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BCP訓練はなぜ必要?種類の違いや実施時の5つの課題をわかりやすく解説

BCP訓練はなぜ必要?種類の違いや実施時の5つの課題をわかりやすく解説

2025/07/01

防災

BCP(事業継続計画)を策定しても、非常時に本当に機能するのか不安に感じたことはありませんか。

特に介護・福祉施設では、災害や感染症などの緊急時にも事業を継続するため、令和6年4月からBCP策定と訓練の実施が義務化されています。

しかし、計画を立てただけでは不十分です。
実際に従業員が動ける状態をつくるためには、BCP訓練を通じた検証と改善が必要です。

この記事では、BCP訓練がなぜ必要なのかを丁寧に解説するとともに、訓練の種類、進め方、つまずきやすい課題とその対策までわかりやすくまとめました。

自社に適した訓練の進め方を理解し、非常時に備えた体制を整えていきましょう。

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なぜBCP訓練が必要なのか

BCP訓練は、緊急事態において事業を継続するために、いまや欠かせない取り組みの一つです。

BCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)とは、自然災害や火災、感染症の流行など想定外の事態が発生した場合にも、重要な業務を中断させず、またはできるだけ早く復旧させるための計画のことを指します。

介護施設では、令和3年度の介護報酬改定により、令和6年4月からBCPの策定・研修・訓練の実施が義務化されました。

BCPを適切に策定・運用していない場合には、介護報酬の減算措置が取られる可能性もあるため注意が必要です。

介護施設にとっては、BCP訓練は「やった方がいい」レベルではなく、「やらなければ事業運営に直接影響する」レベルの必須事項です。

義務化されたBCPには、以下のような内容が含まれます。

  • 緊急時の対応体制の整備
  • 災害時の具体的な対応計画
  • 通信手段の確保
  • 必要物資の確保と管理
  • 避難計画の策定
  • 職員に対する継続的な研修と訓練

上記項目は、いずれも緊急時に迅速かつ適切な対応を取るために不可欠なものばかりです。
どれか一つでも機能しなければ、利用者の命や事業の継続に重大な支障をきたしかねません。

策定したBCPを「絵に描いた餅」にしないためには、訓練を通じて具体的な行動に落とし込み、実行できる体制を整える必要があります。

計画だけでは機能しない

BCP(事業継続計画)は、策定するだけでは機能しません。

なぜなら、緊急時には想定外の状況が次々と発生し、平時とはまったく違う判断や行動が求められるからです。
机上でシミュレーションしただけの対応策では、現場での混乱や連携不足を防ぐことはできません。

計画があっても、それを実際に体に覚えさせ組織全体で共有できていなければ、有事には何も機能しない危険性があります。

例えば、災害対応マニュアルを整備していても、実際に以下のような課題があれば緊急時にスムーズな対応はできません。

  • 連絡手段が確立されていない
  • 役割分担が徹底されていない
  • 拠点移動や物資確保が机上の想定だけに留まっている

上記のような状態ではどれだけ立派な計画があっても、現場では混乱を招き重大なリスクを生む可能性があります。

だからこそ、BCP訓練を通じて計画を「実行できるレベル」に落とし込み、現場で本当に機能するかを検証・改善していくことが必要です。

BCP訓練の主な目的

BCP訓練の主な目的は、緊急事態が発生した際にも利用者の安全とサービス提供を確実に守ることです。

自然災害や感染症など、いつ起きてもおかしくないリスクに対して、計画を策定するだけでは不十分です。
実際に行動できる体制を整えるために、BCP訓練を通じて「誰が・何を・どのように動くか」を具体的に確認し、必要な改善を加えていくことが求められます。

BCP訓練の主な目的は、大きく以下の3つに整理できます。

利用者の安全確保 緊急時にも利用者の命を守るための迅速な初動対応を実現
介護サービスの継続提供 施設の機能を維持し、できる限り通常通りのサービスを継続できる体制を構築
職員の安全確保 職員自身の安全を守り、冷静に業務を遂行できる環境を確保

訓練を通じて、平常時から上記の目的意識を高めましょう。そうすることで、災害や緊急事態が発生した際にも施設全体が落ち着いて対応できるようになります。

BCP訓練は、単なる形式ではなく、利用者と職員の命を守るための必要な取り組みです。

介護事業所のBCP訓練の主な種類

BCP訓練を効果的に進めるためには、いきなり大規模な総合訓練を目指すのではなく、無理なく実施できる小さな訓練から着実に積み上げていくことが大切です。

ここでは、介護事業所におけるBCP訓練の主な種類を簡単に整理して紹介します。

それぞれの訓練の概要を確認していきましょう。

机上訓練

机上訓練とは、実際の災害や緊急事態を想定し、BCPに沿った対応を「頭の中でシミュレーションする」形式の訓練です。

座学だけではなく、シナリオをもとに自分たちの役割や行動を確認し、災害時に必要な初動対応や業務継続の流れを実践的にイメージできるようにするのが目的です。

具体的には、以下のような手順で行われます。

  1. 災害発生時のシナリオ(例:震度7の地震発生、夜間帯、停電・断水あり)を設定する
  2. 災害発生から復旧まで、発生順に対応すべき行動を検討する
  3. 対応できたこと・できなかったことを振り返り、課題を整理する
  4. 机上訓練で得た課題や気づきをBCPの見直しや改善につなげる

例えば、事業所の責任者が訪問中に地震に遭遇したケースでは、「まずは自分の安全確保」「訪問先の利用者の安否確認」「負傷時の初動対応」「連絡・情報収集」など、リアルな場面を想定しながら議論を進めます。

机上訓練を繰り返すことで、正常性バイアス(非常時でも「大丈夫だろう」と油断してしまう心理)を克服し、災害時に適切な行動を取れる力を養います。

机上訓練は、BCPを実際に機能させるための第一歩です。
いきなり完璧を目指す必要はありませんが、定期的に実施し、反省と改善を積み重ねていくことが、災害時の対応力向上につながります。

参考:厚生労働省「介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修」

電話連絡網・緊急通報フローの確認訓練

電話連絡網・緊急通報フローの確認訓練は、緊急事態が発生した際に、従業員への情報伝達を速やかに行えるかの検証を目的とした訓練です。

迅速な情報共有ができなければ、初動対応が遅れ、被害の拡大につながるリスクが高まります。日頃から連絡体制を確認し、万が一のときにも確実に機能する仕組みを整えておきましょう。

具体的には、以下のような方法で訓練を実施します。

  • 緊急事態を想定し、実際に電話連絡網を使って連絡を回してみる
  • 誰が誰に連絡するか、連絡手段(電話・メール・LINEなど)を明確にする
  • どの程度の時間で全員に情報が伝わったかを測定し、課題を洗い出す
  • 連絡ミスや連絡漏れが発生した場合には、原因を分析し、フローを改善する

万が一電話や携帯が使えない場合を想定し、代替手段(SNS、チャットツール、伝言ダイヤルなど)の検討・訓練も必要です。通信障害時にも確実に安否確認や指示が伝わるよう、複数の手段を事前に準備しておくことが求められます。

訓練を通じて、組織内の情報伝達スピードと正確性を高めることができ、有事の混乱を最小限に抑える体制づくりに役立ちます。

日常業務では意識しづらい「情報伝達の重要性」を、あらためて認識するきっかけにもなるでしょう。

代替拠点への移動訓練

代替拠点への移動訓練は、災害や施設トラブルなどにより、通常の事業所が使用できなくなった場合に備えて、利用者を安全に別の拠点へ移動させるための訓練です。

介護施設では、利用者の命を守るだけではなくサービス提供を継続するためにも、代替拠点への移動体制を事前に確立しておく必要があります。

具体的な訓練内容には、以下のポイントが含まれます。

移動手順の確認 緊急時の連絡網や移動ルート、必要な物品(医療器具、食料、飲料水など)の確認
移動先の環境確認 代替拠点となる施設の広さや設備、受け入れ体制が整っているかを事前にチェック
緊急時の対応確認 災害時の緊急連絡体制、医療機関との連携、利用者の状態把握を確認

訓練を実施する際は、災害の種類(地震・火災・水害など)を具体的に想定したシナリオを作成し、職員・管理者・医療スタッフ・ボランティアなど、関係者全員が連携しながら取り組む必要があります。

訓練終了後には必ず振り返りを行い、気づいた課題や改善点をBCP計画に反映させることが求められます。

代替拠点への移動訓練を定期的に実施しておけば、施設全体の災害対応力が向上し、利用者の安全確保と業務継続に確実につながっていきます。

バックアップデータ・代替システムの起動確認訓練

バックアップデータや代替システムの起動確認訓練は、災害やシステム障害が発生した際に、介護サービスの継続を確保するために欠かせない取り組みです。

BCP(事業継続計画)を実効性のあるものにするためには、データ復旧やシステム切り替えの手順を事前に確認し、スムーズに対応できる状態を作っておく必要があります。

具体的な訓練内容は、以下のとおりです。

バックアップデータの復旧確認
  • 障害発生時に、保存しているバックアップデータを適切に復元できるかを確認
  • 復旧手順の徹底や、復旧に要する時間を把握しておく
代替システムの起動確認
  • メインのシステムが利用できない場合でも、代替システムを正常に起動させ、必要な業務が遂行できるかを検証
  • 操作手順や利用環境も併せて確認しておく
復旧後の
業務運営シミュレーション
  • 代替システムを利用して通常業務を再開する流れをシミュレーションし、問題点や改善すべき点を整理
  • 関係者間の連携体制も確認する
インフラ障害時の対応訓練
  • 停電や通信断といったインフラ障害を想定し、非常用電源の確保や、連絡手段の代替策(衛星電話、伝言ダイヤルなど)を検証

上記訓練を通じて、緊急時にも重要なデータと業務機能を守り、介護サービスの中断リスクを最小限に抑える体制づくりが可能になります。

日常的に訓練を重ね、スムーズな復旧・切り替えができるよう備えておくことが、介護施設の信頼を支える基盤になります。

BCP全体を通した総合訓練

BCP全体を通した総合訓練は、災害発生時から業務再開までの一連の流れを実践的に確認し、施設全体の対応力を高めるための大規模な訓練です。

机上訓練や部分的な要素訓練ではカバーしきれない、現場の動きや連携体制を実際に試すことができるため、BCPの完成度を飛躍的に高めることができます。

総合訓練では、以下のような内容を組み合わせて実施します。

初動対応の確認 災害発生直後に安全確保や安否確認、対策本部設置などがスムーズに行えるかを検証
情報共有・指示伝達の確認 対策本部や関係各所との情報共有が正確かつ迅速にできるかを確認
業務継続体制の検証 人員確保や物資供給、代替拠点移動など、事業継続に必要な対応が実際に機能するかを検証
地域・関係機関との連携確認 自治体主催の防災訓練と連携し、地域全体での連携体制を実践的に確認するケースも

総合訓練は準備にも労力がかかりますが、その分、施設全体の弱点や改善点を具体的に把握できる大きなメリットがあります。

定期的に総合訓練を実施し、訓練結果を振り返るサイクルを続けることで、BCPの実効性を着実に高めることができるでしょう。

BCP訓練の進め方

BCP訓練を効果的に行うためには、場当たり的に実施するのではなく、あらかじめ進め方の手順を整理しておくことが大切です。

計画的に訓練を設計し、実施し、振り返るサイクルをつくることで、訓練の質が高まり実際の災害時にも役立つ対応力を養えるでしょう。

ここでは、介護施設におけるBCP訓練の進め方を、5つのステップに分けて紹介します。

それぞれのステップを押さえておくことで、訓練の効果を最大限に高め、現場で実際に機能するBCP体制を築くことができるでしょう。

STEP1|訓練の目的を明確にする

まずは訓練の目的を明確に設定しましょう。

なぜなら、目的が曖昧なまま訓練を行ってしまうと、参加者にとって意義が伝わりづらくなり「ただやっただけ」で終わってしまうリスクがあるからです。

訓練の設計段階で「何を確認したいのか」「どんな行動ができるようになってほしいのか」を具体的に定めることで、訓練の質と実効性が大きく変わります。

例えば、以下のような目的を明確に設定すると効果的です。

初動対応の流れを確認する 地震発生時に職員が迅速に安全確保と安否確認を行えるか
情報伝達フローを検証する 緊急連絡網が正確に機能するか、伝達漏れがないか
業務継続体制を点検する 代替拠点への移動手順や、必要物資の確保状況を確認する

目的を明確にすれば、訓練の中で確認すべきポイントが絞り込まれ、訓練後の振り返りや改善にもつなげやすくなります。

STEP2|訓練計画とシナリオを作成

効果的なBCP訓練を行うためには、事前に訓練計画とシナリオを具体的に作成する必要があります。

なぜなら、想定があいまいなまま訓練を実施すると、現場での動きがバラバラになり確認すべきポイントを見落としてしまうリスクがあるからです。

災害発生時に必要な行動を確実にイメージできるよう、訓練内容をできる限り具体化しておきましょう。

訓練計画を作成する際には、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

災害想定 地震・火災・水害など、発生が想定される災害の種類を明確にする
被害想定 建物被害、停電、通信障害など、災害によって起こりうる影響を具体的に設定する
時間軸の設定 災害発生から何分後・何時間後にどの対応を取るべきか、時間の流れを考える
情報伝達の設計 緊急連絡網の活用や、対策本部への情報集約・指示出しの流れを盛り込む

具体的なシナリオを準備しておくことで、訓練中に職員が実際の行動をイメージしやすくなり、より実践的な対応力を養うことができます。

現場をリアルに想定したシナリオづくりが、BCP訓練の成功を左右するポイントです。

STEP3|参加対象と役割分担を決める

訓練を効果的に進めるためには、参加対象と役割分担を事前に明確に決めておく必要があります。

なぜなら、誰が何を担当するかが曖昧なまま訓練を行うと、動きに無駄が生じる、連携ミスが発生するリスクが高まる、といったことにつながるからです。

災害時の初動対応はスピードが命ですから、訓練段階から明確な役割設定が欠かせません。
具体的には、以下のようなポイントを整理しておきましょう。

参加対象の選定 現場の職員だけではなく、管理者や医療スタッフ、事務職員など、災害対応に関わるすべての職種を対象に含める
役割の設定 避難誘導班、連絡班、物資確保班、対策本部設営班など、訓練の目的に応じた役割分担を細かく決める
連携体制の確認 班ごとの動きだけではなく、班と班の連携や情報共有ルートも事前に確認しておく

役割と連携体制を明確にしておくことで、訓練中の混乱を防ぎ、実際の災害時にもスムーズに行動できる基盤を整えることができます。

一人ひとりが「自分の役割」を自覚して動ける状態を目指しましょう。

STEP4|事前準備をしておく

訓練を効果的に実施するためには、事前準備をしっかり整えておく必要があります。

なぜなら、準備不足のまま訓練を始めてしまうと、想定通りに進められず、訓練自体が形骸化してしまうリスクがあるからです。

スムーズに進行できる環境を整えることで、参加者全員が本来の目的に集中でき訓練の成果を高めることができます。

事前準備では、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

訓練のオリエンテーション実施 目的、流れ、注意事項などをあらかじめ説明しておき、参加者の理解度を高める
ファシリテーター(進行役)の配置 訓練を円滑に進めるために、進行をリードする担当者を決めておく
必要資材・機材の確認 ホワイトボード、無線機、安否確認ツールなど、使用する備品類を事前に準備・点検しておく
シナリオと役割分担の最終確認 想定シナリオや役割分担が参加者全員に正しく伝わっているか確認する

事前に段取りを整えることで、訓練当日の混乱を防ぎ、より実践的な気づきや改善点を得ることができます。

事前準備の質が、そのまま訓練の質につながることを意識して取り組みましょう。

STEP5|訓練後は必ず振り返りを実施する

訓練が終了したら、必ず振り返りを実施しましょう。

訓練をやりっぱなしにしてしまうと、どこに課題があったのかが把握できず、BCPの改善にもつながらないからです。

振り返りを通じて、うまくいった点と改善すべき点を整理すれば、より実効性の高いBCPへとブラッシュアップしていくことができます。

具体的な振り返り方法には、以下のような方法があります。

  • 参加者へのアンケート実施
  • ディスカッション形式で意見交換
  • 記録の整理・レポート作成

振り返りを丁寧に行うことで、机上の計画だけではなく「現場で本当に機能するBCP」へと進化させることができます。

BCP訓練がうまくいかない
5つの課題

BCP訓練は、万が一のときに現場で機能する体制を整えるために欠かせない取り組みです。
しかし、せっかく訓練を実施しても準備や進め方に課題があると、十分な効果が得られないことも少なくありません。

訓練を形だけのものにしないためには、あらかじめ「失敗しやすいポイント」を把握しておく必要があります。
ここでは、BCP訓練がうまくいかない主な5つの課題と、その内容について整理していきます。

訓練の目的が曖昧で形骸化しがち

BCP訓練では、目的を具体的に定めたうえでの実施が欠かせません。

目的が曖昧なまま訓練を進めてしまうと、参加者の意識が低下し、形だけの作業に終わるリスクが高まるからです。

「とりあえず訓練をやった」事実だけが残り、緊急時に本当に必要な対応力や判断力は身につかない結果になりかねません。

例えば「初動対応の確認を目的とする」「安否確認フローを検証する」といったように、訓練ごとに明確なゴールを設定しておくことで、参加者の意識も高まり、実践的な気づきが得やすくなるでしょう。

訓練の意図と目標を明確に共有すれば、現場で機能するBCP体制を築いていけるでしょう。

参加者のモチベーションが低い

BCP訓練を効果的にするためには、参加者のモチベーションを高める工夫が必要です。

なぜなら、参加者が訓練に対して主体的に取り組まなければ、本来期待される効果が得られず、訓練自体の意味が薄れてしまうからです。

形だけの参加に終わってしまうと、実際の災害時に役立つ知識や対応力を身につける機会を失ってしまいます。

例えば「防災や事業継続の重要性を訓練前にしっかり説明する」「役割や目的を具体的に共有する」「訓練後に意見交換の場を設ける」など、参加者の意識を高める工夫が効果的です。

訓練を単なる「作業」にしないためにも、意義をしっかり伝え、参加者自身が目的意識を持って取り組める環境を整えることが大切です。

現場に合ったシナリオが設計できない

BCP訓練では、実際の業務や施設環境に合ったシナリオを設計しなければなりません。

汎用的すぎるシナリオでは、現場の実情に即した対応力を身につけることが難しく、訓練が現実味を欠いてしまうからです。

「どこか別の施設で起きた事例をなぞるだけ」のような訓練では、参加者も自分ごととして捉えにくく、緊急時の行動に直結しづらくなります。

例えば「自施設の立地特性(洪水リスク・地震リスクなど)」「建物の構造」「利用者の特性(要介護度や移動手段)」などを踏まえて、具体的な災害発生シナリオをカスタマイズして設計しましょう。

実際に起こりうる状況を想定すれば、訓練にリアリティが生まれ、課題発見や改善提案にもつながりやすくなります。

訓練シナリオを現場目線で練り上げることが、実効性の高いBCP運用につながります。

訓練後の評価・改善が行われない

BCP訓練を実施したあとは、必ず評価と改善の実施が必要です。

振り返りをせずに終わってしまうと、訓練で得られた課題や気づきを活かせず、次に同じミスを繰り返してしまうリスクが高まるからです。

災害対応力を高めるためには、訓練を通じて得た実践的な学びをBCPやマニュアルに反映し、継続的に改善を重ねていくことが必要です。

例えば、訓練後に「対応スピードが遅かった」「安否確認ルートに時間がかかった」といった具体的な反省点を洗い出し、それに基づいて対応手順を修正したり、訓練内容を見直したりする取り組みが有効です。

改善を積み重ねることで、BCPはより実践的なものへとブラッシュアップされ、非常時にも確実に行動できるようになります。

訓練は「やって終わり」ではなく、次につなげるための改善サイクルまで含めて取り組むことが、BCPの実効性を高めるには必要です。

訓練の実施負荷が大きく継続しづらい

BCP訓練は、無理なく続けられる仕組みを作ることが大切です。

初回から大規模な訓練を企画してしまうと、準備や運営にかかる負担が大きくなり、担当者や参加者双方の疲弊を招いて継続が難しくなるからです。

負荷が大きすぎると「一度やったきりで終わってしまう」などの本末転倒な結果になりかねません。

例えば、最初は小規模な机上訓練から始め、徐々に実動訓練や総合訓練に発展させていく方法が有効です。

段階的にレベルアップを図ることで、無理なくノウハウを蓄積し、訓練文化を根付かせることができます。

無理に完璧を目指すのではなく、継続を前提にした現実的な設計を心がけることが、BCP訓練の定着には欠かせません。

BCP訓練までサポートできる
クロスゼロの導入を検討しよう

BCP訓練を継続的に実施し、万が一の災害に備えるためには、専用ツールを活用するのも効果的です。

なぜなら、アプリを活用すれば、日常業務と緊急対応の両方をサポートし、職員の負担を減らしながらBCPの実効性を高めることができるからです。

BCP運用を支援するツールはさまざまありますが、特に介護・福祉施設向けにおすすめできるのが、総合防災アプリ「クロスゼロ」です。

クロスゼロには、日常使いと緊急対応の両方を支援する以下のような機能が豊富に搭載されています。

備蓄品の管理機能 災害発生後の避難に備え、必要な物資や持ち出しリストを簡単に管理可能
防災トリセツ 災害種別ごとの備え方や、緊急時の行動マニュアルを確認
気象庁情報・AI発災情報の配信 公式情報だけではなく、SNSからのリアルタイムな災害情報も取得
災害モード機能 災害発生時に自動で画面が切り替わり、避難所情報や状況把握が可能
掲示板・組織チャット機能 緊急時の情報共有から、日常業務の連絡まで幅広く活用
家族向け安否確認機能 利用者家族と情報共有

クロスゼロはBCP訓練のサポートだけではなく、災害時にも頼りになるツールです。

30日間無料体験も用意されているため、まずは体験してみて、自社に合うかどうかをチェックしてみると良いでしょう。

まとめ

BCP訓練は、策定した計画を「机上の空論」で終わらせないために不可欠な取り組みです。
特に介護・福祉施設では、令和6年4月からBCPの策定と訓練実施が義務化され、未策定の場合は介護報酬の減算対象にもなっています。

利用者の安全を守り、事業を継続させるためにも、訓練を通じてBCPの実効性を検証し、現場対応力を高めていくことが大切です。

目的を明確にし、現場に合ったシナリオで訓練を重ね、振り返りと改善を続けることで、BCPは「使える計画」へと進化していきます。

日常業務と緊急対応をサポートするツールを取り入れるのも、無理なくBCPを運用するための工夫です。

例えば、総合防災アプリ「クロスゼロ」などを活用すれば、備蓄管理や情報共有、防災訓練にも役立てることができます。

防災アプリを活用したBCP訓練に興味がある方は、ぜひクロスゼロの導入をご検討ください。まずは資料請求をして、活用イメージを広げてみてください。

災害発生時は“最初の1分”で差がつきます。
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