緊急地震速報の誤報はなぜ起きる?原因と届いたときの正しい対処法
2026-02-17
緊急地震速報が届いたのに揺れが来なかった、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
緊急地震速報は、大きな揺れが到達する前に警告を発するシステムですが、その仕組み上、誤報が発生することがあります。
実際に気象庁のデータによると、緊急地震速報の正確性は約80%とされており、5回に1回は予測と実際の揺れに差が生じる可能性があります。
しかし、誤報を理由に行動を遅らせることは、人命や事業継続のリスクにつながる可能性があります。
本記事では、緊急地震速報の誤報が発生する原因を技術的な観点から解説し、誤報を受信した際の正しい対処法について詳しくご紹介します。
企業の防災担当者や総務担当者の方々が、従業員の安全を守りながら事業継続を実現するためのヒントとしてお役立てください。
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地震速報の誤報とは
地震速報の誤報について正しく理解するためには、まず緊急地震速報の仕組みと特性を把握する必要があります。
誤報は単なるシステムエラーではなく、速報性を優先した設計に起因する構造的な課題です。
ここでは、緊急地震速報の基本的な仕組みから、誤報の定義、精度の限界、そして実際に起きた誤報事例までを詳しく解説します。
これらの知識を身につけることで、速報を受信した際に適切な判断ができるようになります。
緊急地震速報と通常の地震情報の違い
緊急地震速報は、地震の発生直後に大きな揺れが到達する前に警告を発するシステムです。
これに対して、通常の地震情報は地震発生後に観測データを詳細に分析してから発表されるため、より正確な情報を提供できます。
緊急地震速報の最大の特徴は、地震波のうち速度が速いP波(初期微動)を検知して、遅れて到達するS波(主要動)の到達時刻と震度を予測する点にあります。
このため、発表から揺れの到達までわずか数秒から数十秒しかありません。
速報性を最優先するため、限られた観測データをもとに自動計算が行われます。
通常の地震情報のように複数の観測点からのデータを十分に収集してから発表することができないため、予測精度には一定の限界が生じます。
誤報の定義
緊急地震速報における誤報とは、発表された予測震度と実際に観測された震度に大きな差があった場合を指します。
具体的には、震度5弱以上の揺れを予測して速報を発表したにもかかわらず、実際には震度3以下の揺れしか観測されなかったケースなどが該当します。
誤報には大きく分けて2つのパターンがあります。
1つは予測震度が実際よりも大きかった「過大評価」、もう1つは予測震度が実際よりも小さかった「過小評価」です。
一般的に誤報として問題視されるのは過大評価のケースですが、過小評価のほうが人命に関わるリスクが高いといえます。
大きな揺れが来るのに警報が出なければ、避難行動が遅れて被害が拡大する可能性があるためです。
速報の精度と限界
気象庁の発表によると、緊急地震速報の予測精度は約80%とされています。
これは、5回の発表のうち1回は予測と実際の震度に大きな差が生じる可能性があることを意味します。
震度予測には±1階級程度の誤差が生じることが一般的です。
たとえば、震度5弱と予測された地域で実際には震度4や震度5強が観測されることは、誤差の範囲内として許容されています。
この精度の限界は、緊急地震速報のシステム設計に起因するものです。
正確性よりも速さを優先しているため、完全に誤報をゼロにすることは技術的に困難です。
過去の誤報事例から学ぶポイント
2020年7月30日には、緊急地震速報の誤報として広く報道される事例が発生しました。
千葉県房総半島南方沖を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生したと発表されましたが、実際には震度1以上の揺れは観測されませんでした。
この誤報の原因は、伊豆諸島・鳥島近海で発生したマグニチュード5.8の地震を、約450km離れた場所で発生した大地震と誤認したことでした。
震源位置の誤認と規模の過大評価が重なり、実態と異なる速報が発表されました。
この事例から学べるのは、誤報は例外的な出来事ではなく、システムの特性上発生しうるものだということです。
企業としては、誤報の可能性を前提とした防災体制を構築することが重要です。
地震で誤報が起きる主な原因
緊急地震速報の誤報は、さまざまな技術的要因が複合的に作用して発生します。
これらの原因を理解することで、誤報を受信した際に冷静な判断ができるようになります。
ここでは、観測データの不足からシステムトラブルまで、誤報が発生する主な原因を5つの観点から詳しく解説します。
技術的な背景を知ることで、速報の信頼性を適切に評価できるようになります。
観測データ不足とアルゴリズムの誤差
緊急地震速報の誤報が発生する主な原因は、地震発生直後の観測データが限られていることです。
速報を発表する時点では、わずか1つまたは2つの観測点のデータしか利用できないことがあります。
限られたデータから震源の位置、地震の規模、各地の予想震度を瞬時に計算する必要があるため、予測アルゴリズムには本質的な誤差が含まれます。
特に震源が深い地震や、観測点から離れた場所で発生した地震では、予測精度が低下する傾向があります。
アルゴリズムの改良は継続的に行われていますが、速報性を維持しながら精度を向上させることには技術的な限界があります。
このトレードオフは、現在の技術では完全に解消することが困難な課題です。
観測網の配置とセンサー間距離の影響
地震計の配置密度は地域によって異なり、観測網がまばらな地域では誤報が発生しやすくなります。
日本全国に約1,000か所以上の地震計が設置されていますが、海域や山間部などでは観測点が少ない傾向があります。
センサー間の距離が長いと、地震波の到達時刻差を正確に測定することが難しくなります。
その結果、震源位置の特定精度が低下し、予測震度にも誤差が生じやすくなります。
特に海域で発生する地震は、陸上の観測点だけでは正確な位置特定が困難です。
海底地震計の整備が進められていますが、データ通信の遅延など技術的な課題も残されています。
複数震源や波形の重なりによる誤判定
ほぼ同時刻に複数の地震が発生した場合、それぞれの地震波が重なり合って誤判定が起きることがあります。
システムは複数の波形を1つの大きな地震として認識してしまい、実際よりも大きな規模の地震と判断することがあります。
また、1つの地震であっても、断層の破壊が複数の段階で進行する場合には、複数の震源があるように見えることがあります。
このような複雑な地震では、システムが正確な予測を行うことが困難です。
大地震の余震が続いている時期には、本震と余震の波形が重なり、誤報が発生しやすくなります。
東日本大震災の直後には、このような重複検知による誤報が複数回発生しました。
人工振動やノイズの誤検知の仕組み
地震計は非常に敏感なセンサーであるため、地震以外の振動をノイズとして検知してしまうことがあります。
落雷、工事現場の振動、大型車両の通過などが、地震波と誤認される原因となることがあります。
特に落雷は、地震のP波に似た波形を生成することがあり、システムが地震と誤判断するケースが報告されています。
気象庁ではノイズを識別するためのフィルタリング技術を導入していますが、完全な排除は困難です。
地震計の設置環境によっても、ノイズの影響は異なります。
都市部では人工的な振動が多く、誤検知のリスクが比較的高くなる傾向があります。
システム誤作動や通信配信のトラブル
緊急地震速報の配信システムそのものに障害が発生し、誤報につながるケースもあります。
観測データの処理システム、情報の伝送経路、配信サーバーなど、複数のシステムが連携して動作しているため、いずれかに問題が生じると誤報の原因となります。
通信回線の遅延や混線により、古いデータと新しいデータが混同されることもあります。
このような場合、実際には揺れが収まった後に速報が届いたり、誤った情報が配信されたりする可能性があります。
システムの冗長化やバックアップ体制の強化が進められていますが、完全な障害防止は困難です。
受信側でも、複数の情報源を確認する習慣をつけることが重要です。
地震発生時には迅速な情報収集と従業員への伝達が不可欠です。
誤報の可能性を考慮しながらも、確実に情報を届ける仕組みを整えておくことが企業の防災対策として重要になります。
誤報のリスクを理解した上で、いざという時に迅速な初動対応を行うためには、信頼できるツールの活用が不可欠です。
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地震情報が誤報なのかの判断
緊急地震速報を受信した際、それが誤報であるかどうかは即座に判断できません。
そのため、まずは速報を信じて身を守る行動をとり、その後に情報の正確性を確認することが基本です。
ここでは、速報を受信した際の正しい行動手順から、情報の確認方法、誤報を踏まえた事後対応までを詳しく解説します。
企業として従業員を守り、事業継続を実現するための具体的な対策をご紹介します。
身の安全を優先した行動
緊急地震速報を受信したら、誤報かどうかを判断する前に、まず身を守る行動をとることが大切です。
速報から揺れの到達までわずか数秒しかないため、判断に迷っている時間はありません。
具体的には、デスクの下に隠れる、頭を保護する、落下物や転倒物から離れるなどの行動を即座にとります。
作業中であれば、火気の使用を中止し、機械の操作を停止するなど、二次被害を防ぐ措置も必要です。
企業としては、「速報を受けたら必ず行動する」というルールを明文化し、全従業員に周知することが大切です。
誤報だった場合でも行動したことを責めるのではなく、適切な対応として評価する文化を醸成しましょう。
情報の信頼性を見極める確認手順
揺れが収まった後、または揺れが来なかった場合は、複数の情報源で速報の正確性を確認します。
気象庁のウェブサイト、テレビやラジオのニュース、公式な防災アプリなど、信頼性の高い情報源を優先的に確認しましょう。
確認すべきポイントは、震源地、マグニチュード、各地の震度、津波の有無などです。
速報と実際の観測値に大きな差がある場合は、気象庁から訂正情報が発表されることがあります。
情報確認の手順をあらかじめ定めておき、担当者を決めておくことで、混乱を防ぐことができます。
確認した情報は速やかに全従業員に共有し、次の行動につなげることが大切です。
ソーシャルメディアの情報の扱い方と注意点
災害時にはソーシャルメディアで多くの情報が拡散されますが、その中には誤情報やデマも含まれることがあります。
特に速報直後は、不確かな情報が急速に広まりやすいため、注意が必要です。
ソーシャルメディアの情報を確認する際は、発信元が公式機関や報道機関であるかを確認します。
個人の投稿は、現地の状況を知る手がかりにはなりますが、正確性の担保がないため、参考程度にとどめましょう。
企業としては、災害時に参照すべき公式アカウントのリストを事前に作成しておくことが有効です。
気象庁、内閣府防災、各自治体の公式アカウントなどをフォローしておくと、迅速な情報収集が可能になります。
緊急速報の受信設定と誤受信対策
スマートフォンや携帯電話の緊急速報メール設定を確認し、確実に速報を受信できる状態にしておくことが重要です。
一方で、必要以上に頻繁な通知が業務の妨げになる場合は、適切な設定調整も検討します。
気象庁が発表する緊急地震速報には、一般向け(震度4以上で発表)と高度利用者向け(震度3以上で発表)の2種類があります。
企業の防災システムでどちらを利用するかは、業務内容や立地条件に応じて検討する必要があります。
複数の受信手段を確保しておくことも重要です。
携帯電話のエリアメール、専用の防災無線、インターネット経由の配信サービスなど、異なる経路で情報を受信できる体制を整えましょう。
誤報後の状況確認と備えの見直し
誤報であることが判明した後も、そのまま通常業務に戻るのではなく、防災体制の見直しに活用することが重要です。
誤報は、いわば予告なしの避難訓練のようなものであり、実際の対応を振り返る貴重な機会となります。
確認すべきポイントとしては、速報を受けて全員が適切な行動をとれたか、情報伝達は円滑に行われたか、避難経路に問題はなかったかなどがあります。
課題が見つかった場合は、防災マニュアルの改訂や追加の訓練実施を検討しましょう。
また、オフィス内の家具固定や備蓄品の状況も併せて確認することをお勧めします。
東京都防災ホームページなどで公開されている家具固定のガイドラインを参考に、キャビネットや書棚が適切に固定されているか点検しましょう。
家具の固定方法としては、金具で床・壁・鉄骨に固定する、上下分離型家具は連結する、扉や引き出しの飛び出し防止措置を講じるなどが挙げられます。
また、ガラスの飛散防止フィルムの貼付、避難経路を塞がない配置、重心を低くする工夫なども効果的です。
避難経路については、机上での確認だけでなく、実際に歩いて確認することが大切です。
廊下や階段に荷物が置かれていないか、屋外にブロック塀や看板などの危険物がないかなど、定期的にチェックしましょう。
まとめ
緊急地震速報は、速報性を最優先する仕組みのため、約80%の正確性であり、誤報が発生する可能性があります。
しかし、誤報の可能性があるからといって行動を躊躇することは、人命と事業継続の両面でリスクとなる可能性があります。
誤報が発生する原因には、観測データの不足、観測網の配置の問題、複数地震波の重なり、人工ノイズの誤検知、システムトラブルなど、さまざまな技術的要因があります。
これらを理解したうえで、「速報を受けたら必ず行動する」という原則を組織全体で共有することが重要です。
企業の防災担当者には、誤報を前提とした行動設計、従業員への教育・周知、オフィス設備の安全対策、そして迅速な安否確認システムの導入が求められます。
これらの取り組みを通じて、従業員の安全を守りながら事業継続を実現することができます。
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