危機管理とは?リスク管理の違いや企業が取り組むべき具体的な対策、おすすめツールを解説
2024/02/27
危機管理とは災害が発生した場合の対処方法のことを指します。
企業における危機管理には、災害発生までの準備や発生直後の対策、復興に向けた対策まで幅広く検討すべき項目があります。
危機管理は、リスクマネジメントという言葉と勘違いされることが多いのですが、どういう違いがあるか説明できますか?
今回は、危機管理とリスクマネジメントの違いの解説や、危機管理が求められている理由、どのように準備を進めるべきか具体的な方法を紹介します。
会社の危機管理として何か対策を取りたいと思っている人や、BCP意外にどんな危機管理があるか気になる人はぜひ参考にしてください。
危機管理とは?
リスクマネジメントとの違いを解説
企業における危機管理とは、自然災害や人的災害が発生した際に、会社に与える影響を最小限にしつつ、いち早く危機状態から脱出し回復するまでの対策を用意しておくことです。
危機管理はリスクマネジメントとよく混同されやすい言葉ですが、この2つは目的や対象範囲が異なります。
ここでは、危機管理とリスクマネジメントの違いを以下の項目から解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
目的の違い
危機管理とリスクマネジメントの目的の違いは以下のとおりです。
危機管理 | 発生した災害に対して、どう対処すべきかを考える、いち早く回復・復旧するための手段を考える |
---|---|
リスクマネジメント | 災害を発生させないために、起こりうるさまざまなリスクに対処する |
つまり危機管理とリスクマネジメントは、対処を目的としている箇所が、災害の前か後かという違いがあるということです。
たとえば、地震を例に挙げて危機管理とリスクマネジメントを比較すると、対処すべき内容は以下のように分かれるでしょう。
危機管理 |
地震が発生時の従業員の安全な避難経路の確保 災害発生時の避難経路・備蓄の確保 事業を継続させるための取引先への連絡手段の確認 |
---|---|
リスクマネジメント |
耐震工事の実施 地震が発生しても事業が継続できるように拠点を分ける |
情報漏洩や炎上などの人的災害であれば、リスクマネジメントを徹底することである程度の被害を抑えられるかもしれません。
しかし地震などの自然災害であれば、いつ災害が発生するか分からない・どのくらいの被害が出るか分からないため、リスクマネジメントだけでは足りない可能性もあります。
対象範囲の違い
危機管理とリスクマネジメントは、対象範囲が異なります。
分かりやすく説明すると、リスクマネジメントは危機管理の一部ということです。
リスクマネジメントの対象範囲は、あくまでも「自然災害や人的災害などが発生しないように備えておく、もしくは発生したとしても被害を抑えるために取り組むべきこと」です。
一方で、危機管理はリスクマネジメントで対策している範囲に加えて、トラブル発生直後の対策が完了した後に、どのようにして元通りの状態に戻していくかという「復興」の過程も含めた計画を作成する必要があります。
企業に危機管理が求められている理由
企業にとっては危機管理とリスクマネジメントは同じくらい大切な要素といえるでしょう。
リスクマネジメントだけに対応していた場合、災害が起こりにくいというメリットはありますが、実際に発生してしまった場合に対処が間に合わなくなるリスクもあります。
ここでは企業に危機管理が求められている理由を3つ解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自然災害や感染症などのトラブルから従業員を守るため
地震などの自然災害が発生した場合、会社がまず守るべきは従業員の身の安全です。
危機管理の対策の中には、災害発生時の避難経路の確保や備蓄の準備などがあります。
事前に危機管理対策として、避難訓練の実施や備蓄の確保を徹底しておけば、災害発生時も従業員の身を守ることができるでしょう。
就業中以外の時間に災害が発生した際も、従業員の安否確認は重要な要素の一つです。
災害時にも活用できるクラウドツールなどを活用して、トラブル発生時もこまめにコミュニケーションを取れる手段を確保しておくことが大切です。
会社の信頼を低下させないため
近年では、SNSなどを通じて会社の管理体制や対応の悪さが指摘され、炎上するケースも増えています。
会社の信頼を低下させる要因の一つは、トラブルが発生した後の対応の内容や時間です。
事前にトラブルを想定し、どのような対策を取るかシミュレーションしておけば、対応の遅さや準備不足を指摘されることは無くなるでしょう。
会社の評判が落ちると、取引先との関係性が悪化し、最悪の場合は倒産するリスクもあります。
トラブルを起こさないための対策を行うのはもちろんですが、トラブルが発生した後の対策についても、他の事例を踏まえて事前に決めておくと良いでしょう。
事業を継続させるため
人的災害や自然災害に限らず、トラブルが発生した時の対処によって、事業が継続できるかが決まります。
危機管理の目的は、「発生した災害に対して、どう対処すべきか、いち早く回復・復旧するための手段を考える」と説明しました。
災害が発生した場合、いち早く復旧しなければ取引が止まり、事業の継続が難しくなってしまいます。
しかし、危機管理対策を実施している企業であれば、従業員の安全確認が出来次第、すぐに復旧に向けた対策に取り組めます。
従業員に危機管理の内容が周知できていれば、会社全体で早急に事業の復旧に取り組めるため、復旧までのスピードを上げられるでしょう。
具体的な危機管理対策の取り組み方法を
5ステップで解説
ここからは、企業が取り組むべき危機管理の対策を具体的に解説します。
下記のステップに従って進めてください。
それぞれ詳しく解説します。
危機管理プラン(CMP)を作成する
危機管理プラン(CMP)とは、危機管理の内容を具体的に記載した計画のことです。
危機管理プラン(CMP)で決めておくべき主な内容は以下のとおりです。
- 災害の規模・レベルに合わせた対応範囲
- 連絡フロー・責任者
- 従業員との連絡手段
- 社外に向けたコミュニケーション手段
特に災害の規模やレベルに合わせた対応範囲の確定は重要です。
たとえば、会社全体での報告やマスコミ対応が必要になる大規模な災害と、部署内での解決ができそうな小規模な災害では、連絡手段や連絡フローは大きく変わってきます。
レベル1〜5くらいに分けた想定を作っておくことで、トラブル発生時の対応に迷うことがなくなるでしょう。
エスカレーションルールを策定する
エスカレーションルールとは、トラブルが発生した際の報告先や責任者に関するルールのことです。
エスカレーションルールを設定して、アルバイトを含めた全ての従業員に共有しておくことで、トラブルが発生した際の報告の漏れや遅れを防ぐ事ができます。
経済産業省のテキストには、レベルに合わせた責任者やトラブルの規模を以下のようにまとめています。
図の内容は、あくまでも一例で、すべての従業員が一瞬で理解できるように、数値や時間を踏まえて分かりやすくレベル分けをする必要があるでしょう。
自社の起こりうるトラブルに置き換えて、エスカレーションルールを策定してみてください。
マニュアルや準備物を管理するツールを準備する
防災マニュアルや危機管理プラン、備蓄などの準備ができたらそれらの情報をまとめるツールを用意するのがおすすめです。
なぜなら、マニュアルや備品情報を紙のファイルにまとめていては、保管や維持が大変なだけでなく、いざという時に確認するのが難しいからです。
クラウド上で書類やデータを管理して、複数人がリアルタイムで確認できるようにしておけば、災害時にも情報共有がスムーズになり、被害を最小限に抑えられるでしょう。
マニュアルをはじめとしたデータ管理や、従業員のコミュニケーションツールの導入を検討している人は、クロスゼロがおすすめです。
クロスゼロの主な機能は以下のとおりです。
- 安否確認の自動配信
- 安否確認で使用する回答フォームの作成
- 組織・拠点管理
- ファイル管理共有
- チャット機能
災害時の連絡手段として活用できるだけでなく、マニュアルや備品情報をいつでも確認できる機能も備わっています。
詳しいツールや導入事例が気になる人は、公式サイトからご確認ください。
・クロスゼロ サービスサイト
訓練を実施する
危機管理プランを策定した後に大切なのは、実際に災害が発生した想定をしながら訓練を実施することです。
訓練を実施することで、従業員が実際の動きを目と体で覚えることができるため、書類だけで内容を共有するよりも理解を深められます。
避難訓練の実施と同じく、年に1回以上の実施がおすすめです。
まずは訓練を実施する場合はどういった流れが必要か、シナリオを考えてみましょう。
定期的な見直し・共有を行う
危機管理プランは、一度作って終わりではありません。
日々の生活で取り上げられる企業のトラブルやニュースなどを参考に、改善点を加えていくことが重要です。
災害が起こるまでに何度もシミュレーションできている状態の方が、初動が早くなり、復旧までのスピードを維持できるでしょう。
定期的に見直した後は、従業員全体への共有も忘れずに行ってください。
まとめ
今回は危機管理とリスクマネジメントの違い、危機管理の重要性や企業が取り組むべき具体的な対策を解説しました。
危機管理は、リスクマネジメントに加えて、災害発生後の復旧までの広い範囲に対する対策です。
日頃から、他社の事例を参考にトラブルの内容や解決策、効果などを調査し、自社に置き換えた対策を検討しておくことが重要です。
また、従業員にも会社の危機管理の取り組みを共有しておくことも大切です。
クロスゼロを活用すれば、災害発生時のコミュニケーションはもちろん、会社が設定した危機管理プラン(CMP)や事業継続計画(BCP)をクラウド上でいつでも確認できるようになります。
日頃から会社全体で防災意識を高めておくことで、いざという時の行動に差が出るでしょう。
まずは会社の中での仕組みづくりから始めるのがおすすめです。
クロスゼロの詳しい機能が気になる人は、30日間の無料体験をお試しください。