
- 市町村の避難訓練に参加する
特に、複数拠点を持つ企業や、現場作業員を抱える業種では、社員一人ひとりの所在地と安否を即座に把握できる仕組みが欠かせません。
総合防災アプリ「クロスゼロ」では、平時の備蓄品管理から有事の安否確認・連絡まで一元化でき、土砂災害防止月間の取り組みとも親和性が高いツールです。
まとめ
土砂災害が起こりやすい場所は、急ながけや渓流沿い、山あいの道路など全国に広がっています。
土砂災害警戒区域や避難経路の確認、レベル4土砂災害危険警報の把握、警戒レベル4までの全員避難、そして前兆現象への注意が、命と事業を守るカギです。
6月の土砂災害防止月間を機に、企業も家庭も改めて備えを見直しましょう。
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