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ISOリスクマネジメントとは?規格の種類と導入メリットを徹底解説

ISOリスクマネジメントとは?規格の種類と導入メリットを徹底解説

2025/11/13

防災

ISOリスクマネジメントは、企業が直面する多様な不確実性に対処し、持続的な成長と企業価値の向上を目指すための国際的な指針です。
自然災害や情報漏洩、感染症のパンデミックなど、企業を取り巻くリスクは複雑化・多様化しており、これらを体系的に管理する仕組みの構築が求められています。
本記事では、ISO31000を中心としたリスクマネジメント規格の全体像を解説し、企業が導入することで得られるメリットや他の規格との違い、実務への活用方法について詳しく紹介します。
BCP(事業継続計画)との関連性にも触れながら、リスクマネジメントを企業文化として定着させるための具体的な道筋を示します。

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ISOリスクマネジメントの基本概念

ISOリスクマネジメントは、企業が直面する様々な不確実性を体系的に管理するための国際標準です。
ここでは、その中核となるISO31000の定義と、リスクの捉え方、そして規格が制定された社会的背景について解説します。

ISO31000とは何か

ISO31000は、国際標準化機構(ISO)が2009年に初版を発行したリスクマネジメントの指針です。
2018年には改訂版が公開され、経営層のリーダーシップとコミットメントの重要性がより強調されました。

この規格の最大の特徴は、認証取得を目的とするものではなく、企業が自社の状況に応じてリスクマネジメントを実践するための参考指針である点です。
ISO9001やISO27001のように第三者認証を取得する規格とは異なり、各企業が抱える固有のリスクに柔軟に対応できる枠組みを提供しています。

ISO31000の目的は、企業活動全体におけるリスクを管理し、不確実性に対処しながら事業価値を創出し、保護することです。
あらゆる業種・規模の組織に適用可能であり、グローバルな共通言語として機能します。

リスクの定義と捉え方

ISO31000では、リスクを「目的に対する不確かさの影響」と定義しています。
この定義の重要なポイントは、リスクが単なる脅威や損失だけでなく事業機械のようなプラスの影響も含むという点です。

従来のリスク管理では、リスクを「避けるべき悪いこと」として捉える傾向がありましたが、ISO31000では不確実性そのものを管理対象とし、チャンスとしても活用する視点を提供しています。
たとえば、新規事業への投資は失敗のリスクを伴いますが、同時に大きな成長機会でもあります。

経営においてリスクは、避けるだけでなく「管理して活用する対象」として位置づけられます。
この考え方により、企業はリスクを恐れるだけでなく、戦略的に扱うことができるようになります。

ISO31000が制定された背景

ISO31000が制定された背景には、企業を取り巻くリスクの多様化・複雑化があります。
グローバル化、デジタル化、気候変動、パンデミックなど、企業は内部・外部の様々なリスクに直面しています。

具体的には、個人情報漏洩やデータの改ざんといった情報セキュリティリスク、地震や感染症などの環境リスク、サプライチェーンの寸断や人材不足といった経営リスクなど、その範囲は多岐にわたります。
これらのリスクを完全に排除することは不可能であり、事前の想定と備えが重要となります。

各企業が異なる事業環境で異なるリスクに直面する中、国際的な共通基準の存在が求められました。
ISO31000は、そのグローバル標準的なリスクマネジメント指針として誕生し、世界中の組織が共通の枠組みでリスクに対処できる環境を整備しました。

ISO31000の構成要素

ISO31000は、原則(Principles)、枠組み(Framework)、プロセス(Process)という3つの中核要素から構成されています。
これらは相互に連携し、組織全体でリスクマネジメントを実践するための包括的な仕組みを提供します。

8つの原則

ISO31000の原則は、リスクマネジメントを実施する際の基本的な考え方を示しています。
8つの原則は、組織がリスクマネジメントを設計・実施する際の指針となり、全ての活動の土台となります。

大原則は「価値の創出および保護」であり、リスクマネジメントが単なる防御策ではなく、企業価値を高める積極的な活動であることを強調しています。
以下の表に8つの原則をまとめます。

原則 内容
統合 リスクマネジメントを組織活動のすべてに統合する
体系化・包括 一貫性ある体系的・包括的な取組を行う
組織への適合 内外の状況に適合したリスクマネジメントを構築する
包含 ステークホルダーの関与を重視する
動的 環境変化に柔軟に対応する
最善の情報 制約・不確実性を踏まえた最良の情報を活用する
人的・文化的要因 組織文化や人の行動が大きく影響することを認識する
継続的改善 経験をもとに改善を繰り返す

これらの原則は、リスクマネジメントを一時的な取り組みではなく、組織文化として定着させるための指針となります。
特に「継続的改善」の原則は、PDCAサイクルと連動し、組織が学習しながら成長する仕組みを構築します。

枠組み(フレームワーク)

枠組みは、リスクマネジメントを組織に根付かせるための仕組みを示しています。
PDCA型の構造を持ち、リーダーシップ、統合、設計、実施、評価、改善という6つの要素から構成されます。

2018年の改訂では「リーダーシップおよびコミットメント」が新設され、経営層の責任と積極的関与が強調されました。
これは、リスクマネジメントがトップダウンで推進されるべきものであり、経営戦略の一部として位置づけられるべきことを明確に示しています。

要素 内容
リーダーシップおよびコミットメント 経営層の責任と積極的関与を明確化する
統合 リスク管理を業務活動に組み込む
設計 組織の内外の状況を理解し、枠組みを設計する
実施 リスクマネジメントのプロセスを確実に運用する
評価 枠組みの有効性を定期的に確認する
改善 継続的モニタリングによる改善を行う

この枠組みの目的は、リスクマネジメントを企業文化として定着させ、全従業員がリスク意識を持って行動できる環境を整備することです。
この枠組みにより、リスクマネジメントは特定の部署の業務ではなく、組織全体の活動となります。

プロセス

プロセスは、PDCAを循環させる具体的な手順を示しています。
コミュニケーション・協議から始まり、リスクアセスメント、対応、モニタリング、記録・報告という一連の流れで構成されます。

ISO31000のプロセスの特徴は、各ステップが独立したPDCAとして同時進行する点です。
これにより、組織は複数のリスクを並行して管理し、優先順位をつけながら効率的に対応できます。

ステップ 内容
コミュニケーション・協議 関係者との情報共有・意見収集を行う
適用範囲・状況基準 リスクの範囲と評価基準を明確化する
リスクアセスメント 特定・分析・評価を実施する
リスク対応 具体的な対策の検討・実施を行う
モニタリング・レビュー 効果を客観的に検証する
記録作成・報告 結果を記録し、関係者へ共有する

プロセスの実践には、関係者間の円滑なコミュニケーションが不可欠です。
リスク情報を組織全体で共有し、迅速な意思決定を可能にする体制を整備することが、効果的なリスクマネジメントの鍵となります。

関連するISO規格との違い

ISO31000は包括的なリスクマネジメント指針ですが、他にも特定の分野に特化したISO規格が存在します。
ここでは、ISO9001、ISO14001、ISO27001、ISO27005との違いを明確にし、それぞれの役割と関係性を解説します。

ISO9001(品質マネジメント)との比較

ISO9001は、製品やサービスの品質を継続的に向上させるための品質マネジメントシステム(QMS)の国際規格です。
顧客満足度の向上と品質の安定化を目的としており、製造業を中心に広く導入されています。

ISO9001は品質リスクに特化しているのに対し、ISO31000は企業全体のあらゆるリスクを対象とします。
ISO9001の認証を取得している企業が、さらに包括的なリスクマネジメントを構築する際にISO31000を参照するケースが多く見られます。

両者の関係は、ISO9001が品質面での具体的な要求事項を定めるのに対し、ISO31000は企業全体のリスク管理の考え方を提供する補完的な関係にあります。
品質リスクは企業が直面するリスクの一部であり、ISO31000の枠組みの中に位置づけることができます。

ISO14001(環境マネジメント)との比較

ISO14001は、環境保全と企業パフォーマンスの向上を両立させる環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格です。
環境法規制の遵守、環境負荷の低減、持続可能な経営を目的としています。

ISO14001は環境リスクに特化しており、気候変動対応や廃棄物削減など、環境面での具体的な管理手法を提供します。
一方、ISO31000は環境リスクを含む企業全体のリスクを包括的に扱います。

ISO14001の認証を取得している企業が、環境リスク以外の経営リスクも含めて統合的に管理したい場合、ISO31000の枠組みを活用することで、より戦略的なリスクマネジメントが可能になります。
環境リスクは事業継続にも直結するため、両規格を組み合わせることで効果的なリスク対応が実現します。

ISO27001・ISO27005(情報セキュリティ)との比較

ISO27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であり、情報資産の機密性・完全性・可用性を保護するための要求事項を定めています。
認証取得が可能であり、情報セキュリティ対策の信頼性を対外的に示すことができます。

ISO27005は、ISMSにおけるリスク管理手順を示した指針であり、ISO27001認証取得のための補助的規格として位置づけられています。
両者とも情報セキュリティリスクに特化しており、サイバー攻撃や情報漏洩への対策を中心に扱います。

ISO31000との大きな違いは、ISO27001が認証取得可能な要求事項型の規格であるのに対し、ISO31000は認証を目的としない指針型である点です。
また、ISO27001・ISO27005は情報リスクに限定されるのに対し、ISO31000は包括的なリスク管理の枠組みを提供します。

規格 対象分野 認証 ISO31000との関係
ISO9001 品質マネジメント 取得可 品質リスク特化、ISO31000は包括的
ISO14001 環境マネジメント 取得可 環境リスク特化、ISO31000は包括的
ISO27001 情報セキュリティ 取得可 情報リスク特化、ISO31000は非認証型指針
ISO27005 情報セキュリティリスク管理 取得不可 両者とも指針型、ISO27005は情報リスク限定

企業は、各規格の特性を理解し、自社の状況に応じて複数の規格を組み合わせることで、より強固なリスクマネジメント体制を構築できます。
ISO31000を全体的な指針とし、特定分野の規格で具体的な管理を行う統合的なアプローチが効果的です。

ISOリスクマネジメントの
導入メリット

ISO31000を導入することで、企業は多くのメリットを享受できます。
ここでは、企業評価の向上、組織全体での意思統一、事業継続性の強化という3つの主要なメリットについて詳しく解説します。

企業評価と信頼性の向上

ISO31000に基づくリスクマネジメントの実践は、企業の信頼性と評価を大きく向上させます。
国際基準に準拠したリスク管理体制を構築することで、取引先や投資家、顧客からの信頼を獲得できます。

特にグローバル市場で事業を展開する企業にとって、ISO31000は共通言語としての役割を果たし、国際的な取引における信頼の証となります。
サプライチェーンの上流企業から、リスクマネジメント体制の整備を求められるケースも増えており、ISO31000への準拠は取引条件の一つとなりつつあります。

また、投資家やステークホルダーに対して、企業がリスクを適切に管理していることを示すことができ、ESG投資の観点からも高く評価されます。
リスク情報の開示が透明性を高め、企業価値の向上につながります。

組織全体での意思統一

ISO31000は、組織全体で共通のリスク管理の枠組みを提供するため、部門間の意思統一を促進します。
各部署が独自にリスク管理を行っている場合、情報の分断や重複、対応の遅れが発生しがちです。

共通の枠組みを導入することで、リスク情報が組織全体で共有され、一貫した基準で評価・対応できるようになります。
これにより、経営層は全社的なリスク状況を俯瞰的に把握し、優先順位をつけた戦略的な意思決定が可能になります。

また、リスクマネジメントが組織文化として定着することで、従業員一人ひとりがリスク意識を持って行動するようになります。
現場レベルでの早期発見・早期対応が促進され、リスクの顕在化を未然に防ぐことができます。

事業継続性の強化

ISO31000の導入は、企業の事業継続性(レジリエンス)を大きく強化します。
不確実な将来に対する備えを体系的に行うことで、緊急事態が発生した際の影響を最小限に抑えることができます。

リスクアセスメントを通じて、事業に重大な影響を及ぼすリスクを特定し、優先的に対策を講じることができます。
これにより、限られたリソースを効果的に配分し、最も重要なリスクに集中して対処できるようになります。

特に自然災害やパンデミックなどの外部環境リスクに対して、ISO31000の枠組みはBCP(事業継続計画)の策定と運用を強力に支援します。
リスクの想定から対応策の実施、継続的な改善まで、一貫したプロセスで事業継続性を高めることができます。

さらに、モニタリングとレビューのプロセスにより、リスク環境の変化を継続的に把握し、対策を更新することができます。
これにより、企業は変化する環境に適応しながら、持続的な成長を実現できます。

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ISOリスクマネジメントから学ぶ
実効性の高いBCP策定

ISO31000を実務で活用する際には、いくつかの注意点を理解し、自社の状況に合わせてカスタマイズすることが重要です。
ここでは、活用時の注意点、BCP(事業継続計画)との関係、そして導入を支援するサービスについて解説します。

活用時の注意点

ISO31000を活用する際には、いくつかの重要な注意点を理解しておく必要があります。
まず、ISO31000は認証取得を目的とした規格ではないという点を認識することが重要です。

ISO31000は指針であり、企業が自社の実情に合わせて柔軟に適用すべきものです。
他社の成功事例をそのまま模倣するのではなく、自社が直面するリスクの特性や組織文化、経営資源を考慮して、最適な形にカスタマイズする必要があります。

また、ISO31000はすべてのマネジメント要素を網羅しているわけではありません。
品質管理、環境管理、情報セキュリティなど、特定分野の詳細な管理手法については、それぞれの専門規格を併用することが推奨されます。

導入にあたっては、経営層のコミットメントが不可欠です。
リーダーシップが欠如すると、形式的な取り組みに終わってしまい、実効性のあるリスクマネジメントが実現しません。
経営戦略と連動させ、全社的な取り組みとして推進することが成功の鍵となります。

BCP(事業継続計画)との関係

BCP(Business Continuity Plan)は、災害や感染症、停電などの緊急事態時に、事業を早期復旧・継続するための計画です。
ISO31000とBCPは、密接な関係にあり、相互に補完し合います。

ISO31000は、BCP策定のベースとなるリスクマネジメントの考え方を提供します。
リスクの想定から影響分析、優先行動の決定というプロセスが共通しており、ISO31000の枠組みに沿ってBCPを策定することで、より実効性の高い計画を作成できます。

具体的には、ISO31000のリスクアセスメントを通じて、事業に重大な影響を及ぼすリスクを特定し、それらに対する対応策をBCPに組み込みます。
リスクの評価基準や対応の優先順位を明確にすることで、緊急時に冷静な判断が可能になります。

また、ISO31000の継続的改善のプロセスは、BCPの定期的な見直しと訓練の実施に直結します。
モニタリングとレビューを通じて、計画の有効性を検証し、環境変化に応じて更新することで、常に実効性のあるBCPを維持できます。

これにより、緊急時の初動対応が迅速化し、損害を最小限に抑えることができます。
従業員の安全確保、重要業務の継続、ステークホルダーへの適切な情報提供など、多面的な対応が可能になります。

導入支援サービスの活用

ISO31000やBCPの導入には専門的な知識と経験が求められるため、外部の支援サービスを活用することが効果的です。
特に中小企業では、専任の担当者を配置することが難しい場合が多く、外部リソースの活用が現実的な選択肢となります。

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まとめ

ISOリスクマネジメント、特にISO31000は、認証取得を目的とするものではなく、企業が不確実性に対処しながら価値を創出・保護するための実践的な設計図です。
「原則」「枠組み」「プロセス」という3つの中核要素を組み合わせることで、組織全体のリスクを可視化し、継続的に改善しながらリスクに強い企業文化を形成できます。

ISO9001やISO14001、ISO27001といった特定分野の規格と組み合わせることで、より包括的なリスク管理体制を構築できます。
企業評価の向上、組織全体での意思統一、事業継続性の強化といった多くのメリットを享受し、持続的な成長を実現できます。

BCP(事業継続計画)の策定においても、ISO31000の枠組みは強力な基盤となります。
リスクの想定から対応策の実施、継続的な改善まで、一貫したプロセスで緊急時の対応力を高め、事業への影響を最小限に抑えることができます。

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