自助・共助・公助とは?|意味の違いと防災における具体的な取り組み
2026-02-17
日本は地震・津波・豪雨など自然災害が頻発する国です。
被害を最小限に抑えるためには、あらかじめ被害を減らす「減災」の視点が重要となります。
防災対策は「自助・共助・公助」の三層構造で成り立っており、それぞれの役割を理解し、バランスよく備える必要があります。
特に大規模災害では公助だけでは対応しきれない局面が想定されるため、自助・共助の重要性が高まっています。
本記事では、自助・共助・公助の意味と違い、企業が果たすべき役割や具体的な取り組み事例を解説します。
BCPの強化を検討している企業の防災担当者や総務担当者、経営者の方は自社の体制整備にお役立てください。
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自助・共助・公助とは
自助・共助・公助は、日本の防災対策を支える基本的な概念です。
これら三つの層がそれぞれの役割を果たすことで、災害時の被害を最小限に抑えることが可能になります。
まずは、自助・共助・公助それぞれの定義と具体的な内容を整理していきましょう。
各概念の違いを正しく理解することが、効果的な防災対策の第一歩となります。
自助とは|自分と家族の命を守る行動
自助とは、自分自身や家族の命・安全・財産を自らの力で守ることです。
企業においては、従業員とその家族を守ることが自助の範囲に含まれます。
災害発生直後は、外部からの支援が届くまでに時間を要する傾向があります。
支援が届くまでの期間を乗り越えるためには、平常時からの備えが重要です。
自助の具体的な取り組みとしては、以下のような活動が挙げられます。
- 食料・水・生活必需品の備蓄
- ハザードマップの確認と災害リスクの把握
- 家族や従業員との安否確認方法の整備
- 避難訓練の実施と避難経路の確認
- 建物の耐震化や家具の固定
緊急時の行動は、事前準備の質に左右されます。
自助が機能しなければ、共助や公助を受ける体制を整えることも困難になるため、防災対策の基礎となる重要な要素です。
共助とは|地域やコミュニティで助け合う防災活動
共助とは、地域や職場、コミュニティ単位で互いに助け合う防災・救助活動を指します。
1995年の阪神・淡路大震災を契機に、その重要性が認識されるようになりました。
同震災では、倒壊した建物から救出された人の約8割が、家族や近隣住民によって救助されたとされています。
公的機関による活動が本格化する前の救助活動において、共助が大きな役割を果たしました。
共助に含まれる活動には、以下のようなものがあります。
- 災害時の救助活動・避難誘導
- 避難所運営への協力・参加
- 平常時の防災啓発活動・防災訓練の実施
- 地域の防災組織への参加
- 要配慮者の見守り・支援体制の構築
日常的なつながりの強さが、災害時の行動力を大きく左右します。
近年は企業が地域の共助に関与することで、共助の規模や質が向上する事例も増えています。
公助とは|国や自治体による公的支援
公助とは、国・自治体・消防・警察・自衛隊などの公的機関による支援・防災活動を指します。
個人や企業では対応できない大規模・広域の災害対応が公助の主な役割です。
公助の具体的な内容としては、以下のような活動が含まれます。
- 生活物資(食料・水・生活必需品)の備蓄と配布
- 人命救助・消火活動・医療支援
- 被災地の復旧・復興事業
- 自治体間・民間との応援協定に基づく連携
- 避難所の開設・運営支援
公助は、個人や地域だけでは対処しきれない課題に対応する最後の砦です。
ただし、大規模災害時には公助の機能にも限界があることを理解しておく必要があります。
公助の限界を補う
自助・共助の重要性
防災対策において公助は重要な役割を担いますが、大規模災害時には公助だけでは対応しきれない状況が発生します。
過去の災害から得られた教訓と防災白書の指摘をもとに、自助・共助の重要性を確認していきましょう。
公助の限界を正しく認識することで、企業や個人がどのような備えをすべきかが明確になります。
ここでは、公助の課題と自助・共助が生み出す力について解説します。
大規模災害における公助の限界
阪神・淡路大震災や東日本大震災などの大規模災害では、公助機能が一時的に低下する事態が発生しました。
消防署や警察署といった公的施設が被災し、救助活動に時間を要した事例も報告されています。
2014年版の防災白書では、大規模災害時に「公助が届かない空白期間」が生じることが指摘されています。
この期間にどのように命を守るかが、被害を抑えるための重要な課題です。
公助の限界が生じる要因としては、公的施設や設備の被災による機能低下だけでなく、被災地域の広域化にともなう人員・物資の分散や、交通インフラの寸断による到達の遅れが挙げられます。
さらに、通信障害によって情報収集や伝達が困難になることや、救助要請の集中によって対応が大幅に遅れてしまうことも、公助が十分に機能しなくなる大きな要因です。
公助への過度な依存は危険であり、地域住民・企業・事業者の連携が地域防災力を大きく左右します。
自助・共助の体制を整えておくことが、公助が届くまでの空白期間を乗り越える鍵となるのです。
自助・共助が生み出す「ソフトパワー」
自助・共助によって発揮される力は「ソフトパワー」と呼ばれ、人・組織・コミュニティが持つ自発的に動ける力や連携力を意味します。
ハード(施設・設備)が損壊しても、ソフト(人の力)は残り続けます。
過去の災害においては、住民同士による初期救助活動や避難所の自主運営、炊き出しの実施といった活動がソフトパワーとして大きな役割を果たしてきました。
また、復興段階での地域主体による再建活動に加え、ボランティア活動の調整や支援物資の仕分けといった円滑な支援体制の構築も、こうした人々の連携によって支えられています。
防災力の本質は「人のつながり」にあります。
日常的なコミュニケーションや信頼関係の構築が、いざというときの迅速な行動につながるのです。
企業においても、従業員同士の連携や地域との関係づくりがソフトパワーの源泉となります。
平常時からの取り組みが、災害時に大きな力を発揮することを認識しておきましょう。
企業に求められる自助の取り組み
企業における自助とは、従業員とその家族の安全を確保するための備えを指します。
災害発生時に従業員を守れなければ、事業継続どころか企業としての存続自体が危ぶまれます。
企業が取り組むべき自助の内容を具体的に見ていきましょう。
水・食料の備蓄から安否確認体制の整備まで、実務に役立つ情報をお伝えします。
水・食料・常備品の備蓄
災害直後は物流の停止などが想定されるため、企業での備蓄が推奨されます。
従業員の安全と安心を確保できる環境を整えることは、企業の重要な役割の一つです。
備蓄すべき主な物品は以下のとおりです。
| 保存水 | 1人1日3リットルを目安に最低3日分 |
|---|---|
| 非常食 | アルファ米、缶詰、ビスケットなど |
| 電源・電池 | モバイルバッテリー、乾電池、発電機 |
| 生活必需品 | 毛布、簡易トイレ、衛生用品 |
| 救急用品 | 応急処置キット、常備薬 |
長期停電や断水が数週間から数ヶ月続くケースも想定し、十分な量を確保しておく必要があります。
適切な備蓄は、二次災害や健康被害の防止にもつながります。
また、備蓄品には消費期限・賞味期限があるため、定期的な点検と入れ替えが欠かせません。
管理体制を整備し、いつでも使える状態を維持することが重要です。
非常連絡・安否確認方法の策定
災害時には通信障害が発生し、通常の連絡手段が使用できなくなる可能性が高いです。
多数の従業員の安否を迅速に把握するため、平常時から非常連絡体制を整えておく必要があります。
安否確認体制の構築にあたって検討すべき項目は以下のとおりです。
- 複数の連絡手段の確保(電話、メール、SNS、専用アプリ)
- 緊急連絡網の整備と定期的な更新
- 安否確認システムの導入と運用ルールの策定
- 従業員家族の安否確認方法の周知
- 安否確認訓練の定期実施
安否確認が完了して初めて、初動対応や事業継続に向けた行動が可能になります。
確認作業に時間がかかるほど、その後の対応も遅れることを認識しておきましょう。
企業の自助として、安否確認は従業員の安全確保だけでなく、事業継続の判断基準となる重要な工程です。
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ハザードマップ・避難経路の確認と共有
自治体が発行するハザードマップを常時確認し、事業所周辺の災害リスクを把握しておくことが重要です。
洪水、土砂災害、津波など、想定される災害ごとに危険区域を確認しましょう。
従業員に対して事前に共有すべき情報は以下のとおりです。
- 最寄りの避難場所・避難所の位置
- 複数の避難経路とその安全性
- 事業所周辺の災害リスク(浸水想定区域、土砂災害警戒区域など)
- 帰宅困難時の対応方針
- 要配慮者への支援方法
情報提供や避難設備への投資は企業の責任として捉えるべきです。
従業員が自らの判断で安全に避難できるよう、十分な教育と情報共有を行いましょう。
また、定期的な避難訓練を実施し、実際に避難経路を歩いて確認することも効果的です。
机上の知識だけでなく、体験を通じて身につけることで、緊急時の行動力が向上します。
企業に求められる共助の取り組み
企業は自社の従業員を守るだけでなく、地域社会を支える存在としての役割も期待されています。
近隣コミュニティのつながりが希薄化する現代において、企業が共助の担い手となる意義は大きいです。
ここでは、企業が地域と連携して行う共助の具体的な取り組みを解説します。
事業継続と地域貢献を両立させる視点で、実践的な内容をお伝えします。
地域貢献を意識した防災備蓄
企業は個人では難しい大規模な備蓄が可能であり、災害時の地域支援において重要な役割を担えます。
従業員分に加えて、地域支援分の備蓄を確保することが理想的です。
災害時に企業が提供できる支援としては、食料や保存水の提供をはじめ、スマートフォンなどの充電を可能にする電源の貸し出し、トイレや休憩スペースの開放などが挙げられます。
また、救急用品や衛生用品の提供に加えて、情報収集・発信のための通信機器を貸し出すことも、地域住民にとって非常に有効な支援となります。
地域への支援は企業の社会的責任であると同時に、信頼関係の構築にもつながります。
平常時から地域との関係を築いておくことで、災害時の連携がスムーズになります。
自然災害発生時の地域連携体制
災害発生時のパニックを防ぐためには、事前の行動計画策定が不可欠です。
計画を策定し、従業員に周知しておくことで、混乱を最小限に抑えられます。
具体的に準備すべき事項としては、災害発生時の役割分担と指揮命令系統の明確化や、地域住民への情報提供方法の策定が重要です。
さらに、近隣企業や自治会との連絡体制をあらかじめ構築し、避難誘導や救助活動に協力できる体制を整えておくことで、有事の際も迅速に行動できるようになります。
大規模な事業所の場合は、避難所としての機能を提供することも検討すべきです。
自治体との事前協定を結んでおくことで、災害時の役割が明確になり、迅速な対応が可能になります。
また、定期的に地域と合同で防災訓練を実施することも効果的です。
顔の見える関係を構築しておくことが、いざというときの連携力につながります。
BCPと地域共助の連動
BCP(事業継続計画)とは、緊急事態時の被害を最小化し、早期に事業を復旧させるための計画です。
BCPの策定・運用は、自社の事業継続だけでなく、地域経済の維持にも貢献します。
BCPが地域共助にもたらす効果は以下のとおりです。
BCPの運用は、取引先への安定した供給を継続することで連鎖的な経済被害を防ぐだけでなく、従業員の雇用を守り地域の生活基盤を安定させる役割も果たします。
企業活動が継続されること自体が地域コミュニティへの間接的な支援となり、復興段階では地域経済を力強く牽引する原動力にもなります。
BCPの実行においては、以下の流れで対応を進めます。
- 従業員の安全確保
- 安否確認の実施と集計
- 被害状況の把握と初動対応
- 地域連携・共助対応への移行
- 事業復旧に向けた活動
事業継続そのものが社会貢献になるという認識を持ち、BCPと地域共助を連動させた体制を構築しましょう。
企業の存続と地域の復興は、切り離せない関係にあります。
自助・共助に取り組む企業の
事例紹介
自助・共助に積極的に取り組む企業の事例を知ることは、自社の防災対策を考えるうえで参考になります。
ここでは、特徴的な取り組みを行っている2社の事例を紹介します。
それぞれの企業がどのような考え方で、どのような活動を行っているのかを確認していきましょう。
自社の状況に合わせてアレンジできる要素を見つけていただければ幸いです。
カゴメ株式会社の被災地支援活動
カゴメ株式会社は、被災地の自立支援に重点を置いた共助活動を展開しています。
カゴメ株式会社の主な取り組みは以下のとおりです。
災害直後の緊急支援だけでなく、被災者が自立して生活を再建できるよう、長期にわたるサポートを行っています。
単なる物資提供にとどまらず、長期的な視点での支援を実践している点が特徴です。
企業の強みを活かした社会貢献の例といえるでしょう。
ダイキン工業株式会社の地域防災協定
ダイキン工業株式会社は、埼玉県草加市および周辺町会と地域防災協定を締結しています。
協定に基づく主な取り組みは以下のとおりです。
大規模な事業所を持つ企業ならではの支援内容であり、地域防災の中核的な存在となっています。
中小企業であっても、できる範囲で地域との連携体制を構築することは可能です。
災害時と平常時の両面から、地域の防災力向上に貢献しています。
災害時の支援
避難場所の提供、重機の貸し出し、ヘリコプター離着陸場所の提供
平常時の活動
地域防災訓練への協力、備蓄倉庫設置への支援
自治体との協定締結は、災害時の役割を明確にし、迅速な連携を可能にする効果的な手段です。
まずは地元の自治会や商工会との関係づくりから始めてみることをおすすめします。
まとめ
自助・共助・公助は、日本の防災対策を支える三本柱です。
自助は自分と家族を守る備え、共助は地域やコミュニティでの助け合い、公助は国や自治体による公的支援を指します。
大規模災害では公助だけでは対応しきれない状況が発生するため、自助・共助の重要性がますます高まっています。
企業は従業員を守る自助の取り組みに加え、地域を支える共助の担い手としての役割も期待されています。
自然災害を完全に防ぐことはできませんが、被害を最小限に抑えることは可能です。
企業防災は社会インフラの一部であるという認識を持ち、計画的な備えを進めていきましょう。
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平常時の備えから災害発生時の対応まで、一つのアプリで完結できる点が強みです。
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