工事写真台帳とは?作成方法や選び方からおすすめアプリまで徹底解説

工事写真台帳とは?作成方法や選び方からおすすめアプリまで徹底解説

2025/04/07

建築

工事写真台帳は、建設工事の品質と進捗を記録する重要な書類です。

しかし「効率的な作成方法がわからない」「どのツールを選べばよいか迷う」「作成に時間がかかりすぎる」といった悩みを抱える現場担当者は少なくありません。

本記事では、工事写真台帳の基礎知識から具体的な作成手順、さらにはExcel・専用ソフト・アプリなど、さまざまな作成方法を詳しく解説します。

効率的な工事写真台帳の作成方法を探している方は、ぜひ参考にしてください。

工事写真台帳とは

「工事写真台帳」とは、工事現場で撮影した写真をまとめた台帳です。
工事の品質管理や進捗報告、工事の記録を保存するために利用されています。

建設工事では、施工後に見えなくなる部分が多く存在します。
また、工事の品質や進捗を証明する必要があるため、写真による記録が不可欠です。

特に公共工事では、工事代金の支払いにも関わる重要書類として、工事写真台帳の提出が義務付けられています。

工事写真台帳には、以下のような写真を含める必要があります。

  • 着工前の現場状況
  • 工事の進捗状況
  • 資材の搬入状況
  • 施工中の作業状況
  • 完工後に隠れてしまう部分
  • 安全対策の実施状況
  • 竣工時の完成状況

工事写真台帳は、単なる写真集ではありません。
工事の品質証明や進捗管理、そしてトラブル発生時の証拠資料として重要な役割を果たすために必要です。

そのため、計画的な撮影と適切な管理が欠かせません。

工事写真台帳の
基本的な作り方

工事写真台帳の重要性は理解できても、実際の作成方法がわからず悩む方は多いでしょう。

工事写真台帳は、基本的には以下の流れで作成します。

それぞれ確認していきましょう。

写真の用意

工事写真台帳の作成で大切なのが、適切な写真の準備です。
特に公共工事では、国土交通省の「写真管理基準」に従う必要があります。

工事写真は、施工状況を正確に記録し、品質を証明する役割があります。
国土交通省の基準では、撮影方法から写真の整理方法まで、詳細な規定が設けられているため、これに沿った写真を用意しましょう。

基準に基づく撮影時の主なポイントは、以下のとおりです。

  • 黒板を使用し、工事名や撮影日時、施工内容を明記する
  • 工事の全体像と詳細部分の両方を撮影する
  • 寸法や位置関係がわかるようスケールを入れる
  • 撮影方向や位置を一定に保つ

これらの基準や基本ルールを守ることで、後の台帳作成作業がスムーズになります。
また、発注者からの指摘を受けることなく、確実な工事記録を残すことができるでしょう。

表紙作成

工事写真台帳の表紙には、工事を特定するための重要な情報を正確に記載する必要があります。

表紙は工事写真台帳の基本情報を示すページであり、工事の概要を把握するための重要な役割を果たします。
記載に不備があると、工事内容の確認や証明に支障をきたす可能性があるため注意が必要です。

表紙に記載が必要な項目は、以下のとおりです。

  • 工事名
  • 工事箇所
  • 工期
  • 工事責任者

これらの情報は、工事請負契約書の記載内容と完全に一致させる必要があります。

表紙作成時は、これらの必須項目に漏れがないよう、チェックリストとして活用すると良いでしょう。
記載内容は工事関係者で確認し、正確性を期すようにしてください。

編集

工事写真台帳は、決められた分類に従って写真を整理し、アルバム形式で作成します。
確認する人が見やすいよう、写真の配置と順序には特に注意が必要です。

工事写真の分類と配置には明確な基準があり「写真管理基準」に従って整理すれば、工事の流れや品質管理状況を効果的に示すことができます。

写真は以下の順序で分類・整理すると良いでしょう。

着手前及び完成写真
  • 着工前・完成後の比較ができるように配置
  • 全景写真と部分写真を含める
施工状況写真 工事の流れを示す写真を施工箇所ごとに配置
安全管理写真
  • 保安施設の状況
  • 安全施策の実施状況
使用材料写真
  • 施工箇所ごとの使用材料
  • 材料の施工時の状況
品質管理写真
  • 測定作業の実施状況
  • 試験実施状況
出来形管理写真
  • 全景写真
  • 計測値が判別できる写真
その他
  • 災害写真(該当する場合)
  • 事故写真(該当する場合)
  • その他(公害、環境、補償等)

この分類に従って写真を整理すれば、工事の全体像から細部まで、効率的に確認できる台帳を作成できるでしょう。
各項目の写真は施工箇所や時系列で整理し、見やすさを重視した配置を心がけます。

補足情報を追加

工事写真台帳の写真には、必要に応じて補足情報を追加します。
特に工程写真では、施工箇所や工程の順序が明確に分かるよう、適切な情報を記載しなければなりません。

写真だけでは施工内容や場所が分かりにくい場合があります。
また、黒板の文字が判読できない場合や黒板そのものが写っていない写真には、補足情報の追加が不可欠です。

補足情報の追加が必要なケースと具体的な記載内容には、以下のようなものが挙げられます。

黒板が写っていない写真
  • 撮影日時
  • 施工箇所
  • 施工内容
  • 工程名
黒板の文字が判読できない写真
  • 黒板の情報を余白に転記
  • 必要に応じて施工内容の補足説明
工程写真の場合
  • 施工箇所の明記
  • 工程順序の記載
  • 特記事項の追加

ただし、黒板がはっきりと写っており、文字も明確に判読できる写真には、補足情報を追加する必要はありません。
必要な場合にのみ、的確な情報を追加し、見やすく分かりやすい台帳を作成しましょう。

工事写真台帳の
作成方法を比較

工事写真台帳の作成方法には、Excel(エクセル)、専用ソフト、アプリの3つの方法があります。
それぞれに特徴があり、予算や必要な機能によって最適な選択肢が変わってきます。

メリット デメリット
Excel(エクセル)
  • 初期費用が不要
  • 自由なレイアウトが可能
  • 既存ファイルの修正が簡単
  • 写真の配置に手間がかかる
  • データ容量が大きくなりやすい
  • 複数人での共有・編集が難しい
専用ソフト
  • 効率的な写真管理が可能
  • テンプレート機能で作業が簡単
  • 高度な編集機能を搭
  • 導入費用が高額
  • 操作方法の習得が必要
  • PCへのインストールが必要
アプリ
  • 現場での写真撮影から台帳作成まで一元管理
  • クラウドでの共有が簡単
  • スマホで手軽に操作
  • 月額料金が必要
  • インターネット環境が必須
  • カスタマイズ性に制限あり
スクロールできます

それでは、各作成方法の特徴と活用方法について、詳しく見ていきましょう。

Excel(エクセル)

Excelを使用した工事写真台帳の作成は、基本的な表作成スキルがあれば誰でも取り組むことができます。
必要なのは表紙と写真を配置する台紙の2種類のシートだけです。

初期費用をかけずに工事写真台帳を作成できることが、Excelでの作成の最大のメリットです。また、一度テンプレートを作成すれば、それを繰り返し使用できるため、長期的な運用も可能です。

Excelでの主な作成手順は、以下のとおりです。

表紙シートの作成 工事名、工事箇所、工期、工事責任者などの情報を入力
台紙シートの作成
  • 写真の配置スペースを設定
  • 補足情報記入欄の追加

Excelでの工事写真台帳作成は、以下のような方に特におすすめです。

  • 自社の要件に合わせたテンプレートを作成したい方
  • 導入コストを抑えたい方
  • 社内にExcelの基本操作ができる担当者がいる方

シンプルな作りで自由度が高いExcelは、小規模な工事案件や定期的な工事写真台帳の作成に適した選択肢です。

専用ソフト

専用ソフトを使用すれば、効率的に見やすい工事写真台帳を作成できます。
写真管理機能や編集機能が充実しており、クオリティの高い台帳作成が可能です。

工事写真台帳専用ソフトには、写真の整理からレイアウト作成まで、必要な機能が標準で搭載されています。
手作業での編集作業が削減でき、作業効率が向上するでしょう。

専用ソフトの主な機能には、以下のようなものが挙げられます。

  • ツリー形式での写真管理
  • 黒板の後付け機能
  • テンプレートを使用した台帳作成
  • 写真の一括取り込み

専用ソフトは、以下のような方に特におすすめです。

  • 見やすくクオリティの高い工事写真台帳を作成したい方
  • 工事写真台帳の作成を効率化したい方

定期的に工事写真台帳を作成する必要がある場合、専用ソフトの導入は作業時間の短縮と品質向上につながるでしょう。

アプリ

スマートフォンやタブレットを活用した工事写真台帳アプリは、現場での撮影から台帳作成、出力まで一括で管理し、写真管理を行うための手段です。

従来の方法では、現場で撮影した写真を持ち帰って整理し、PCで台帳を作成する必要がありました。
アプリを利用すれば、一連の作業を現場で完結できます。

工事写真台帳アプリの主な特徴には、以下のようなものが挙げられます。

  • 撮影から台帳作成までをスマートフォンで完結
  • クラウドでのデータ共有が可能
  • PCとの連携で編集作業が効率化
  • 電子小黒板機能を標準搭載

多くのアプリが月額課金制を採用していますが、無料プランを用意しているものも多く、実際の使用感を試すことができます。

工事写真台帳アプリは、以下のような方に特におすすめです。

  • 現場での撮影から台帳作成まで一括管理したい方
  • 作業の効率化を図りたい方
  • クオリティの高い工事写真台帳を作成したい方

スマホやタブレットの普及により、アプリを活用した工事写真台帳の作成は、今後さらに普及していくでしょう。

工事写真台帳の
おすすめアプリ5選

工事写真台帳の作成を効率化するアプリは、数多く存在します。
しかし、機能や料金体系、使いやすさは、それぞれのアプリによって大きく異なります。
ここでは、工事写真の撮影から台帳作成までをサポートしてくれるアプリを5つ紹介します。

PRODOUGU(プロドウグ)|図面管理から写真台帳作成までトータルサポート

PRODOUGUは、PCとモバイル端末をクラウドで連携し、建設現場の業務を一元管理できる総合的な施工管理アプリです。図面管理から写真撮影、台帳作成まで、現場で必要な作業をタブレット1台で完結できます。
さらに、PRODOUGUのオプションプラン「アルバムPRO」を追加で導入することで、Excelだと手間がかかる写真と写真情報の並び替えや入れ替え、写真の追加などがドラッグのみのかんたん操作で可能になり、思い通りにアルバムを編集できます。
施工管理の写真帳をクラウドで管理することで、写真整理の効率や検索性の向上、業務の属人化防止にもつながります。

PRODOUGUの主な内容は、以下のとおりです。

運営会社 株式会社建設システム
主な機能
  • CAD図面取込み(dwg/dxf/jww対応)
  • 工事写真レイヤ化
  • 電子小黒板
  • 写真の自動振分け
  • アルバム出力
独自機能
  • SVG形式での写真管理
  • 断面図自動切出し
  • 複数ページPDF対応
  • CADデータ直接取込み
特長
  • クラウドによるシームレスな情報共有
  • 図面の高精度な計測機能
  • 撮影箇所ごとの黒板管理
  • 安全なデータ保管システム
料金プラン
  • 基本料金:66,000円(税込)/年
  • モバイルアプリ:39,600円(税込)/年/1ライセンス
  • 初期費用:33,000円(税込)
  • [オプション]アルバムPRO:39,600円(税込)/年

現場の生産性向上につながる高機能な総合施工管理ツールとして、多くの建設現場で活用されています。

PRODOUGU公式サイト

ミライ工事|写真整理に特化した現場向けアプリ

ミライ工事は、工事現場での写真撮影から台帳作成まで、オフラインでも全ての操作が可能な工事写真管理アプリです。

最短1~2日で利用を開始でき、クラウドを活用した現場写真の一元管理を実現してくれるでしょう。
特に工程管理と写真整理の連携が優れており、現場の効率化につながります。

ミライ工事の主な内容は、以下のとおりです。

運営会社 株式会社ミライ工事
主な機能
  • 写真台帳作成
  • 電子小黒板機能
  • データ共有
  • トーク機能
  • 工程別写真管理
特長
  • オフライン環境でも使用可能
  • 工程入力で原価確認が可能
  • クラウドによる外出先での管理
  • 製品の一括管理機能
料金プラン
  • フリープラン:無料
  • ベーシック:900円/月(税抜)
  • プロフェッショナル:1,980円/月(税抜)
  • 法人契約:2,500円/月/人(税抜)~

初期費用が不要で、無料プランも用意されているため、まずは試用してから本格導入を検討すると良いでしょう。

ミライ工事公式サイト

蔵衛門カメラ|電子小黒板対応の工事写真撮影アプリ

蔵衛門カメラは、工事写真台帳の作成・管理に特化したクラウド対応のデジタル工事写真管理ソフトウェアです。

直感的なインターフェースと、AIを活用した写真の自動振り分け機能が特徴で、効率的な写真管理を実現してくれるでしょう。

蔵衛門カメラの主な内容は、以下のとおりです。

運営会社 株式会社ルクレ
主な機能
  • 工事写真台帳作成
  • 電子小黒板機能
  • 手めくりアルバム機能
  • AIによる写真自動振り分け
  • 工種・撮影場所別の台帳自動生成
特長
  • 直感的な操作性
  • 本棚機能による台帳管理
  • クラウド連携
  • IT導入補助金対応(2024年)
料金プラン
  • 初期費用:無料
  • ライセンスパック:900円/月(税抜)~
  • ※契約数により変動

体験版も用意されており、システムの使い勝手を確認してから導入を検討できます。
また、IT導入補助金の対象となっているため、導入時のコスト負担を抑えることが可能です。

蔵衛門カメラ公式サイト

ANDPAD|工事進捗管理から写真管理までオールインワン

ANDPADは、建設プロジェクトの管理を一元化できるクラウド型サービスです。工程表、写真、図面などをクラウドで統合管理し、場所を問わず最新情報の確認が可能です。

ANDPADの主な内容は、以下のとおりです。

運営会社 株式会社アンドパッド
主な機能
  • 工事写真台帳作成
  • 工程表管理
  • 図面管理
  • 電子黒板連携
  • 写真・図面の加工機能
特長
  • ワンタッチでの台帳作成
  • 豊富な図面加工ツール
  • スタンプ機能(マルバツ、四角など)
  • クラウドでの情報共有
料金プラン 要問い合わせ

写真管理に特化したツールではなく、建設プロジェクト全体の管理ツールとして活用できるため、現場の効率化から経営改善まで幅広いニーズに対応可能です。

ANDPAD公式サイト

Photoruction|AI搭載の工事写真整理アプリ

Photoructionは、建設・土木業界向けに開発された業務効率化サービスで、約300,000件以上の建築プロジェクトでの導入実績を持ちます。

AIを活用した写真の自動整理機能により、現場での作業時間を削減できます。

Photoructionの主な内容は、以下のとおりです。

運営会社 株式会社フォトラクション
主な機能
  • 工事写真管理
  • 電子小黒板
  • 図面管理
  • 工程表作成
  • BIM連携
特長
  • 作業時間月20時間削減
  • 報告作業99%削減
  • スマホに最適化された操作性
  • 大規模~小規模まで対応
料金プラン
  • 初期費用:無料
  • 月額:利用者数に応じて変動
  • ※カスタマイズ時は別途費用

ITに不慣れな方でも直感的に操作できる設計となっており、現場での写真撮影から台帳作成まで、スマートフォンやタブレットで完結できます。

Photoruction公式サイト

まとめ

工事写真台帳は工事の品質管理や進捗報告に欠かせない重要書類です。

作成方法は、Excelを使用した手作り台帳から、専用ソフト、アプリなど、さまざまな選択肢があります。

小規模な工事では、コストを抑えられるExcelでの作成も有効な手段です。
一方、定期的に工事写真台帳を作成する必要がある場合は、専用ソフトやアプリの導入を検討する価値があるでしょう。

特に近年は、現場での撮影から台帳作成までをワンストップで完結できるアプリが充実しており、業務効率の大幅な改善が期待できます。

アプリ選びでは、自社の規模や業務内容、必要な機能、予算などを総合的に検討する必要があります。

まずは無料プランや体験版を活用して実際の使用感を確認し、自社に最適なツールを選択してください。

適切なツールの選択により、工事写真の管理と台帳作成の効率化を実現できるでしょう。

効率的に建設現場の業務を一元管理したい方には、 PRODOUGUがおすすめです。
PRODOUGUは、図面管理・工事写真の撮影、アルバム出力まで現場で必要な作業をタブレット1台で行うことができます。

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