サイト内検索
災害時の連絡手段とは?企業に求められる安否確認サービスの選び方

災害時の連絡手段とは?企業に求められる安否確認サービスの選び方

2025/07/07

防災

災害時の連絡手段は、非常時にも確実に情報を伝達できる体制づくりに欠かせません。
電話やインターネットが使えない状況も想定し、複数の手段を備えておくことが求められます。

本記事では、災害時の連絡手段として活用できる方法や、企業が直面しやすい安否確認の課題、緊急時に備えた連絡体制の整備ポイントをわかりやすく解説します。

災害時の連絡手段確保に悩んでいる方や、非常時の体制づくりを見直したい方は、ぜひ参考にしてください。

災害時に使える主な
連絡手段とその特徴

災害が発生した際、社員や関係者との連絡をどう確保するかは、企業にとって課題の一つです。

通常時に使っている電話やメールが必ずしも使えるとは限らず、状況に応じた連絡手段をあらかじめ把握しておくことが求められます。

ここでは、災害時に利用できる主な連絡手段と、それぞれの特徴を整理していきます。

それぞれの手段の特徴を理解し、自社に適した体制づくりに役立てましょう。

災害用伝言ダイヤル(171)・Web171

災害用伝言ダイヤル(171)とWeb171は、災害時に電話がつながりにくくなった場合でも、音声伝言やインターネットを通じて安否情報をやり取りできる仕組みです。

基本的な利用方法
  • 「171」にダイヤルし、音声ガイダンスに従って伝言を録音または再生する
  • 被災地からは自宅の電話番号、被災地外からは連絡先の電話番号を入力して操作する
  • 伝言蓄積数に制限がかかる場合があるため、事前に家族・知人と登録番号を共有しておく
  • 利用できる電話:NTT東日本・西日本の固定電話、公衆電話、ひかり電話、NTTドコモの携帯電話など
  • 防災週間(8月30日〜9月5日)には体験利用ができる場合もある

災害用伝言ダイヤルとWeb171は、通信障害時にも安否情報を確実に伝える手段ですが、スムーズな活用のためには、普段から利用方法を確認しておく必要があります。

利用したことがない方は、防災週間などに体験利用しておきましょう。

LINEやSNS(Xなど)を使った安否確認

LINEやX(旧Twitter)などのSNSは、災害時の安否確認手段としても利用されています。普段から使い慣れているツールで連絡が取れるため、心理的なハードルが低く、初動が早い点が特徴です。

ただし注意点もあるため、それぞれ確認しておきましょう。

SNSを使った安否確認のメリット SNSを使う際の注意点
  • 普段使っているため、災害時も操作に迷いにくい
  • メッセージやスタンプなどで簡易な安否連絡が可能
  • インターネットが利用できれば、遠隔地からでも情報発信できる
  • 通信障害やアクセス集中により、送信遅延や未達が発生するリスクがある
  • 正確な安否情報の伝達には不向きな場合がある(スタンプだけでは詳細が伝わらない)
  • セキュリティ設定により、情報の受信側が制限されている可能性もある

LINEやSNSは手軽で有効な連絡手段の一つですが、災害時には必ずしも確実とは限りません。他の通信手段と組み合わせて、複数ルートを確保しておくことが大切です。

SNS上には誤った情報や未確認の投稿が拡散されることもあります。情報を受け取る際は、公式発表や信頼できる情報源を確認するなど、情報の正確性にも十分注意しましょう。

衛星電話・IP無線などの代替通信手段

災害時には、通常の通信インフラがダウンする可能性も少なくありません。そんな中でも連絡手段を確保する方法として、衛星電話やIP無線といった代替通信手段も準備しておくと良いでしょう。

衛星電話・IP無線の主な特徴は、以下のとおりです。

  • 衛星電話は、衛星経由で通話できるため、被災地でも安定した通信が可能
  • IP無線は、基地局ダウン時にも柔軟な運用が可能
  • 通常の携帯電話や固定電話に比べ、導入コストや運用コストが高い点に注意が必要
  • 利用には事前の契約・準備が必要

衛星電話やIP無線は、災害時の「最後の連絡手段」として有効です。ただし、コストや運用負荷も考慮し、自社の防災体制に応じた導入計画を検討しておきましょう。

公衆電話やトランシーバーなどのアナログ手段

大規模な災害時には、携帯電話やインターネット回線が使えなくなることもあります。そんなとき、電源や通信インフラに依存しないアナログ手段である公衆電話やトランシーバーが、確実な連絡手段の一つです。

公衆電話・トランシーバーの主な特徴は、以下のとおりです。

  • 公衆電話は、通信規制下でも比較的つながりやすい
  • 事前に設置場所を確認しておくことが大切
  • トランシーバーは、近距離であれば電波を利用して直接通信できる
  • トランシーバーは、使用範囲が限定されるため、広域連絡には向かない

公衆電話やトランシーバーといったアナログ手段は、災害時において確実な通信手段として役立ちます。日常から公衆電話の設置場所を把握しておき、非常時に備えるよう意識しておきましょう。

災害用アプリ・防災ポータルの活用

災害時には、専用のアプリや防災ポータルを活用すれば、安否確認や正確な情報収集がスムーズに行えます。普段からスマホを使い慣れている場合は、アプリを事前にインストールしておくと非常時にもスムーズに使えるでしょう。

災害用アプリ・防災ポータルには、以下のようなものが挙げられます。

LINE災害情報 LINE公式アカウントを通じて、各自治体の避難情報や被害状況を配信
自治体の防災アプリ 地震速報や避難所情報を地域単位で提供(例:東京都防災アプリなど)
各種防災ポータルサイト 気象庁、内閣府、各自治体などが運営する公式サイト
民間の総合防災アプリ 企業向けに安否確認機能や情報共有機能を備えたアプリ

上記ツールは、インターネットが使える状況であれば有効ですが、通信障害時にはアクセスできない場合もあります。オフライン閲覧機能の有無や、非常時用に重要情報をダウンロード保存しておくなど、事前の工夫も大切です。

災害用アプリや防災ポータルは、確実な情報収集と連絡手段の一つとして役立ちます。普段から利用方法を確認し、非常時にも落ち着いて活用できるようにしておきましょう。

企業が抱える安否確認の課題

多くの企業では、災害時に備えた安否確認の仕組みを何らかの形で用意しています。

しかし実際には、通信障害や情報伝達の遅れ、社内のフロー整備不足など、非常時に機能しないリスクを抱えているケースも少なくありません。

ここでは、企業が災害時の安否確認体制において直面しがちな課題を整理し、どのような点に注意すべきかを具体的に確認していきましょう。

通信障害時に連絡手段が機能しない

災害時には、普段使っている電話やインターネットを前提とした連絡手段が、必ずしも機能するとは限りません。

大規模な地震や台風などが発生すると、通信回線の混雑や、基地局そのものの被災によって、電話やモバイル通信、ネットが広範囲で利用できなくなるリスクがあります。

具体的に想定される通信障害には、以下のようなケースがあります。

  • 携帯電話の通話規制(発信規制)
  • LINEやSNSの送信遅延・未達
  • メールサーバーの停止・遅延
  • ネット回線の輻輳(ふくそう/アクセス集中による通信混雑)によるアクセス不能

通信障害のリスクを踏まえ、企業としては一つの手段に依存せず、複数の連絡ルートをあらかじめ想定しておく必要があります。

社員の安否状況を正確かつ迅速に把握できない

災害発生時、社員の安否状況を正確かつ迅速に把握できないと、初動対応が遅れ、被害拡大を招くリスクがあります。

特に大規模な災害時には、安否確認の連絡に時間がかかったり、誰が無事で誰が行方不明なのか分からないまま、指示系統が混乱してしまったりする恐れがあります。
現場レベルでは、情報の錯綜によりさらに混乱が広がり、適切な支援や判断が遅れる可能性も少なくありません。

実際によくある課題例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 個別に電話やメールをしてもつながらず、状況把握に時間がかかる
  • 回答がバラバラに届き、集計作業に手間取る
  • 手作業の管理では、回答漏れや情報の取り違えが発生しやすい

上記のようなリスクを避けるためにも、安否確認体制は、単に「連絡する」だけではなく、「集計しやすく」「情報を即座に可視化できる」仕組みまで整えておくことが大切です。

緊急連絡フローが社内で共有されていない

緊急時に、社内で連絡フローが正しく共有されていないと、初動対応が遅れ、混乱を招く要因につながります。

いくら連絡マニュアルを作成していても、日常的に共有・理解されていなければ、災害発生時に社員が「自分が何をすべきか」を即座に判断できません。行動が遅れたり指示系統が機能不全に陥ったりするリスクがあります。

よくある失敗例としては、以下のようなケースが挙げられます。

  • 緊急連絡マニュアルが存在するが、実際にはほとんどの社員が読んだことがない
  • 担当者が不在だった場合、誰も代わりに対応できない
  • 連絡先や優先順位が更新されておらず、誤ったルートで連絡が回ってしまう

上記のような事態を防ぐためにも、単にフローを整備するだけではなく、定期的な共有・周知を通じて、社内全体に確実に浸透させておくことが大切です。

詳しい訓練の実施内容は、以下の記事などを参考にしてください。

訓練・システム導入が後回しになりがち

災害対策の重要性は認識していても、日常業務に追われる中で、訓練や安否確認システムの導入・整備が後回しになってしまうケースは少なくありません。

実際、防災訓練の実施が数年に一度にとどまっていたり、安否確認マニュアルが古いまま放置されていたりする企業も見受けられます。
システム導入に踏み切れず、結果として災害時に「誰も適切に対応できなかった」などの事態を招くリスクもあります。

よく見られる課題例は、以下のとおりです。

  • 防災訓練の実施頻度が低く、現場の対応力が向上しない
  • マニュアルの内容が更新されず、現状に合わない指示が残る
  • システム導入を先送りし、災害発生時に連絡網が機能しない

リスクを回避するためにも、災害対策は「いつかやろう」ではなく、優先順位を高めて日常業務と並行して計画的に進めていくことが大切です。

社内の緊急連絡体制を
どう整備すべきか?

災害時に確実に社員の安全を守るためには、課題を把握するだけではなく、実効性のある緊急連絡体制を事前に整備しておくことが必要です。

ここからは、企業が押さえておきたい緊急連絡体制の基本要素と、実際に整備を進める際のポイントを具体的に解説していきます。
非常時に機能する仕組みをつくるために、できるところから一つずつ確認していきましょう。

事前に決めておくべき連絡ルール・役割

緊急時に混乱を防ぐためには、誰が誰に、どのタイミングで、どの手段で連絡を取るのか、連絡ルールと役割分担を事前に明確にしておく必要があります。

災害発生後にその場で連絡フローを考えたり、担当者を決めようとしたりすると、情報伝達の遅れや指示系統の混乱を招きかねません。
初動対応のスピードと確実性を高めるためには、平時からの備えが欠かせません。

具体的には、次のようなルールを整理しておきましょう。

  • 誰が誰に安否を報告するか(直属上司?部門長?)
  • どの手段で連絡するか(電話?メール?専用アプリ?)
  • 連絡の優先順位(家族への連絡を優先?社内連絡を優先?)
  • 不在時・連絡不能時の代替ルート

細かい連絡ルールと役割をあらかじめ決めて社内で共有しておくことで、災害時にも迷わず行動できる体制を整えることができます。

社内連絡フロー

災害時に迅速かつ正確な情報伝達を行うためには、あらかじめ明確な社内連絡フローを設計しておくことが必要です。

連絡手順が曖昧なままだと、誰が誰に連絡すべきか分からなくなり、情報の抜け漏れや伝達ミスが発生し、結果として初動対応に大きな支障をきたす恐れがあるからです。

社内連絡フローに盛り込むべき要素には、以下のようなものが挙げられます。

  • 連絡対象者(誰に連絡を取るのか)を指定
  • 連絡手段(電話、メール、安否確認アプリなど)を指定
  • 連絡順序・優先順位(誰が先に、誰が次に対応するか)を設定
  • 集計・報告のルート(誰が取りまとめ、どこに報告するか)を明確化
  • 担当者不在時の代替対応ルールを設定
  • 社内の連絡網やフローを定期的に更新・周知する体制を設定

社内連絡フローは単なる図面やマニュアルではなく、災害発生時に社員全員が迷わず動けるための「実践的な設計図」として、平時から整備・共有しておきましょう。

事前の共有・定期的な訓練の重要性

緊急連絡体制は、マニュアルを整備するだけで満足してしまうのではなく、平時から社内に共有し、定期的な訓練を通じて実践力を高めておくことが大切です。
災害時には予想以上に現場が混乱するため、事前に共有されていないフローや、実際に試したことのない手順は、ほとんど機能しない恐れがあるからです。

訓練を通じて手順を「身体で覚える」ことが、非常時の迅速な対応につながります。

実際によくある失敗例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 連絡手順を知らず、安否確認に大幅な遅れが出た
  • 訓練未実施で、誰もマニュアルに沿った行動ができなかった
  • フロー変更後に周知が不十分で、旧ルートで連絡してしまった

上記のような事態を防ぐためにも、社内連絡体制は「作るだけ」で終わらせず、年に1回以上の訓練実施や、マニュアル内容の定期的な見直し・周知を通じて、常に最新の状態を維持しておきましょう。

複数の通信手段を組み合わせた体制づくり

災害時に確実な連絡手段を確保するためには、特定の通信手段だけに依存せず、複数の手段を組み合わせた体制を構築しておく必要があります。

どれだけ信頼性の高い手段でも、災害規模や地域状況によっては使えなくなるリスクがあります。電話がつながらない、ネットが使えない、SNSが遅延するなどの想定外の事態に対応するには、複数の通信手段を組み合わせるのが有効です。

具体的な組み合わせ例としては、以下のようなパターンが考えられます。

  • 通常時はスマホによる電話・メール・安否確認アプリを併用
  • 通信障害時は公衆電話、トランシーバー、衛星電話をバックアップ手段として使用
  • 社内掲示板やLINEグループなども補完的な情報共有手段として活用

異なる特性を持つ通信手段を組み合わせることで、災害時にも連絡の確実性を高め、社員一人ひとりの安全確保と組織全体の迅速な危機対応につなげることができます。

非常時にも「確実に連絡が取れる体制」を整えておくことが、社員の安全を守り、組織全体の混乱を最小限に抑えるために必要です。

災害時でも活用できる総合防災アプリ
クロスゼロの導入がおすすめ

非常時に備え、企業の防災体制をより確実なものにするためには、日常から活用できる総合防災アプリを導入しておくことが効果的です。

なかでも「クロスゼロ」は、平時の備えと災害発生後の対応を一貫して支援できるためおすすめです。

クロスゼロでは、以下のような機能を活用できます。

安否確認 災情報連動による自動配信、手動・予約配信、再通知設定
防災情報 気象庁発表+AI収集による災害情報の即時配信
備蓄管理 非常用備蓄品の在庫・使用期限の管理
チャット機能 リアルタイムで社員同士が連絡できる簡易チャット
ファイル共有 避難マニュアルやハザードマップなどの資料を保存・共有

クロスゼロは、安否確認や災害情報共有にとどまらず、備蓄管理やリアルタイムコミュニケーション機能まで備えた、総合的な防災支援アプリです。災害時だけではなく、平時から社員の防災意識を高め、迅速な対応を実現できる体制づくりに役立ちます。

防災対策は「非常時に使えるかどうか」が重要です。クロスゼロなら、日常の業務に自然に組み込みながら、防災体制を着実に強化できます。
詳細は、クロスゼロの公式サイトをご確認ください。

まとめ

災害時には、通常の通信手段が使えなくなるリスクを想定し、事前に複数の連絡手段を確保しておくことが大切です。社内で緊急連絡フローを整備し、共有・訓練を重ねておくことで、非常時にも混乱せず、迅速な対応が可能にできるでしょう。

日常から防災意識を高め、非常時に備えた体制を整えることが、社員一人ひとりの安全確保と企業全体のリスク管理強化にもつながります。
こうした備えを支援するツールの一つとして、総合防災アプリ「クロスゼロ」も活用できます。

クロスゼロは、30日間無料で利用体験できます。防災アプリの導入を検討している方、クロスゼロにご興味のある方は、まずは30日間の無料体験をお試しください。

クロスゼロ」なら、BCP資料・緊急連絡網・拠点シフトをアプリで常時共有。訓練から本番まで同じ導線で運用でき、“形骸化しないBCP”を実現します。
まずは試してみたい方へ。クロスゼロを30日間、無料で体験できます。

導入前にすべての機能を
確認できます
  • LINEは、LINEヤフー株式会社の商標または登録商標です。
  • その他の社名、および製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

クロスゼロに関する
無料相談(最大60分)

総合防災アプリ「クロスゼロ」にご興味をお持ちいただいた方は、お気軽にお申し込みください。
企業防災の仕組みづくりや防災DXに関するご相談はもちろん、ご希望がございましたら「クロスゼロ」の機能をご覧いただくこともできます。

×
総合防災アプリ クロスゼロ 各種機能やプランはこちらから サービスサイトを見る
総合防災アプリ クロスゼロ

災害から大切な社員を守り、事業を継続する総合防災サービスです。各種機能やプランはこちらでご確認ください。 サービスサイトを見る