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防災グッズで本当に必要なもの|企業の災害備蓄品の選び方と必要性を解説

防災グッズで本当に必要なもの|企業の災害備蓄品の選び方と必要性を解説

2025/08/08

防災

企業の防災対策は、従業員の生命を守るだけでなく、事業継続の観点からも重要な経営課題です。
しかし、「何を」「どれだけ」「どのように」備えれば良いのか、具体的な指針が分からず悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、企業が本当に必要な防災グッズを場面別に整理し、効果的な備蓄方法から運用のポイントまで詳しく解説します。

災害時の安否確認システムについても触れながら、包括的な企業防災のあり方をご紹介していきます。

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なぜ企業に防災グッズが必要なのか

企業が防災グッズを備える必要性は、法的義務と事業継続性の両面から説明できます。
まず法的な観点では、労働契約法第5条において「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定められており、これが企業の安全配慮義務の根拠となっています。

災害発生時に適切な防災対策を講じていなかった場合、企業は従業員やその家族から損害賠償請求を受けるリスクがあります。
実際に、東日本大震災以降、安全配慮義務違反を問われる裁判例も増加しており、企業にとって防災対策は経営リスク管理の重要な要素となっています。

一方、事業継続性の観点からも防災グッズの備蓄は欠かせません。
災害時に従業員が安全に避難・待機できる環境を整えることで、混乱を最小限に抑え、早期の事業復旧につなげることができます。
特に帰宅困難者対策として、従業員が安心して職場に留まれる環境づくりは、企業の社会的責任としても重要です。

防災グッズの備蓄は、法的義務を果たすだけでなく、従業員の安心感醸成と企業の信頼性向上にも直結する重要な投資と考えるべきでしょう。

企業が備えておきたい
防災グッズ一覧

企業が備蓄すべき防災グッズは、災害時の状況や使用目的に応じて分類することができます。
ここでは、生命維持、安全確保、情報収集、衛生管理の4つのカテゴリーに分けて、それぞれ必要なアイテムを詳しく解説していきます。

生命維持に必要な基本アイテム

災害時の生命維持に最も重要なのは、水と食料の確保です。
水については、1人1日3リットルを基準として、最低3日分、できれば1週間分の備蓄が推奨されています。
保存期間が5年から10年と長期間の保存水を選ぶことで、管理コストを抑えることができます。

アイテム 備蓄の目安・選定ポイント
保存水 1人1日3L×日数分、5〜10年保存可能なものを選択
アルファ化米 水やお湯で戻せるタイプ、様々な味を用意して飽きを防ぐ
缶詰パン 開封後すぐ食べられる、長期保存可能なもの
栄養補助食品 カロリーメイトなど栄養バランスが考慮されたもの
キャンディ・チョコレート 糖分補給とストレス軽減効果、個包装タイプが衛生的

非常食については、アルファ化米を中心としながらも、缶詰パンや栄養補助食品を組み合わせることで、栄養バランスと嗜好性の両方を考慮した備蓄が可能になります。
災害時のストレス軽減効果も期待できるキャンディやチョコレートなどの甘味類も重要なアイテムです。

安全確保のための防護用品

災害時の身体保護と避難時の安全確保のため、防護用品の備蓄も欠かせません。
特に地震災害では、落下物や破損したガラス片などから身を守る装備が重要になります。

アイテム 備蓄の目安・選定ポイント
ヘルメット 全従業員分、軽量で頭部をしっかり保護できるもの
防災頭巾 ヘルメットの代替品、座布団としても使用可能
軍手 滑り止め付き、がれき処理や避難時の手の保護
安全靴・スリッパ ガラス片や釘などから足を保護、避難時に必須
毛布 防寒・保温用、アルミ製の保温シートも軽量で効果的

ヘルメットや軍手は、各座席や出入口付近など、すぐに手に取れる場所に配置することが重要です。
また、冬季の災害を想定した防寒具として、毛布やカイロ、ブルーシートなども必要に応じて備蓄しておきましょう。

情報収集・連絡手段の確保

災害時には、正確な情報収集と外部との連絡手段の確保が生命線となります。
停電時でも使用できる手回し充電式の機器を中心に、複数の通信手段を確保することが重要です。

アイテム 備蓄の目安・選定ポイント
防災ラジオ 手回し充電式、AM/FM/短波対応、LEDライト付きが理想
モバイルバッテリー 大容量タイプ、手回し充電可能なものを含めて複数台
懐中電灯 手回し充電式、各フロア・部署に配置
ろうそく・マッチ 停電時の照明確保、火災リスクを考慮して使用場所を限定
メガホン 避難誘導時の指示伝達、電池式で音量調整可能なもの

特に重要なのは、手回し充電式の防災ラジオです。
災害時の情報収集だけでなく、LEDライト機能付きのものを選ぶことで、照明器具としても活用できます。
モバイルバッテリーについても、手回し充電機能付きのものを含めて複数台用意し、従業員の連絡手段確保に備えましょう。

衛生管理・健康維持用品

災害時の健康維持と感染症予防のため、衛生用品の備蓄も重要です。
特に、断水時でも清潔を保てるアイテムや、簡易トイレなどの基本的な衛生設備の確保が求められます。

アイテム 備蓄の目安・選定ポイント
簡易トイレ 断水時対応、凝固剤付き、十分な数量を確保
ティッシュペーパー ボックスタイプとポケットタイプを併用
ウェットティッシュ アルコール系と ノンアルコール系を使い分け
救急用品セット 絆創膏、消毒液、包帯、医薬品など基本的なもの
マスク 粉塵対策と感染症予防、不織布タイプを大量備蓄

簡易トイレは、災害時の重要な課題である衛生的なトイレの確保を解決する必須アイテムとして、余裕を持った数量の備蓄が必要です。
また、救急用品については、応急処置に必要な基本的なアイテムを揃えるだけでなく、従業員への応急処置研修も併せて実施することが効果的です。

これらの防災グッズは、ローリングストック方式での管理を推奨します。
定期的に古いものから使用し、新しいものを補充することで、常に新鮮で使用可能な状態を維持できます。

防災グッズの
選び方・数量計算のポイント

効果的な防災グッズの備蓄を行うためには、自社の特性を踏まえた計画的なアプローチが必要です。
単純に一般的な推奨量を備蓄するのではなく、立地条件、業種特性、従業員数などを総合的に考慮した選定と数量計算を行いましょう。

まず重要なのは、自社のリスクプロファイルを明確にすることです。
地域特性として、地震、津波、洪水、火山災害、土砂災害など、どのような災害リスクが高いかを把握し、それに応じた防災グッズの優先順位を決定します。
例えば、津波リスクの高い沿岸部では高層階への避難用品を重視し、内陸部では地震対策を中心とした備蓄計画を立てることが効果的です。

業種特有のリスクも考慮する必要があります。
化学工場や研究施設では化学物質への対応として防護服や防毒マスクが必要になり、高層オフィスビルでは帰宅困難者対策として宿泊用品の充実が求められます。
自社の事業特性を踏まえた効果的な防災グッズの検討が、実効性の高い災害対策につながります。

数量計算については、以下の基本的な考え方に沿って行います。
対象人数は、常勤従業員だけでなく、パート・アルバイト、派遣社員、来訪者なども含めた最大収容人数で算出することが重要です。
また、時間帯によって在籍人数が変動する場合は、最も多い時間帯の人数を基準とします。

期間 推奨内容
3日分(最低基準) 行政による救援物資が届くまでの期間として法的に推奨
1週間分(推奨) 大規模災害時の混乱期間を考慮した現実的な備蓄量
2週間分(理想) 事業継続性を重視する企業や重要インフラ企業の基準

備蓄量の計算には、従業員の働き方や勤務体系も考慮します。
在宅勤務制度がある企業では、災害時の出社率を予測して数量を調整し、24時間体制の業務がある場合は、すべての勤務シフトを想定した計算が必要です。

保管場所の選定も重要な要素です。
防災グッズは、建物の構造的に安全な場所に分散配置し、一箇所に集中させないことが基本です。
各フロアに基本的なアイテムを配置し、本格的な備蓄品は耐震性の高い倉庫や地下室に保管することで、災害時のアクセスの良さと安全性の確保を両立できます。

定期的な見直しとメンテナンスの仕組みづくりも、防災グッズ管理の重要なポイントです。
年2回程度の棚卸しを実施し、賞味期限や使用期限の確認、破損品の交換を行います。
また、従業員数の変動や事業拡大に応じて、備蓄量の調整も定期的に行いましょう。

防災グッズ備蓄時にやりがちな
3つの落とし穴

防災グッズの備蓄を進める際、多くの企業が陥りがちな問題があります。
これらの落とし穴を事前に理解し、適切な対策を講じることで、より実効性の高い防災体制を構築することができます。

第一の落とし穴は、保管場所の安全性を軽視することです。
せっかく防災グッズを備蓄しても、地震で倒壊する可能性のある場所や、浸水リスクの高い地下に保管していては、災害時に使用できません。
保管場所は建物の構造的安全性を十分に検証し、転倒防止措置や防水対策を施した場所を選ぶことが重要です。

また、一箇所集中型の保管も避けるべきです。
本部機能のある場所が被災した場合に備えて、複数箇所への分散配置を行い、各フロアや部署単位でも基本的なアイテムを保管しておくことで、災害時のアクセス性を確保できます。

第二の落とし穴は、賞味期限・使用期限の管理不備です。
防災グッズは「備えたら終わり」ではなく、継続的な管理が必要です。
特に食品類や医薬品、電池などは使用期限があり、定期的な点検と交換が欠かせません。

管理対象 点検頻度・注意点
保存水・非常食 年2回、賞味期限6ヶ月前に交換計画を立てる
医薬品・救急用品 年1回、使用期限と品質状態をチェック
電池・照明器具 半年に1回、動作確認と電池交換
その他備品 年1回、破損や劣化の状況を確認

ローリングストック方式を採用し、期限が近づいた食品類は社内イベントや研修で消費し、新しいものを補充するサイクルを確立することで、管理コストを抑えながら常に新鮮な備蓄品を維持できます。

第三の落とし穴は、従業員への周知不足です。
どんなに完璧な防災グッズを備蓄しても、従業員がその存在や使用方法を知らなければ、災害時に有効活用することはできません。
防災グッズの保管場所、使用方法、配布手順などを明確にマニュアル化し、定期的な防災訓練で実際に使用する機会を設けることが重要です。

特に重要なのは、災害時の役割分担と指揮系統の明確化です。
誰が防災グッズの配布を担当し、どのような優先順位で配布するかを事前に決めておくことで、混乱を最小限に抑えることができます。
また、新入社員研修や定期的な全体研修において、防災グッズの使用方法を実際に体験する機会を設けることも効果的です。

これらの落とし穴を避けるためには、防災グッズの備蓄を単なる「モノの準備」ではなく、「仕組みづくり」として捉えることが重要です。
継続的な管理体制の構築と従業員教育を通じて、真に実効性のある企業防災体制を整備していきましょう。

災害時の安否確認ツールなら
「クロスゼロ」

防災グッズの備蓄と並行して重要なのが、災害時の安否確認システムの構築です。
従業員の安全状況を迅速に把握し、適切な対応を行うためには、専用のツールを活用することが効果的です。

「クロスゼロ」は、気象庁との連携により地震や気象警報の発表と同時に自動で安否確認の通知やメールを配信するシステムです。
管理者が手動で配信指示を出す手間がなく、初動対応の迅速化を実現できます。
また、震度や警報の種類に応じた配信条件の細かな設定も可能で、不要な配信を避けながら適切なタイミングでの安否確認を行えます。

機能 特徴・メリット
自動配信 気象庁連携で災害発生時に即座に安否確認の通知やメールを送信
回答状況の自動集計 リアルタイムで安否状況を把握、未回答者の管理も自動化
掲示板機能 災害時の指示や情報共有をスムーズに実施
管理者権限設定 部署別・階層別の管理体制に対応

システムの操作性にも優れており、従業員はアンケートに回答するだけで安否状況を報告できます。
回答状況は自動で集計され、管理者は未回答者の一覧確認や個別の連絡も効率的に行えます。
また、掲示板機能を活用することで、災害時の指示や情報共有もスムーズに実施できます。

「クロスゼロ」は30日間の無料体験が可能なため、コストを抑えながら自社に適した安否確認システムかどうかを十分に検証できます。
中小企業から大企業まで幅広い規模に対応しており、従業員数に応じた柔軟な料金体系も魅力の一つです。

防災グッズの備蓄と安否確認システムの導入を組み合わせることで、「モノ」と「仕組み」の両面から包括的な企業防災体制を構築することができます。
災害時の混乱を最小限に抑え、従業員の安全確保と事業継続性の両立を実現するための重要なツールとして、安否確認システムの導入もぜひ検討してみてください。

まとめ

企業の防災グッズ備蓄は、法的義務を果たすだけでなく、従業員の生命と企業の継続性を守る重要な投資です。
生命維持、安全確保、情報収集、衛生管理の4つのカテゴリーで必要なアイテムを整理し、自社のリスクプロファイルに応じた計画的な備蓄を行うことが成功の鍵となります。

備蓄時の落とし穴として、保管場所の安全性確保、期限管理の徹底、従業員への周知が重要であることもお伝えしました。
また、防災グッズと併せて安否確認システムの導入により、「モノ」と「仕組み」の両面から包括的な災害対策を実現できます。
今日から始められる企業防災として、まずは現状の備蓄状況を見直し、計画的な防災体制の構築に取り組んでいきましょう。

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