
建設DXが進まない原因と対策|おすすめツール3選も解説
2025/04/07
建設業界のデジタル化は、他業界と比べて遅れをとっているといわれています。
国の施策でDX推進が求められる一方で、多くの建設会社で導入できていないのが現状です。
特に中小規模の建設会社では「人材が足りない」「コストが心配」「どこから始めれば良いかわからない」という声もあり、建設DXが進まない要因となっています。
しかし、建設DXは決して難しいものではありません。
適切なツールを選び、段階的に進めることで、業務効率化や人手不足の解消、生産性の向上を実現できるでしょう。
本記事では、建設DXが進まない原因を解説するとともに、現場で効果を発揮している具体的な対策とおすすめツールをご紹介します。
建設DXに興味はあるものの、なかなか導入に踏み切れない方は、ぜひ参考にしてください。
建設業界で
DXが進まない3つの原因
建設業界のDX化は、他業種と比べて大きく遅れをとっていると指摘されています。
業界全体でデジタル化の必要性は認識されているものの、多くの建設会社でDX推進が思うように進んでいないのが現状です。
主な原因として、以下の3つが挙げられます。
それぞれ詳しく説明します。
人材不足や高齢化
建設業界では、高齢化と若手不足が深刻な問題となっています。
建設業の就業者を年齢別で見ると、60歳以上が約26%を占める一方で、29歳以下は約12%にとどまっているのが現状です。
参照:国土交通省「建築BIMの意義と取組状況について」
たとえば、他の業界では当たり前になっているリモートワークやデジタルツールの活用が、建設業界では進んでいません。
建設現場では今でも対面での作業が基本で、紙の書類も多く使われています。
これでは若い世代が求める働き方とかけ離れてしまうでしょう。
さらに建設業の労働時間は、全産業平均と比べて14%も長くなっています。
工期を守るための残業や休日出勤が当たり前になってしまっています。
参照:日本建設業連合会「労働時間の推移」
このように、人手不足と高齢化が進む中で、従来型の働き方を続けていては、若手人材の確保はますます難しくなっていくでしょう。
デジタル格差
建設業界のデジタル化は、企業の規模や地域によって大きな差が生まれています。
大手建設会社では最新のデジタル技術を積極的に導入している一方で、中小企業ではデジタル化が遅れています。
これは、情報収集や人材育成の機会、投資余力の違いが要因となっているのでしょう。
たとえば、中小企業の現場ではまだ紙の書類での管理をしている企業が多いのが現状です。
出勤簿も手書きで、図面も紙のままというケースも少なくありません。
一方で、大手企業では、以下のような対応をするケースが増えています。
- クラウド型の勤怠管理システム
- オンラインでの図面共有
- ウェアラブルカメラを使った遠隔での現場確認
しかし、中小企業でも少しずつデジタル化を進めることは可能です。
スマホでの勤怠管理や、クラウドでの書類共有など、できるところから始めていくと良いでしょう。
導入コスト
建設DXを導入するためにはコストがかかり、特に中小企業にとって大きな負担となっています。
デジタル機器の購入費用やシステム導入費用、社員研修にかかる費用など、初期投資の金額が高額になりがちです。
システムの維持費や更新費用など、継続的なコストも必要となります。
建設DXの主な費用の具体例を見てみましょう。
初期費用の例 |
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ランニングコストの例 |
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中小企業では、これだけの投資に見合う効果が出るか不安を感じる経営者も多いのではないでしょうか。
実際、投資回収の時期が読めず、導入を見送る企業も少なくありません。
ただし、最近では月額制のサービスも増えており、初期費用を抑えた導入も可能になってきました。
また、補助金制度を利用すれば、コスト負担を大幅に減らすことも可能です。
建設DXが進まない
原因を解決するための対策
建設業界のDX化を妨げる原因として、人材不足や高齢化、デジタル格差、導入コストの3つを見てきました。
しかし、これらの課題は決して乗り越えられないものではありません。
ここからは、各課題を解決するための具体的な対策を紹介していきます。
主な対策は、以下の3つです。
それぞれ詳しく説明します
小規模なツール導入から始める
建設DXは、小さな取り組みから始めると良いでしょう。
一度に大規模なシステム導入を行うと、現場の混乱や社員の反発を招きやすくなります。
まずは身近な業務から少しずつデジタル化を進めることで、スムーズな導入が可能になります。
小規模な導入の具体例を見てみましょう。
すぐに始められる取り組み |
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期待できる効果 |
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このように、まずは取り組みやすい業務からデジタル化すれば、社員の抵抗感も少なく、確実に効果を実感できるでしょう。
小さな成功体験を積み重ねることが、全社的なDX推進につながります。
現場の声を取り入れる
建設DXを成功させるには、現場で働く社員の意見を積極的に取り入れることが大切です。
経営層だけで選んだツールは、実際の現場のニーズとズレが生じやすく、結果として使われないシステムになってしまいます。
現場からの要望や課題を把握すれば、より効果的なDX推進が可能になるでしょう。
現場の声を効果的に集める際には、以下のようなポイントを意識してみましょう。
意見を集める際の工夫 |
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話しやすい環境づくりのコツ |
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現場の声に耳を傾け、実際の業務に役立つツールを選ぶことで、スムーズなDX推進が実現できます。
現場からの支持があれば、全社的な定着も早くなるでしょう。
補助金を活用する
建設DXの導入コストを抑えるために、国の補助金制度を活用するのも一つの方法です。
補助金を利用することで、初期費用の負担を大幅に減らすことができます。
特に「事業再構築補助金」と「IT導入補助金」の2つが、建設業のDX推進に活用しやすい制度です。
2つの補助金制度をまとめると、以下のとおりです。
事業再構築補助金 IT導入補助金 目的 新分野展開や業種転換の支援 業務効率化やDX化の推進 補助金上限 最大3,000万円 枠によって異なる 主な要件
- 認定経営革新支援機関の確認が必要
- 3~5年で付加価値額の増加が必要
- 従業員一人当たりの付加価値向上も必要
- 導入するITツールが補助対象に該当すること
- 生産性向上に係る数値目標の設定
活用例
- デジタル技術を活用した新規事業展開
- DXによる業態転換
- BIM/CIMツールの導入
- 3次元CADの導入
- データ連携システムの構築
これらの補助金をうまく活用すれば、建設DXの導入ハードルを下げられるでしょう。
補助金の申請要件や期限をしっかり確認し、計画的な活用を検討してください。
建設業界DXを加速させる
デジタル技術とその活用法
建設業界のDXを進めるうえで、さまざまなデジタル技術が注目を集めています。
主なデジタル技術には、以下のようなものが挙げられます。
それぞれの特徴や活用法を確認していきましょう。
SaaS
SaaSは、インターネットを通じて利用できる便利なソフトウェアです。
建設現場の業務効率化に効果を発揮します。
施工管理に特化したSaaSが増えており、導入のハードルも低くなっています。
特に工事写真の撮影・管理では、業務効率化が期待できます。
建設業向けSaaSの主な特徴や具体的な活用法には、以下のようなものが挙げられます。
主な機能 | 具体的活用法 | |
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工事写真管理 |
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図面管理 |
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工程管理 |
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SaaSを活用することで、現場での作業時間を短縮し、事務作業の負担も減らせるでしょう。
業務に合わせて必要な機能を選び、段階的に導入していくのがおすすめです。
BIM
BIMは、建物を3次元モデルで表現し、設計から施工、維持管理まで幅広く活用できるデジタル技術です。
従来の2次元図面と異なり、BIMでは建物の形状だけでなく、部材の仕様や仕上げ情報なども一元管理できます。
これにより、建設プロジェクト全体の効率化が可能になります。
建設業向けSaaSの主な特徴や具体的な活用法をまとめると、以下のとおりです。
主な機能 | 具体的活用法 | |
---|---|---|
施工計画 |
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現場管理 |
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敷地調査 |
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BIMを活用すれば、施工前の問題発見や、より正確な施工計画の立案が可能になります。
現場での手戻りを減らし、品質向上にもつながります。
ドローン
ドローンは遠隔操作で飛行できる無人航空機で、建設現場での点検作業を効率化してくれます。
カメラを搭載したドローンにより、人が直接アクセスしにくい場所や危険な箇所の点検が安全かつ効率的に行えるようになりました。
赤外線カメラなどの特殊機能を備えたドローンも登場し、点検の精度が飛躍的に向上しています。
建設現場でのドローンの主な機能と活用法をまとめると、以下のとおりです。
主な機能 | 具体的な活用法 |
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空撮カメラ撮影 |
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赤外線カメラ撮影 |
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3次元測量 |
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点検・検査 |
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ドローンを活用することで、作業の安全性が向上するだけでなく、点検時間の短縮や精度の向上も実現できるでしょう。
建設現場の効率化に欠かせない技術として、今後さらなる普及が期待されています。
AI
AIは人間の知的能力を模倣し、建設現場の様々な業務を効率化・高度化できる技術です。
建設業界では膨大なデータ処理や複雑な判断が必要な業務が多く存在します。
AIを活用すれば、これらの業務を自動化したり、より精度の高い予測や判断が可能になります。
建設現場でのAIの主な機能と活用法をまとめると、以下のとおりです。
主な機能 | 具体的な活用法 |
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画像認識・分析 |
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自動設計支援 |
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データ分析予測 |
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現場作業支援 |
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AIと人間の経験を組み合わせることで、より安全で効率的な建設現場の実現が期待できます。
建設DX推進ツールの
おすすめ3選
ここまで、建設DXの課題や解決策、活用できるデジタル技術について解説してきました。
では実際に、どのようなツールを導入すれば良いのでしょうか。
ここからは、建設現場ですぐに活用できる具体的なツールを3つ紹介します。
PRODOUGU(プロドウグ)|施工管理をトータルサポート
「PRODOUGU」は、建設現場のさまざまな業務をオールインワンで管理できる総合的な施工管理アプリです。
図面管理から工事写真撮影、アルバム作成まで、建設現場で必要な機能を1つのシステムに統合されているのが特徴です。
タブレット1台で現場業務のほとんどをカバーできます。
PRODOUGUの機能や特長をまとめると、以下のとおりです。
運営会社 | 株式会社建設システム |
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主な機能 |
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価格 |
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特長 |
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PRODOUGUを導入すれば、現場での作業効率が大幅に向上し、スマートな働き方を実現できます。
図面や写真の管理をシームレスに行え、データの安全性も確保されています。
現場ポケット|現場管理のデジタル化を実現
「現場ポケット」は、シンプルで使いやすい現場管理アプリです。
工事現場に必要な機能に絞って開発されているため、操作がシンプルで分かりやすいのが特徴です。
特に建設DXの第一歩として導入を検討している企業におすすめです。
現場ポケットの機能や特長をまとめると、以下のとおりです。
運営会社 | 株式会社アステックペイント |
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主な機能 |
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月額料金 | 13,200円~ |
特長 |
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現場ポケットは、必要最小限の機能とシンプルな操作性で、建設現場のDX化を無理なく進められるツールです。
工事台帳アシストAI|書類作成の効率化
「工事台帳アシストAI」は、AIを活用して工事台帳作成と原価管理を自動化するクラウドツールです。
従来、手作業で行っていた工事台帳の作成や管理をAIが自動化することで、作業時間を大幅に削減できます。
異なるフォーマットの書類も自動でデータ化できるのが特徴です。
工事台帳アシストAIの機能や特長をまとめると、以下のとおりです。
運営会社 | ネクスゲート株式会社 |
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主な機能 |
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価格 | 要問い合わせ |
特長 |
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工事台帳アシストAIを導入すれば、管理業務の時間を大幅に削減でき、現場作業員はより大切な業務に時間を使えるようになります。
まとめ
建設業界のDXは、さまざまな課題を抱えながらも、適切な対策と最新ツールの活用で着実に進めることができます。
人材不足や高齢化、デジタル格差、導入コストといった課題は、段階的なアプローチと具体的なツール選びで解決可能です。
小規模なツール導入から始めるたり、現場の声を積極的に取り入れたり、補助金制度を活用してコストを抑えたりすると良いでしょう。
ツール選びでは、用途や目的に応じて使い分けるのがおすすめです。
最初にDX導入をする場合は、シンプルな機能と使いやすさが特徴の「現場ポケット」が適しています。
原価管理の効率化を目指すなら、書類作成を自動化できる「工事台帳アシストAI」が効果的です。
さらに総合的な現場管理を実現したい場合は、図面管理から写真整理まで一元化できる「PRODOUGU」が役立つでしょう。
建設DXは一朝一夕には進みませんが、できるところから少しずつ始めることが大切です。
本記事で紹介したツールを参考に、自社に合った方法でDX化を進めていきましょう。
PRODOUGUに興味がある方、建設現場のさまざまな業務をオールインワンで管理できるアプリを活用し、業務を効率的に進めたい方は、ぜひPRODOUGUの導入をご検討ください。
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