土木工事のICT化とは?メリットや課題、活用事例やおすすめツールを詳しく紹介
2023/10/03
土木工事のICT化とは、従来の土木工事が紙ベースの図面や手作業に依存していたのに対し、デジタル技術を駆使し設計や管理、施工を行うことで工事の効率化を実現する方法のことです。
建設業全体の少子高齢化や就職率の低下などの問題、働き方改革などの背景から、土木工事でもICT化が求められています。
今回は、土木工事のICT化メリットや課題、実際の活用事例、おすすめツールを詳しく解説します。
土木工事のICT化に関して対策を取らなければいけないが何から始めればいいか分からない人や、将来土木工事関係の仕事を目指している人はぜひ参考にしてください。
土木工事に求められるICT活用とは
ICT活用は土木工事に限らず、建設業界全体に求められています。
ICT化が進められている背景には、政府の取り組みや建設業界の深刻な問題点があります。
ここではそれぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
国土交通省によるi-Constructionの推進
国土交通省は「i-Construction」という建設業界のICT活用プログラムを推進しています。
i-Constructionは、デジタル技術を用いた3DモデリングやドローンやGPS、センサー技術などを土木工事現場に導入し、工事に関する作業の効率化を目指しています。
具体的なICT化の内容は記事の後半で紹介するので、参考にしてください。
ICT化の目的は建設業界の高齢化の対策として
ICTの導入が求められる背景には、建設業界における高齢化という課題があります。
人手不足が深刻化している建設業界では、ICTを活用することで、作業員の負担軽減を図り、作業の効率化や業界の就業率の向上を目指しています。
ICT化によって作業を自動化できるようになれば、作業時間が削減できるだけでなく建設現場の安全性向上も期待でき、建設業に関する「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージも改善できるでしょう。
土木工事のICT化のメリット3選
ここからは土木工事のICT化を進めるメリットを3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
工事現場の生産性が上がる
建設業界のICT化は、土木工事の生産性向上に役立ちます。
たとえばドローンやロボットを活用した測量が可能になれば、作業員の測量作業の時間を削減できますし、取得したデータを3Dモデリングできればデータ作成の手間が大幅に減ります。
施工管理ツールを導入すれば、設計から施工までの作業をスムーズに進められるだけでなく、設計変更や調整が必要になってもすぐに対応できるでしょう。
また、AIを搭載した機械やロボットの導入により危険な作業をロボットに任せれば、安全性を向上させることも可能です。
人手不足が解消できる
建設業界では人手不足が深刻な問題ですが、ICT化が進めば人手不足を解消できるかもしれません。
なぜなら、作業員が必要だった業務をロボットで代用できるようになるからです。
さらに、デジタル技術を駆使したリモート監視や操作が可能になれば、遠隔地からでも作業をサポートできるようになり、複数の人員配置が必要だった業務を1人の作業員で対応できるようになるかもしれません。
作業員の作業量が減り、残業時間が少なくなれば、働き方改革にも効果的でしょう。
工事現場の安全性が向上する
ICT化は工事現場の安全性の向上につながります。
たとえばセンサーやカメラを活用して作業環境をリアルタイムで監視し、危険を事前に検知することができれば、工事現場での事故発生率を抑えられるかもしれません。
また、作業員に対してリアルタイムの安全情報を提供し、危険な状況を回避する支援を行うことができれば、作業員の健康管理に役立ちます。
労働災害のリスクを最小限に抑え、作業員の健康と安全を守ることは会社のイメージアップにもつながるでしょう。
土木工事のICT化における3つの課題と対策とは
土木工事のICT化を進める場合、以下の3つの課題を解消する必要があります。
それぞれの対策方法を含め、詳しく解説します。
ICT化の導入・運用コストが高い
ICT化の導入と運用には、一定のコストがかかります。
新しいハードウェアやソフトウェアの導入には初期投資が必要であり、システムの運用と保守にも費用がかかります。
中小企業や地方自治体などでは、コストが問題となってICT化の導入に遅れが出ているという問題点があります。
自社に合ったツールや技術を把握して適切な範囲でICT化を進めることが大切です。
ツールを導入することで削減できる費用や、空いた時間で受けられる工事の売り上げなどを計算して費用対効果のあるツールの導入を検討してください。
ICTを扱える人材の確保が難しい
ICT化には、専門的な知識やスキルを持つ人材が必要です。
そのため、土木工事業界ではICTを扱える人材の確保が難しい点が問題となっています。ICT化を進める場合、自社の人材だけでも扱えるツールから検討してみましょう。
たとえば施工管理ツールであれば、会社内の書類のデータ化やタブレットを活用した施工管理作業に移行するだけで施工管理者の作業量を大幅に削減できます。
現場でICTツールを活用できるか分からない
ICTツールを導入しても活用できるか分からないという不安を持っている会社もあるかもしれません。
従来の方法に慣れ親しんでいる作業員や現場監督は、新たなテクノロジーの導入に対する不安を抱くはずです。
ICTツールを導入する際に比較する点は、使いやすさです。
どんな作業員でも簡単に利用できる分かりやすい仕組みか、ひとつのツールで複数の機能を活用できるかなど、複数のツールを比較してみてください。
土木工事に取り組めるICT化の事例5選
ここでは土木工事に取り入れられるICT化の事例を5つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ドローンを活用した3次元測量
ドローン技術は、土木工事の現場において3次元測量を実現します。
ドローンは正確な測量データを素早く計測するため、地形や建設現場の状況をリアルタイムで把握できます。
地形分析や設計の精度が向上し、測量作業を効率化できるでしょう。
3次元設計データの取得や施工計画の作成
ICTを活用すれば、3次元設計データを作成できるだけでなく、それを基に施工計画を簡単に作成できます。
工程の最適化や資材の適切な配置ができるようになれば、施工計画の作成時間が削減でき、コスト削減と品質向上が実現できるでしょう。
3次元設計データを搭載したICT建設機械での施工
ICT化によってAIを搭載した機械を導入すれば、3次元設計データを活用して半自動の施工作業ができるようになるかもしれません。
機械で行える作業が増えることで人手不足が解消されるだけでなく、土木工事の正確性が向上し、手作業に比べて迅速かつ効率的な施工が可能になるでしょう。
施工管理ツールを活用した施工管理
ICTを活用した施工管理ツールは、工事計画や資材管理、人員配置などをリアルタイムで追跡し、調整するのに役立ちます。
変更や調整箇所が発生してもすぐに対応できるため、トラブルの早期発見と対処が可能になります。
3次元データを活用した書類作成作業
ICTを活用することで、報告書や図面の作成の手間が削減されるでしょう。
なぜなら3次元データから必要な情報を簡単に抽出し、正確な書類を迅速に生成することができれば、書類の提出や管理が紙と比べて楽になるからです。
ツールを導入する際は、セキュリティ対策も実施しておきましょう。
土木工事のICT化には
施工管理アプリ「PRODOUGU」がおすすめ
土木工事のICT化に悩む人は、施工管理アプリの導入から始めてみてください。
なぜなら施工管理アプリ「PRODOUGU」では、導入のハードルが低いだけでなく、誰でもすぐに使いこなせるような便利なツールが搭載されているからです。
具体的な機能の一例は以下のとおりです。
- 図面のデータ管理や手書き入力
- CADデータの取り込み
- 工事写真の電子小黒板の導入
- 写真管理
ひとつのツールでできる機能が多いだけでなく、タブレットを使って複数の施工管理者とツールを共有することも可能です。
まとめ
今回は土木工事のICT化について、メリットや課題、活用事例やおすすめのツールを紹介しました。
土木工事でICT化が進めば、作業の効率化につながるだけでなく、安全性の向上や作業員の労働環境の改善に役立ちます。
ICT化を進める際の注意点は、自社で活用できる使いやすいツールを検討することです。
せっかく導入しても会社で使いこなせなければ、無駄な投資になるリスクがあるからです。
専門的な知識が少なくても取り組めるICT化ツールでおすすめなのは、施工管理アプリです。
「PRODOUGU」を使えば、施工管理に関する書類の管理や工事写真の撮影、図面の複数人での共有などができるようになります。
ICT化の導入として始めやすい機能が多いため、まずは「PRODOUGU」を使ってみて、徐々にICT化を進めてみてください。
「PRODOUGU」の詳しい資料は、こちらからダウンロードいただけます。
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