事前に備える!地震対策の基本と身を守る取り組み方法を紹介
2025/11/05
日本は世界有数の地震大国であり、いつどこで大規模な地震が発生してもおかしくありません。企業にとって地震は、従業員の安全や事業継続に直結する重大なリスクです。
しかし、多くの企業が「対策の必要性は理解しているものの、何から始めればよいかわからない」という課題を抱えています。本記事では、これらの課題を解決するため、企業が実施すべき地震対策の基本から具体的な取り組み方法まで体系的に解説します。
組織体制の整備、備蓄品の準備、IT・システム対策、防災訓練の実施など、実践的な対策項目を網羅し、事業継続計画(BCP)との連動も含めて詳しく紹介します。
なお、効率的な地震対策の実現には、総合防災アプリ「クロスゼロ」のような専用ツールの活用も有効です。
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企業が地震対策を行う理由
企業が地震対策に取り組む背景には、日本特有の地震リスク、被災時の事業への影響、そして法的責任という3つの重要な要素があります。
これらの要素を正しく理解することが、効果的な地震対策を進める第一歩となります。
以下では、それぞれの要素について詳しく見ていきます。
地震発生頻度と日本の地震リスク
日本列島は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートという4つのプレートが接する位置にあり、世界でも有数の地震多発地域です。
政府の地震調査研究推進本部によれば、今後30年以内に南海トラフ地震が発生する確率は70〜80%、首都直下地震は70%程度と予測されており、いずれも広範囲にわたる甚大な被害をもたらす可能性があります。
また、日本国内には約2,000以上の活断層が確認されており、内陸型地震のリスクも無視できません。
2016年の熊本地震や2018年の北海道胆振東部地震のように、予測が困難な直下型地震も頻発しています。
企業の拠点がどこにあろうとも、地震リスクから完全に逃れることはできないのが日本の現実です。
設備・従業員被害リスクと事業継続への影響
地震による直接的な被害は、建物の損壊や機器の破損だけではありません。
従業員の負傷や死亡、交通インフラの麻痺による通勤困難、ライフラインの停止による業務停止など、多岐にわたります。
特に製造業や物流業では、設備の損傷やサプライチェーンの寸断により、長期間にわたって操業を停止せざるを得ない状況に陥る可能性があります。
さらに、情報システムの停止やデータの損失は、業務の復旧を大幅に遅らせる要因となります。
顧客からの信頼喪失、取引先との契約解除、競合他社への顧客流出など、間接的な影響も深刻です。
東日本大震災では、多くの企業が事業継続に苦しみ、中には廃業に追い込まれたケースもありました。
地震対策の不備は、企業の存続そのものを脅かすリスクとなり得るのです。
法的責任:安全配慮義務
企業には、従業員の安全と健康を守る「安全配慮義務」が法律で課されています。
労働契約法第5条では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と明記されています。
この義務は、地震などの自然災害に対する備えも含まれると解釈されており、適切な対策を怠った場合、民事上の損害賠償責任を負う可能性があります。
過去には、地震による建物倒壊で従業員が死傷した事例において、企業が安全配慮義務違反を問われ、多額の賠償金を支払った裁判例も存在します。
また、株主代表訴訟により、経営陣個人が責任を追及されるケースもあります。
法的リスクを回避するためにも、地震対策は経営上の重要課題として位置づけるべきです。
企業が実施すべき地震対策の
9つの項目
地震対策は、単一の施策ではなく、複数の対策を組み合わせた総合的なアプローチが求められます。
ここでは、企業が実施すべき9つの具体的な対策項目について、それぞれの目的と実施方法を詳しく解説します。
組織体制とマニュアルの整備
地震発生時に迅速かつ的確な対応を行うためには、事前に組織体制を整備し、役割分担を明確化しておくことが不可欠です。
災害対策本部の設置基準、本部長や各班(情報収集班、救護班、避難誘導班、設備復旧班など)の役割、指揮命令系統を文書化し、全従業員に周知します。
また、初動対応マニュアルには、地震発生直後の安全確保行動、火災発生時の対応、負傷者の救護手順、安否確認の方法、二次災害防止のための設備点検項目などを具体的に記載します。
マニュアルは、定期的に見直しを行い、組織変更や設備変更に応じて更新することが重要です。
役割の兼務者や不在時の代行者も明確にしておくことで、どのような状況でも対応できる体制を構築します。
BCP(事業継続計画)の策定
BCP(Business Continuity Plan)は、地震などの緊急事態が発生した際に、事業の中断を最小限に抑え、早期復旧を実現するための計画です。
BCPの策定プロセスは、まずリスク評価を行い、自社の事業にとって致命的な影響を与える脅威を特定します。
次に、中核事業と復旧優先順位を決定し、目標復旧時間(RTO)と目標復旧地点(RPO)を設定します。
さらに、BCP起動基準を明確化します。
例えば、「震度6弱以上の地震が発生した場合」「本社建物に甚大な被害が発生した場合」など、具体的な条件を定めておきます。
代替拠点の確保、業務の優先順位付け、必要な人員・設備・データの確保方法、取引先との連携体制なども計画に盛り込みます。
BCPは策定して終わりではなく、定期的な訓練と見直しを通じて、実効性を高め続けることが重要です。
非常用備蓄品の準備と管理
地震発生後、ライフラインの復旧や外部からの支援物資が届くまでには、数日から1週間程度かかる可能性があります。
その間、従業員が事業所内に留まることを想定し、必要な備蓄品を準備しておく必要があります。
基本的な備蓄品には、保存水(1人1日3リットル×3日分以上)、非常食(アルファ米、缶詰、栄養補助食品など)、簡易トイレ、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用品、毛布・防寒具などが含まれます。
備蓄量は、想定される帰宅困難者数に基づいて算出します。
都市部の事業所では、公共交通機関の停止により多数の帰宅困難者が発生する可能性があるため、余裕を持った量を確保することが推奨されます。
また、備蓄品には消費期限・賞味期限があるため、定期的な点検と更新が必要です。
ローリングストック方式(古いものから順次使用し、使った分を補充する方法)を採用すると、無駄なく管理できます。
備蓄品の保管場所は、複数箇所に分散させることで、一部が被災しても他の場所から供給できる体制を整えます。
什器・オフィス機器の転倒防止
地震による負傷の多くは、什器やオフィス機器の転倒・落下によるものです。
キャビネット、書棚、複合機、サーバーラックなどは、適切な固定措置を施すことで、被害を大幅に軽減できます。
固定方法には、L字金具による壁面への固定、チェーンでの連結、突っ張り棒による天井との固定、耐震マットやストッパーによる床面固定などがあり、家具の種類や設置場所に応じて適切な方法を選択します。
また、窓ガラスには飛散防止フィルムを貼り、破損時の二次被害を防ぎます。
高所に重量物を置かない、引き出しにストッパーを取り付けるなどの配慮も重要です。
定期的に固定状態を点検し、緩みや劣化がないか確認します。
新たに什器を導入する際には、耐震性能の高い製品を選定する基準を設けることも有効です。
防災訓練と避難経路確認
マニュアルを整備しても、実際に訓練を行わなければ、緊急時に適切な行動はとれません。
定期的な防災訓練を実施し、従業員一人ひとりが自分の役割を理解し、行動できるようにすることが重要です。
訓練の種類には、地震発生時の初動対応訓練(机の下に隠れる、ドアを開けるなど)、避難訓練、消火訓練、救護訓練、安否確認訓練などがあります。
実際の災害を想定したシナリオ型訓練を行うことで、より実践的なスキルが身につきます。
避難経路と避難場所の確認も欠かせません。
複数の避難ルートを設定し、主要な経路が使用できない場合の代替ルートも明示します。
避難場所は、建物の耐震性や周辺環境を考慮して選定し、従業員全員が把握できるよう、フロア図や案内掲示を設置します。
訓練後には必ず振り返りを行い、課題を抽出して改善につなげるサイクルを確立します。
業務システム復旧(DR対策)
現代の企業活動において、情報システムの停止は事業継続に致命的な影響を与えます。
地震によるサーバー損傷、停電、ネットワーク障害などに備え、ディザスタリカバリ(DR)対策を講じることが必要です。
DR対策の基本は、システムの冗長化です。
主要なサーバーやネットワーク機器を複数拠点に分散配置し、一方が被災しても他方で業務を継続できる体制を構築します。
また、クラウドサービスの活用も有効です。
クラウドベースのシステムは、物理的な拠点に依存しないため、地震による直接的な被害を受けにくいという利点があります。
ただし、クラウドサービスにもリージョンやデータセンターの選定、アクセス経路の冗長化など、考慮すべき点があります。
システム復旧の優先順位と手順を文書化し、IT担当者だけでなく、経営層や関連部署とも共有しておくことが重要です。
データバックアップ戦略
業務データの喪失は、事業復旧を大幅に遅らせるだけでなく、顧客情報の流出や法的責任を負うリスクもあります。
確実なバックアップ体制を構築することが不可欠です。
バックアップ戦略の基本は「3-2-1ルール」(データのコピーを3つ作成、2種類の異なる媒体に保存、うち1つは遠隔地保管)です。
具体的には、オンサイトのストレージ、オフサイトの物理媒体(テープやHDDなど)、クラウドストレージの組み合わせが推奨されます。
バックアップの頻度は、データの重要度と更新頻度に応じて設定します。
重要な業務データは日次、場合によってはリアルタイムでのバックアップが必要です。
また、定期的にバックアップデータからの復元テストを実施し、実際に使用可能な状態であることを確認します。
安否確認システム導入
地震発生後、従業員の安否を迅速に確認することは、企業の最優先事項です。
電話回線は混線により使用できなくなる可能性が高いため、専用の安否確認システムの導入が効果的です。
安否確認システムは、地震発生を自動検知し、従業員の携帯電話やメールアドレスに一斉通知を送信します。
従業員は簡単な操作で自身の安否状況を報告でき、管理者は集計結果をリアルタイムで確認できます。
システム選定の際には、通信インフラの冗長性、操作の簡便性、従業員のプライバシー保護、家族の安否確認機能などを考慮します。
また、システムの導入だけでなく、従業員への操作方法の周知、定期的な訓練、連絡先情報の更新管理も重要です。
通信が完全に遮断された場合の代替手段(災害用伝言ダイヤル171、災害用伝言板など)も併せて周知しておきます。
各種保険の活用
地震による被害は、企業に多額の経済的損失をもたらします。
保険を活用することで、財務的なリスクを軽減し、復旧資金を確保することができます。
企業向けの地震保険には、建物や設備・什器の損害を補償する財産保険、事業の中断による利益損失を補償する利益保険などがあります。
地震保険は、火災保険に付帯する形で加入するのが一般的ですが、補償内容や免責条項、保険金額の設定などは契約によって異なります。
自社の事業内容や資産規模、想定されるリスクに応じて、適切な保険商品を選択することが重要です。
また、保険契約の内容を定期的に見直し、事業の変化に応じて補償範囲を調整します。
保険だけに頼るのではなく、前述の各種対策と組み合わせることで、総合的なリスクマネジメントを実現します。
地震対策とBCPの連動
地震対策とBCPは、別々に存在するものではなく、相互に連動し補完し合う関係にあります。
BCPは事業継続の観点から策定される包括的な計画であり、地震対策はその中の重要な要素として位置づけられます。
逆に、地震対策の各項目は、BCPの実効性を高めるための具体的な手段となります。
例えば、非常用備蓄品の準備は、BCP発動後の初動期における従業員の安全確保と業務継続の基盤となります。
データバックアップやシステムの冗長化は、BCP上の目標復旧時間(RTO)を達成するための技術的基盤です。
安否確認システムは、BCPの初動フェーズにおける人的リソースの把握と配置計画に不可欠です。
BCP策定時には、地震による影響シナリオ(建物損壊、ライフライン停止、交通遮断、通信障害など)を必ず含めるべきです。
それぞれのシナリオに対して、どの業務がどの程度影響を受けるか、どのような対策で影響を軽減できるか、復旧の優先順位はどうするかを明確にします。
また、BCP発動基準と地震対策の初動対応基準を整合させ、混乱なく移行できるようにしておくことも重要です。
さらに、日常的な地震対策の取り組み(訓練、点検、更新など)は、BCPの実効性を維持するための定常活動として組み込まれるべきです。
両者を一体的に運用することで、組織全体の災害対応力が底上げされ、真に機能するレジリエントな体制が構築されます。
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初動対応後に重視すべきこと
地震発生直後の初動対応が終わった後も、企業が対応すべき事項は数多く残されています。
応急対応フェーズから復旧フェーズへスムーズに移行し、事業を正常化させるためには、計画的かつ組織的な取り組みが必要です。
まず、被害状況の詳細な調査と記録を行います。
建物、設備、在庫、データなどの損害を正確に把握し、写真や映像で証拠を残します。
これらの記録は、保険請求や公的支援制度の申請に必要となります。
次に、財務状況を確認し、復旧に必要な資金を確保します。
保険金の請求手続きを速やかに開始するとともに、金融機関からの緊急融資や政府・自治体の災害支援制度の活用を検討します。
顧客や取引先への情報提供と説明責任も重要です。
被害状況、業務再開の見通し、代替対応の可能性などを迅速かつ誠実に伝えることで、信頼関係を維持します。
従業員に対しては、今後の業務体制、給与支払い、休業補償などについて明確な方針を示し、不安を軽減します。
また、心理的ストレスを抱える従業員に対するメンタルヘルスケアも忘れてはなりません。
さらに、今回の地震対応を振り返り、教訓を抽出して次の対策改善につなげます。
何がうまくいったか、何が不十分だったか、どのような問題が発生したかを整理し、マニュアルやBCPの見直しに反映させます。
この継続的改善のサイクルが、組織の災害対応力を着実に向上させていきます。
まとめ
企業にとって地震対策は、従業員の安全を守り、事業継続を実現するための経営上の重要課題です。
日本の高い地震リスク、被災時の甚大な影響、法的責任を考慮すれば、対策の先送りは許されません。
本記事で紹介した9つの対策項目(組織体制の整備、BCP策定、備蓄品準備、転倒防止、防災訓練、IT・システム対策、データバックアップ、安否確認システム、保険活用)を体系的に実施することで、総合的な地震対応力を構築できます。
地震対策とBCPを連動させ、日常的な訓練と見直しを継続することで、実効性のある体制が維持されます。
また、初動対応後の復旧フェーズにおいても、計画的な取り組みと継続的改善が不可欠です。
地震対策は一度行えば終わりではなく、組織の成長や環境の変化に応じて常に進化させていく必要があります。
今すぐできる対策から始め、段階的に体制を強化していくことで、地震に強い組織づくりを進めましょう。
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