建設業の安全教育の具体的な内容を徹底解説!実施時間や講師の条件、おすすめツールまで詳しく紹介
2024/03/12
建設業は他の業種と比較しても事故やケガの割合が高いため、現場全体で安全意識を高める必要があります。安全意識を高める手段の一つに安全教育があります。
安全教育の実施は労働安全衛生法に基づいた義務措置として定められています。
では具体的にどのような教育を実施すべきなのでしょうか。
今回は建設業における安全教育の概要や具体的な取り組み内容、安全教育に役立つ建設ツールを解説します。
建設業の安全教育とは
建設業に関わらず、事業を営む企業には従業員の安全を守る役割があります。
安全教育は従業員の安全を守るために必須の項目といえるでしょう。
その中でも建設業は、業界全体の働き方の特徴から特に安全教育に対して細かいルールが定められています。
ここからは、建設業に安全教育が求められる理由や安全教育の実施義務などを詳しく解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
安全教育が求められる理由
独立行政法人 安全教育はどの業界でも実施が必要ですが、建設業では特に必要性が高いと言えます。
なぜなら建設業が他の業種と比べても事故率やケガの発生率が高いからです。
建設現場では、高所作業や重機操作など危険な作業が日常的に行われています。
実際に令和2年度の労働災害に関するデータを見ると、建設業の死傷災害や死亡災害の割合が高いことが分かります。
建設業では、ICTツールの活用やロボットの利用シーンを増やすことで、事故につながりやすい作業の効率化を進めています。
作業効率化を進めるのと同時に、安全教育を徹底することで、業界全体の事故やケガを減少させることができるでしょう。
建設業の安全教育の実施は義務
法律により、建設業者は従業員に対して適切な安全教育を行う義務が課されています。この義務は、労働者の身体的安全を保障し、労働災害の発生を防止することを目的としています。
従業員の安全を確保するために、適切な設備や手順の使用方法、緊急時の対処方法などについての教育が定期的に行われるべきです。
建設業に求められる安全教育の内容を解説
ここからは、建設業労働災害防止協会の定めた「建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育に関する指針」をもとに、具体的な安全教育の内容を以下の3つに分けて解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
建設業の安全教育に必要な時間
「建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育に関する指針」によると、建設業の安全教育に必要な時間は以下のように定められています。
つまり、安全教育を実施する際は隙間時間に取り組むのではなく、一定の時間をかけて基礎から応用まで学ぶ必要があるということです。
会社内で安全教育の研修を実施する場合も、数日に分けて行う、午前と午後に分けて行うなど、事業に支障が出ない範囲で時間を確保する必要があるでしょう。
安全教育を実施する講師の条件
安全教育を実施する際は、教える側の知識量によって内容の質が変わる可能性があります。
講師の基準として以下の条件が定められています。
- 建災防が実施する講師養成講座を修了した者
- 安全管理士又は衛生管理士
- 労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタント
- 建災防セーフティエキスパート
- その他建設業労働災害防止協会会長が認めた者
条件を見て分かるように、安全教育を実施する講師には、専門知識や豊富な実務経験が必要です。
なぜなら講師は建設業界の安全基準や法令を熟知し、参加者に理解しやすい形で情報を伝えるだけでなく、コミュニケーション能力や教育技術も求められるからです。
参加者の疑問や懸念に適切に対応し、工事現場で実際に取り入れられるような実践的な知識を伝えなければいけません。
自社に講師に最適な人材がいない場合は、講座として外部の講師に安全教育の実施を依頼するのも良いでしょう。
安全教育の具体的な内容
安全教育の具体的な内容やポイントを表にまとめました。
科目 | 範囲 | 時間 |
---|---|---|
労働安全衛生関係法令 |
|
30分 |
安全施工サイクルに 関する事項 |
|
60分 |
現場の労働安全衛生に 関する具体的実施事項 |
|
90分 |
労働災害の事例 及びその対策 |
|
60分 |
実技訓練 (現場でできる実技体験訓練) |
|
120分 |
360分 |
安全教育は基本的に座学と実技に分かれます。
前半の座学で学んだ内容を実技教育で実践することで理解を深めることができます。
たとえば実技訓練で学ぶ具体的な項目は以下のとおりです。
- クレーン、移動式クレーンによる危険の防止(立入禁止、死角による危険場所等)
- 車両系建設機械による危険の防止(立入禁止、死角による危険場所等)
- 現場での危険箇所の認識テスト
- 手工具等の取扱い
- 爆発・火災等に関する救護方法
- 避難訓練
- 消火器の使用方法
- 救急蘇生の方法
講義で学ぶだけでなく、実際に手を動かして試すことで、作業中に事故が発生した際の行動の速さを変えることができるでしょう。
建設業が安全教育を実施する際のポイント
建設業の会社で安全教育をどう実施すべきか悩む人もいるかもしれません。
上記で紹介した安全教育を実施するのはもちろんですが、以下のポイントを押さえて日々の業務に安全教育の意識を取り入れることも重要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自社社員に対する定期的な安全教育の実施
自社社員に対する定期的な安全教育は、建設業における安全意識を高めるために重要な要素です。
定期的な安全研修や避難訓練の実施を通じて、安全意識を継続して持ち続けることをサポートし、最新の安全手順やリスク管理の方法を理解できるようになります。
安全教育を定期的に実施することで、情報を更新したり、安全性を高めるための新しい方法を発見するきっかけにもつながります。
外注先社員に対する安全教育の徹底
建設業の安全教育は自社社員への実施だけでは不十分です。
なぜなら工事現場によっては一人親方や外注で作業員を雇って作業を進めることがあるからです。
外注先社員に対する安全教育の徹底は、作業現場全体の安全性を確保するために欠かせません。
基本的な安全管理に関するルールをまとめたマニュアルを渡して教育する、もしくは作業に入る前に簡易的な安全研修の実施をするのがおすすめです。
建設業者は外注先とのコミュニケーションを密にすることで、安全かつスムーズに工事を進めることができます。
安全教育を実施する際は、1回の研修だけで終わらせず、定期的に見直せるようなマニュアルの作成や、外注先にも安全教育に関する共通知識を持てるような仕組みを確保しておくことが大切です。
工事現場の安全確認・ヒヤリハット箇所の共有
工事現場の安全確認とヒヤリハット箇所の共有は、事故や災害の発生を防ぐために効果的です。
定期的な現場巡回を行い、ヒヤリハット箇所をチェックした後は、始業前の朝礼や夕礼などで注意すべき箇所を共有しておくことが大切です。
安全教育を実施していれば、従業員が自らヒヤリハット箇所を発見して共有・報告できる体制の整備もできるかもしれません。
建設業の事故やケガを防ぐには、事前に気づいて対策することが特に重要です。
問題を早期発見・改善するためにも、安全教育を通した安全意識の向上を進めましょう。
まとめ
今回は建設業の安全教育について、重要性や実施義務、具体的な実施内容まで詳しく解説しました。
建設業の安全教育は一度実施して終わりではなく、定期的な注意喚起や情報の共有を踏まえて、常に実施する必要があります。
工事現場での安全教育の実施には、常に情報を共有できる建設ツールの導入がおすすめです。
「PRODOUGU(プロドウグ)」を活用すれば、工事現場のヒヤリハット箇所の確認や作業員の日報などの管理から危険箇所の発見をスムーズに進めることができます。
一度安全教育に関するマニュアルを作成しておけば、PRODOUGUに保存しておくだけで、新しい作業員も内容を確認して安全意識を高めることができるでしょう。
こまめに安全研修を実施することで、現場の安全性は高められます。
PRODOUGUを活用して、安全な工事現場を維持していきましょう。
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