ハザードマップの作り方ガイド|作成の手順から注意点まで徹底解説
2025/11/10
地震・豪雨・台風などの自然災害が頻発する日本において、事前の備えが生命を守る最重要要素です。
ハザードマップは災害リスクや避難経路を視覚化する重要なツールですが、自治体公開のものだけでは、自宅・職場周辺の細かな危険箇所を把握しきれません。
本記事では、個人・企業が独自作成できるハザードマップの具体的手順から活用方法、注意点まで詳しく解説します。
災害時の安全な避難環境を整備するため、ぜひ最後までご覧ください。
ハザードマップ作成により、地域特有の災害リスクを把握し、家族や従業員全員が共通の防災意識を持つことができます。
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ハザードマップとは
ハザードマップとは、自然災害による被害範囲や避難場所、避難経路などを地図上に示したものです。
洪水・土砂災害・地震・津波など災害種別ごとに作成され、住民や企業が事前に災害リスクを把握し、適切な避難行動を取るための重要な情報源となります。
自治体公開の公的ハザードマップと、個人・企業が独自作成する自主防災マップの2種類があり、それぞれ目的や活用場面が異なります。
ハザードマップの種類と特徴
ハザードマップは災害種別によって複数に分類されます。
主なものとして、洪水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップ、津波ハザードマップ、地震防災マップなどが挙げられます。
洪水ハザードマップは河川の氾濫による浸水想定区域や浸水深を示し、土砂災害ハザードマップは急傾斜地の崩壊や土石流の危険区域を表示します。
津波ハザードマップは沿岸部での津波浸水想定を、地震防災マップは揺れやすさや液状化リスクを可視化します。
それぞれの災害特性に応じた情報が記載されているため、居住地域や勤務地で想定される災害に合わせて複数のハザードマップを確認することが重要です。
国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、全国の自治体公開ハザードマップを一元的に閲覧でき、重ねるハザードマップ機能により複数の災害リスクを同時確認できます。
公的ハザードマップと自主防災マップの違い
公的ハザードマップは自治体が作成・公開するもので、科学的なデータ解析に基づく広域的な災害予測情報を提供します。
浸水想定区域や土砂災害警戒区域などの法定情報が記載され、避難所・避難場所も公式指定されたものが掲載されています。
一方、自主防災マップは個人・企業・地域コミュニティが独自作成するもので、自宅や事業所周辺の細かな危険箇所や避難経路を具体的に記載できる点が特徴です。
公的ハザードマップでは把握しきれない狭い道路や古いブロック塀、急坂といった生活圏特有のリスクを盛り込むことで、より実用的な避難計画を立てることができます。
両者を組み合わせることで、広域的な災害リスクと地域固有の危険箇所の両方を把握し、実効性の高い防災対策を講じることが可能になります。
ハザードマップの作り方|
5つの基本手順
個人・企業が実践できるハザードマップ作成を、5つのステップで解説します。
机上作業から現地確認まで段階的に進めることで、災害時に実際に役立つオリジナルマップを作成できます。
全体の所要時間目安:7時間30分~13時間(分散実施可能)
準備するもの(所要時間:30分~1時間)
ハザードマップの作成に必要な材料を事前に揃えておきましょう。
まず、自治体公開の公的ハザードマップデータを入手します。
自治体ホームページや国土交通省のハザードマップポータルサイトからダウンロード可能です。
次に、自宅や事業所周辺の詳細地図を用意します。
住宅地図やウェブ地図サービス(Googleマップなど)の印刷物が便利です。
作成方法により必要な道具が異なるため、以下を参考に準備してください。
【紙版作成用】
- 筆記用具(色分け用のカラーペン・蛍光マーカー)
- 定規・コンパス
- 地図印刷用の用紙(A3サイズ推奨)
【デジタル版作成用】
- GIS(地理情報システム)ソフトウェア(QGISやArcGISなど)
- 画像編集ソフト(Photoshop、GIMPなど)
- Googleマップなどのウェブ地図サービス
【共通で必要なもの】
- 避難所・避難場所の一覧(自治体の防災情報から入手)
- デジタルカメラまたはスマートフォン(現地確認時の記録用)
- メジャーやスケール(道幅・勾配の確認用)
- 防災関連資料(過去の災害履歴、地域の防災計画など)
デジタル作成の場合は、GIS(地理情報システム)ソフトウェアやQGIS、ArcGISなどの地図作成ツールにより、より視覚的でわかりやすいマップを作成できます。
手順①机上で情報を収集・整理する(所要時間:2~3時間)
最初に、自治体の公的ハザードマップから必要情報を抽出します。
洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域、津波浸水想定区域など、生活圏に関係する災害リスク情報を確認し、地図上に書き込みます。
浸水深は色分けして記載すると視覚的に理解しやすくなります。
(例:0.5m未満を黄色、0.5〜3.0mを橙色、3.0m以上を赤色)
次に、避難所・避難場所の情報を整理します。
指定緊急避難場所、指定避難所、一時避難場所など、災害種別ごとの施設を確認し、地図上にマークします。
避難所によっては洪水時に使用不可のケースもあるため、災害種別ごとの利用可否を必ず確認しましょう。
過去の災害履歴や浸水実績なども自治体の防災資料から収集し、地図に反映させることで、より実態に即したマップになります。
手順②自宅や事業所、避難所を地図に記入する(所要時間:1~2時間)
机上で収集した情報をもとに、自宅・事業所・学校・勤務先など日常的に使用する拠点を地図上に明確に記入します。
各拠点がどのような災害リスク区域に位置するかを確認し、色分けや記号で視覚化します。
例:自宅が浸水想定区域内にある場合は赤色の丸印、安全な高台にある場合は青色の丸印。
次に、最寄りの避難所・避難場所を記入します。
災害種別ごとに利用可能な避難所が異なる場合は、洪水用・土砂災害用・地震用などと分けて記載します。
避難所までの直線距離だけでなく、実際に歩いて到達できる経路を考慮して配置することが重要です。
また、高齢者や小さな子どもがいる家庭では、避難に要する時間も考慮し、複数の避難先を想定しておくと安心です。
手順③避難経路を複数想定して記載する(所要時間:1~2時間)
自宅や事業所から避難所までの経路を地図上に書き込みます。
最短ルートだけでなく、複数の代替ルートを想定しておくことが重要です。
災害時には道路冠水や建物倒壊により通行不能になる可能性があるためです。
第1避難経路、第2避難経路、第3避難経路と優先順位を付けて色分けしておくと、緊急時に迷わず判断できます。
避難経路の検討時には、以下のポイントを考慮しましょう。
- 浸水想定区域や土砂災害警戒区域を可能な限り回避する
- 道幅が広く、複数人が同時通行できる道を選ぶ
- 夜間でも街灯があり、視界が確保される道を優先する
- 急坂や階段が少なく、高齢者・子どもでも通行しやすい道を選ぶ
- 河川沿いや崖沿いの道は避ける
実際に避難経路を歩いて、避難に要する時間や体力的負担を確認しておくと、より現実的な避難計画を立てることができます。
手順④現地で実際に歩いて確認する(所要時間:3~5時間)
机上で作成したハザードマップを持参し、実際に避難経路を歩いて確認します。
地図上では判明しなかった危険箇所や障害物を現地でチェックし、マップに追記していきます。
■安全性の確認
- 古いブロック塀や倒壊危険のある建物の有無
- 道路の幅員・勾配・段差の状況
- 電柱・看板など倒壊・落下危険のある構造物
■水害リスクの確認
- 河川・水路の位置と氾濫リスク
- 側溝・排水溝の配置と排水能力
- 過去の冠水履歴のある箇所
■夜間・悪天候時の対応
- 街灯の有無と夜間の視認性
- 雨天時の滑りやすさ
- 一時避難可能な頑丈な建物・高台の位置
デジタルカメラやスマートフォンで危険箇所を撮影し、写真に位置情報・日時を記録しておくと、後からマップ反映時に便利です。
現地確認は家族・同僚と一緒に行い、複数の視点で危険箇所を洗い出すことが望ましいです。
また、晴天時だけでなく雨天時にも確認することで、冠水しやすい箇所や滑りやすい道を把握できます。
現地確認で得た情報を地図に反映し、危険箇所には警告マークや注意書きを追加します。
これで、実際の避難行動に即した実用的なハザードマップが完成します。
ハザードマップを作成する
メリット
ハザードマップの自主作成には、公的マップの閲覧だけでは得られない多くのメリットがあります。
生活圏に特化した情報を盛り込むことで、災害時の行動判断がより迅速かつ的確になります。
地域の災害リスクを正確に把握できる
自主作成により、公的マップでは把握できない生活圏特有のリスク(狭い路地、古いブロック塀、急坂など)まで詳細に洗い出すことができます。
災害リスクの正確な把握により、避難のタイミングや経路選択の判断精度が大幅に向上します。
また、複数の災害種別を重ね合わせることで、複合災害リスクも把握できます。
地震による建物倒壊と火災、豪雨による河川氾濫と土砂災害など、複合災害のシナリオを想定した対策を講じることが可能になります。
避難経路と代替ルートを事前に確認できる
複数の避難経路を想定し、実際に歩いて確認することで、災害時に迷わず柔軟な避難行動が可能になります。
最短ルートだけでなく、道路が通行不能になった場合の代替ルートも把握しておくことで、柔軟な避難行動が可能になります。
特に、夜間・悪天候時の避難を想定し、街灯の有無・視認性・道路の滑りやすさなども確認しておくと、より安全な避難が実現します。
避難経路上の一時避難場所や安全な建物を事前把握しておくことで、避難途中で危険が迫った際にも適切な行動を取ることができます。
また、避難に要する時間を実測しておくことで、避難開始のタイミング判断における重要な指標となります。
家族や従業員と防災意識を共有できる
共同作成により複数の視点で危険箇所を洗い出せ、全員が共通認識を持った実効性の高いマップが完成します。
家族や従業員で協力することで、一人では気づかないリスクも発見できます。
特に、高齢者・小さな子どもがいる家庭では、それぞれの体力・移動能力に応じた避難計画を立てることが重要です。
家族全員でマップを共有し、定期的に避難訓練を実施することで、災害時の混乱を最小限に抑えることができます。
企業においても、従業員全員がハザードマップを理解し、避難経路・集合場所を把握しておくことで、災害時の安全確保と事業継続の両立が可能になります。
ハザードマップを社内掲示板・防災マニュアルに組み込み、定期的に更新・周知することで、組織全体の防災意識を高めることができます。
ハザードマップ作成後の注意点
ハザードマップは一度作成して終わりではなく、定期的な更新と継続的な活用が重要です。
地域の環境変化・新たな災害情報に対応し、常に最新の状態を保つことで、実際の災害時に役立つツールとして機能します。
ここでは、ハザードマップ作成後に注意すべき3つのポイントを解説します。
定期的に内容を更新する
ハザードマップは作成時点の情報に基づいているため、時間経過により現状とのズレが生じます。
道路の新設・廃止、建物の建て替え、土地利用の変化など、地域の環境は常に変化しています。
少なくとも年1回は現地を再確認し、マップの内容を更新することが推奨されます。
特に、大規模な工事・開発が行われた場合は、その都度内容を見直す必要があります。
自治体公開のハザードマップも定期更新されるため、公的マップの改訂時には、自分のマップにも最新情報を反映させましょう。
また、実際に災害が発生した際には、被害状況・避難経路の有効性を検証し、次回更新に活かすことが重要です。
更新履歴を記録しておくことで、どの情報がいつ変更されたかを把握でき、管理がしやすくなります。
家族や従業員全員に周知する
ハザードマップを作成しても、家族・従業員がその内容を理解していなければ意味がありません。
完成したマップは、日頃から目につく場所に掲示し、全員が内容を把握できるようにしましょう。
家庭では玄関・冷蔵庫・リビングなどに貼り、企業ではオフィス共用スペース・休憩室・各部署のデスク周辺に配置すると効果的です。
非常用持ち出し袋の中にも縮小版マップを入れておくことで、避難時に携帯でき、現地で経路を確認しながら移動できます。
定期的にミーティング・家族会議の場でマップを確認し、避難経路・集合場所を再確認する習慣をつけることで、災害時の混乱を防ぐことができます。
特に、新しく家族・従業員が加わった際には、必ずマップの内容を説明し、共通認識を持たせることが重要です。
訓練で実際に活用する
ハザードマップは机上のツールとして眺めるだけでなく、実際の避難訓練で活用することが重要です。
マップを見ながら避難経路を歩くことで、記載内容の妥当性・改善点が明らかになります。
家庭では年2回程度、企業では年1回以上の避難訓練を実施し、その際にハザードマップを使って避難経路・集合場所を確認しましょう。
訓練を通じて発見した問題点・改善案は、その都度マップに反映させることで、より実用的なツールへと進化させることができます。
また、訓練では夜間・雨天を想定したシナリオも取り入れることで、様々な状況下での避難行動を体験し、対応力を高めることができます。
訓練の記録を残し、参加者からのフィードバックを収集することで、次回の訓練・マップ更新に役立てることができます。
災害対策の基盤となるハザードマップの作成と並行して、企業ではデジタルツールを活用した総合的な防災体制の構築が求められています。
総合防災アプリ「クロスゼロ」では、ハザード情報の確認、安否確認、緊急連絡、備蓄品管理までを一元的に管理でき、災害時の迅速な対応を支援します。
ハザードマップ以外で
企業ができる災害対策
ハザードマップの作成は企業災害対策の一部に過ぎません。
従業員の安全確保と事業継続を実現するためには、複合的な防災対策を講じる必要があります。
ここでは、ハザードマップと併せて実施すべき3つの重要な災害対策を解説します。
安否確認システムの導入
災害発生時、従業員の安全を迅速に確認することは企業の最優先事項です。
電話・メールでの確認は通信網の混線により困難になるケースが多く、安否確認システムの導入が効果的です。
安否確認システムは、災害発生時に自動的に従業員へ安否確認メッセージを送信し、回答状況を一元管理できるツールです。
従業員の所在地・被災状況をリアルタイムで把握でき、迅速な救援・支援の判断が可能になります。
システム導入時には、従業員全員が操作方法を理解し、定期的な訓練で実際に使用して習熟度を高めることが重要です。
また、家族の安否確認機能を備えたシステムを選ぶことで、従業員が安心して業務復旧に取り組める環境を整えることができます。
防災備蓄品の準備と管理
災害時に従業員が安全に避難し、復旧作業に取り組むためには、適切な防災備蓄品の準備が欠かせません。
保存水・非常食・救急用品・簡易トイレ・毛布・懐中電灯・ラジオなど、基本的な備蓄品を従業員数に応じて準備します。
備蓄品は最低3日分、可能であれば1週間分を目安に用意し、定期的に消費期限・賞味期限を確認して更新します。
備蓄品リストを作成し、保管場所・数量・消費期限・賞味期限を一元管理することで、適切な在庫管理が可能になります。
また、帰宅困難者対策として、オフィスに宿泊できる体制を整えることも重要です。
防災備蓄品は分散保管することで、一箇所が被災しても他の場所から供給できる体制を構築しましょう。
BCP(事業継続計画)の策定
BCP(事業継続計画)とは、災害・パンデミックなどの緊急事態発生時に、事業資産の損害を最小限にとどめ、中核事業の継続・早期復旧を実現するための計画です。
BCP策定では、優先的に継続すべき中核事業を特定し、目標復旧時間を設定します。
次に、事業継続に必要な経営資源(人材・設備・資金・情報など)を洗い出し、それらが被災した場合の代替手段を検討します。
BCPは策定して終わりではなく、定期的な見直し・訓練を通じて実効性を高めることが重要です。
机上訓練・実地訓練により計画の有効性を検証し、改善を重ねることで、実際の災害時に機能するBCPへと進化させることができます。
また、サプライチェーン全体での連携を図り、取引先・協力会社との情報共有体制を構築することも、事業継続の鍵となります。
まとめ
ハザードマップの作り方について、準備から作成手順、作成後の注意点まで詳しく解説しました。
公的ハザードマップと自主防災マップを組み合わせることで、広域的な災害リスクと生活圏特有の危険箇所の両方を把握し、実効性の高い避難計画を立てることができます。
机上での情報収集から現地での実地確認まで丁寧に取り組み、家族・従業員と共有しながら定期的に更新することで、災害時に本当に役立つツールとして機能します。
企業においては、ハザードマップ作成に加えて、安否確認システムの導入、防災備蓄品の準備、BCP(事業継続計画)の策定など、複合的な災害対策を講じることが重要です。
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