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【BCPに欠かせない!】RTOとは?RPOとの違いや設定方法を解説

【BCPに欠かせない!】RTOとは?RPOとの違いや設定方法を解説

2026/02/18

防災

企業の事業継続計画(BCP)において、災害やシステム障害から業務を復旧させる際の目標時間を定めるRTOは、経営リスクを抑える重要な指標です。
しかし、RTOの設定方法や類似概念との違いについて十分理解している企業は多くありません。
本記事では、RTOの基本概念からRPO・RLOとの違い、具体的な設定手順、効果的な運用方法まで、防災担当者が知っておくべき知識を詳しく解説します。

RTOを適切に設定し運用することで、緊急事態発生時の迅速な対応と事業継続が可能になります。
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RTOの基本

RTO(Recovery Time Objective)は、BCPの核となる指標であり、企業の事業継続能力を左右する重要な要素です。
適切に設定されたRTOは、災害やシステム障害発生時の迅速な復旧を可能にし、事業損失を最小限に抑えます。
ここでは、RTOの基本概念から企業経営に与える影響まで詳しく解説します。

RTOとは

RTOは、災害やシステム障害が発生してから業務を正常な状態に復旧させるまでの目標時間を指します。
RTOは「いつまでに復旧させるべきか」という時間軸での目標値であり、事業継続計画における最も基本的な指標の一つです。

RTOの設定は業務の重要度や顧客への影響度によって決定され、通常は時間単位(数時間から数日)で表現されます。
例えば、基幹システムのRTOを12時間に設定した場合、障害発生から12時間以内にシステムを復旧させることを目標とします。
この目標時間は、業務の性質や企業の事業特性を十分考慮して決定する必要があります。

RTOの重要性と影響

RTOの適切な設定は、企業の競争力維持と信頼性確保において重要な役割を果たします。
短すぎるRTOは実現困難で混乱を招き、長すぎるRTOは顧客離れや収益損失を拡大させるリスクがあります。

特に顧客サービスや製造業では、RTOの設定によって顧客満足度や市場シェアに直接的な影響が生じます。
金融機関では数時間の停止でも社会的影響が大きく、製造業では生産ラインの停止が取引先全体に波及する可能性があります。
このため、業界特性や事業規模を考慮したRTO設定が不可欠です。

また、RTOは経営層の意思決定にも大きく関わります。
復旧に必要な投資額や人的リソースの配分は、設定されたRTOに基づいて決定され、企業の災害対応能力を左右します。

RTOと事業損失の関係

事業停止時間と損失額は密接な関係にあり、RTOの設定は直接的に企業の財務影響を決定します。
業務停止1時間当たりの損失額を把握することで、適切なRTO設定と復旧投資の判断が可能になります。

業務停止時間 想定損失額(例)
1時間 100万円
12時間 1,200万円
24時間 3,000万円
72時間 1億円

上記のような損失想定に基づき、復旧に要する費用と比較検討することで、最適なRTO設定が可能になります。
例えば、12時間復旧のための設備投資が500万円、24時間復旧なら200万円の場合、損失額との差額を考慮して適切な投資レベルを決定できます。
このような定量的な分析により、経営判断の根拠を明確化できます。

RTOとRPO・RLOの違い

BCP策定においてRTOと並んで重要な概念がRPO(Recovery Point Objective)とRLO(Recovery Level Objective)です。
これらの指標は相互に関連しながらも異なる側面を評価するため、正確な理解と使い分けが必要です。
ここでは、各指標の定義と実務における活用方法について詳しく説明します。

RTOとRPOの比較

RPO(Recovery Point Objective)は、災害発生時に許容できるデータ損失の時点を示す指標です。
RTOが「いつまでに復旧するか」の時間軸であるのに対し、RPOは「どの時点のデータまで復旧するか」という内容軸での目標値となります。

指標 定義
RTO 障害発生から業務復旧
までの目標時間
RPO 復旧時に許容する
データ損失の時点

例えば、午後2時にシステム障害が発生した場合を考えてみましょう。
RTOが12時間に設定されていれば、翌日午前2時までに復旧が必要です。
一方、RPOが4時間に設定されている場合、午前10時以降のデータは復旧対象となり、それ以前のデータ損失は許容範囲内となります。

実際のBCP運用では、RTOとRPOの両方を満たす復旧戦略が必要です。
短いRTOを設定しても、データのバックアップ間隔が長ければRPOを達成できません。
逆に、頻繁なバックアップでRPOを短縮しても、復旧手順が複雑でRTOに間に合わない場合もあります。

RTOとRLOの比較

RLO(Recovery Level Objective)は、RTO期間内に達成すべき業務復旧レベルを定義する指標です。
RTOが復旧の「時間」を、RLOが復旧の「品質・範囲」を規定し、両者は密接に連携します。

RLOは通常、正常時の業務能力に対する割合で表現されます。
例えば、RTO12時間でRLO80%の場合、12時間以内に通常業務の8割レベルまで復旧することを目標とします。
残り2割の業務については、その後の段階的復旧で対応することになります。

段階的復旧の考え方では、まず最重要業務から復旧を開始し、順次業務範囲を拡大していきます。
金融機関では、まず決済業務から復旧し、その後に融資業務や相談業務を再開するといった具合です。
このような段階的アプローチにより、限られたリソースで効率的な復旧が可能になります。

実務での使い分け

実際のBCP策定では、業務特性に応じてRTO、RPO、RLOを適切に組み合わせることが重要です。
基幹システムでは短いRTOとRPO、顧客対応業務では高いRLOを優先するなど、業務の重要度と性質を反映した設定が必要です。

製造業の事例では、生産管理システムのRTOを4時間、RPOを1時間、RLOを100%に設定する場合があります。
一方、総務システムではRTO24時間、RPO8時間、RLO70%といった緩やかな設定になることが一般的です。
このような業務別の使い分けにより、メリハリの利いた復旧戦略を構築できます。

また、外部要因も考慮した設定が重要です。
取引先との契約でサービスレベルが規定されている場合は、それに合わせたRTO設定が必要です。
法的要求事項や業界標準も設定基準として参考にし、総合的な判断を行います。

RTOの設定手順

RTOの適切な設定には、体系的なアプローチが重要です。
単純な時間設定ではなく、事業影響分析(BIA)とリスクアセスメントに基づく科学的な手法により、実効性のあるRTOを設定する必要があります。
ここでは、実際の企業で活用されている設定プロセスを段階的に解説します。

事業影響分析(BIA)におけるRTO判断

事業影響分析(BIA:Business Impact Analysis)は、RTOの設定において重要な基礎作業です。
BIAでは各業務の停止が企業に与える時系列的な影響を定量化し、許容可能な停止時間を客観的に判断します。

BIAの実施手順は、まず全業務の洗い出しから始まります。
営業、製造、経理、人事など、すべての業務プロセスを詳細にリストアップし、各業務の相互依存関係を明確化します。
次に、各業務が停止した場合の時間経過に伴う影響度を評価します。
停止1時間後、4時間後、24時間後、1週間後といった時点での損失額や影響範囲を具体的に算出します。

業務プロセス 許容停止時間
顧客受注システム 4時間
製造実行システム 8時間
経理システム 48時間
人事システム 1週間

BIAの結果をもとに、業務の重要度に応じたRTO設定が可能になります。
最重要業務については短いRTO、重要度の低い業務については長めのRTOを設定し、復旧リソースの効率的な配分を実現します。

リスクアセスメントとの連携

リスクアセスメントは、RTOの実現可能性を検証する重要なプロセスです。
想定される災害やシステム障害の種類・規模に応じて、RTOの達成難易度が大きく変動するため、リスク別の復旧シナリオを検討する必要があります。

自然災害、システム障害、サイバー攻撃、パンデミックなど、各リスクの特性を詳細に分析します。
例えば、地震による物理的被害の場合、建物や設備の損傷程度によって復旧時間が大きく異なります。
一方、サイバー攻撃によるデータ暗号化では、バックアップの状態や復号技術の可用性が復旧時間を左右します。

リスクアセスメントの結果に基づき、シナリオ別のRTO設定も検討します。
軽微な障害では短いRTO、広域災害では長めのRTOといった具合に、災害規模に応じた現実的な目標設定を行います。
この段階的なアプローチにより、あらゆる状況に対応できる柔軟なBCPを構築できます。

優先度と関係者合意

RTOの設定には、経営層、現場部門、IT部門、主要取引先など、多様なステークホルダーとの合意形成が不可欠です。
各部門の要求と制約を調整し、全社的に実行可能なRTOの合意を得ることが、BCP成功の鍵となります。

合意形成のプロセスでは、まず各部門からRTOに関する要求と制約を収集します。
営業部門は顧客サービスの継続を重視し、IT部門は技術的制約を、経営層はコスト対効果を重視する傾向があります。
これらの異なる視点を統合し、バランスの取れたRTO設定を行います。

外部ステークホルダーとの調整も重要です。
主要取引先との契約でサービスレベルが規定されている場合、その要求に応えるRTO設定が必要です。
また、業界標準や監督官庁のガイドラインも参考にし、社会的要求に適合したRTOを設定します。
定期的な見直し会議を設定し、継続的な合意維持を図ります。

コストと実現可能性評価

RTOの実現には相応の投資が必要であり、コストと効果のバランスを慎重に評価する必要があります。
短いRTOほど高い投資が必要となるため、事業損失とのコスト比較により最適な投資レベルを決定します。

復旧に必要なコストには、代替設備の構築費、要員の確保費、復旧作業費、訓練費用などが含まれます。
例えば、システムのRTOを12時間から4時間に短縮する場合、冗長化設備への追加投資が必要になります。
この投資額と、8時間の時間短縮による損失軽減額を比較し、投資対効果を評価します。

技術的実現可能性の検証も重要です。
設定したRTOが現在の技術水準や組織能力で達成可能かを客観的に評価します。
必要に応じて段階的な能力向上計画を策定し、長期的視点でRTOの改善を図ります。
外部業者の活用や新技術の導入も検討し、最適な復旧戦略を構築します。

RTOの運用

RTOの設定後は、継続的な運用により実効性を維持・向上させることが重要です。
復旧計画の具体化、定期的な訓練の実施、適切な見直しサイクルの確立により、設定されたRTOを確実に達成できる体制を構築します。
ここでは、効果的なRTO運用のポイントを詳しく解説します。

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復旧計画の整備

RTOを達成するためには、詳細な復旧計画(リカバリープラン)の策定が重要です。
復旧計画は具体的な作業手順、必要リソース、責任者の役割分担を明確に規定し、緊急時に迷いなく実行できる内容である必要があります。

復旧計画の構成要素には、初動対応手順、被害状況の確認方法、復旧作業の優先順位、必要な人員・設備・資材の調達方法、外部業者との連携手順などが含まれます。
各作業項目には所要時間を設定し、全体のタイムラインがRTOに適合することを確認します。

復旧計画は業務別・システム別に詳細化し、相互依存関係を考慮した実行順序を設定します。
例えば、通信システムの復旧が完了してから業務システムの復旧を開始するといった具合です。
また、復旧作業中の進捗管理方法や意思決定プロセスも明確に定義し、統制の取れた復旧作業を可能にします。

訓練とドリルの実施

復旧計画の実効性は定期的な訓練により検証・改善する必要があります。
机上訓練から実地演習まで段階的な訓練プログラムにより、RTOの達成能力を継続的に向上させることが重要です。

机上訓練では、想定シナリオに基づいて復旧手順を確認し、計画の妥当性を検証します。
参加者全員で復旧プロセスを詳細に検討し、問題点や改善点を抽出します。
実地演習では、実際の設備やシステムを使用して復旧作業を実施し、所要時間や作業効率を測定します。

訓練種類 実施頻度
机上訓練 四半期ごと
部分演習 半年ごと
総合演習 年1回

訓練結果は詳細に記録し、RTOの達成状況を定量的に評価します。
目標時間を超過した場合は原因を分析し、復旧計画の見直しや追加訓練を実施します。
また、新入社員や配置転換者に対する教育訓練も継続的に実施し、組織全体の対応能力を維持します。

定期見直しと改善

RTOは固定的な目標値ではなく、事業環境の変化に応じて継続的に見直す必要があります。
業務内容の変更、システムの更新、組織改編などの変化要因を定期的に評価し、RTOの適切性を検証することが重要です。

見直しプロセスでは、まず現行RTOの達成状況を評価します。
過去の訓練結果や実際の障害対応実績を分析し、設定値の妥当性を検証します。
次に、事業環境の変化要因を整理し、RTOへの影響を評価します。
顧客要求の変化、競合状況、技術進歩、法的要求事項の変更などを総合的に検討します。

見直し結果に基づき、必要に応じてRTOの調整を行います。
短縮が必要な場合は追加投資を、延長が可能な場合はコスト削減を検討します。
改訂されたRTOは関係者に周知し、復旧計画や訓練プログラムも併せて更新します。
このような継続的改善により、常に最適なRTOを維持できます。

まとめ

RTOは企業のBCPにおいて極めて重要な指標であり、適切な設定と運用により事業継続能力を向上させることができます。
RTOの概念理解から始まり、RPOやRLOとの違いを明確にし、BIAとリスクアセスメントに基づく科学的な設定手順を経て、継続的な運用改善を図ることが成功の鍵となります。

特に重要なポイントは、RTOが単なる時間目標ではなく、事業損失の最小化と企業存続のための戦略的指標である点です。
関係者との合意形成、コスト対効果の評価、定期的な訓練と見直しを通じて、実効性の高いRTO運用を実現することで、企業の危機対応能力を向上させることができます。

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