【知っておきたい!】特殊災害とは?|災害の種類や必要な備えを解説
2026/01/28
災害には地震や水害といった自然災害に加え、化学物質や放射性物質、爆発物などによる「特殊災害」が存在します。
これらは一般的な災害とは異なり、専門知識や装備が必要となるため、通常の防災対策だけでは対応が困難な場合も少なくありません。
本記事では、特殊災害の基本概念からCBRNE(化学・生物・放射性・核・爆発)と呼ばれる5つの分類、企業に必要な対策について解説します。
リスクを正しく理解し、従業員や事業を守るための防災体制を強化しましょう。
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特殊災害とは
災害は大きく3つの分類に分けられます。
自然災害、人為災害、そして特殊災害です。
まずは災害全体の分類を理解することで、特殊災害の位置づけと特徴を明確にしましょう。
災害の3つの分類
災害は発生原因によって、自然災害・人為災害・特殊災害の3つに分類されます。
それぞれの定義と特徴を以下に整理します。
| 自然災害 |
地震、水害、台風、感染症など、自然現象が原因で発生する災害です。 気象条件や地殻変動によって引き起こされるため、予測や対策が可能な場合もあります。 |
|---|---|
| 人為災害 |
交通事故、大規模火災、建物の崩壊など、人の行動や技術が原因で発生する災害です。 ヒューマンエラーや設備の不備が要因となるケースが多く見られます。 |
| 特殊災害 |
原子力事故、航空機事故、化学物質の漏洩など、自然災害と人為災害のいずれにも当てはまらない特殊な要因で発生する災害です。 専門知識や専門装備が必要となります。 |
このように、特殊災害は自然災害や人為災害とは異なる特性を持ち、対応には高度な専門性が求められます。
特殊災害の定義と特徴
特殊災害とは、化学物質、生物兵器、放射性物質、核、爆発物などによる災害のことです。
これらはCBRNE(シーバーン)と呼ばれる5つのカテゴリに分類されます。
大きな特徴として、影響範囲が広く、専門知識や装備がなければ対応が困難である点が挙げられます。
一般的な自助・共助だけでは対処しきれず、初動対応の遅れが深刻な結果を招く可能性があります。
また、化学物質や放射線といった目に見えにくい脅威が多いため、被害の実態を把握するまでに時間がかかる場合があります。
企業においては、従業員の安全確保と事業継続の両面で、特殊災害への備えが不可欠です。
特殊災害の5つの種類
各カテゴリーの特徴と過去の事例を理解することで、リスクの本質と対策の方向性が見えてきます。
ここでは、化学系・生物兵器・放射性物質・核・爆発系の5つについて、詳しく解説します。
化学系(Chemical)の特徴と事例
化学系の特殊災害は、化学物質の漏洩・散布によって健康被害が発生する災害です。
テロだけでなく、工事現場や作業現場での事故によっても発生する可能性があります。
化学物質は種類によって毒性や影響範囲が異なるため、迅速な物質の特定と適切な防護措置が重要です。
代表的な事例としては、1995年に発生した地下鉄サリン事件があります。
神経ガスであるサリンが散布され、多数の死傷者が出ました。
また、ビル解体現場での亜鉛中毒、アセチレンガス爆発、有機溶剤による中毒事故など、産業活動に伴う化学系災害も少なくありません。
企業においては、化学物質を取り扱う現場での安全管理の徹底、保護具の適切な使用、緊急時の対応マニュアルの整備が重要です。
生物兵器(Biological)の特徴と事例
生物兵器による特殊災害は、病原体・ウイルス・細菌を利用した攻撃や事故に起因します。
感染拡大による広範な影響が特徴であり、初期段階での封じ込めが重要となります。
生物兵器の使用は国際的に禁止されていますが、テロや事故による発生リスクはゼロではありません。
過去の事例としては、1993年に発生した亀戸異臭事件(炭疽菌テロ未遂)や、2001年の米国炭疽菌事件があります。
後者は同時多発テロの直後に発生し、郵便物を介して炭疽菌が送付され、複数の死者が出ました。
企業は感染症対策の一環として、従業員への衛生教育、換気や消毒の徹底、疑わしい物品や郵便物への対応手順を定めておく必要があります。
放射性物質(Radiological)の特徴と事例
放射性物質による特殊災害は、原子力施設の事故などによる漏洩が主な原因です。
急性放射線障害や長期にわたる健康被害を引き起こすリスクがあります。
放射性物質は目視できず、専門機器による測定が必要なため、被害の実態把握と避難判断が遅れる恐れがあります。
代表的な事例は、1986年のチェルノブイリ原発事故と2011年の福島第一原子力発電所事故です。
いずれも広範囲にわたる避難と長期的な健康管理が必要となり、社会全体に大きな影響を与えました。
企業は原子力施設に近い地域での事業継続計画(BCP)の策定、放射線測定機器の備蓄、従業員への避難手順の周知が求められます。
核(Nuclear)の特徴と事例
核による特殊災害は、核爆弾や水素爆弾などの核兵器が原因で発生する災害です。
爆発時の衝撃波、熱線、放射線によって甚大な被害が発生し、残留放射線により長期間にわたって危険が続きます。
核災害は他の特殊災害と比較しても影響範囲が極めて広く、都市機能が完全に停止する可能性があります。
歴史的な事例としては、1945年の広島・長崎への原子爆弾投下があります。
これにより数十万人が死傷し、その後の放射線による健康被害も長期間続きました。
企業における核災害への備えとしては、避難計画の策定、放射線防護に関する知識の習得、遠隔地でのバックアップ体制の構築が重要です。
爆発系(Explosive)の特徴と事例
爆発系の特殊災害は、爆発物の使用や化学物質の引火によって発生します。
テロ、製造ミス、取り扱い不備などが原因となり、少量の爆発物でも広範囲に被害が及ぶ可能性があります。
爆発による直接的な被害だけでなく、建物の崩壊や火災の発生によって二次災害が引き起こされることもあります。
過去の事例としては、1983年のつま恋ガス爆発事件や、2005年のロンドン同時爆破事件があります。
いずれも爆発物の威力と影響範囲の大きさを示す事例です。
企業は爆発物の取り扱いに関する安全教育、危険物の適切な保管、不審物の発見時の対応手順を定めておく必要があります。
特殊災害発生時において、従業員の安全を確保し、組織として迅速な意思決定を行うためには、確実な連絡手段と日頃の備えが不可欠です。
万が一の際には迅速な自動安否確認や緊急連絡が必要になります。また、平時からの備蓄品管理も避難や屋内退避に備えるうえで欠かせません。これらを総合的にサポートするのが、総合防災アプリ「クロスゼロ」です。
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特殊災害が企業に及ぼすリスク
特殊災害は企業にとって、通常の災害対策だけでは対応しきれない深刻なリスクをもたらします。
ここでは、特殊災害が企業に与える影響と、対策が不十分な場合に生じる問題について整理します。
まず、特殊災害は企業・一般人ともに対応が難しいという特性があります。
化学物質や放射線といった目に見えにくい脅威が多いため、被害の実態を把握するまでに時間がかかります。
また、初動対応の遅れが致命的な結果を招くため、迅速かつ正確な判断が求められます。
特殊災害が発生した場合、企業は以下のようなリスクに直面します。
- 従業員の健康被害や生命の危機
- 事業所や設備の損壊による事業停止
- サプライチェーンの寸断による供給遅延
- 顧客や取引先からの信頼低下
- 法的責任や損害賠償のリスク
これらのリスクを軽減するためには、専門教育・専門機材の整備、そして迅速な意思決定を支える組織体制の構築が不可欠です。
特殊災害は発生頻度が低いため、対策が後回しにされがちです。
しかし、ひとたび発生すれば企業活動に甚大な影響を与える可能性があります。
平時からの備えと訓練が、緊急時の対応力を左右します。
企業が取るべき特殊災害への対策方法
特殊災害への対策は、訓練・教育・文化醸成・個人対応力の強化という多層的なアプローチが必要です。
ここでは、企業が実践すべき具体的な対策方法を解説します。
定期的な訓練の実施
通常の避難訓練に加え、特殊災害を想定した訓練の導入が推奨されます。
特に化学物質を扱う企業では、事故時の対応マニュアルの整備と社内共有が重要です。
訓練を通じ、初動対応や避難経路の確認、専門機関への連絡手順、保護具の使用方法などを実践的に学びます。
訓練を定期的に実施することで、従業員の対応力が向上し、緊急時にも冷静な判断と行動が可能になります。
また、訓練を通じて対応手順の不備や改善点を発見し、マニュアルをアップデートすることも重要です。
従業員への教育とヒューマンエラーの防止
工場系特殊災害の多くは、知識不足によるヒューマンエラーが原因で発生します。
研修・定期教育、ベテランからの技能伝承を徹底し、リスク物質の取り扱い教育を体系化することが求められます。
特に、化学物質や危険物を扱う現場では、作業手順の標準化と教育の徹底が事故防止の鍵となります。
従業員教育では、特殊災害の種類と特性、初動対応の手順、保護具の使用方法、緊急連絡先の確認などを網羅的に扱います。
また、新入社員や配置転換者に対しては、現場に即した実地教育を実施することが効果的です。
経営者による安全文化の醸成
特殊災害への対策は、経営者が安全投資を重視し、組織全体の防災意識を高めることから始まります。
コストよりも安全を優先し、人材育成・設備投資・マニュアル整備に取り組む姿勢が求められます。
経営者が防災意識を示すことで、従業員の意識向上や組織全体の安全文化の醸成につながります。
安全文化の醸成には、経営層からのメッセージ発信、安全活動への投資、従業員の提案を取り入れる仕組みづくりが有効です。
また、安全に関する成果を評価し、表彰する制度を設けることで、従業員のモチベーション向上にもつながります。
個人でできる対策と応急手当の習得
従業員一人ひとりが特殊災害の特性について最低限の知識を持つことも重要です。
日本赤十字社や医療機関が提供する応急手当講習を受講することで、痛み軽減・悪化防止・治癒促進に効果があります。
応急手当の知識は、自分や家族、周囲の人の救護につながり、緊急時の生存率を高めます。
特殊災害では、化学物質による火傷や呼吸障害、放射線による体調不良など、通常の災害とは異なる症状が発生する可能性があります。
応急手当の基礎知識に加えて、特殊災害に特有の対応方法を学ぶことが望ましいです。
特殊災害に備えるBCP策定と支援制度の活用
特殊災害への対策を実効性のあるものにするためには、防災マニュアルとBCP(事業継続計画)の策定が不可欠です。
ここでは、BCPの必要性と補助金の活用方法について解説します。
BCP(事業継続計画)の必要性
BCPとは、緊急時でも最低限の事業を継続するための計画です。
特殊災害時の行動手順を明確化し、従業員や来客の安全確保と事業の早期復旧を実現します。
BCPには、初動対応、避難、連絡体制、役割分担、ライフライン停止を想定した行動計画、復旧シナリオの作成などが含まれます。
特殊災害はその性質上、被害の範囲や程度の予測が困難です。
そのため、BCPでは複数のシナリオを想定し、柔軟に対応できる体制を構築することが重要です。
また、BCPは策定して終わりではなく、定期的な見直しと訓練による検証が必要です。
BCPを策定することで、企業は災害時の混乱を最小限に抑え、顧客や取引先からの信頼を維持できます。
また、事業の早期復旧により、経済的損失を軽減することが可能です。
補助金・助成金の活用
BCP策定や防災設備導入には、各自治体が提供する補助金・助成金を活用できる場合があります。
条件や対象は自治体ごとに異なるため、事前に確認することが必要です。
補助金を活用することで、初期投資の負担を軽減し、より充実した防災体制を構築できます。
補助金の申請には、計画書の提出や実績報告が求められる場合が多いため、早めに情報収集を行い、必要な書類を準備することが重要です。
また、自治体の防災担当部署や商工会議所などに相談することで、申請手続きをスムーズに進められます。
補助金制度の活用は、企業の防災投資を促進するだけでなく、地域全体の防災力向上にも寄与します。
積極的に情報を収集し、制度を活用しましょう。
まとめ
特殊災害はCBRNEに分類され、一般的な災害よりも専門性が高く、初動対応の遅れが深刻な結果を招く可能性があります。
企業は定期的な訓練や従業員への教育、マニュアル整備、BCP策定によって対応力を高めることが重要です。
また、個人も応急手当などの知識習得が重要であり、補助金制度の活用により対策強化が可能です。
経営者・従業員・個人が共同で「安全文化」を育てることが、特殊災害対策の鍵となります。
平時からの備えと意識の向上が、緊急時の迅速な対応と事業継続を実現します。
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