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防災倉庫の中身とは?|備えておくべき防災用品と保管のポイント

防災倉庫の中身とは?|備えておくべき防災用品と保管のポイント

2025/11/13

防災

防災倉庫は、災害発生時に企業や施設が従業員・利用者の安全を確保し、事業継続を図るための重要な拠点です。
しかし、いざ備蓄を始めようとしても「何を、どれだけ、どのように備えるべきか」が不明確なまま運用されているケースが少なくありません。
本記事では、防災倉庫の中身として備えるべき具体的な物資と、設置・運用における実践的なポイントを体系的に解説します。
BCP(事業継続計画)担当者や施設管理者、企業経営者の方々が、自社・自施設に最適な防災倉庫を整備するための指針としてご活用ください。

災害時には、ライフラインの停止や物流の混乱により、外部からの支援が届くまでに時間を要します。
その間、組織内で備蓄した物資が従業員や利用者の生命と安全を守る重要な支えとなります。
防災倉庫の中身を適切に整備し、日頃から管理・更新することで、いざという時に迅速かつ効果的な初動対応が可能になります。

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災害時に防災倉庫が重要な理由

災害が発生すると、水道・電気・ガスといったライフラインが長期間にわたって停止する可能性があります。
中小企業庁が公表する復旧目安では、震度6弱の地震が発生した場合、水道の復旧には約7日、電気は約1日、ガスは約4週間かかるとされています。
このようなライフライン停止期間中、企業や施設は外部からの物資供給を期待できないため、自前で備蓄した物資に頼らざるを得ません。

また、災害発生後72時間は「72時間の壁」と呼ばれ、救助活動や生存確保において最も重要な時間枠とされています。
この間に適切な初動対応を行うためには、防災倉庫に救助資機材や応急物資を整備しておくことが不可欠です。
さらに、防災備蓄は法律上の義務ではなく、企業には「努力義務」として推奨されていますが、従業員や利用者の安全を守り、事業継続を図るためには、積極的に備蓄を整備する姿勢が求められます。

防災倉庫は、災害時の混乱を最小限に抑え、組織全体の安全と事業継続を支える基盤となります。
適切な備蓄と運用体制を整えることで、いざという時に迅速かつ効果的な対応が可能になるのです。

防災倉庫の中身は何を入れるべきか

防災倉庫の備蓄物資は、「初動対応資機材」と「3日分の待機用備蓄」の2つに分類されます。
前者は災害発生直後の救助・避難・情報収集用、後者は施設内待機時の生活必需品です。
さらに、施設の種類や利用者の特性に応じて、追加で備えるべき物資を検討する必要があります。

初動対応に必要な資機材

初動対応資機材は、災害発生直後の混乱期に、迅速な避難誘導・救助活動・情報収集を行うための物資です。
これらは、防災倉庫の中でもすぐに取り出せる場所に配置し、日頃から使用方法を訓練しておくことが重要です。

具体的には、以下のような物資が挙げられます。

安全指導用 メガホン、誘導灯、警笛、ヘッドライト
救護用 救助工具(バール、ハンマー、のこぎり)、ヘルメット、担架、救急セット、AED、応急手当マニュアル
応急物資 発電機、投光器、ランタン、延長コード、保存水、非常食、毛布、簡易トイレ
情報通信 携帯ラジオ、ポータブル電源、充電器、緊急連絡先リスト

これらの資機材は、災害時に組織の各班(安全指導班、消防班、救護班、情報班など)がそれぞれの役割を果たすために不可欠です。
特に、メガホンや誘導灯は避難誘導時に、救助工具や担架は救助活動時に、発電機やランタンは停電時の照明確保に活用されます。
また、情報通信機器は、外部との連絡手段が途絶えた場合に備えて、ラジオや衛星電話などの代替手段を用意しておくことが望ましいでしょう。

3日分の待機用備蓄

待機用備蓄は、災害発生後、従業員や利用者が施設内で安全に待機するための生活必需品であり、最低でも3日分を備えることが推奨されています。
これは、外部からの物資供給が開始されるまでの期間を想定したものです。

具体的には、以下のような物資が必要です。

物資の種類 備蓄の目安
飲料水 1人あたり1日3L × 3日分 = 9L
非常食 1人あたり1日3食 × 3日分 = 9食分(アルファ米、缶詰、レトルト食品、栄養補助食品など)
衛生用品 簡易トイレ(1人あたり1日5回 × 3日分 = 15回分)、トイレットペーパー、ティッシュ、ウェットティッシュ、消毒液、マスク、手袋
医薬品 常備薬、包帯、ガーゼ、絆創膏、消毒薬、持病薬の予備
寝具・防寒具 毛布、アルミブランケット、簡易マット、カイロ

特に、飲料水は生命維持に直結するため、必ず確保しておく必要があります。
保存水は消費期限が5年程度のものが一般的ですが、定期的に消費期限を確認し、更新することが重要です。
また、簡易トイレは災害時に最も不足しやすい物資の一つであり、衛生環境を保つために十分な量を備蓄しておくことが求められます。

さらに、従業員や利用者の中に乳幼児や高齢者、障がい者がいる場合は、粉ミルクや哺乳瓶、介護用品、常備薬などの特別な配慮が必要な物資も追加で備えておきましょう。

施設別に追加すべき備蓄品

防災倉庫の中身は、施設の種類や利用者の特性に応じて、追加の備蓄品を検討する必要があります。
以下に、代表的な施設ごとの追加備蓄例を示します。

学校・教育施設

児童・生徒の安全を確保するために、哺乳瓶、粉ミルク、離乳食、紙おむつ、炊き出し用の鍋や食器、文房具、玩具などを備えることが望ましいです。
また、保護者への連絡手段や児童の引き渡し手順を明確にしておくことも重要です。

マンション・集合住宅

住民の長期滞在に備えて、非常用階段避難器具、浄水器、救急資材、共用スペース用の照明器具、工具セットなどを整備しておくと良いでしょう。

公園や公共施設

地域住民の一時避難場所としての役割を果たすため、食料、毛布、簡易トイレ、衛生用品、救護用品などを多めに備蓄しておくことが求められます。

オフィスビルや工場

従業員の待機に加えて、事業継続に必要な資機材(重要書類、データバックアップ、通信機器の予備バッテリーなど)も防災倉庫に保管しておくことが推奨されます。

BCP(事業継続計画)と
防災備蓄の統合

BCP(事業継続計画)は、災害や緊急事態が発生した際に、企業が重要な業務を継続または早期に復旧するための計画です。
防災備蓄は、BCPを実現するための重要な要素であり、計画に具体的に盛り込んでおく必要があります。
しかし、多くの企業では、BCPの策定時に備蓄内容が不明確なまま扱われているケースが少なくありません。

BCPと防災備蓄を統合するためには、まず、災害発生時に必要となる業務を洗い出し、それぞれの業務に必要な物資を明確にすることが重要です。
例えば、情報システムの継続には電源確保が必要であり、発電機やポータブル電源、燃料などを備蓄リストに加えるべきです。
また、従業員の安全確保と待機環境の整備もBCPの重要な要素であり、飲料水、非常食、簡易トイレ、毛布などの生活必需品を十分に備蓄しておく必要があります。

さらに、BCPでは、備蓄物資の保管場所、管理責任者、消費期限の確認頻度、更新計画などを明確にしておくことが求められます。
これにより、災害時の物資不足や消費期限切れによる使用不可を防げます。
加えて、定期的な訓練を通じて、備蓄物資の配布手順や使用方法を従業員に周知し、実際の災害時にスムーズに運用できる体制を整えておくことが重要です。

BCP と防災備蓄を一体的に運用することで、災害時の事業継続性が大幅に向上し、従業員の安全確保と顧客への信頼維持にもつながります。

災害時における組織体制と物資配置

防災倉庫を適切に活用するには、災害時の組織体制と各班の役割・必要物資を事前に明確化することが不可欠です。
組織体制が不明確なまま備蓄を進めても、いざという時に物資が効果的に活用されず、混乱を招く恐れがあります。
ここでは、災害時の組織体制と物資配置の考え方について解説します。

防災組織体制の設計

災害時の組織体制は、企業や施設の規模、業種、立地条件などに応じて設計する必要があります。
一般的には、以下のような班編成が推奨されます。

安全指導班 避難誘導、安全確認、施設の巡回
消防班 初期消火、火災拡大防止
救護班 負傷者の応急手当、医療機関との連携
情報班 被害状況の把握、外部との連絡、情報の発信
応急物資班 備蓄物資の配布、在庫管理
事業継続班 重要業務の継続、復旧作業の調整

各班には、責任者と副責任者を配置し、災害時に誰が指示を出すかを明確にしておくことが重要です。
また、平時から定期的に訓練を実施し、各班の役割と連携方法を全従業員に周知しておく必要があります。
特に、安全指導班と救護班は、災害発生直後の初動対応において中心的な役割を果たすため、必要な資機材(メガホン、誘導灯、救助工具、救急セットなど)を迅速に取り出せるように配置しておくことが求められます。

物資の保管場所と運用方針

防災倉庫の物資は、初動対応資機材と待機備蓄物資に分けて保管することで、運用性が大幅に向上します。
初動対応資機材は、災害発生直後にすぐに取り出せる場所に配置し、待機備蓄物資は、安全に保管できる場所に整理して保管します。

例えば、初動対応資機材は、出入口付近や各フロアの防災ロッカーに配置し、鍵をかけずにいつでもアクセスできる状態にしておくと良いでしょう。
一方、待機備蓄物資は、専用の防災倉庫や備蓄室に集約し、消費期限や在庫量を定期的に確認できるようにリスト化しておくことが重要です。
また、物資の配置図を作成し、各班の責任者に共有しておくことで、災害時に迅速に物資を取り出すことができます。

さらに、防災倉庫自体の耐久性にも注意が必要です。
倉庫が浸水や火災、倒壊のリスクがある場所に設置されていると、いざという時に物資が使えなくなる恐れがあります。
倉庫の設置場所は、ハザードマップ(自治体が作成する災害危険予測地図)を参考にし、できるだけリスクの低い場所を選定することが望ましいでしょう。
また、複数の拠点に分散して備蓄を配置することで、一つの倉庫が被災しても他の拠点から物資を供給できる体制を整えることも有効です。

状況別の防災倉庫設置ポイント

防災倉庫の設置には、施設の立地条件や建物の構造、利用者の特性などに応じた配慮が必要です。
ここでは、自治体倉庫との違い、倉庫の設置場所、高層ビルにおける備蓄の注意点について解説します。

自治体倉庫の課題と企業倉庫の役割

多くの自治体では、大規模災害への備蓄量や迅速な供給体制に課題を抱えており、企業や施設が独自に防災倉庫を整備することの重要性が高まっています。
自治体の備蓄は、主に避難所での使用を想定しており、企業や施設への直接供給は限定的です。

また、災害発生直後は、道路の寸断や物流の混乱により、自治体からの物資供給が遅れる可能性があります。
そのため、企業は自社の従業員や利用者を守るために、独自の備蓄を整備しておく必要があります。
特に、帰宅困難者(災害時に公共交通機関の停止などにより自宅に帰れなくなった人)が発生する可能性がある都市部の企業では、従業員が施設内で安全に待機できるよう、十分な量の備蓄を確保しておくことが求められます。

倉庫の設置場所と耐久性の考慮

防災倉庫の設置場所は、災害時のアクセス性と倉庫自体の安全性を考慮して選定する必要があります。
一般的には、オフィス内よりも屋外に専用の倉庫を設置する方が、火災や建物倒壊のリスクを分散できるため有効です。
ただし、屋外倉庫の場合は、浸水や強風、積雪などの自然災害に対する耐久性を確保する必要があります。

具体的には、以下の点に注意して設置場所を選定しましょう。

  • ハザードマップで浸水リスクの低い場所を選ぶ
  • 建物の1階や地下は浸水リスクが高いため、できるだけ高い場所に設置する
  • 倉庫の扉や窓は、強風や飛来物に耐えられる強度を持つものを選ぶ
  • 倉庫内部は、湿気や温度変化に強い素材で作られたものを選び、物資の劣化を防ぐ
  • 複数の出入口を設け、一つの出入口が使えなくなっても物資を取り出せるようにする

また、倉庫の鍵の管理も重要です。
災害時に迅速に物資を取り出せるよう、複数の責任者に鍵を渡しておくか、暗証番号式の鍵を採用するなどの工夫が有効です。

高層ビルにおける備蓄の注意点

高層ビルでは、災害時にエレベーターが停止するリスクを前提に、上階の住居者や従業員を含めて備蓄量を増やすことが推奨されます。
通常の3日分の備蓄に加えて、5〜7日分の備蓄を想定しておくと安心です。

また、高層ビルでは、階段での物資の運搬が困難になるため、各フロアに分散して備蓄を配置することが有効です。
例えば、各フロアの共用スペースやロッカーに、飲料水、非常食、簡易トイレ、毛布などの基本的な備蓄を保管しておくと良いでしょう。
さらに、停電時の照明確保や情報収集のために、各フロアにランタンや携帯ラジオ、ポータブル電源などを配置しておくことも重要です。

高層ビルでは、災害時に上階からの避難が困難になることも想定されるため、非常用階段の確保や避難器具の設置も併せて検討しておく必要があります。

必要な備蓄を備えた防災倉庫の
中身一覧

ここでは、これまでに解説した内容を踏まえて、用途別・施設別の備蓄物資例を一覧で示します。
状況に合わせて、必要な物資をチェックリストとして活用してください。

用途別・施設別の備蓄物資例

以下の表は、初動対応資機材と待機備蓄物資を用途別に整理したものです。

用途 物資の例 備考
安全指導 メガホン、誘導灯、警笛、ヘッドライト、ホイッスル 避難誘導時に使用
救護 救助工具、ヘルメット、担架、救急セット、AED 救助活動・応急手当に使用
応急物資 発電機、投光器、ランタン、延長コード、保存水、非常食 停電時の照明・電源確保
情報通信 携帯ラジオ、ポータブル電源、充電器、緊急連絡先リスト 外部との連絡手段確保
生活必需品 飲料水、非常食、簡易トイレ、毛布、衛生用品 3日分を基本とし、施設規模に応じて調整

次に、施設別の追加備蓄例を示します。

施設の種類 追加備蓄の例
学校・教育施設 哺乳瓶、粉ミルク、離乳食、紙おむつ、炊き出し用の鍋・食器、文房具、玩具
マンション・集合住宅 非常用階段避難器具、浄水器、救急資材、共用スペース用照明、工具セット
公園・公共施設 食料、毛布、簡易トイレ、衛生用品、救護用品(多めに備蓄)
オフィスビル・工場 重要書類、データバックアップ、通信機器の予備バッテリー、事業継続用資材

これらの備蓄物資を参考に、自社・自施設に必要な物資をリスト化し、定期的に在庫を確認・更新することが重要です。

安否確認サービスとの併用

防災倉庫の整備に加えて、災害時の従業員の安否確認を迅速に行うためのシステムを導入することも重要です。
安否確認サービスを活用することで、従業員の所在や安全状況を素早く把握し、必要な支援を適切に提供することができます。

特に、総合防災アプリ「クロスゼロ」では、安否確認機能に加えて、以下の機能が統合されています。

  • ハザードマップ・避難所などの防災情報
  • 備蓄管理
  • チャット

防災倉庫の運用と併せて活用することで、企業の防災体制を総合的に強化することができます。安否確認サービスと防災倉庫を組み合わせることで、災害時の初動対応がより迅速かつ効果的になります。

防災倉庫の整備は、一度行えば終わりではなく、定期的な見直しと更新が必要です。
日頃から訓練を実施し、災害時にスムーズに運用できる体制を整えておきましょう。
総合防災アプリ「クロスゼロ」を活用することで、備蓄品の管理や安否確認、情報共有を一元化し、より効果的な防災体制を構築できます。

まとめ

防災倉庫は、災害時の初動対応資機材と3日分の生活備蓄を基本とし、施設特性に応じた追加物資で構成します。
BCP(事業継続計画)との統合、明確な組織体制の構築、適切な設置場所の選定により、災害時の安全確保と事業継続を実現できます。

企業独自の備蓄整備と定期的な更新・訓練の実施が、従業員と利用者の安全を守る確実な備えとなります。
総合防災アプリ「クロスゼロ」と併用することで、より効果的な防災体制の構築が可能です。

防災倉庫の中身の管理など、実践的な支援が必要な場合は、KENTEM(株式会社建設システム)の総合防災アプリ「クロスゼロ」をぜひご検討ください。

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