防災備蓄とは?災害時の対応に備えた備蓄の方法【ガイドラインに合わせた防災方法】
2023/08/18
2025/07/04
災害は予測できないものであり、その発生は誰もが避けられない現実です。そんな災害に対して、私たちの生命と安全を守るために重要なのが「防災備蓄」です。
防災備蓄とは、災害発生時に備えて必要な物資や食料、水などをあらかじめ用意しておくことを指します。地震や洪水、台風などさまざまな災害が存在する中で、防災備蓄はその効果的な対応に欠かせない要素となっています。
この記事では、防災備蓄の基本的な意味や重要性を、国のガイドラインに合わせた効果的な備蓄の方法について解説していきます。
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防災備蓄とは?意味や役割を解説
防災備蓄は、災害発生時に備えて必要な物資や食料、水などをあらかじめ用意しておくことを指します。災害による被害を最小限にするために、個人や家族、地域、国家が災害に対して備えることが重要です。
災害に関する情報について詳しくなったうえで対策を取れば、対策内容の精度が上がるはずです。
防災備蓄の役割には以下のようなものがあります。
- 生命を守る
- 非常時の対応
- 災害からの回復を促進
- 自助・共助・公助の促進
防災備蓄には、非常食や飲料水、救急キット、衣類、寝具、トイレタリー用品、防災用具(懐中電灯、ラジオ、バッテリー、マルチツールなど)、重要書類のコピー、現金などが含まれます。
上記以外にも高齢者の方や障がい者の方に応じた必要なものを追加して備蓄を行う必要もあるため、上記のアイテムに自分たちに必要なアイテムを追加するようにしましょう。
特に、企業が防災備蓄に取り組む際には、その企業の事業に必要な物資を守るための倉庫や保管に必要なアイテムを揃えておくことで、災害時の後にも円滑な事業運営が可能となります。
昨今では、地域や国家の規模で防災備蓄を進めることで、より効果的な災害対応が可能とされています。それには、普段から定期的な点検や更新を行い、必要な物資が常に用意されていることが重要です。
防災備蓄の重要性
防災備蓄は災害時に人々の生命を守るための基盤となります。災害が発生した際に、食料や飲料水、医薬品などの必需品をあらかじめ備えておくことで、被災した方もできる限り被災前と変わらない生活水準を保つことができるでしょう。
災害発生時には、一時的に救援が到着しない場合があります。このような状況下での防災備蓄は特に重要です。
大規模な災害の場合は、交通や通信などのインフラが寸断される可能性があるため、外部からの支援が遅れる場合があります。
防災備蓄は、被災地の救援活動を支援する役割も果たします。初動段階で被災者が自己対応できることで、救援活動がより必要な場所に的確に集中できます。
企業における防災備蓄の法的義務
労働契約法第5条は、企業に従業員の安全を考慮する義務を課しています。
同様に、労働安全衛生法第3条第1項では、企業が労災を防止する最低基準を確保するだけでなく、従業員の安全と健康を守るために快適な職場環境を実現し、労働条件を改善することが求められています。
しかし、労働契約法自体には具体的な防災対策が明確に規定されているわけではありません。そのため、各企業は自らの状況に応じて考え、実施する必要があり、これらの対応を怠っていると災害時の対応で大切な従業員を失うだけでなく、社会的な責任を問われる可能性もあります。
災害時に従業員を守るためには、可能な限りの防災対策を企業側が準備する必要があると言えるでしょう。
オフィス・従業員に防災備蓄が必要な理由
企業における防災備蓄で最も気をつけないといけないことは「オフィス・従業員の安全」です。
企業の防災では、災害が発生した際に従業員の作業環境を保持し、事業の継続や早期の復旧が求められます。
これらは企業が災害時に非常事態に対処し、事業の損害を最小限に抑えつつ継続する計画として、BCP(Business Continuity Plan)と呼ばれます。
大雨や台風の影響により毎年帰宅困難になってしまう方がいるのを見るのではないでしょうか。特に都市部では、備蓄がないと従業員がオフィスから帰宅できず、帰宅困難者となって二次災害に巻き込まれる危険があります。
都市部以外でも、帰路が断たれるなどで事業所から動けなくなった場合に、救助が到着するまでの期間をしのぐためにも備えが重要です。
このようにオフィスでの防災備蓄は、企業の社会的責任を担う側面も持っています。従業員の安全確保ができることで、事業の継続性が確保され、社会への影響を最小限に抑えることが可能となります。
在宅勤務の会社でも準備しておくのがおすすめ
災害が発生した場合、在宅勤務中でも電力や通信が寸断される可能性があります。従業員が自己防衛のために必要な物資を手元に置いておけるよう、食料、水、ライト、非常用医薬品などの防災備蓄が役立ちます。
災害が起こった場合、従業員がオフィスへの出勤が困難になることも考慮すべきです。災害による移動制限や交通機関の運休があるため、台風や大雨などの災害が起こりやすい時期や天候状況に応じて、在宅勤務を推奨することも企業の防災対策の一部です。
企業は従業員の安全と健康を守る社会的責任を負っています。
災害に対して準備を整えることで、従業員に安心感を与えることができるでしょう。従業員が災害に備えていると知っていることで、不安を軽減し、仕事に集中できる環境の提供にも繋がります。
企業向け研修事業を手掛ける株式会社識学が、直近1年間に平均週1回以上テレワークをしている20~59歳の男女300人を対象に、テレワークを想定した防災対策の実施状況に関する調査を行った結果、テレワーカーの30.7%が、勤め先がテレワークを想定した防災対策を実施していると回答しました。
この結果から、テレワークを推奨している会社でも防災対策を行う会社が徐々に増えてきており、テレワークを行う会社の中でも以下の内訳で、防災対策を行っていることがわかります。
- 「安否確認訓練」(75.0%)
- 「テレワークを想定した災害対応マニュアルの整備」(47.8%)
- 「社員の自宅用防災グッズの配布」(44.6%)
- 「テレワークを想定したBCP(事業継続計画)の整備」(28.3%)
参照:ITmedia NEWS 「勤務先がテレワーク想定の防災対策をしている」テレワーカーは3割程度 迅速な対応を
在宅勤務の場合でも、災害が事業に与える影響は避けられません。しかし、防災備蓄をすることで、事業の継続性を高めることができます。
上記で紹介した対策を元に、災害に対応するためのテレワークの導入や防災対策をご検討ください。
防災備蓄で準備しておきたい
3つのポイント
1.食料・飲料などの在庫状況
災害発生時には、食料や飲料水が十分に確保されているかどうかが重要です。非常食や保存食を備蓄しておくことで、被災者は救援物資が到着するまでの間でも生活することが可能です。備蓄する食品は長期保存が可能なものや栄養バランスが考慮されたものが望ましいでしょう。
2.家族・従業員同士の安否確認
災害が発生した際、家族や従業員がどのような状況にあるのかを把握することが大切です。緊急連絡先を事前に共有し、災害時には迅速に安否確認を行うことで、不安を軽減し、効果的な救助活動が行われる可能性が高まります。
3.避難場所・避難経路の確認
災害発生時には、避難が必要になる場合があります。事前に避難場所や避難経路を確認しておくことで、混乱を避けて安全に避難することができます。
また、避難場所には防災備蓄品を持ち込んでおくと、避難先での生活をより安心して過ごすことができるでしょう。
防災備蓄は災害時の生命・安全を守るために欠かせない対策です。これらのポイントを意識して適切な準備を行い、災害に備えることが大切です。
防災備蓄をより実効性のあるものにするには、現場で使いやすく、管理の手間を軽減するツールの導入が効果的です。
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防災における
大人ひとりあたりの
備蓄平均・目安
災害時には、ライフラインの停止とともに、食料・飲料水の確保ができなければ生活維持はもちろん命の危険に晒される可能性もあります。
防災備蓄の観点では、一般的に、家庭での備蓄食料は最低3日〜1週間分が目安とされています。
災害時には、コンビニやスーパーマーケットでの食品入手が困難になる可能性があるため、家庭での備蓄食料は3日〜1週間分を目安に用意することが推奨されています。
農林水産省によると、大人2人の1週間分の備蓄食料の例として、
- 水2リットル×6本×4箱
- 米4kg
- 乾麺
- レトルト食品
- 缶詰
- 日持ちする野菜
- 梅干し
- のり
- わかめ
- 調味料
- インスタント味噌汁
などが挙げられます。また、特定の人々には症状に配慮した備蓄食料が必要であり、乳幼児や高齢者、アレルギーのある人はその点を考慮して備蓄する必要があります。
上記の指標に加えて、個々人の生活リズムや普段の食べる量に応じて、備蓄量を変える必要があるでしょう。ただし、普段は少食だからと少なく見積もることはやめましょう。
災害時には肉体的以外にも精神的な負担が大きく、食料備蓄の心配があるとより精神的に辛くなってしまい体力を消耗しがちです。できれば普段以上に食料や飲料水を確保するようにしましょう。
備蓄食料にはローリングストックという方法がおすすめされています。
ローリングストックは、常に食材を循環させながら備蓄する手法であり、常に新しいものを追加しつつ古いものを消費していく方法です
これにより、保管場所や賞味期限切れの心配を軽減しつつ、常に新鮮な食材を手元に置いておくことができます。
備蓄食料の選定と管理には慎重さが求められますが、災害時の安全と安心のために、適切な備蓄を行うことが大切です。
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防災備蓄の保管場所とは?
自宅における備蓄場所の考え方
自宅での防災備蓄は「生活導線×安全性×分散配置」の3点を意識して決める必要があります。
災害時は、ライフラインの停止・家具の転倒・停電などのリスクがあり、普段の感覚で置いていた備蓄品が使えなくなる可能性も考慮しなければなりません。
だからこそ、どこに何をどう分けておくかが災害時に冷静に対処するためにも必要です。
以下のような視点で、実用性のある保管を検討しましょう。
| 玄関・靴箱周辺 | 外への「持ち出しセット(非常用持ち出し袋)」を配置しておくと、避難時にスムーズ |
|---|---|
| 寝室・リビングの 家具下や引き出し |
ライト・防寒具・ホイッスルなど、停電時でも手が届く場所に |
| 分散保管 | キッチンに食料品、洗面所に衛生用品、ベッド下に防災セットなど、1か所に集中させない |
| 子ども・高齢者の目線を意識 | それぞれが「自分で取り出せる高さ・場所」に保管するのが理想 |
| 収納ラベルやメモを活用 | 中身が一目でわかるようにしておくことで、家族全員が把握しやすい |
備蓄は「量」だけでなく「置き方」で差が出ます。
家族構成や間取りを踏まえ、自宅全体で機能する備蓄の設計をしていきましょう。
オフィス備蓄の配置と運用基準
オフィスの備蓄は「即時性・動線・人数」を軸に、現場で機能する配置と管理体制を整える必要があります。
災害発生時にパニックや混乱が起きやすいのがオフィス環境です。
どれだけ備蓄を揃えていても「どこに何があるか分からない」「鍵が開かない」「担当が不在」などがあると、即時対応できず意味がありません。
以下のポイントを押さえて、実用的な備蓄体制を設計しましょう。
| 備蓄は「集中」と「分散」の ハイブリッド型で |
総務・防災担当が一括管理する集中拠点+各フロア・部署での分散備蓄が理想 |
|---|---|
| 配置は「動線に沿った導線計画」を意識 | エントランス・休憩室・コピー室など、全社員が認識しやすくアクセスしやすい場所を選定 |
| 人数分+αを基準に 備蓄数を算出 |
人員変動や来客を考慮し、全従業員数の1.2〜1.5倍を目安に |
| 備蓄品の一部は 「鍵のない場所」にも設置 |
担当者不在時でも取り出せるよう、最低限のセットをフリーアクセスで保管 |
| 運用ルールは「マニュアル+年1〜2回の棚卸し」で明文化 | 有効期限チェック、配置状況の確認、入退社に応じた数量調整を定例化 |
オフィス備蓄は「ある」だけでは不十分です。
「非常時に誰でもすぐ使える状態」を整えることが、企業のBCPの土台となります。
倉庫・外部拠点における備蓄管理の注意点
倉庫や外部拠点に備蓄を保管する場合は、「アクセス性・温度管理・在庫の可視化」を考慮しましょう。
本社やオフィス外の場所に備蓄を置くと、一見安心感はありますが、非常時に「開かない・届かない・何があるかわからない」状態では意味がありません。
備蓄品は時間の経過とともに劣化や過不足が起きやすく、定期的な点検・情報の見える化が必要です。
外部に備える際に気をつけたいポイントは以下のとおりです。
| 災害時に実際に「取りに行ける場所」であるか確認 | 拠点が遠すぎる・道が寸断されやすい場所だと実用性が下がる |
|---|---|
| 鍵の所在・アクセス権の共有を明文化しておく | 管理者が不在でも開けられる体制を整えておくこと |
| 温度・湿度・直射日光への対策を施す | 食料やバッテリー類は高温や湿気に弱いため、環境管理が必要 |
| 在庫管理は「デジタル化」で可視化 | Excelや紙管理だと棚卸しが属人化するため、アプリやツールで一元管理がおすすめ |
倉庫に置いて「終わり」にしないことが大切です。
定期点検・可視化・訓練を通して、いつでも使える備蓄を維持しましょう。
防災備蓄は「何を備えるか」だけでなく、「どこにどう配置するか」もポイントです。
自宅・オフィス・倉庫など、場所ごとに備蓄の考え方や管理の仕方は変わりますが、共通して大切なのは 「必要なときに、すぐ使えること」です。
クロスゼロなら、備蓄品の配置や管理状況をチームで見える化できます。
「どこに何があるか」「どれだけ備わっているか」が把握でき、定期的な見直しや更新作業もスムーズに行えます。
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防災備蓄を行う方法|3選
1.普段から心得を持ち対策を行う
防災備蓄を効果的に行うためには、普段から防災意識を持ち、対策を実践することが重要です。災害リスクを理解し、自分や家族の生活環境に応じた対策を考えましょう。
例えば、地震が多い地域であれば家具の固定や非常用の地震対策グッズの準備、洪水が心配な地域であれば避難経路の確認などが挙げられます。また、災害時の行動を家族や従業員と共有し、訓練やシミュレーションを行うことで、実践的な対応力を身に付けることができます。
2.災害対策イベントや市の訓練に参加する
災害への準備を強化するために、積極的に災害対策イベントや地域の訓練を開催したり、参加することが重要です。地道な対策になりますが、災害対策イベントや地域の訓練に参加することで、家族や従業員の安全状況を把握し、効果的な救助活動への対応策を学ぶことができます。
これにより、混乱した状況でも冷静な判断が可能となり、迅速な行動が取れるようになります
さらに、これらの活動に参加することで、地域の連携が強化されるチャンスもあります。
災害時には個人だけでなく、地域全体の支援が不可欠です。事前に地域の人々との繋がりを作っておくことで、災害時の情報共有や助け合いが生まれ、日々の暮らしに防災意識を取り込むことができます。
3.災害対策のツールやアプリを活用して備える
災害発生時には、避難が必要になる場合があります。事前に避難場所や避難経路を確認しておくことで、混乱を避けて安全に避難することができます。また、避難場所には防災備蓄品を持ち込んでおくと、避難先での生活をより安心して過ごすことができます。
防災備蓄は災害時の生命・安全を守るために欠かせない対策です。これらのポイントを意識して適切な準備を行い、災害に備えることが大切です。
「クロスゼロ」では、実際の画面を見ながら操作を確認できる「無料オンラインデモ」をご用意しております。
防災備蓄には
「クロスゼロ」がおすすめ
災害が発生した後も避難活動は続きます。企業のBCP対策では、組織内で災害に対する備えができているか、避難活動で持ち出す物が揃っているかを管理し、災害発生時にスムーズな避難活動を実現することが求められます。
そこで、防災備蓄では「クロスゼロ」の活用をおすすめします。
クロスゼロでは、ベーシックプラン、BCP対策プラン、リスクゼロプランの3つのプランを選択して活用いただくことで、漏れなく備蓄品の管理だけでなく安否確認や避難所情報の確認を行うことができます。
飲料水、食料、生活用品などのカテゴリーごとに備蓄量を設定し、現在の備蓄状況を把握することができます。さらに、備蓄品の消費期限も管理可能であり、期限が近づいた際にはプッシュ通知でお知らせするので、備蓄品の入れ替えを見逃す心配もありません。
加えて、災害時には、非常用の持ち出し袋で必要なものをチェックリストで確認できる機能も備えています。
これらの機能を活用することで、災害に対する備えを徹底し、避難活動の円滑な実施に役立てることができます。
防災備蓄の重要性を理解し、クロスゼロを活用して万全の体制を整えましょう。
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