【災害時に役立つ!】ピクトグラムとは?避難標識の種類や活用法ガイド
2026/03/17
災害発生時、私たちは一刻も早く安全な場所へ避難しなければなりません。
しかし、パニック状態のなかで文字情報を正確に読み取ることは困難であり、外国人観光客や高齢者にとっては言語の壁がさらに障壁となります。
そこで重要な役割を果たすのが「ピクトグラム」です。
ピクトグラムとは、文字に頼らず視覚的に情報を伝える図記号のことであり、国籍・年齢・言語に関係なく誰もが直感的に理解できる優れたコミュニケーションツールです。
本記事では、災害時に使用されるピクトグラムの種類と意味を網羅的に解説するとともに、企業や施設における効果的な活用法についても詳しくご紹介します。
BCP対策の一環として、従業員や来訪者の安全を守るためにぜひ参考にしてください。
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災害時に使用されるピクトグラムとは
災害時に私たちの避難行動を助けるピクトグラムは、文字情報に頼らず誰もが直感的に理解できる図記号です。
ここでは、ピクトグラムの基本的な定義から、防災分野で整備が進んだ背景、そして具体的な分類について解説します。
ピクトグラムの定義と特徴
ピクトグラムとは、情報や指示を文字ではなく図形や記号で表現したコミュニケーションツールのことです。
言葉を介さずに意味を伝達できるため、言語の異なる外国人や文字を読むことが難しい子ども、高齢者でも瞬時に内容を理解することができます。
ピクトグラムの最大の特徴は「視認性」と「普遍性」にあります。
シンプルなデザインで遠くからでも認識しやすく、文化や国籍に関係なく共通の意味を伝えられることが強みです。
災害時は混乱のなかで冷静な判断が難しくなりますが、ピクトグラムは一目で避難先や危険箇所を示すことができるため、迅速な避難行動を促す重要な役割を担っています。
防災ピクトグラムが整備された背景
防災ピクトグラムの標準化が進んだ主な背景には、訪日外国人観光客の急増があります。
2010年代以降、インバウンド需要の高まりとともに、言語に依存しない情報伝達手段の必要性が強く認識されるようになりました。
特に2011年の東日本大震災では、外国人住民や観光客への避難誘導において言語の壁が大きな課題となりました。
この経験を踏まえ、内閣府を中心に防災ピクトグラムの整備が本格化し、JIS(日本産業規格)への登録も進められています。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、案内用図記号の国際標準化がさらに加速し、現在では避難場所や災害種別を示すピクトグラムが全国的に普及しています。
防災ピクトグラムの4つの分類
防災に関するピクトグラムは、その役割と目的に応じて大きく4つに分類されます。
以下の表で各分類の概要を確認しましょう。
| 分類 | 概要 |
|---|---|
| 避難場所図記号 | 公園やグラウンドなど、一時的に避難する場所を示す |
| 避難所図記号 | 体育館や公民館など、建物内で避難生活が可能な場所を示す |
| 災害種別一般図記号 | 災害の種類ごとに適した避難先かどうかを示す |
| 注意図記号 | 災害リスクや危険箇所について注意が必要な場所を示す |
これらの分類を理解しておくことで、街中や施設内で見かけるピクトグラムの意味を正確に把握し、災害時に適切な避難行動をとることができます。
特に「災害種別一般図記号」は、同じ避難場所でも災害の種類によって適否が異なることを示す重要な指標となっています。
災害種別ごとのピクトグラム一覧
災害の種類によって適切な避難場所や注意すべき点は異なります。
ここでは、各災害種別に対応するピクトグラムの意味と特徴を詳しく解説し、正確な理解に基づいた避難行動ができるよう情報を整理します。
避難場所・避難所に関するピクトグラム
避難場所と避難所は、似た言葉ですが役割が明確に異なります。
この違いを理解していないと、災害時に誤った場所へ避難してしまう危険性があります。
以下の表で、避難場所・避難所に関する主なピクトグラムの種類と意味を確認しましょう。
| 種類 | 意味・ポイント |
|---|---|
| 避難場所 | 公園やグラウンドなど、災害発生直後に一時的に身を守る屋外スペース |
| 避難所 | 体育館や公民館など、建物内で一定期間の避難生活が可能な施設 |
| 津波避難場所 | 高台や丘など、津波から逃れるための高所にある場所 |
| 津波避難ビル | 高台がない地域で津波から一時的に避難するための建物 |
避難場所は災害発生直後の緊急避難を目的としており、長期滞在には適していません。
一方、避難所は被災後の生活拠点として機能するため、物資の備蓄や寝泊まりが可能な設備が整っています。
津波避難場所と津波避難ビルは、いずれも津波から一時的に逃れるための場所であり、津波の危険が去った後は速やかに別の安全な場所へ移動する必要があります。
水害(洪水・津波・高潮)に関するピクトグラム
水害に関するピクトグラムは、洪水・内水氾濫・津波・高潮といった災害種別ごとに設定されています。
2024年のJIS改定では、水位上昇を示す矢印が追加されるなど、より直感的な理解を促すデザイン改善が行われました。
洪水と内水氾濫は、どちらも水による被害ですが発生メカニズムが異なります。
洪水は河川の氾濫によるものであり、内水氾濫は下水道や側溝の排水能力を超えた雨水が逆流・滞留することで発生します。
津波と高潮に関しては、災害種別一般図記号と注意図記号の両方が用意されています。
災害種別一般図記号は避難場所の適否を示し、注意図記号は黄色と黒を基調としたデザインでリスクの存在を警告します。
気象庁のウェブサイトでは、これらの図記号の詳細な解説が公開されており、正確な意味を確認することができます。
水害リスクの高い地域にお住まいの方や、沿岸部に事業所を構える企業は、事前に確認しておくことをおすすめします。
土砂災害に関するピクトグラム
土砂災害は、発生形態によって土石流・崖崩れ・地すべりの3種類に分類されます。
それぞれの特性を理解し、適切なピクトグラムを認識することが命を守る行動につながります。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 土石流 | 山腹や渓流の土砂・岩石が 一気に流下する現象 |
| 崖崩れ | 急斜面が突然崩壊し、 土砂が落下する現象 |
| 地すべり | 斜面の一部または全体が 徐々に移動する現象 |
土石流は時速20〜40kmで流下することもあり、発生を確認してからの避難では間に合わない可能性があります。
そのため、大雨警報や土砂災害警戒情報が発令された段階で早めに避難行動を開始することが重要です。
崖崩れは前兆として小石の落下や地鳴りが起こることがあり、地すべりは地面のひび割れや構造物の傾きが前兆となります。
これらの注意図記号を見かけた際は、周囲の異変に敏感になり、早期避難を心がけましょう。
国土交通省では土砂災害に関する詳細な情報とピクトグラムの解説を公開しており、ハザードマップと合わせて確認することで、より具体的なリスク把握が可能です。
火災に関するピクトグラム
火災に関するピクトグラムは、主に大規模火災からの避難を想定して設計されています。
このピクトグラムは「火災多発地域」を示すものではなく、火災発生時に適した避難場所かどうかを判別するためのものです。
大規模火災の特徴として、火災旋風や輻射熱による広範囲への被害拡大が挙げられます。
そのため、火災からの避難場所には十分な広さと、周囲に延焼の恐れがある建物がないことが求められます。
地震発生後は同時多発的な火災が起こる可能性があり、特に木造住宅が密集する地域では注意が必要です。
火災に関するピクトグラムがある避難場所を事前に把握しておくことで、複合災害時にも適切な避難先を選択できます。
企業においては、災害時の避難経路や集合場所を検討する際に、火災を含む複数の災害シナリオを想定し、それぞれに適した避難計画を策定することが重要です。
総合防災アプリ「クロスゼロ」の避難所検索機能では、避難所・避難場所での絞り込みや、対応している災害種別での絞り込みが可能です。
従業員への避難場所の周知や安否確認を効率的に行うことができ、複合災害への備えを強化できます。
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企業・施設でのピクトグラム活用法
ピクトグラムは公共空間だけでなく、企業や施設内においても効果的に活用することができます。
ここでは、職場での労働災害防止に使用されるピクトグラムや、避難場所の適否を示す表示の読み取り方、ハザードマップとの連携について解説します。
職場における労働災害防止ピクトグラム
職場では、自然災害だけでなく労働災害を防止するためのピクトグラムも広く使用されています。
これらは作業現場における危険を視覚的に警告し、従業員の安全意識を高める役割を果たします。
主な労働災害防止ピクトグラムの種類と使用目的は以下の通りです。
| 種類 | 使用目的 |
|---|---|
| ヘルメット着用 | 墜落や落下物からの頭部保護を促す |
| 腰痛防止 | 重量物取扱い時の姿勢や手順への注意喚起 |
| 滑り注意 | 水や油による転倒事故の防止 |
| 段差注意 | つまずき事故の防止 |
これらのピクトグラムは、掲示するだけでなく具体的な行動ルールと併記することで効果が最大化されます。
たとえば「滑り注意」のピクトグラムの下に「水濡れ時は必ず拭き取ること」といった具体的な指示を添えることで、より確実な事故防止につながります。
企業の防災担当者は、労働災害防止と自然災害対策を統合的に管理し、従業員の安全を包括的に守る体制を構築することが求められます。
ピクトグラムの○×表示の読み取り方
避難場所を示す標識には、災害種別ごとに○(適)と×(不適)の表示が付されていることがあります。
この表示を正しく理解することで、発生した災害に応じた適切な避難先を選択できます。
○印は「その災害に対して適した避難場所である」ことを意味し、×印は「その災害には適していない」ことを示します。
たとえば、洪水に○、津波に×が付いている避難場所は、洪水時には避難先として適切ですが、津波発生時には別の場所へ避難する必要があります。
この○×表示は、同じ避難場所でも災害の種類によって安全性が異なることを明確に示すために導入されました。
海抜の低い公園は洪水時の一時避難には使えても、津波からの避難には高さが不足している場合があります。
自宅や職場周辺の避難場所について、どの災害に対応しているかを事前に確認しておくことが重要です。
複数の避難場所を把握し、災害種別に応じて使い分けられるよう準備しておきましょう。
ハザードマップとの連携活用
ハザードマップとは、過去の災害データや地形情報を基に、被害想定範囲や避難場所を地図上に可視化したものです。
ピクトグラムとハザードマップを併用することで、より具体的で実践的な避難計画を立てることができます。
ハザードマップは国や自治体が作成・公開しており、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では全国の情報を一括で確認することができます。
洪水・土砂災害・津波など、災害種別ごとのリスクエリアが色分けで表示されており、自社の事業所がどのようなリスクにさらされているかを把握するのに役立ちます。
企業においては、ハザードマップの情報をBCP(事業継続計画)に組み込み、災害リスクに応じた対策を講じることが重要です。
たとえば、浸水想定区域に事業所がある場合は、重要書類やサーバーの設置階を見直すなどの対策が考えられます。
従業員に対しても、ハザードマップとピクトグラムの見方を教育し、災害発生時に自主的に適切な避難行動がとれるよう訓練しておくことが大切です。
定期的な防災訓練の際に、実際の避難場所を訪れてピクトグラムを確認する取り組みも効果的です。
災害ピクトグラムに関する
よくある疑問
災害ピクトグラムについては、まだ広く知られていない情報や、よくある疑問があります。
ここでは、地震のピクトグラムの有無や、災害標識システムの概要、地図記号との関連について解説します。
地震のピクトグラムは存在するのか
現時点で、地震を示す専用のピクトグラムはJIS規格として正式に整備されていません。
これは、地震そのものが特定の場所で発生するものではなく、広域に影響を及ぼす災害であるため、避難場所の適否を示す図記号としては設計が難しいことが理由の一つです。
しかし、地震に関連する情報を伝えるために、フリー素材や企業・自治体が独自に作成したピクトグラムが使用されることがあります。
防災教育資料や社内の掲示物などでは、揺れを表現した図記号が補完的に用いられています。
指定緊急避難場所が想定する災害種別には地震も含まれており、国土地理院の資料では以下の災害が挙げられています。
洪水、内水氾濫、津波、高潮、地震、大規模火災、土砂災害、火山現象の8種類です。
地震発生時の避難場所については、「地震」という表記で○×判定が示されることがあり、ピクトグラム単体ではなく文字情報と組み合わせて運用されているのが現状です。
災害種別避難誘導標識システムの概要
災害種別避難誘導標識システムとは、災害の種類に応じた避難誘導を行うための標識規格です。
2014年に津波避難誘導標識として策定され、2016年には他の災害種別にも拡張されました。
このシステムは日本標識工業会が中心となって整備しており、日本国内における防災標識の基盤規格として位置づけられています。
標識のデザインや色使い、設置基準などが統一されており、全国どこでも同じ基準で避難誘導が行われるようになっています。
企業や施設が自社内に避難誘導標識を設置する際も、この規格に準拠することで、従業員や来訪者が迷わず避難できる環境を整えることができます。
特に多くの人が出入りする商業施設や公共施設では、標準化された標識の導入が強く推奨されています。
自然災害伝承碑の地図記号について
自然災害伝承碑とは、過去に発生した災害の教訓を後世に伝えるために建立された石碑やモニュメントのことです。
2019年から、この自然災害伝承碑を示す地図記号が国土地理院の地形図に掲載されるようになりました。
この地図記号は、地域の災害リスクを把握するうえで重要な情報源となります。
過去にその地域でどのような災害が発生したかを知ることで、将来起こりうる災害への備えに活かすことができます。
たとえば、津波の伝承碑がある地域は過去に津波被害を受けた歴史があり、今後も同様のリスクが存在する可能性があります。
企業が新たに事業所を開設する際や、既存拠点の災害リスクを再評価する際には、周辺の自然災害伝承碑の有無を確認することも有効な手段です。
国土地理院のウェブサイトでは、全国の自然災害伝承碑の位置情報が公開されており、地図上で確認することができます。
ハザードマップと合わせて活用することで、より深い災害リスクの理解につながります。
まとめ
災害時に使用されるピクトグラムは、文字に頼らず直感的に情報を伝える図記号であり、国籍や年齢、言語に関係なく誰もが理解できる重要なコミュニケーションツールです。
避難場所図記号、避難所図記号、災害種別一般図記号、注意図記号の4分類を理解し、それぞれの意味を正確に把握することが、災害時の適切な避難行動につながります。
企業においては、ピクトグラムの知識を従業員に教育し、ハザードマップと連携させた実践的な避難計画を策定することが重要です。
労働災害防止ピクトグラムも含めた包括的な安全管理体制を構築し、定期的な訓練を通じて従業員の防災意識を高めていきましょう。
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