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【人工計算に便利!】出面表とは?|記載項目や作成のポイント

【人工計算に便利!】出面表とは?|記載項目や作成のポイント

2025/11/13

その他

建設現場の労務・賃金管理に欠かせないのが、「出面表(でづらひょう)」です。
人工(にんく)を正確に把握し、適切な賃金計算と安全管理を行うために、どの現場でも日々作成・更新されています。
しかし、記載項目や作成方法を正しく理解していないと、労働時間の誤記や賃金トラブル、さらには労災対応の遅れにつながりかねません。
本記事では、出面表の基本から記載すべき項目、作成のポイント、管理方法までを解説します。
紙・Excel・クラウドツールそれぞれの特徴を比較し、自社に合った運用方法を見つける参考にしてください。

出面表の作成や管理にお悩みの方は、建設現場のDXを支援するKENTEM(株式会社建設システム)のソリューション情報もぜひご覧ください。

人工と出面表の基本

建設現場では、職人の労働時間を正確に把握し、適正な賃金を支払うために「人工」と「出面表」という考え方が用いられます。
まずはそれぞれの意味と、出面表が持つ役割について整理しましょう。

人工(にんく)とは?建設業特有の単位

人工(にんく)は、建設業において労働力を測る単位で1人が1日働いた量作業を「1人工」と表します。
例えば、3人の職人が2日間作業した場合、合計で「6人工」となります。
この人工を基準に、工事費の見積もりや実行予算の管理、実際の労務費計算が行われるため建設現場の原価管理には欠かせない指標です。
人工を正確に把握することで予算の超過や人員配置の無駄を防ぎ、プロジェクト全体の採算性を高めることができます。

出面表とは?労働日数・時間を一元管理する帳票

出面表(でづらひょう)は、どの現場で誰がいつ何時間働いたかを記録する帳票であり、建設業における勤怠簿・労働日報の役割を果たします。
「出面(でづら・でめん)」とは職人が現場に顔を出す、つまり出勤することを指す業界用語です。
出面表には、作業員全員の氏名・労働日数・労働時間・作業内容・労働形態(通常・残業・休日など)が記載され、現場責任者や元請け会社が日々更新します。
建設業では複数の協力会社が同時に作業するケースが多いため、誰がどれだけ働いたかを明確にし、賃金計算や安全管理の基礎資料とするために出面表が不可欠です。

出面表が果たす4つの役割

出面表は、労務管理・賃金管理・安全管理・業務改善という4つの主要目的を同時に果たす重要な帳簿です。
まず労務管理では、労働基準法で義務付けられた労働者名簿・賃金台帳・出勤簿の「法定三帳簿」を統合的に管理し、労働時間の正確な記録と法令遵守を実現します。
次に賃金管理では、常用契約・請負契約の両方に対応し、日当や出来高を可視化することで、未払いや計算ミスを防ぎます。

さらに安全管理では、無災害労働日数の算出や労災申請時の根拠資料として活用され、現場の安全意識を高めます。
最後に業務改善では、労働時間や人員配置のデータを分析し、残業削減や業務効率化、働き方改革の推進に役立てることができます。
これら4つの役割を通じて、出面表は建設現場全体のマネジメント品質を向上させる基盤となります。

人工計算を正確にする出面表の
6つの記載項目

人工を正確に算出し、賃金計算や労務管理を適切に行うためには、出面表に必要な情報を漏れなく記載することが不可欠です。
ここでは、出面表に記載すべき6つの主要項目とそれぞれの記入時の注意点を解説します。

現場責任者名と工事現場名

出面表の冒頭には、現場責任者の氏名と工事現場名を正式名称で明記し、誰が見ても現場と責任者を即座に特定できるようにします。
現場責任者名は、出面表の管理・承認者として責任の所在を明確にし、労務トラブルや労災対応時の窓口としても機能します。
工事現場名は、略称や通称で記載すると、複数の現場を並行管理している場合に混同やデータの取り違えが発生するリスクがあります。
また、協力会社が複数の元請けと取引している場合も、正確な現場名がないと請求書や支払いのミスマッチが起きやすくなります。

作業員の氏名(フルネーム)

作業員の氏名は、フルネーム(姓名)で記載し、同姓の作業員がいる場合の混同を防ぎます。
建設現場では、同じ協力会社や異なる協力会社から同姓の職人が同時に入場するケースが少なくありません。
氏名を省略したり、名前のみで記載したりすると、賃金の支払いミスや労災申請時の本人確認トラブルにつながる可能性があります。
また、外国人労働者が在籍する現場では、カタカナ表記と本名(ローマ字)の併記を行い、入管法に基づく在留資格確認との整合性を保つことも重要です。

労働期間・労働日数

労働期間は、週単位または月単位で明確に区切り、各日の勤務時間と合計労働日数を正確に記録します。
出面表ではカレンダー形式または一覧表形式で日付ごとに勤務実績を記載し、出勤・欠勤・休暇の区別を明確にします。
労働時間は始業・終業時刻を記録し実働時間と休憩時間を分けて集計することで、人工計算の精度が高まります。
また、入退場管理システムやICカードによる打刻データと照合することで、記入ミスや不正打刻を防ぎ客観的な勤怠管理を実現できます。

工程内容・職種

工程内容と職種は、「足場組立」「型枠大工」など具体的に記載し、作業内容と人工の対応関係を明確にします。
建設現場では同じ日に複数の職種が並行して作業を進めるため、誰がどの工程を担当したかを明記しないと原価管理や出来高評価が曖昧になります。
また、協力会社ごとに職種や作業範囲が異なる場合も工程内容を詳細に記載することで請負契約と実績の整合性を確認しやすくなります。
さらに、安全管理の面からも危険作業や特殊作業に従事した職人を特定し、安全教育や資格確認の記録と紐付けることが重要です。

労働形態(通常・残業・休日・深夜)

労働形態は、通常勤務・残業・休日出勤・深夜労働を明確に区分し、割増賃金の計算根拠を正確に記録します。
労働基準法では、時間外労働に25%以上、休日労働に35%以上、深夜労働(22時〜5時)に25%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。
出面表でこれらを明確に区分しないと、賃金計算ミスや未払い残業代の発生、労働基準監督署からの是正勧告につながるリスクがあります。
時間外労働の上限規制を遵守するためにも、労働形態の正確な記録は重要です。

備考欄(休暇・遅刻・早退など)

備考欄には、年次有給休暇・遅刻・早退・欠勤の理由や、体調不良・現場トラブルなどの特記事項を記載します。
備考欄を適切に活用することで、労働時間の記録だけでは把握できない現場の状況や作業員の健康状態を把握でき、労務管理の質を高めることができます。
例えば、体調不良による早退が続く場合は、産業医との面談や健康診断の受診を促すきっかけになります。
また、天候不良や資材遅延による作業中止など、現場責任者の判断で労働時間が変動した場合も、備考欄に理由を記載しておくことで、後日の原価分析や工程管理の振り返りに役立ちます。

出面管理(出面表の作成)や作業者・機械・車両・機材などの配置計画の効率化をお考えなら、DOKO-PLANをはじめとするKENTEM(株式会社建設システム)のソリューションで、現場業務のデジタル化を実現できます。

出面表の作成方法|人工を見える化する3つの手段

出面表の作成方法には、紙・Excel・クラウド勤怠ツールの3つがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、現場規模や管理体制に応じて最適な方法を選択することが重要です。
ここでは、各方法の特徴と活用のポイントを解説します。

紙で作成する場合のメリット・デメリット

紙の出面表は、専用ツールや機器が不要で、誰でもすぐに記入できる手軽さが大きなメリットです。
パソコンやスマートフォンの操作に不慣れな職人が多い現場では、紙の出面表が有効な記録手段となります。
また、現場事務所にインターネット環境がない場合や、停電・システム障害のリスクを避けたい場合にも、紙は確実な記録手段となります。
一方で、手書きによる誤記や計算ミス、記入漏れが発生しやすく、保管場所の確保や紛失・劣化のリスクも抱えています。

紙で出面表を作成する場合は、記入者と確認者を分けるダブルチェック体制を構築し、定期的にコピーやスキャンでバックアップを取ることが推奨されます。
また、鍵付きキャビネットや耐火金庫で保管し、第三者の閲覧や持ち出しを制限することで、情報漏洩リスクを低減できます。

Excelテンプレートで効率化する方法

Excelで出面表を作成すると、関数による自動集計や再利用が可能になり、人工計算の精度と効率が向上します。
Excelには、勤務時間・日数の合計を自動計算するSUM関数など出面表の管理に役立つ機能が豊富に揃っています。
また、日付と曜日を自動表示する関数を組み込んだテンプレートを作成すれば、毎月の入力作業を削減できるでしょう。

Excelで出面表を管理する際は、以下のテンプレート種別を参考に、現場のニーズに合ったフォーマットを選択しましょう。

テンプレート種別 特徴
実労働・残業・早出・深夜・理由記入型 労働時間の内訳と理由を詳細に記録し、賃金計算の根拠を明確化
日付・曜日自動表示型(関数利用) 年月を入力するだけで日付と曜日が自動反映され、入力ミスを防止
カレンダー管理型 視覚的にスケジュールを把握しやすく、複数現場の並行管理に最適

Excelで作成した出面表は、クラウドストレージに保存すれば、複数の担当者が同時に閲覧・編集でき、バージョン管理やバックアップも自動化されます。
ただし、Excelファイルを複数人で同時編集すると、競合やデータ破損のリスクがあるため、編集権限を明確にし、必ず最新版を共有する運用ルールを定めることが重要です。

クラウド勤怠ツールで自動化する

クラウド型の勤怠管理ツールを導入すると、スマートフォンやタブレットから出退勤を打刻し、出面表をリアルタイムで自動生成できます。
現場事務所だけでなく、外出先や移動中でも勤怠データを確認・編集でき、本社や協力会社との情報共有がスムーズになります。
また、GPS機能を活用すれば、職人が実際に現場にいることを確認しながら打刻でき、不正打刻や代理打刻を防止できます。

クラウド勤怠ツールには、労働時間の集計・残業アラート・有給休暇管理・給与計算ソフトとの連携など、労務管理全般を効率化する機能が搭載されています。
導入時には初期費用や月額利用料、操作研修の時間が必要ですが、中長期的には人工計算の精度向上と事務作業の削減により、コスト削減効果が期待できます。
また、労働基準法改正や働き方改革関連法への対応も自動アップデートで実現され、法令遵守のリスク管理にも貢献します。

人工計算を効率化する
出面表の管理方法

出面表を作成した後は、適切に管理・保管し、いつでも必要なデータを取り出せる体制を整えることが重要です。
ここでは、管理方法の選択肢と、運用時のポイント・注意点を解説します。

管理方法の選択肢と比較

出面表の管理方法には、紙・Excel・クラウドツールの3つがあり、それぞれメリット・デメリットを理解した上で選択することが重要です。
以下の表で、各管理方法の特徴を比較します。

管理方法 保管方法 メリット デメリット
手書きで記入し、ファイルやバインダーで保管 誰でも扱える、システム障害の影響を受けない 紛失・劣化リスク、検索性が低い、保管場所が必要
Excel ローカルPCあるいは共有サーバーに保存 修正が容易、関数で自動集計、複製・再利用が簡単 同時編集に不向き、バージョン管理が煩雑、バックアップ忘れのリスク
クラウドツール クラウドストレージやSaaSで共有・自動バックアップ リアルタイム更新、多端末管理、自動バックアップ、検索性が高い セキュリティ管理が必要、ネット環境必須、システム利用料の発生

紙は小規模現場や短期工事に適しており、Excelは中規模現場で事務作業の効率化を図りたい場合に有効です。
クラウドツールは、複数現場を同時に管理する大規模な組織や、本社・協力会社・現場間でリアルタイムに情報共有したい場合に最適です。
現場の規模・予算・ITリテラシーを総合的に判断し、最適な管理方法を選択しましょう。

ダブルチェック体制の構築

出面表の記入ミスや計算ミスを防ぐために、記入者と確認者を分けるダブルチェック体制を構築することが有効です。
現場責任者が記入した出面表を、元請けの労務担当者や協力会社の事務担当者が再確認することで、計上漏れや労働時間の誤記を早期に発見できます。
また、週次または月次で集計結果を現場責任者と本社の管理部門がクロスチェックし、 異常な数値がないかを確認することも重要です。

ダブルチェックを実施する際は、チェックリストを作成し、氏名・日数・時間・職種・労働形態の各項目に抜け漏れがないか、計算式や集計結果が正確かを明文化した手順で確認します。
また、現場規模が大きい場合は、エリアごとに担当者を配置し、分担して精度を向上させる方法も有効です。

情報漏洩対策とセキュリティ管理

出面表には作業員の個人情報や賃金に関わる機密情報が含まれるため、情報漏洩対策が必須です。
紙の出面表は、鍵付きキャビネットや耐火金庫で保管し、閲覧権限を現場責任者と労務担当者に限定します。
Excelファイルやクラウドデータにはパスワードやアクセス権限を設定し、閲覧・編集・ダウンロードの履歴を記録することで、不正アクセスや情報持ち出しを防ぎます。

また、個人情報保護法に基づき、出面表の保管期間(労働基準法では5年)を明確にし、期間経過後は適切に廃棄またはデータ消去を行います。
さらに、クラウドサービスを利用する場合は、データセンターの所在地やセキュリティ認証を確認し、信頼性の高いベンダーを選定することが重要です。

記入をルーティン化する工夫

出面表の記入を毎日決まった時間に行うルーティンとして定着させることで、記入漏れや後日の記憶違いを防ぎます。
例えば、毎日の朝礼後や終業時に、現場責任者が当日の出勤者と労働時間を確認し、その場で出面表に記入する習慣をつけます。
また、週次で集計作業を行い、月次で確定版を作成するというサイクルを確立すれば、月末の締め作業が煩雑になることを避けられます。

記入のルーティン化には、スマートフォンやタブレットのリマインダー機能を活用し、毎日決まった時刻にアラートを設定する方法も有効です。
また、現場事務所にチェックリストやフローチャートを掲示し、誰が見ても記入手順が分かるようにすることで、担当者不在時でも代行者が迷わず作業を継続できます。

まとめ

本記事では、建設現場の労務管理に欠かせない出面表について、人工の概念から記載項目、作成方法、管理のポイントまでを解説しました。
出面表は、労働日数と時間を正確に記録し、賃金計算・安全管理・業務改善の基礎資料として機能します。
記載項目を漏れなく記入し、紙・Excel・クラウドツールのいずれかで効率的に作成・管理することで、人工計算の精度を高め、労務トラブルを未然に防ぐことができます。

ダブルチェック体制と情報漏洩対策を徹底し、記入をルーティン化することで、出面表の運用品質は大きく向上します。
また、労働基準法や建設業法に基づく保管義務を遵守し、適切な廃棄・消去を行うことで、法令遵守とコンプライアンスを両立させましょう。
業者、機械、車両、機材などの配置計画をクラウド上で管理・共有し、出面管理の自動集計が可能なDOKO-PLANは、月末の集計作業などの負担を大幅に軽減し、業務効率化をサポートします。
出面表の電子化(出面管理)や配置計画の効率化をご検討の際は、ぜひご活用ください。

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